「黄河は水たまりを叱りはしない」ということわざがあるが私の考えは違う
CV:安井邦彦(2001年TVアニメ版)/小山力也(2018年TVアニメ版)
概要
烈海王は、板垣恵介の漫画作品『グラップラー刃牙』シリーズに登場する架空の人物である。
中国四千年の歴史の中でも最高の才能を持つとされ、母国では拳雄・魔拳などと称された。
拳法家であるが、流星錘や投げナイフ、青龍刀などの武器術にも長ける。
かつて拳を交えた主人公の範馬刃牙から「世界中を探しても烈海王に勝てる人間など見つかるかわからない」と言わしめるほどの強さを誇るが、諸事情によりネタ扱いされることが多い。
格闘家のタイプとしては技巧派・速度派だが、手にはめた指輪を破砕する握力を持つ孫海王との力比べにおいて勝利するなど、素のパワーもズバ抜けて高い。初対面の刃牙曰く「どうやってあんな身体作ったんだ」とのこと。
中国拳法の歴史とその成果に対する絶対的な信仰を持っており、登場初期は他の格闘技を見下す傲慢さが目立ったが、次第に角が取れ、義理人情に厚く面倒見の良い好漢としての面が見られるようになった。
ただし、中国拳法への誇りは以前と変わらず持ち続けており、それを侮辱する者に対しては一切容赦しない。
本名は「烈永周」。「海王」とは、作中世界で拳法の達人に与えられる称号であり、彼以外にも何人か「海王」が存在するが、烈海王はその中でも群を抜いて優れた拳法家である。
拳法だけでなく料理も得意で、中華料理の腕はプロ並み。刃牙に対して滋味滋養の中国料理を出してもて成したこともある。
プロフィール
ファイトスタイル:中国拳法
性格:ツンデレ、KY
身長:176cm
体重:106kg
特技:料理
来歴
第1部『グラップラー刃牙』
生まれは香港で、劉海王の元で少林拳を学び、メキメキと腕を上げていく。やがて海王の座を継承した烈は徳川光成主催の地下トーナメントに出場することを決意する。
第1回戦ではサンボのロシアチャンピオン・セルゲイ・タクタロフを圧倒し難なく勝利、続く2回戦でも、過去に刃牙を大苦戦させた東洋の巨人マウント斗羽を敵の攻撃と体重を利用し試合開始1分以内にギブアップさせる。3回戦では愚地克巳と対戦、伝家の宝刀・マッハ突きを真正面から崩拳の一撃で打ち破った。
そして準決勝では刃牙を追い詰めるも、勝利の目前で刃牙の範馬の血が覚醒、盛り返してきた刃牙と激闘を繰り広げるが試合の流れを押し返せず敗北した。
第2部『バキ』
地下トーナメント終了後、克己の道場に食客として招かれ、神心会の更なる進化へと協力する。
最凶死刑囚と対峙する5人の戦士として選ばれた烈は、24時間どんな時でもバトルを受けるという契約を結ぶ。
神心会の道場へ押し入って卑劣・狡猾な手段で克己を襲った最凶死刑囚の一人ドリアンは、かつて師匠の劉海王が「今のお前は彼には程遠い」と称した白人唯一の海王であった。
少林寺では同門の戦闘が認められていないため、当初はドリアンとの戦闘を拒んでいたが最終的には決闘を行い、格闘家としての引導を渡した。(その後、精神崩壊を起こしたドリアンを引き取って少林寺一門で面倒を見ている。)
続くヘクター・ドイル戦では、空手(中国武術から派生したものと烈は認識)を使う鎬を体に仕込んだ爆薬で戦闘不能に追いやったことに「キサマは中国武術を嘗めたッッッ」と激怒、鏢・青竜刀・多節棍あらゆる武器術の使用を解禁してドイルを死の一歩手前まで追いやったが突如現れたジャック・ハンマーに薬を打たれ、昏睡してしまう。目を覚ました烈が見たものは、カラスに目玉をつつかれそうになりながらも血まみれで仁王立ちを続け無防備な自分を酔っぱらいやチンピラから守り抜いたドイルの姿だった。敵ながら天晴なその姿に敬服した烈はドイルを抱えて神心会本部へと向かい、彼を治療させた。この際には、彼を背負ったまま15メートルの水面を渡りきるという超人技を見せている。
最凶死刑囚が全員お縄に着いた後、柳龍光の毒手により死に瀕した刃牙を治療すべく、刃牙らを誘い烈は中国へ向かう。そこでは100年に一度の武道の祭典、中国大擂台賽が開かれていた。刃牙もこれに参加し、結果的に参加したことで一命を取り留めることとなる。
