概要
2017年7月より開始された『キン肉マン』新シリーズに登場する超人勢力。
“完璧・壱式”ゴールドマンとしての自我を取り戻した悪魔将軍に代わって魔王サタンが見出した「サタンの憎しみの感情を体現する真の悪魔となりうる一族」に属する6人の超人で構成される。
完璧超人始祖との戦いが終わって間もない地球に突如として現れ、若手正義超人の訓練施設として再建されたばかりのサグラダ・ファミリアを襲撃。
地球の超人を皆殺しにすると共に、サイコマンが発見した「最初のアポロン・ウインドウ」=マグネットパワーを自分たちの物にしようと画策する(…と当初は思われていたが、実際の目的は違っていた模様)。
サタンが放った結界によってキン肉星・マッスルガム宮殿に幽閉されたアイドル超人軍団に代わって地球を守るために引退を撤回したウルフマン、そして超人オリンピックファイナリストチームで結成した正義の五本槍と対峙した。
敗死した仲間の敵討ちを、「使命」の達成をもって果たそうとするなど強い仲間意識と使命感を持つが、反面全員が「魔王の眷属」に相応しい残忍・冷酷・苛烈な性格の持ち主で、自分たち以外の超人を虫ケラのようにいたぶり殺すことに何の躊躇も持っていない。
その上で対戦相手を分析し、格下と見下す一方で評価するべき部分は認めており、悪人ではあるが完璧超人にも似た強者の風格と矜持を持っている。
実際、運命の5王子達とも互角に戦っておりとてつもない実力を持っているのは確かである(なお、オメガマンの超人強度は8600万もあり彼らも同等に高いと推測される)。
また「火事場のクソ力(友情パワー)」についても興味を持っており、マリキータマンとルナイトに対してアリステラが「犠牲になってでも相手の力を最大限まで発揮させ、その様子を見させる」追加命令を下した。
五本槍との対戦を終えた直後、キン肉マンスーパーフェニックス、キン肉マンゼブラ、キン肉マンビッグボディ、キン肉マンマリポーサの「元・キン肉星王位継承者候補」が出現。サグラダ・ファミリアから新たに5か所の対戦場所(世界各地の城)の提示を受け、各々が先行して移動し、各地でキン肉マン及び運命の4王子を待ち受ける。
いずれの対戦場所もオメガ一族にとって因縁の地であることが明らかとなっている。
ギヤマスター曰く、彼らの祖先は本来ならこの地球上に君臨する王族として栄えたはずの一族だったが、太古のある日、神の名を騙り攻めてきた一味と大激闘を繰り広げそれまで築いてきた全てと共にこの星を追われたのが全ての苦難の始まりだったとの事。
彼らの目的はオメガの星の再生であり、地球へ訪れたのはマグネット・パワーの最新研究結果の入手と最後の希望である「火事場のクソ力」を手に入れるため。
彼らの母星は現在滅亡の危機にあり、その再生させる手段としてふたつの力が必要なことが分かった。その一つが“星の力”であるマグネット・パワーであり、真の研究が可能な地球へ訪れた理由である。しかしそれだけではあくまで星の力であるため瀕死状態にある母星を再生するための力である“人の力”が必要であった。
当初それを聴いたオメガの民は安堵していた。特殊な進化を遂げ世代を重ねた現在のオメガの民は上述したように何千万パワーの超人強度を身に着けていたため、人の力には自信があったためである(Ⅱ世では「今の超人は大型化が進んでおり1000万を超える超人はザラにいる」との発言もあるので、オメガの民でも似たような事情があっておかしくないと思われる)。しかし、そんな超人強度があってもなお彼らの人の力は無力であった。しかしかつて彼らが追われた星である地球はたかだか100万パワー程度の超人(+人間他)しか住まわないのにも関わらずますます繁栄していた。自分たちと何が違うのか、長年の研究の末に一つの仮説にたどり着く。それがキン肉マンたちが身に着けた「火事場のクソ力(=友情パワー)」であった。その力こそが母星を再生するための最後の希望になるかもしれないと、その力の謎を解きに来たのである。
そんな事情をパイレートマンから聞いたスグルは「なんでそれを先に言わないのか」「そもそも闘う必要がない」「いくらでも協力する」と告げる。しかし、オメガ・ケンタウリの六鎗客がその説明をしなかったのは、仮に協力した場合、後々スグルたちを騙すことにつながってしまうからである。彼らには大目標である星の再生以外にもう一つの悲願があり、それが前回の闘いでスグルたちが和解した「ザ・マン=超人閻魔」の首を取ること、そして最終的には全ての神の打倒である。しかしそれは復讐のためではなく、彼らの正義を示すための悲願であった。そもそもオメガの民を含めた超人はカピラリア大災害など神々の気まぐれによって翻弄される運命をたどっていた。それを変えるのがオメガの民のもう一つの目的であり、サタンと手を組んだのもそのためである。
メンバー
