概要
漫画『NARUTO』の登場人物、うずまきナルトと日向ヒナタのカップリング。いわゆる「主人公×ヒロイン」ではなく、「主人公×サブヒロイン」というややめずらしい組み合わせだが、漫画本編の完結後に劇場版にて『主人公×ヒロイン(あくまで恋愛的な意味として)』として描かれるに至った。
もともとこの二人の関係は物語上のメインとなることは少なかったが、話の進行に伴い重要性が増している。なお、第一部で自来也と共にナルトが木ノ葉隠れの里から旅立つのを見送っていたのもヒナタである。
また、テレビアニメ版では、原作にない二人の絡みを数多く見ることができる。これは1話20分という時間の制約や、原作に追いつかれないよう尺を伸ばすためであろうが「アニメスタッフにはヒナタ好きが多い」という噂が出回るほど顕著である。
TVシリーズの記念すべき第1話「参上!うずまきナルト」から既に、忍術アカデミーの卒業試験の「変化の術」に挑むナルトをヒナタが陰ながら応援するという描写がある。
またヒナタはナルトと同じ「真っ直ぐ自分の言葉は曲げない」という『忍道』を掲げている。
本編でのナルトとヒナタの関係
本編開始時点で、ナルトは春野サクラが好きであると公言している。
しかし、サクラの方はうちはサスケに好意を寄せており、7班内で三角関係となっている。
ヒナタはアカデミー時代からナルトに想いを寄せていたものの、他班(8班)のメンバーのため、三人の関係と密接に関わることは無い。
また、ヒナタはいわゆるメインキャラではないことから作中での出番は少なく、ナルトと絡む場面もサクラの方が圧倒的に多かった。
二部に突入して以降もナルトとサクラは引き続き同じ7班の仲間として行動を共にしているが、二人の仲は両思いにまでは進展していない。
サクラが抜け忍となったサスケを未だに想い続けていることに加えて、ナルトがサクラとの約束を守れなかった負い目から彼女に対して遠慮しているのも原因の一つである。
中忍試験
ヒナタを初めとした多数の同期キャラが初登場した「中忍試験編」では、二人の関係に少し変化が見える。
第三試験でヒナタは日向一族の分家で自分の従兄である日向ネジと対決する。最初はネジに自分の精神状態を看破されて戦意喪失しかけたヒナタだったが、ナルトからの声援を受けて戦意を取り戻し、ネジに向かっていった。
結果は敗北してしまったものの、強敵のネジ相手に最後の最後まで立ち向かったヒナタに対するナルトの好感度が上がっている事が見て取れる。
その後、ネジとの試合前にナルトはヒナタに「自分は失敗ばかり」「強がっているだけだ」と珍しく弱音を吐いているが、その後ヒナタから「ナルト君は私から見たら誇り高き失敗者だった」と励まされて気合いを入れ直している。この後行われた試合でナルトは見事にネジに勝利し、試合後にヒナタの父ヒアシがネジに彼の父ヒザシの死の真相を伝え謝罪したことで、ネジとヒナタのわだかまりは解消していくことになる。
余談だが、ナルトはネジとの試合中に「俺が火影になってから、日向を変えてやるよぉ!」と啖呵を切っていたりするが、後述の最終回の展開を見ると、また違った意味合いとして見えてくるだろう。
告白
第二部に入ってからもヒナタはナルトへの恋愛感情を強く抱いており、久しぶりに再会した際は気絶するほどの熱の上げようであった。
二人の関係が大きく変わったのは暁メンバーのペインと小南が、九尾の人柱力であるナルトを狙って木ノ葉の里を襲撃した時だろう。
修行を切り上げて戻ってきたナルトはペインと戦うが、両手両足を封じられて窮地に陥ってしまう。ペインがナルトを拉致しようとしたその時、ヒナタがナルトを助けるために飛び出し、ペインの前に立ちはだかった。
今すぐ逃げるよう叫ぶナルトに対し、ヒナタは「私はナルト君の事が、大好きだから」と自分の気持ちを宣言した後にペインに立ち向かうが、圧倒的な実力差の前に返り討ちにあってしまう。ヒナタがやられる姿を目の当たりにしたナルトは我を忘れるほど怒り狂い、九尾の力を暴走させてしまう。
原作ではほぼ瞬殺であったが、アニメ版386話「告白」では戦闘シーンが大幅に追加されたほか、ヒナタが幼少時に子供達に虐められてた所をナルトに救われた回想を付け加えるなどして1話に引き伸ばしている。
(この際ペインが棒立ちで手を抜いているような演出になっているものの彼の思想からしてナルトに大切な人が失われる「痛み」を刻む思惑もあったのかもしれない)
また、ペイン六道を操っていた長門にナルトが対話して決着をつけた後、サクラもナルトに告白している。
ただし、サクラの告白はナルトを長年縛っていた「サスケを取り戻す」という約束から彼を解放させるための偽りの告白であり、同時にサスケを殺してでも止める覚悟を決めるためでもあった。
サクラが自分を曲げてでもサスケを止めようとしていたという事でもあるのだが、ナルトからは即座に芝居だと見抜かれ叱咤された。
