「ゲームオーバーです、有田先輩。…いえ、シルバー・クロウ」
CV:小林沙苗
概要
ハルユキ達が2年になった時に、梅郷中学校に入学してきた新入生。
体は細く、身長は155cmくらい。サラサラした髪を坊ちゃん刈りしており、遠目に見ると女子と見間違えるほど整った顔付きをしている。
実はブレイン・バーストで暗躍する謎の組織「加速研究会」の一員であり、口調は丁寧だが本性は残忍。
この性格をさらけ出している時は瞳を見開いて三白眼になり、歯を剥き出しにして嗤う。
入試や剣道部で優秀な成績を収めているが、これは過去のタクム同様に加速を使用した事によるものである。
作中での行動(原作・アニメ版)
ハルユキ達が自身を怪しんでいる事は既に知っており、黒雪姫が沖縄への修学旅行でいなくなった間に、女子更衣室の盗撮動画を撮影し、ハルユキに盗撮疑惑の濡れ衣を着せる。
更にその動画を盾にチユリを脅迫したあげく、その直後の対戦でシルバー・クロウの飛行アビリティを自身のデュエルアバターの必殺技「魔王徴発令(デモニック・コマンディア)」で奪い取り、バーストポイントの献上を要求するなど、加速世界とリアルの両方でハルユキ達を苦しめた。
この後ハルユキがアッシュ・ローラーにスカイ・レイカーを紹介されるなど皮肉な展開を迎えることになるが、これも一種のターニングポイントなのかもしれない。
ブレイン・バーストにおける「親」であり兄でもある優一から何でもかんでも奪われた過去があり、これがトラウマとなっていた。その過酷さは加速世界でも兄にバーストポイントを貢がされた程である。この過去から「魔王徴発令」を会得し、かつての鬱憤を晴らそうと兄をポイント全損に追い込み、「他人から全てを奪う」人格を形成した。
シルバー・クロウとシアン・パイルを一度は下すが、その後違法な「ブレイン・インプラント・チップ(略称BIC)」の使用が発覚したこともあり、無制限中立フィールドでの決闘を提案した。
無制限中立フィールドでの決闘では、レベル9同士のバトル以外でもサドンデス・ルールを適用できる「サドンデス・デュエル・カード」を使い、ハルユキ&タクム両者とのサドンデス・デュエルを始めるが、「一人で来る」という約束を破りブラック・バイスをあらかじめ無制限中立フィールドで待ち伏せさせておくなど用意周到だった。
タクムとの戦いではシアン・ブレードを出したタクムと心意攻撃による戦いを繰り広げるも肉薄され、その状況を抜け出そうとライム・ベルを人質にとったあげく2人の前で痛めつける。
行動不可能になったシアン・パイルに攻撃を仕掛けトドメを刺そうとした瞬間、神獣級エネミーをテイムし沖縄から15時間も走り続けたブラック・ロータスに乱入されて形勢が逆転してしまう。
最後の戦いではゲイル・スラスターを身に付けたシルバー・クロウと再び戦うも徐々に追い詰められていく。
そしてハルユキにトドメを刺される直前にライム・ベルの必殺技「シトロン・コール」によってHPゲージが全回復したと思いきや、奪い取ったはずの飛行アビリティをシルバー・クロウに戻され、直後のシルバー・クロウの攻撃と地面への激突によってHPゲージを1割弱に減らされる。
その後ブラック・バイスに助けを求めるも、状況不利と判断したブラック・バイスに見捨てられた後ハルユキにトドメを刺されポイントを全損してしまい、加速世界から永久退場した。トドメを刺される寸前まで力に執着し、シルバー・クロウ達に命乞いをしながら這いずり回る様は自業自得とはいえ、どこか哀れで悲しいものがあった。
その後はブレイン・バーストに関する記憶を全て失っていた。
あれだけ面と向かって話し合ったハルユキの事はすぐには思い出せず、盗撮疑惑の動画のこともとっくに忘れてしまっていた。
永久退場後は本来の心優しく真面目な性格に戻り、剣道部のもとでタクムと共に剣道に打ち込んでいる模様。
また、タクムのことを「拓(タク)先輩」と呼び慕う等、タクムとの関係も良好なようだ。
「えっと…あのゲーム…何て名前でしたっけ…?」
作中での行動(ゲーム版)
銀翼の覚醒
ゲーム版本編ネタバレにより割愛推奨。
ゲーム版では原作・アニメ版とは違い生徒会庶務も掛け持ちしている。
このことについては黒雪姫曰く「体育会系の部活と生徒会の掛け持ちはあまり例がない」だそうだ。
梅郷中学校に入学するまでの流れは原作と同じだが、
ハルユキとの初対面は2047年4月中旬でのタクムとの朝練を終えた後で、自身は猫をかぶりながらハルユキ達に接し始める。
黒雪姫が沖縄への修学旅行に出かけている時でも本性は現さず、ラスト・ジグソーが代役を担うかのごとく加速世界を荒らし回っていた。
6月、ジグソーによる襲撃が終わる少し前に梅郷中での球技大会で運営委員に参加し、その活動の中でチユリと面識が出来た。その翌日にハルユキ達にランチに誘われ、「気分転換にゲーム(ブレイン・バースト)でもやってみないか」と誘われるものの、「ゲームをやるくらいなら僕は現実に時間を費やす」とハルユキ達の誘いを断った。
ブレイン・バースト公式タッグ大会でも何も行動を起こさず、決勝戦にジグソーとブラック・バイスが出て暴れまわっていた。
その間の好青年ぶりはチユリですら「能美を子にしよう!」と言い出すほど。
