概要
今のところ拵は不明。
三代鬼徹にも似た逆巻く炎のような禍々しい刃紋が特徴で、鍔の意匠もまた独特。
作者は和道一文字と同じ霜月コウ三郎。
かつては天羽々斬と共に、「おでん二刀流」の使い手だった光月おでんを支えていた伝説の刀。
おでんの死後、光月日和に託された(保管していたのは天狗山飛徹)が、ワノ国において国宝として重要視されている秋水の返還を渋るゾロに、その秋水に代わる刀として日和から提供された。
正しく「名刀」と呼ばれるに相応しい伝説級の切れ味と攻撃力を誇り、その斬撃の威力は「地獄の底まで切り伏せる」とまで謳われる。
作中でも規格外の防御力と耐久力を誇る百獣のカイドウの体に天羽々斬と共に傷を付けた刀である(カイドウの腹部にはその斬撃による生々しい大傷が今も残されている)。
しかし、その攻撃力は閻魔自体の『持ち主の流桜(覇気)を強制的且つ過剰に引き出して斬撃に乗せる』という妖刀とほぼ同じ理屈を持つ特性に由来するもので、極めて制御が難しい。
一度振り抜くだけでも莫大な覇気を消耗する事になるため、実力が伴わない者が振るえばそれだけで干からびてしまう。
そのため、閻魔を扱うのであれば極限まで鍛え上げた強靭な肉体と覇気が必要不可欠となる。
ワノ国においても閻魔の制御に成功した者は光月おでんただ一人であったという。
ゾロも最初は試し切りのつもりで軽く振り抜くも、目の前の木を斬り付けるつもりが大地もろとも叩き斬ってしまい、おまけに覇気の過剰放出によって息切れを起こし、腕に至ってはミイラのように痩せ細るほどに消耗した(その後、腕は気合で覇気ごと元に戻した)。
アニメ版では、ゾロが振り抜く前に閻魔が強制的にゾロの腕から覇気を引き出し、覇気が周りにも見えるようにゾロの身体を包むように引き出され、ゾロが振り抜いた時には斬撃に乗った覇気が大地を切り裂き海まで届くようになっていた。
錦えもんからは完全な善意で「自分なら貰わない」と忠告され、飛徹も閻魔の代わりに他の刀にするかと提案をしたものの、逆にゾロは閻魔の特性を気に入り、「閻魔に慣れた時……おれはもっと強くなってる」とその制御を目指して修行に入るのだった。
元々三代鬼徹という妖刀を扱っていたゾロの手には割と直ぐに馴染んだようで(飛徹は閻魔が一番馴染む理由を閻魔と同じ作者が鍛造した和道一文字を持っていたからと推測している)、鬼ヶ島への討ち入りの時点では概ね問題なく扱えるようになった模様。
また、いざという時は閻魔の性質を能動的に「解放」し、攻撃力を一時的に強化する手段として利用している。
「解放」された閻魔は攻撃前の構えを見ただけで「四皇」の二人が寒気を覚え、本気で警戒するほどの恐るべき迫力を秘めるが、やはり制御は難しく、ゾロはそのまま一度振るうだけで息を切らせていた。
なお、飛徹曰く「まだ黒刀に成っていない」ため、今後のゾロ次第で位列も上がるらしい。
コウ三郎は閻魔を『人生最高の一振り』と語っており、閻魔について『気性はド真面目』と言っており、覇気を強制的且つ過剰に吸うのも閻魔が真面目に刀としての役目を果たすためにしているだけらしい。
キングとの闘いの最中にゾロの意志に反して、勝手に覇気を過剰に吸い始め、力を解放し出し、一度はゾロが止めるが、覇気のコントロールに苦戦してしまうが、ここで彼はかつて村にいた「ジジー」こと霜月コウ三郎の話を思い出す。
刀とは人を殺すための道具であり、刀はその存在意義に従って振舞っているに過ぎない。
俗に妖刀と呼ばれる刀は、ただそういう個性を持っているだけであり、「自ら使い手を選び、その上で本当に己を振るうに値するかを試そうとする」と。
三代鬼徹をゾロが手にした時も同じ、あの刀は来るべくしてゾロのもとに来た。
そして、ゾロが十分な力を備えていたからこそ鬼徹はゾロの武器となった。
閻魔もそれは同じ。
勝手に解放状態になるのは閻魔の気性と個性によるものであり閻魔には悪意は無く、制御できていない理由は一つ、「ゾロの実力が閻魔の求める力量に届いていない」要は未熟が原因だった。コウ三郎との話を思い出したゾロは、おでんは閻魔に覇気を過剰に吸い取られ続けても余裕で戦えたと察する。
自身の未熟を自覚したゾロが、閻魔を制御することを辞めてあえて閻魔のやりたいようにやらせることを決めたことで、閻魔がゾロの覇気を吸い取り続け、最終的にゾロの中に眠っていた「覇王色の覇気」を引き出した。
余談
閻魔の元の持ち主であった光月おでんは382cmの長身であり、ゾロの閻魔入手後に描かれたおでんの生前のエピソードにおいても、閻魔(および天羽々斬)は彼の体格に見合った長刀として描かれていた。しかし現在ゾロ(181cm)の手に渡ってからは彼の元々の愛刀たちと大差ないほどまでサイズが縮小されている。
もしかしたら、おでんのように扱える者がいなかった為、打倒黒炭オロチの戦いに用いるべく、おでんの死後に天羽々斬ともども打ち直されて、今のサイズへと改められているのかもしれない。
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