概要
通常、動力を持たず、主に機関車等により牽引される鉄道車両の事を指す。広義には電車、気動車等の主に人員輸送による営業を目的とした車両全般を含める。ここでは狭義の客車について説明する。
日本においては寝台列車である「ブルートレイン」が代表的だが、国内では客車列車はごく少数派となっている。
これは日本の狭い地形や日本の鉄道の高頻度運転傾向(ローカル線で見られる1時間に1本でも世界的には超・高頻度)においては、加減速性能が電車・気動車より悪い事や進行方向の転換時の煩雑さ、また重量の大きい機関車が走行することによる軌道・路盤への大きな負担等が嫌われた事が主な要因とされる。また、バッファ無しの自動連結器方式が早い段階で主流になったことも遠因とされている。
一方でSLの牽引には欠かせない存在であり(こればかりは電車を牽引するわけにもいかない※)、日本においては将来ブルートレインが全廃した後も最後まで残ることになりそうである。
- ※:(蒸気機関車に限らず)イベントなどで機関車を主役に出す場合、特に地方私鉄が自力で客車を保有したり貨車改造のトロッコ列車にすることもJR各社や大手私鉄などから借り受けることも困難な場合、電車や気動車がすっとぼけて客車の真似をしていることもある。ファンの方も大人の事情と割り切っている。また著名な大井川鉄道のSL用客車の一部は元西武鉄道の電車である。有名なスイテ82形展望車ももとは西武501系サハ1515。ただしこちらは電車としての動力は完全におろし付随車状態となっており、いわば純粋な客車になっている。さらにはJR東日本はJR北海道の使用していた客車改造気動車を連結し補機および回送時の牽引車両として用いている。
海外における運用より、電車または気動車による高速鉄道が徐々にだが増加しているが、先進国以外ではまだまだ主力の国が多い。
ピクシブ百科事典に存在する項目
国鉄:20系客車(20系) 12系 24系(24系25形) 50系(50系客車)
客車改造:キハ08系(キハ40) キハ33 キハ141系 事業用車:マヤ34