烈は1回戦にて握力自慢の孫海王を難なく倒し、中国武術対日米格闘家による5対5のバトルでは中堅を務める。日本人唯一の海王である寂海王を小細工を弄されながらも撃破した。寂海王との闘いでは、常に圧倒していたものの、中国武術史4000年 天才と呼ばれる者の全力を受けきって、なお両の腕に執念を宿している寂海王のことを「君こそが勝利者だ」と讃えている。
第3部『範馬刃牙』
第3部になってからはしばらく出番が無かったが、原始人ピクルが発見されると他の格闘家たち共々ピクルのケージに忍び込もうとするなど、世紀の一戦に立ち会いたいという情動に狩られることとなる。猛虎をも瞬時に屠るピクルに対し、「私がヤツのエサになる」と光成に宣言し、戦いを挑んだ。
人間どころか哺乳類の範疇を凌駕するピクルには、烈の技がことごとく跳ね返される。中国武術が負けるわけにはいかない、そう決意した烈は海王であることを捨て、一人の人間としてピクルに立ち向かう。そう、その技こそが
グルグルパンチだった。
勿論勝てるわけもなかった。生物としてピクルには勝てないのか、そう思い始めた烈だったが、その体に刻み込まれた中国四千年の技の数々は、彼に膝を突かせることを許さなかった。「武術家」烈海王は最後の最後まで戦い抜き、右足を代償として得難い経験を得たのだった。
義足の身となってからは、ボクシングに転身している。
ボクシングルール縛りの枷があっても、なおプロボクシングの猛者達を圧倒する。
表社会の競技者ファイターとは格が違う事を見せつけている。
第4部『刃牙道』
アメリカのボクシング界でウィルバー・ボルトに勝利していたことが語られる。その後、Youtubeで宮本武蔵復活を知ると再び来日。地下闘技場で武蔵と対面を果たすが...???
以下、ネタバレ
第66話にて、死亡。
武蔵との武器解禁戦に臨む。苦戦を強いられる中幾度と活路を見い出すも、戦況を覆すには至らず、捕縛され死に方も選べない有り様に涙する。
それでも抗戦を続け、最期は消力を上回る武蔵の一撃にて胴を横薙ぎに斬り裂かれ、地に伏す。回想にて「例え斬られても私は即座に反撃してみせる」と言っていたが、一太刀にて臓腑を斬り裂かれ脊椎までも両断。動く事が出来ず切り口から大量の血と臓物を飛び出させ、そのまま二度と起き上がる事は無かった。初代より刃牙ワールドを支え続けた偉大なる格闘家・烈海王。その人生は、常に戦いの中にあった。
控え室で刃牙らに囲まれた烈の遺体を前に、徳川公は武蔵と戦わせた事で烈を死なせてしまったと後悔し、「徳川は間違っていたと! 言うてくれっつ!!」と、涙を流し叫ばずにはいられなかった。
一方の武蔵も徒手格闘から刃物や棒術・投擲までありとあらゆる武術を繰り出し戦う烈の姿から、その強さを「関ヶ原」と称し、「惚れてしまった」「その鍛錬に惚れ、その発想の飛躍に惚れ、その豪胆さに惚れ」「同時に畏怖(おそ)れた」と言わしめた。
作者の板垣も「これで烈が生きていたら、もう俺は何を描いても信用されないだろう」とTV番組に出演時に回答しており、明確に烈海王が死んだことを明言している。
....はずだった。
復活ッ!!烈海王復活ッ!!!
月刊少年チャンピオン創刊50周年記念として、スピンオフ作品となる『バキ外伝 烈海王は異世界転生しても一向にかまわんッッ』(原案:板垣恵介原作:猪原賽漫画:陸井英史)が2020年12月特大号から連載されることが予告された。なお現時点では作者非公認の模様。
ネタの数々
・ズボンの中から多節棍を取り出す
・人間を背負って15メートルほどの川を走って渡る
・発勁でバイクの後ろ半分だけを吹き飛ばす
・「カァァァ」「食うんだ!」
・最終奥義がグルグルパンチ
・会話中にチャーハンを口一杯に頬張る
・刃牙vsピクルの解説を行う
など
烈海王をモデルまた影響されたキャラクター
馮威:『鉄拳』シリーズに登場するキャラクター。容姿や格闘スタイルまで酷似している。
牙刀:『餓狼 MARK OF THE WOLVES』などに登場するキャラクター。物腰や技などが共通している。またネーミング自体が範馬刃牙のもじりと思われる。
関連イラスト
交友関係
劉海王 - 師匠。
愚地克巳 - 最強トーナメントで対戦後、親友になる。
ヘクター・ドイル - 怨敵であり命の恩人でもある。