咲き誇る花のプリンセス!キュアフローラ!
CV:嶋村侑
概要
本作品の主人公である春野はるかが変身するプリキュア(※同名のオリジナルプリキュアについては、キュアフローラ(オリジナルプリキュア)を参照)。
花のプリンセスとされている。イメージカラーはピンク。(→桃キュア)主人公プリキュアとしては初めて中学1年生で初変身したプリキュアである。プリキュアオールスターズでは通算38人目のプリキュアとなる。
決め台詞は「冷たい檻に閉ざされた夢…返していただきますわ!お覚悟は、よろしくて?」
例年のシリーズだと決め台詞は本人の意志とは関係なく勝手に喋ってしまうものだったがこの台詞ははるかが即興で考えたものである。
この台詞はキュアマーメイド、キュアトゥインクルも引用している。
キュアフローラ専用に用意されたドレスアップキーは、変身キーが「フローラ」、エレガントキーが「ローズ」、ミラクルキーが「リリィ」、プレミアムキーが「サクラ」となる。
容姿
髪は変身前の茶髪から、ピンクのメッシュが入った金髪のロングヘアー(いわゆるストロベリーブロンド)に変わる。
髪型はいわゆるお花盛り(盛り髪)である。頭部にはティアラをつけており、胸部と腰部には赤いリボンをつけている。瞳は青緑色。
全体としての衣装はピンク色であり、フリフリのスカートを履いている。
その下はフリルつきのクラシカルなドロワーズ。
白い手袋をしており、太ももから足首まで露出している脚にショートブーツを履いている。ブーツはキュアダイヤモンドと1,2を争う短さである。
また、初変身直後にはゼツボーグ出現によって枯れていた花が再び咲き誇った。
先輩達が最終形態で奇跡として起こした現象を、基本形態で軽くやってのけるのは、花のプリンセスにふさわしい姿である。
戦闘スタイル
高い身体能力を生かした格闘戦を基本とする、オーソドックスなインファイターであり、ゼツボーグをパンチで吹き飛ばしたり投げ飛ばしたりするほどのパワーを持つ。
特に脚力に優れているようで、蹴りによる攻撃を多用する。また、その脚力を生かして素早く敵の攻撃を避けながらジャンプして飛び蹴りを浴びせかけることも多い。キックの使用頻度が多めなピンク主人公はキュアブラック以来であり、珍しいタイプかも知れない。
あきらかに足を動かしにくそうな長めのふわふわしたスカートを着ているのにキックが得意技というギャップは、映像演出としては結構なインパクトとなっている。
(第1話では自分が意図していないほどの高空までジャンプして驚くというある意味お約束な展開もあったが、第1話のキックは花ひとつ、白い風(オーラ?)二つと三つのリングを通過するという「東映だからこそできる」スタッフの狙ったようなエフェクトがかかった。)
なお、敵に対してクリーンヒットを決めると、打撃箇所から花びらが舞い散るという特殊演出が発生する。これは決め技の演出ではなく、通常の攻撃でのことである。
このことから、キュアフローラは花吹雪をまといながら戦う幽玄ともいえる姿を魅せてくれる。「花のプリンセス」という戦闘と懸け離れたイメージを、プリキュアらしいバトル演出に組み込んだ形といえるだろう。
決め技
プリキュア・フローラル・トルビヨン
舞え、花よ!
モードエレガントにエクスチェンジし、無数の花びらを螺旋状にして放つ浄化技。浄化後は「ごきげんよう!」の台詞と共に〆る。
(トルビヨン(tourbillon,トゥールビヨンとも)とは、フランス語で「渦」「疾風」の意。また、そこから名を取られた機械式時計の姿勢差補正機構のこと)
ゼツボーグを浄化したあとは、「開け、夢への扉!」の台詞と共にドレスアップキーで檻の鍵を開錠し、囚われた人間を救助する。
プリキュア・ローズ・トルビヨン
舞え、バラよ!
クリスタルプリンセスロッドにローズキーを差し込むことで使用可能な技。ロッドの先端に巨大な薔薇の花が咲き、そこから薔薇の花びらがマシンガンのように放たれ敵を攻撃する。敵にダメージを与えたり撹乱したりするための技で、浄化効果はない。
また、発射せずに薔薇の花を維持しつつ突撃してくる敵を受け止めて包み込み、そのまま放り投げるという使い方もある。
プリキュア・リィス・トルビヨン
舞え、百合よ!
クリスタルプリンセスロッドにリリィキーを差し込むことで使用可能な技。ロッドの先端に巨大な百合の花が咲き、そこから百合の花びらがマシンガンのように放たれ敵を攻撃する。敵にダメージを与えたり撹乱したりするための技で、浄化効果はない。
ローズ・トルビヨンとまったく同じ効果の技だが、純粋に威力がパワーアップしている。
(百合の花「fleur-de-lis」は王家の紋章としても使われている。)
プリキュア・サクラ・トルビュランス
舞え、桜よ!
