概要
かつて、ウルトラセブンと共に侵略者の脅威に立ち向かった、カプセル怪獣:アギラのカイジューソウルを受け継いだ怪獣娘。
誕生日は5月12日で、年齢16歳の高校1年生。血液型はO型。
家族構成は不明だが、公式サイトのインタビューにて、祖父がおり今も存命であるらしいことが明かされている。
ミクやレイカからは「アギちゃん」と呼ばれているが、ピグモンからは「アギアギ」と呼ばれている(別作品の風来坊からもこの渾名で呼ばれてしまっていたりする)。
一房に結わえて垂らした茶色の髪が特徴。
学生服姿は、やや大きめのサイズのベージュのセーターに、くしゅくしゅに弛ませた黒ソックス。一言で言ってしまえば、「どこにでもいそうな飾り気のない女子高生」といった出で立ちである。背中にはオレンジ色のリュックサックを背負っている。
怪獣娘に変身すると、若干容姿が変化し、髪の色が色鮮やかなオレンジ色に変色すると同時に、垂らした髪も左右両側の二房に増える。
公式設定では「イマドキの女の子」ということになっているが、実際にはイマドキどころか、かなり年寄染みた趣味・思考の持ち主。
例を挙げると、
- 休日は家の近くの巣鴨で散歩して過ごす(巣鴨は「おばあちゃんの原宿」の異名を持つ街)
- 原宿の街並みを見て感嘆の声を漏らした挙句「若者っぽい」と発言
- 好きな食べ物は海苔煎餅と梅昆布茶(『モン娘☆は~れむ』に客演した際にも、リラックスした際に同様の発言をしている)
- 囲碁や詰将棋に興じており、祖父と対局することも
- そもそも家にテレビがない
等々。
一方で、『モン娘☆は~れむ』では「今の表現はちょっと年寄りっぽいかな」「年寄りっぽい…って言われることも多いかな」と言うこともあるため、一応自分の趣味・嗜好が年寄り染みているという自覚はある模様。
目立つことが苦手な性格で、口数も少なく(しかし、隊員たちとは普通にコミュニケーションを取れており、割とツッコんでいるので、口下手やコミュ障というわけではない)、特に趣味や夢中になれるものも持っていないという一見すると冴えない雰囲気さえ漂わせている少女。しかし、人々を守りたいという使命感といざという時の度胸は人一倍。根性を出せば凄まじい力を発揮する。
怪獣娘に変身した際は、鋭い角を活かした突進や頭突きなど、アグレッシブな動きを見せる。また、意外と腕力も強く、車を掴んで放り投げたことも。
どこか眠たげな印象を受けるジト目(レッドキング曰く"寝惚け眼")が特徴だが、本人はそのことを気にしている。しかし、一部の視聴者の間では、変身バンクでの流し目がセクシーと言う評価もある。
あまり表情を変えることはないが、初めて変身を果たした3話では笑顔を見せるシーンがあったり、9話ではゴモラからの無茶振りに対してあからさまに戸惑った表情を見せたりと、感情表現自体は割と素直にする方である。
運動は苦手なようだが、唯一垂直跳びではミクやレイカを遥かに上回る記録をたたき出しており、持久力や巧緻性には乏しいが、技術の要らないシンプルな瞬発力には優れている模様。
怪獣娘の地味な啓蒙活動には気合を入れていたり、トレーニングもへばってはいたが、忌避感は見せておらず、自発的な変化や積極性には乏しくともキッカケがあれば活動には前向きな姿勢の持ち主であることが伺える。
自分の身体に宿っているアギラについては、「資料映像は見たけど、あんまりいいところないよね。なんか眠そうな顔してるし、全戦全敗(※)だし……。でも、どんな相手にも一生懸命立ち向かっていく姿は、素直に格好いいなって思ったよ。」と評している。
※ 実際には、一度だけ勝利したことがある。
dアニメストアで行われた人気投票では2位にランクイン。
惜しくもゼットンに阻まれて1位の座は逃したものの、これまでのアギラの不遇っぷりを考えれば目覚ましい快進撃だったと言えるだろう。
作中での活躍
元はごく平凡な女子高生だったようだが、急に叫びたい衝動に駆られる、力を制御できずに物を壊す、軽い怪我がすぐに治癒してしまうようになるという異変を生じたことから怪獣娘であることが発覚し、専門チームであるGIRLSに入隊。同じくカプセル怪獣のカイジューソウルを受け継いだ白銀レイカや牛丸ミク、その他個性豊かなメンバーたちと共に隊員生活を送っていくことになる。
