「脱出―っ!」
「なんでも食べるからな。大きく丈夫になるんだ」
概説
年齢29歳。ZAT極東支部副隊長であるが、中期以降は実質的に隊長として指揮を取る。
朝日奈隊長からの信頼も厚い模様で、隊長と同時に登場した回は数えるほどしかない。
二谷一美副隊長と交代して宇宙ステーションに転任するまで、指揮下の隊員に一人の殉職者も処分者も出さず、基地に宇宙人の侵入も許さなかった名指揮官である。
人物
朝日奈を除けば隊員中で最年長であり、年長者ゆえの度量の広さで隊員に休暇を出したり部下の心情を読み取って宥めるといった描写が多く、鷹揚だが要所は締める。
与えられた権限のほかに権威、規則を適切に使う能力にも優れ、前述の基地防衛や民間団体への抗議など硬い対応を必要とされる局面で大きな威力を発揮した。
また指揮官として当然ではあるが、万事特に戦闘において決断が早い(ただし、フライングライドロン戦のように逡巡することもある)。しばしば「脱出っ!」が代表的な台詞と揶揄される(演じた東野孝彦氏自身もそのように発言している)が、対生物用の溶解液も持っていたとおぼしきロードラ戦で全武装を失った際に即座に走って逃げることを決断したケースなど、隊員に殉職者を出さなかった大きな要因であることは間違いない。
MACやUGM隊員の撃墜死の多さを考えると、機体を失っても部下は毎回生還させている荒垣の能力は評価されるべきである。
年長者として大人の立場で発言することが多いが、純粋さを完全に失ってしまったわけではなく、グロン戦後のように不思議なものの存在を信じる発言をすることもある。ふざけて東光太郎をからかうなど悪戯な一面も見せたことがある。
おにぎりをおかずにカレーライスを食べるという大食漢である。
怪しげなカニやキノコを食べても腹を壊さなかったことから、胃腸も丈夫なのであろう。
容姿の変化
容姿は三度変わっている。最初はサングラスをかけ、どこの刑事課長だという顔、次は口髭を生やした強面だったが、中盤で剃り落とした(ほとんど刑事ドラマの悪役であり、視聴者特に保護者に不評だったらしい)。第49話では髪をポマードで固めていた。
声色の変化
東野氏が第50話の撮影終了後にスキーで脚を骨折して入院したため、番組から降板。第49話と第50話のアフレコでは『帰ってきたウルトラマン』のナックル星人、『ウルトラマンA』のギロン人、マザロン人、ナマハゲの声を演じた沢りつお氏が代役を務めている(『タロウ』のみならず当時の特撮番組は、本編すべてアフレコで声を入れていた)。ちなみにナレーションを担当していた瑳川哲朗氏も、最終回直前に急病のため事実上降板し、第51話の予告から朝日奈隊長役の名古屋章氏が代理を務めた。
余談
東野氏は、光太郎役を演じた篠田三郎氏と『シルバー仮面』第5話でも共演している。