とはいえ、当時のサスケは兄のうちはイタチが犠牲になった事を知って『木ノ葉を潰す』と半ば自暴自棄になっていた時期であり、八尾の人柱力であるキラービー抹殺(未遂)やダンゾウによるサスケ抹殺命令が下っていた時期でもあった。そのため、「サスケを殺してでも止める」という当時のサクラの主張は、周囲、そしてナルトとサスケを大切に想うからこその、彼女の苦渋の判断である。
ほぼ同時期にあった二人の告白は、ナルトに対する気持ちや事情・背景などから、極めて対照的である。
そしてこの出来事を境に、ヒナタとナルトの関係が変化する。
第四次忍界大戦では、互いに単なる仲間・友人以上の想いがあることを示唆するシーンが多数見られるようになった。
作中を見渡しても、異性との恋は描かれても愛は中々描かれない中で、ヒナタは、身を挺してナルトを救おうとするうみのイルカや、弟子であるロック・リーの心が折れかけた時に我が身をかけて再起を促したマイト・ガイ、弟サスケの為に己の全てを犠牲にしたうちはイタチ等にひけを取らぬ愛を示しており、その恋の感情と合わせてナルトの心が傾くかどうかはさておき、答えが出る日を待ち望むファンは多かった。
繋がれるもの
遂に岸本先生もやってくれた。
うちはオビト、うちはマダラとの死闘の際、「仲間は絶対死なせない」と啖呵を切るナルトだったが、ネジが十尾の攻撃からナルトとヒナタを庇い、二人の目の前で戦死してしまう。
オビトはナルトを精神的に追い詰めようとするが、精神的に折れそうになったナルトを救ったのはヒナタだった。
ヒナタの叱咤で立ち直る事が出来たナルトは「お前が俺の横に居てくれたおかげだ」とヒナタに感謝し、彼女の手を取って再び立ち上がるのであった。
詳しくは615話ショックを参照。
ナルト最後の物語『THELAST』は愛の物語
そして第四次忍界大戦も終結。
九喇嘛とも和解し、愛深きうちは一族との因縁にも決着をつけてネジら戦死者を追悼した後でサスケが再び旅立った699話から2年後を描く『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』(2014年12月6日公開)のトレーラー及び2014年11月1日発売の週刊少年ジャンプ本誌にて『ナルト最後の物語は愛の物語』『空白の時』と銘打たれ、また岸本先生からも『今度のナルトのテーマはぶっちゃけ恋愛です』というこれまでにないものが描かれた。とんでもない爆弾が投下された。
今までの劇場版ナルトのヒロインは、劇場版オリジナルヒロインかサクラのどちらかだったが、『THELAST』においてはヒナタが主要ヒロインとして描かれる事を匂わせる。
後述する最終話の前日譚としても、ナルヒナにつながるエピソードを多数描いてきたアニナルスタッフの集大成に期待がかかる。
またスキマスイッチが歌う主題歌の『星のうつわ』のCMにも、ナルトとヒナタの映像が盛り込まれていた。本曲は映画本編のスタッフロールにおいてもナルトとヒナタにとって重要なシーンでかかる。
入場者プレゼントの『秘伝・列の書』に掲載されている岸本先生描き下ろし漫画では、映画の直後のナルトとヒナタのイチャイチャパラダイスっぷりが堪能できる。
ちなみに、ヒナタ役の水樹奈々は前々からヒナタの恋愛は悲恋に終わると思っていたため、『THELAST』の舞台挨拶では「何かの間違いなんじゃないか!?」と何度も台本を確認し直したと語っており、その直後に「幸せです!」とヒナタの恋が成就したことを喜んでいた。
詳細→運命の赤いマフラー(同上)
ここから下は、完全にネタバレのため要注意
最終話で受け継がれる火の意思
NARUTO最終回である第700話にてナルトは七代目火影に就任しており、更にヒナタと結婚してボルトとヒマワリという二人の子供をもうけている。
ちなみにボルトの名前は恐らく第四次忍界大戦でナルトとヒナタを庇って命を落としたヒナタの従兄・日向ネジからとられていると思われ(螺子『ネジ』を英訳してBolt『ボルト』)、更にボルトとヒマワリの瞳は父親と同じ青で、頬にはヒゲのような模様(2本)がある。
ナルトとヒナタが結ばれた『空白の時』は映画『THELAST』で描かれており、この映画のEDでナルトとヒナタは結婚式を挙げ、エピローグは一家団欒のハッピーエンドで締め括られている。
ヒナタが子供の頃から思い続けてきたナルトへの愛情が実を結び、ナルトは『護るべきものにやっと気づいた』と語り、ずっと欲していた家族をようやく手に入れる事が出来たのである。
ご結婚&ご出産おめでとうございます。
末永くお幸せに!
関連イラスト
幼少期
第一部
第二部
劇場版(第二部から2年後)
最終話
関連タグ
ナルヒナ関連
うずまきナルト 日向ヒナタ うずまきボルト うずまきヒマワリ うずまき一家 新生うずまき一家
その他の公式夫婦
その他作品の公式夫婦
悟チチ:主人公×準ヒロイン(サブヒロイン)のカップリングであり、公式カップリングである。
(ただし、ブルマは最初から悟空を恋愛対象として見ていなかったという意味では、NARUTOでのヒロイン解釈とは異なる部分もある)