レイカやミクなどが怪獣娘に変身できるようになっていく中、1人だけ変身できないことに思い悩んでいたが、3話で無人の乗用車が幼稚園へ向けて坂道を暴走している現場に遭遇。
当初は「どうせ自分には何もできない」と躊躇していたが、見知らぬ誰かの声に後押しを受け、懸命に乗用車を止めようと奮闘していた際に能力が覚醒してアギラへと変身、ゼットンの援護も受けながら幼稚園への車の衝突を防ぐことに成功した。
これにより、かぷせるがーるず3人の中で一番遅いながらもようやく変身することが叶ったのであった。
作中では、どちらかといえば一歩引いたところから他の人物たちの活躍を見守ったり、支えたりする立場にあり、主人公でありながらそこまで目立つ存在ではなかった。意外に鋭いツッコミを入れることもあり、どちらかと言えば視聴者の反応を代弁するキャラクターともいえる存在であった。
しかし、最終回では出現したシャドウビーストを前に絶体絶命の危機に陥ったGIRLSを救うべく、ビルの屋上から飛び降りてシャドウビーストにヘッドパッドを食らわせて傷を負わせるという活躍を見せ、逆転の大きな原動力となった。
この活躍により他の怪獣娘たちからの信頼を勝ち得ることができただけでなく、憧れの存在であるゼットンからも1人前の怪獣娘として認められるなど、物語を通して大きく成長したことを示した。
シャドウとの戦いが終わった後、ミクとレイカと共にGIRLSへ正式に入隊し、極東支部を訪れた後輩怪獣娘を温かく出迎えていた。
「国際怪獣救助指導組織:通称GIRLSへようこそ! 新しい怪獣娘さん!!」
また、アニメ版の前日譚とも言える小説版でも、最終話のラストシーンで登場している(直接名前は出ていないものの、喋り方から彼女であることが推察される)。
主人公に抜擢された経緯について
原典であまり活躍の機会に恵まれなかったアギラが主人公に抜擢されたのは、芦名監督自身の強い要望によるものだったという。
曰く、
「半人前のキャラクターが成長していくお話を作る場合、そのキャラは単体として弱い方がストーリーとして成立させやすいんです。いまの時代、お話を引っ張るキャラクターは中心人物ではない方がいいと思いました。」
「3人を並べたときのシルエットのバランスがよいことと、真ん中の主人公が両サイドの『元気キャラ(ミクラス)』と『冷静キャラ(ウインダム)』に挟まれているという構図もよかった。」
とのこと。
他に、監督自身が「そろそろアギラを何とかしてあげたい」と思ったことや、アギラのジト目に惚れ込んだのも決め手になったようだ。
余談
- 『怪獣娘』のキャラクターたちがゲスト参戦したスマートフォン向けアプリ『もん娘☆は~れむ』では、他のキャラクターたちを差し置いて、変身前の姿も披露している(ちなみに、飯田里穂は同作においてアギラ以外にリッカの声も担当している)。
- 声を担当した飯田里穂は、後に『ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』でパーテル役を演じることになった。
- 放送終了のおよそ5ヶ月後に配信の開始された『ウルトラファイト』でもアギラが登場するエピソードでは決まって『怪獣娘』の宣伝がされていた。
- 「dアニメ『怪獣娘』もアギラが主役!」「『怪獣娘』のアギラももかわいいぞ!」等々…。『ウルトラファイト』のくたびれたアギラの着ぐるみがかわいいと言えるかは微妙なところだが。
関連イラスト
関連タグ
アギラの日 - アギラの初登場の記念日…なのだが、実質的に彼女の生誕祭タグと化している。
千樹憐 礼堂ヒカル 朝倉リク - 彼女とほぼ同年代のウルトラシリーズの主人公
孤門一輝 - 主人公でありながら基本的に最前線で戦う人物を見守り支え続ける立場にあったことや、最初は自分に自信が持てず思い悩むことも多かったが物語を通して大きく成長し、最後は最強の敵を打倒する切り札的存在になったことなど、彼女とは多くの共通点がある。
パーテル - 中の人繋がり。