全員が「宇宙の辺境の地」ことオメガ・ケンタウルス星団の出身だが、元々は太古の地球で繁栄していた超人の子孫であり、「この世(地球)の本来の支配者」を自称している。
紀元前の古代ギリシャ時代に作られた「アンティキティラ島の機械」はオメガの民の繁栄の証であるとギヤマスターが語っている。
オメガマン・アリステラ
オメガ一族の現当主。かつて『キン肉星王位争奪編』でキン肉マンと戦った“超人ハンター”オメガマン(本名:オメガマン・ディクシア)の実の兄でもある。
笑い声は弟と同じく「フォーフォフォフォ」。
ヘイルマン
氷の肉体を持つ超人。名前の「ヘイル(hail)」とは英語で雹のこと。
サグラダ・ファミリアの特設Cリングでティーパックマンと対戦する。
両手の「ブリザードハンド」はどんな物体をも凍らせることが可能で、右手でリング上を氷面化させ、足下に収納されたスケートブレードで滑走しながら相手を切り裂く戦闘スタイルをとる。
ティーパックマンの新技「死のティータイム」をフィジカルだけで突破、武器のティーバックウィップを口から放つ「ヘイルブレス」で凍らせて粉砕し、左手でティーパックマンを掴み上げて全身を凍らせ、ラリアット技「ブリザードソード」で首を切断して処刑した。
第二戦ではルーマニアのブラン城でキン肉マンマリポーサと対決。
マリポーサの俊敏な動きを封じるためにリングを凍結させ、彼の妙技の要たる「足」を奪うが、彼の発動した「モクテスマ・ディフェンス」の炎により反撃され、窮地に陥る。
氷の超人である自身にとって天敵ともいえる炎を奪わねば勝機はないと判断し、氷結パワーを全開にして「アイスウォールプリズン」を発動、密閉空間にマリポーサを封印し鎮火に成功。さらに再び摩擦熱での発火を防ぐため、今度はリング全体を凍らせた。
その後はマリポーサを執拗に責め立て、鎌固めでロックしたまま彼を凍結させようと試みるが、マリポーサの足4の字に対しカウンターで放った鎌固めのために反ったことで溶けて窪んだ胸部がレンズとなって太陽光をマリポーサの背に集光してしまい(その際ヘイルマン背中背中~!とテキストが載せられていた)、「モクテスマ・ディフェンス」を復活させてしまう。これはマリポーサがヘイルマンをレスラーとして「ズブの素人ではない」と認識した上で、彼が足4の字からカウンターに鎌固めを使ってくると先読みした策略であった。
最早再度「アイスウォールプリズン」を放つ余力もなく、「後ちょっとだったのに~!」と己のミスを悔しがることしかできず、そしてマリポーサの新技「アステカセメタリー」を食らいマットに撃沈する。
それでも「使命のため」と起き上がろうとするが、限界に達した氷の身体が崩れ、使命を果たせぬことに悔し涙を流しながら絶命した。
チ…チキショウ オレもそっちかよルナイト…
六槍客では一番仲間への感情を表に出すタイプで、ギヤマスターが「恐怖のベンキ流し」を受けた時は思わず心配の声をあげ(無事と分かった時には成果がなかったこともあって帰還したギヤマスターを軽口でからかっていた)、ルナイトの死にも感情的な態度を露にした。
また、死後まもなくパイレートマンからは「調子に乗りやすく軽口の多さに辟易することもあったが、決して悪いヤツではなかった」アリステラからは「生きて帰れという命令違反は犯したがよくやった」と評されていた。
笑い声は「カキカキ~ッ」。かき氷……?
パイレートマン
海賊のようなコスチュームに身を包んだ巨漢超人。一人称は「吾輩」。
超人強度は8000万パワー。
掠奪を生業とする海賊の血を引いており、これまでの試合で相手の「最も大事な宝」を奪ってきた。
サグラダ・ファミリアの特設Eリングではカナディアンマンと対戦、第二戦ではソ連(劇中当時)のスワローズ・ネストでキン肉マンと対決。
笑い声は「ムマムマ」。
詳細は当記事を参照。
ギヤマスター
体の中央に備わった歯車状のメカニズム「ジェノサイドギヤ」であらゆる物を粉砕する巨漢超人。
笑い声は「ギュイギュイ」「ギシュギシュ」。
詳細は当記事を参照。
マリキータマン
テントウムシのようなデザインの超人。黒い斑点模様の付いたマスクに覆われ、目も鼻も口もない顔が不気味。名前の「マリキータ(mariquita)」とはスペイン語でテントウムシのこと。
相手の攻撃を受けきるタフさ、その上で未来を予測して相手の攻撃を封じ、相手に心理的に揺さ振りをかけながらも自らは油断する事無く確実な勝利を掴む狡猾・理詰めな戦法をとる。
サグラダ・ファミリアの特設Dリングでカレクックと対戦、第二戦ではイタリアのカステル・デル・モンテでゼブラと対決。
笑い声は登場時は「フィーフィフィフィ」だったが、カレクックとの試合以降は「キャミキャミ」に変わった。単行本では後者に統一されている。
詳細は当記事を参照。
ルナイト
サグラダ・ファミリアの特設Bリングでウルフマンと対戦する。
詳細は当記事を参照。
笑い声は「ガウガウ」。