実在の役者
起源は演劇にあり、花形俳優の起用を前提として舞台を組み立てる手法が18世紀に隆盛した。
これがハリウッドの映画製作に転じ、「スターシステム」という言葉が生まれた。
当初は各映画会社に俳優が所属するかたちを取っていたが、第二次世界大戦後にこのシステムは衰退し、以後はフリーエージェントが基本となった。
一方で、演劇の世界ではスターシステムが受け継がれており、宝塚歌劇団はその顕著な例として挙げられる。
声優を使うアニメではあまり見られないことだが、スフィアの起用を前提としてキャラクターデザインした『夏色キセキ』のような例もある。
架空のキャラクター
小説・漫画・アニメのキャラクターを、あたかも俳優のように見立てて、別の作品に再登場させる表現スタイルを「スターシステム」と呼ぶ。
古くはアメリカのカートゥーンアニメで行われており、MGMのトムとジェリーやディズニーのミッキーマウスは作品によって別の役柄を演じている。
日本では漫画家の手塚治虫が、日々発表していた大量の作品の中でキャラクターの再利用をしていたことで知られる(→手塚スターシステム)。
各作品にストーリーや設定のつながりはなく、容姿・名前・おおよその性格が共通するのみで、まったく別の登場人物として機能させた。それぞれにつながりがないため、ある作品で死亡したキャラクターが別の作品では生きていたり、物語の展開によって思想に変化が起き、性格に差が出たりする。
手塚が言うには、宝塚歌劇団からの影響があるという。
また厳密には違うが、タッチ、みゆきなどの著者あだち充はヒロイン顔、主人公顔、ライバル顔等の一定パターンを持って作画し意図的にキャラクターを書き分けていないため、方法的にはこのシステムに近い。
メディアミックスが当たり前となった昨今では、たとえばライトノベルをコミカライズするにしても、原作準拠の漫画化と、二次創作同然のギャグ漫画版、といった具合に複数のケースが展開され、その中で同じキャラクターがそれぞれ俳優と芸人を演じている、という事態も珍しくない。
スターシステムを用いている作家
※実際にはクロスオーバーも用いている作家や、どちらか不明確なものもあるので注意
赤塚不二夫(ギャグ漫画のキャラが死んでも蘇る現象をスターシステムで説明。⇒参考)
椎名高志(GS美神に(有)椎名百貨店のキャラクターやウルトラマンネクサスの姫矢准が登場)
園田健一(※ガルフォースシリーズで一部使用されている)
山田恵庸(青年漫画にて作者の過去作のキャラクターが登場。)
小雨大豆(作者のフィオナ旅行記や九十九の満月などで登場したキャラクター・アイテムを別作品に登場させている。⇒例:カキツバタ(小雨大豆)、酔狂文庫のビックフットやホメホメモロン)
スターシステムを明言している作品
いっしょにとれーにんぐ:主人公(元は現実世界の住人)がスターシステム上の女優業を営んでいる設定。
関連タグ
カメオ出演 劇中劇 宣伝 パラレル パラレルワールド メタフィクション
Cygames:特に神撃のバハムートとグランブルーファンタジーでは出張キャラが数十人規模で存在する。