阪急電鉄3100系
高速運転が必要なかった阪急宝塚線用として、阪急3000系を低速仕様としたのが阪急3100系であり、最後の宝塚線用の車両となった。1964年から1967年にかけて40両が製造された。1975年から1985年にかけて冷房化改造を実施後、1988年から支線への転属が行われた。
阪急9000系・阪急1000系(2代目)投入による既存車両の支線への玉突き転属により、3100系の廃車を開始。2016年の3150編成引退後は、3000系3052編成に組み込まれている中間車T3651号車のみとなっていたが、T3651号車も2018年に廃車除籍となり形式消滅となった。
余談「3109号車」
1995年に起きた阪神淡路大震災により、3100系3159編成のMc3109号が被災。修復不能のため廃車となったが、その代わり3000系3072編成のMc3022号を改造して3100系に編入し、2代目のMc3109号として改番、引き続き活躍させることになった。2代目Mc3109号は2013年廃車。
能勢電鉄3100系
能勢電鉄線内の運用増のため、阪急3100系のうち、3156編成(4両1本)が1996年に能勢電鉄へ移籍し改番、3170編成となった。阪急電鉄は内装が木目調であることが有名であるが、能勢電鉄移籍に際し、内装が大幅変更された(木目調ではなくなった)ほか、前照灯も独自のものとなったため、阪急グループの中で異端な存在となっていた。
1編成しかないという事もあり、(メンテナンス面を考慮し)2021年4月運行終了。
名古屋鉄道3100系
1997年から2000年にかけて2両編成23本が製造された。(3500系(4両編成)をベースに車体断面を箱形に変更した)3700系(4両編成)を2両編成にアレンジしたものであるが、実際は床下が3700系とはまったく異なり名鉄では初となるIGBT素子のVVVF装置を採用(三菱及び東芝製)。SIV故障時にはインバータの一部をSIVとして使用できる構造になっており、これも大手私鉄では初採用。
3700系とは異なり1700系・2200系と併結して快速特急・特急の増結運用に就くことが可能である。以降の2両編成の新造は3150系へ移行した。
快速特急・特急の増結運用が日常的なため、見栄えを考慮して2019年から2024年にかけ、全編成が順次塗装変更を実施。
特急用2200系に似た赤白ツートンカラーへの塗装変更は本系列のみが対象で、3500系・3700系は赤一色のまま現状維持となる。ただ、3100系は赤一色の車両との連結も日常茶飯事なため、こちらでは逆に見栄えが悪いという評価もある。
ちなみに、3120~23編成の3次車ではモニター装置の搭載や主幹制御器の変更、車外スピーカーの搭載など変更点が多い。これらは特急用1600系の設計を反映したものだが、他形式との連結時にエラーを起こすという1600系同様の(後に顕在化する)問題が多発したり、新羽島駅や新岐阜駅でオーバーランに伴う車止めに激突を起こしたり、落雷で 故障して長期間運用離脱したりと、何かとトラブルが目立つグループになってしまっている。そのためファンからは惨事車と揶揄されることも…