サクラキーをセットしたプリンセスパレスを頭上に掲げることで、巨大な桜の木を発生させ、そこから圧倒的な花びらを飛ばして敵に攻撃する。
フォームチェンジ
- モードエレガント(キュアフローラ)
通常フォームのコスチュームに装飾を加えてロングドレスとしたサブフォーム。浄化効果のある決め技使用時にこの形態に変身する。キュアフローラは初登場時からこのモードにフォームチェンジ可能。
フローラのモードエレガントは、上半身は体にフィットしスカートが大きくふくらんだ「プリンセスライン」のデザイン。
モードエレガントは一種類ではなく細部のデザインが違うサブタイプがある。使用するドレスアップキーによってどのタイプのモードエレガントになるかが決定される。
TV本編の劇中でフローラが変身したモードエレガントのタイプは、ノーマルタイプ、ローズタイプ、リリィタイプの3種類となる。また、劇場版限定フォームとしてのモードエレガントとして、プリマヴェーラタイプとハロウインタイプがある。
それぞれのタイプの詳細はモードエレガントの項を参照。
なお、モードエレガントに対して通常の形態のことを設定上では「モードプリティ」と呼ぶ。
- ドレスアッププレミアム(キュアフローラ)
第30話より登場するパワーアップフォーム。広義としてはモードエレガントのサブタイプと言えるのだが変身後のデザインが明らかに異なるため、それまでのモードエレガントとは別種のフォームとして扱われている。
- ドレスアップロイヤル(キュアフローラ)
第37話より登場する二番目のパワーアップフォーム。ドレスアッププレミアムのマイナーパワーアップ版であり、背中にレース編み状の羽根が生える以外はデザイン的な変化はない。
- グランプリンセス(キュアフローラ)
第49話より登場する最終フォーム。ドレスアッププレミアムをベースにさらに豪華にしたデザイン。ドレスは黄金に輝き、手には鍵の形をした王笏、背中にはマント、頭のティアラは王冠のごとき装飾となり、さらにレース編み状の魔法陣が頭上に光輪として回転しているのが特徴。
最終回の第50話のみで登場した、グランプリンセスのサブフォーム(名称はコンプリートブックにて判明)。強化後のフォームがさらに並列的にもフォームチェンジするというのはプリキュアシリーズでは初。
こちらではプリンセスプリキュアの通常形態(モードプリティ)をベースに装飾が加えられた形になっており、より動きやすく戦闘に適する形となっている。ただし、モードプリティの強化版ということなのかキメ技は使えなくなるようだ。
作中ではキュアフローラのみがこの姿になったが、他のプリキュア達もこのモードになれるかどうかは不明。
名前の由来
floraはラテン語で「花」「春」の意。英語では、ある地域もしくは時代における全ての植物の種の総体を表す学術用語「植物相」の意。
「花」を意味する単語を使ったプリキュア名は、キュアブルーム(bloom)、キュアブロッサム(blossom)、キュアフラワー(flower)と過去作でほぼ出尽くしていたので多少ひねりを加えたネーミングといえるが、花のイメージを残しつつもよりスケールアップした形となった。
モチーフ
本作プロデューサーの一人である神木優は「プリンセスにはそれぞれモデルがあったりするのでしょうか?」という質問に対して「モデルはいないんです」と答えている。
このことから、特定のプリンセスがモデルということではなく、より広いイメージとしての「花のプリンセス」がモチーフであると考えられる。
はるかが他の仲間よりもすこし幼いイメージで描かれていることからか、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話『親指姫』を連想する人も多いようだ。
本作の作中世界においては、絵本作家の望月ゆめによって創作された『花のプリンセス』という作品が存在している。この絵本は世代を超えて半世紀以上愛され続けている名作で、本作の多くの登場人物たちも「小さい頃に読んだことがある」と口を揃えて語るくらいメジャーなものとなっている。特にはるかにとっては「プリンセスになりたい」という自分の夢の原点として強い思い入れを持つ作品である。
この絵本は望月ゆめによる完全な創作なので、ホープキングダムに伝わるプリンセスプリキュアの伝説とはまったく関係がない。プリンセスプリキュアの一人が「花のプリンセス」なのは本当にただの偶然である。
しかし、はるかは同じ名前を持つプリンセスに自分が変身できるようになったことに、運命的なものを感じている。
ただ、はるかにとって「花のプリンセス」はとても重い称号である。伝説の戦士であるキュアフローラに覚醒してもなお、自分が憧れていた「花のプリンセス」には到底届いていないと感じている。自分が本当の意味で「花のプリンセス」になれるのはグランプリンセスに到達したときだとしている。
なお、『花のプリンセス』の絵本については18話にて、はるかの口からあらすじが語られている。
第6話でロックがキュアフローラの地味さと未熟さを嘲笑い「蕾(つぼみ)のプリンセス」と称しているが、「花のプリンセス」を成長後の姿と捉えられている本作では、キュアフローラのモチーフは本当に「蕾」を意識している部分はあるかも知れない。
余談
中の人について
声を演じる嶋村侑は後に1985年生まれと判明した為、前作及び次回作以降が平成生まれ声優がピンクプリキュア役を台頭するようになる中で、現在昭和生まれ声優が担当した最後のピンクプリキュアとなった(尚、本作のプリキュアメンバーは全員昭和生まれ声優が担当している為、出演者に平成生まれを含めない最後のプリキュアチームでもある)。
旧作『Yes!プリキュア5GoGo』において、「フローラ」という同名の女性が存在していた事から、二人が出会うイラストも。
そして、彼女はあの友達に続いて、大切な存在との形を変えた再会を果たす…。
関連イラスト
関連タグ
フローラ(プリキュア):同名の女神様