概要
「電波オークション制度」とは、電波をどの量でどのように使用するか審査や届け出を行い定められた金額を支払うシステムを改め、一定の範囲の使用権や利用料をオークションで決定しよう...という思想に基づいて、その利用権をオークション・入札によって付与する制度である。
これは特に携帯電話等や放送の電波利用の新たな割り当てに対し行われる場合が多いとされる。
電波利用に関して
電波は目に見えないだけで、有限な資源である。そこで政府や組織などで適正な利用がされることを目的とし、使用される機材や目的あるいは利用者を決定する必要がある。
これらは審査や届け出が必要となり、さらに適正に利用されているか、あるいは違法な利用がなされていないかの調査も必要となる。
そのための財源として建前上、施設、無線機などの利用者から料金を徴収する。これが電波利用料と呼ばれるものである。
電波利用料
この料金に関してはいくつかの問題が存在しているといわれる。これらは国により異なると思われるが、以下の問題は特に日本国における問題である。
メリット・デメリット
メリット
- 基本的に電波利用料の収入が増加する
- これまでの審査とは異なり、手間は大幅に省ける
- 特定団体への忖度など不透明な点が存在する審査などのふるい分けよりも結果の透明性がある
- 既存業界によるサービスとは一線を画した新規加入の会社によるサービスが行われる可能性
デメリット
- このシステムに法律等が対応しておらず、法律等の改正が必要になる場合も存在する
- 想定よりも入札金額が高額となると会社が破綻したり事業の撤退が発生する
- 割り当てが少なく、電波利用料が高額となることが想定される場合、資本のある団体や会社しか参加できない
- その中にはまっとうな団体のみならず「よからぬ目的」を持つ会社が含まれる場合もある
- また経費の上昇によりそれまでの利用料が値上げされる可能性がある
- さらに業者の入れ替えが発生するという事態も存在する
- また、入札に参加する業者が少ない場合、本来支払うべき価格よりも収入が落ちる逆転現象も
最悪のパターンとしては金だけ持ったアレな各種団体が放送を牛耳るようになり逆に財政基盤の弱いテレビ東京あたりが権利を失うという事態や、電話料金が非常に高額になる、あるいは購入した端末が利用できなくなるなど。
世界における状況
日本
日本国においては電波の管理は総務省が現在行っているが、この制度は現在実施されていない。
この行為をはじめとする「電波の自由化」に関しては民主党政権のマニフェストに登場するなど政府は実施の意思はあるものの、業界や野党、あるいは与党内などの抵抗が存在するらしく、進展はあまり見られない。
国外
このシステムはアメリカ合衆国、イギリス、ドイツ、フランス、大韓民国等で行われている模様であり、上記の通りメリットやデメリットが明らかになっている。