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SCP-1162

えすしーぴーいちいちろくに

SCP-1162とは、怪奇創作サイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクト(怪異)の一つ。
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概要編集


アイテム番号:SCP-1162

オブジェクトクラス:Euclid



SCP財団が管理するSCPオブジェクトの一つ。通称「壁の穴」。

サイト-31収容室4のシンダーブロックに空いている。直径はおよそ14.5cm、深さは人が手を突っ込んでみる度に変化しているらしく、正確には測定できていない。また、内部は常に暗く、どんな光源を用いても内部を照らし出す事はできない。


最大の特徴として、人がこの中に手を入れて探ってみると、何かしらの物体が指に触れる。そしてそれを引っ張り出してみると、なんとそれはその人物が過去に失くしてしまったものだったり、探し求めていたものだったりする。しかし、それを取り出すと同時に「今自分が身に着けているもの」がランダムで消失してしまう

逆に言えば「(現在の)自分の持ち物」を一つ失う代わりに「探していたもの」が手に入るという不思議な穴である。ただし、今となっては必要のないものが引き出されたり、取り出したものと価値が全く釣り合わない代物が失われてしまったり、場合によっては失くしたわけでも探し求めていたわけでもないはずの物品が出てくる事もあったりと、その異常性を制御するのは難しい。


一度も異常性を発揮しないまま168時間が経過すると、勝手に半径2,000km以内のどこかの壁に転移してしまうため、収容を維持するためにも定期的に実験を行う必要がある。また、壁の裏側からこの穴を覗き込もうとした場合でも同様に転移してしまう。

元々は財団の機動部隊に所属するエージェントによって中国にて偶然発見されたが、上述の異常性によって様々な地域に転移しまくり、各地に「魔法の穴」なる噂を撒き散らしていたらしい。最終的に偶然サイト-31の壁に出現したため、そのまま収容されている。


実験記録編集

さて、ある意味本題はここから。

SCP-1162はその収容維持目的(及びその異常性の面白さ)から非常に多くの実験が実施され、その結果が記録として残されている。それらを少し紹介しよう。

ちなみに実験自体はレベル1以上のクリアランスを持っているなら申請すれば誰でも試せる。また、その実験結果は全てレベル1以上のクリアランスで閲覧可能とされている。とは言え、内容によっては一部編集・削除されているデータも存在する。


エージェント K█████████編集

財団に記録されている中で最も古い実験記録。財団の標準的支給品であるの弾倉が出てきた(中身は空)代わりに彼のお気に入りの財布が消失。不幸中の幸いというべきか、中身は無事で財布「だけ」が消えてしまった


クレフ博士編集

アクイラのウクレレ弦を入手。代わりにダダリオのウクレレ弦を失う。アクイラ(Aquila)もダダリオ(D'Addario)も有名な楽器の弦のメーカーである。博士曰く「妥当な交換と言えるかな」との事。


D-4010(2回目)編集

何も持っていない状態ならどうなるのか、という検証のために全裸で実施。すると1987年に彼が持っていた運転免許証を取り出すと同時に激烈な腹痛を訴えてその場に蹲ってしまった。検査の結果、左の腎臓が繋がっているはずの血管ごと切除されていることが判明。これ以降、被験者は必ず衣服を着用した上で何かしらの物品を一つ以上持って実験を行うように義務付けられることになった。


エージェント G█████編集

彼の左の靴紐が消失した代わりにトンデモナイモノが出現。これ以降、生物学的危険やミーム災害、あるいはKeter級オブジェクトを探索している職員がSCP-1162の実験をする際には所定の手続きを必要とする事となった。


キング博士編集

取り出されたのはポリ袋に入った大量のリンゴの種、その数なんと492粒。流石はミスター・アップルシード、期待を裏切らない。地味に被験者が失ったわけでもないものが出現した初めてのケースとなった。ちなみに失われたのは金のロレックス腕時計。クレフ博士と違って明らかに釣り合いが取れていない。


グラント上級研究員編集

私物のペン60本を持ち込み連続で実験に挑む。最初はいろいろ出てきたものの、4回目以降は前の実験で失われたペンが戻って来ては手元の別のペンが消失する形になり、30回目にて断念。


エージェント ルミナス編集

グラント上級研究員の実験結果を踏まえて大量に似たようなものを「給餌」された場合は再帰的になると考察。そこで敢えて様々な種類の私物を持ち込んで連続で実験を開始。ところがその最初の実験で彼のSCP財団バッジが失われるという非常事態が発生した(代わりにノーブランドのサングラスが出てきた)。後に彼には新しいバッジが支給されるも、同時に「SCP-1162で失った」という言い訳は備品紛失の理由として認められなくなり、専用の貴重品ロッカーが設置されることになった……というのに、何故か懲りずに実験室に貴重品を持ち込んで始末書を書く羽目になるスタッフは後を絶たない模様。


エージェント ホワイト(3回目)編集

夫を持つ彼女が持っていてはマズい「ナニカ」が出現。代わりに彼女が身に着けていた下着が失われる。彼女は「これは私のものじゃない!」と大慌てで弁解した。回収された「ナニカ」についての詳細な回答が得られなかったため、人事部に回された上で綿密に調査されることになったが……。


ネイマン博士編集

大量のゴミが入ったゴミ箱を持ち込んで実験を開始。グラント上級研究員と同じように最初は上手くいっていたが、またも4回目にしてゴミ箱そのものが消失して中身がぶちまけられる結果に。博士は「そのパターンは考えてなかった」という。


ヒューマン博士編集

外装に名前を刻印した2GBフラッシュドライブが出現。代わりに失われたのは博士の全身のあらゆる体毛内臓を持っていかれたD-4010に比べればマシかもしれないが……。


エージェント ルミナス編集

「貴重品を実験に持ち込むな」という規約を作るきっかけとなった張本人が再度SCP-1162に挑む。今回は彼の失くしたiPod nanoが出現したが、代わりに失ったのはそのiPod nanoの代わりとして彼の恋人から彼の誕生日に送られた、彼の名前が刻印された同型のiPod nanoだった。「彼女になんて言えばいいんだ」と頭を抱える事になったのは言うまでもない。というか、前回の実験で「貴重品を持ち込むな」と誰よりもしっかりと学んだはずだろうに。


オールデン博士編集

鉛筆1本を失う代わりに、数か月前から行方不明になっていたペットのタランチュラが変わり果てた姿で取り出された。流石にショックだった模様。


モリス博士編集

映画「ファイトクラブ」のDVDが出現。代わりにモリス博士の記憶からかつて見たはずのこの映画に関するものが消去された。「記憶」が失われるのはこれが初めてのケースで、どうやら失われるものについては物理的なものに限らない模様。


エージェント ヘィ編集

色褪せた彼の母親の写真を入手すると同時に、当人は胸に鋭い痛みを覚えた。「感傷」というわけではなく、後の検査でガンの可能性が非常に高い肺小葉が消失していた事が判明。なお、彼の母親は財団の機動部隊イプシロンの一員だったらしい。


……その他未翻訳のものも多数。


関連タグ編集

SCP_Foundation

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