このまま「いい後輩」としてハルユキ達に馴染んでいくものと思われたが…。
それで終わらないのが能美だった。
夏休みの剣道全国大会では原作と同じようにフィジカル・バーストを使用。
少なくとも団体戦では1回も加速していなかったが、個人戦の途中からフィジカル・バーストを使い始めたようである。
全国大会本戦でも加速を用いて全国1位の座に輝いた後、リアルで何か危害を加える前にシルバー・クロウの翼を略奪し、それが元でリアルで本当にハルユキに殴られた。
それでも殴られた後に怯えていたのは演技であり、自身は一向に悪事をやめず、リアル割れを誘発するウイルス(ソーシャルタグ(自分の年齢や趣味などを表示するタグ)を強制開示させるもの)をチユリに譲渡してハルユキのニューロリンカーにそのウイルスを仕掛けさせるなど、原作・アニメ版に負けない程の悪辣さを見せつける。
最終決戦ではνISSキット(ゲームオリジナルとなっているISSβキットの上位版)を装着し、威力抜群のダーク・ショットとダーク・ブロウでハルユキ達を苦しめた。
その決闘に追い詰められた時にベルを上空高くまで持ち上げ、自身の必殺技でベルの持っている鐘をシトロン・コールごと奪った。その奪った鐘で自分にシトロン・コールをかけ、HPを全回復。
…ところが、装着していたνISSキットが暴走し、クロウやベルの正の心意まで増幅させてしまう。結果、翼だけでなく奪ったばかりのシトロン・コールまで失うという大惨事に発展してしまった。
敗色が濃厚になると、今度は災禍の鎧「ザ・ディザスター」を取り出し装備しようとした…が、ロータスの持っていた「サフラン・ハート」がザ・ディザスターに反応し、ザ・ディザスターに取り付いていた呪いを中和。こうしてザ・ディザスターは消え去り、原作と同じようにバイスに見捨てられ、クロウにとどめを刺されたのだった。
猫をかぶっている時の態度がなまじ「いい後輩」だっただけに、本性を現した時の衝撃が大きい。
終盤には「どうせ弱みを握って取り入るなら、ブラック・ロータスやスカイ・レイカーのような骨のある女性の方が楽しめたかな」という名(迷?)言もある。いずれにせよ、ミイラ取りがミイラになる展開になるのは間違いないが…。
全損後は剣道で加速能力を使っていた時のように勝てなくなった事にショックを受け、一時は剣道部を退部しようと考えた事もあったが、タクムの説得により退部を思いとどまる。
- 加速の頂点
原作は未完のまま、アニメ版も2期が出るかどうか分からないという状況の中で独自のストーリーを展開した前作での出来事の後、今は立ち直って剣道と生徒会の両立に励んでいる。
なお、「迷子姫の帰還」「ネコ侍現る!」という2枚のCGでその後の彼の様子が出ている。「迷子姫の帰還」では生徒会役員としての彼、「ネコ侍現る!」では剣道部員としての彼をチラっと見ることができる。
関連人物
飛行アビリティを奪い、犬にしようとしていたが、叩き潰すたびに心意の力を手に入れたりチップの秘密を知られたりと噛みつかれる。最終的には彼ら幼馴染みの絆の前に敗れ去った。
能美を討ち倒したMVP。従順な姿に油断し、自分の評価をも賭ける策士な一面の前に敗北した。
後に論破され、トドメを刺されるなど完全に天敵と化している。
原作、アニメにおいてマトモな顔合わせすらしていないが、黒雪姫がバイスを足止めし、レイカーがゲイルスラスターを与えた事で空の土俵に上がれたことを考慮するならば、影のMVPといえるだろう。
後にロータスにはISSキットの本体を破壊され、そこから噴出した悪意の情報の直撃をくらうという、もう1巻も待たずしての退場となる原因を作られた。
役職的に上司に当たる存在。能美本人も状況に余裕があったうちは敬語で接していたが、能美は「意見の相違」、バイスは「ポイント分は働くよ」といっている事から、互いにまともな敬意すらない事が窺える。
事実、能美が全損の危機に陥って横柄な口調と態度で助けを求めた時はリスクを取ってあっさりと見捨てた。
しかし後の事を考えると、彼を効率よく使うために始末したとすら考えられる。
属す組織。だがレギオンのように組んでいるわけではなく、文字通りの『サークル(集まり)』でしかない。
実力に劣る自分の事を「主力」と称していた事から、下手をするとサルファ・ポッドやラスト・ジグソーの事を知らなかった可能性がある。
能美優一
弟である能美に兄弟間虐待を行い、精神を歪めた『親』にして全ての元凶。アニメで見るかぎり一見人が良さそうな顔に太い眉、ガタイの良い体が特徴。
ダスク・テイカーをデカくゴツくしたようなデュエルアバターを持ち、アビリティを所有していたらしい。
幼い頃からお菓子やお小遣い、ゲームやおもちゃなどを取り上げる「本物の略奪者」だったらしく、逆らえば能美すら「とんでもない」と称する暴力を振るったらしい。
唯一仲良くしてくれた女の子
能美が過去を明かした際に言及した唯一の『絆』。
兄が奪ったらしく、友情に吐き気を覚えたりいらないと吐き捨てた事から、裏切られたのか、それとも……。
一部のデュエルアバターは願いを体現した存在になるという説から、能美が本当に奪い『返し』たかったのはこの女の子だったのではないかという考察がある。
関連イラスト
関連タグ
アクセル・ワールド 加速利用者 ダスク・テイカー 加速研究会