「あと10秒スイッチを切ることを遅らせたなら…………」
「俺の願いはかなったろうに」
CV:子安武人(TVアニメ版) / 羽多野渉(刃牙道14巻OAD版)
プロフィール
出身:イギリス
年齢:20~30代(推定)
身長:約183cm(6フィート) ※完全版表紙絵より
体重:80kg以上(自称)
ファイトスタイル:我流
概要
イギリス出身の死刑囚。「敗北」を知るために電気椅子に乗せられるも、その処刑に耐え、死刑執行人を殴り殺して逃走。ミルベンフォース空軍内のツテで飛行機に乗り来日する。なお、イギリスでは軍人以外の死刑が原則禁止されていることや、軍人であるストライダムと知り合いであること、爆薬などを所持していることから、元は軍人かと思われる。また後述する烈海王とのエピソードで「アードベッグ」というスコッチウイスキーを指して「俺の故郷(クニ)の酒」と呼んでおり、少なくともスコットランド、ともすればアイラ島出身の可能性がある。
また、死刑囚達の中でも若い外見だが、やや老け顔のヤンキー達にオッさん呼ばわりされていることから、それなりの年齢と思われる。
他の死刑囚と比べ、特に格闘技や身体能力に秀でているわけではないが大金を投じて全身に組み込んだナイフやスプリングをはじめとする武器攻撃を得意とする。
他の死刑囚は相手が素手で戦うのに対して、こっちは武器というアドバンテージ(と言うかズル)を得て挙げ句にマウントを取るのに対し、ドイルは最善の方法があるなら(相手も含めて)武器や道具でも何でも使えば良いと言う感覚の持ち主であり、武器がズルいと言う感覚を持ち合わせていないと言う特性がある。ただ、そのために敗北を回避するべく戦略的撤退して勝負を有耶無耶にする事もあり、重傷を負ってから自分の戦いは見苦しいと言う思想の矛盾に迷走していくようになる。(詳細は後述)
また、留置所をホテル替わりにする、廃棄された米軍施設に潜む、廃ビルをねぐらにする面々と異なりシティホテルを拠点にし、デパートで買い物に興じるなどかなり人間的な生活をするあたりパトロンがいる可能性もある。
来歴
襲撃
全身に刃物を収納しており、のど元を掻っ捌いてキックボクシングチャンピオンのロブ・ロビンソンを病院送りにした。来日すると徳川光成老の導きにより格闘家と戦うことを誓わされる。高校にまで乗り込み、バキを襲うとしたこともあったが彼には逃げられた。
本格的に闘いを始めるのはビスケット・オリバが来日してから。「もう一人のミスター・アンチェイン」を自負し、わざわざ婦人警官の姿に女装して警察署に潜入、オリバを襲うが、武器や毒が通用しない彼の異様なタフネスぶりに阻まれ逃走。走行中の地下鉄の外壁にはりつくという忍者の如き方法で逃げ切った。
続いてストライダム大佐と一緒にいる所を鎬昂昇に襲撃され、彼の斬撃拳に圧倒される。しかし、格闘家ではないドイルは無防備で昂昇の間合いに入り、彼が攻撃した瞬間胸に仕込んだ爆薬を破裂させ逆転勝利する。この時、勝つためなら何でもするのが当然で敗北を満喫する最良の方法は全力を尽くしたすえに勝利を奪い取られること、という彼の持論を述べた。
初めての敗北
続いて夜のデパートで烈海王と出くわし、彼をバーに誘う。盃を干すのもそこそこに襲撃しようとするが、真っ先に左目を潰されて中国拳法(暗器術)でボコボコにされてしまった。
あわや一巻の終わり、と自身の敗北を予感した瞬間ジャック・ハンマーが襲来、烈に麻酔薬を注射して眠らせる。
自身に敗北を予感させた烈に何か思うところがあるもののその場を去ろうとするドイルだったが、烈がヤンキーに財布を盗まれそうになっているのを見ると踵を返し、ヤンキーを撃退。今度こそ立ち去ろうとするも今度は野良犬が烈に近づきそれを追い払うハメに。更にカラスに目ん玉つつかれそうになっても一晩中立ちはだかり、昏々と眠り続ける烈を守った。
朝起きた烈は血まみれで棒立ちになっているドイルの姿を見て理由は分からねど死を賭して自分を警護していたという事実を理解。彼を背負って神心会の医務室に直行する。療養後にドイルは黙って医務室を抜け出し、自らに輸血までしてくれた神心会に赴いた。
輸血を受けたことに礼は言うものの、敵対している関係ということで決着をつける為に恩を仇で返す形で襲撃。神心会ビルを粉塵爆発で爆破炎上させる(なお、現住建造物放火罪は殺人罪並みに罪が重いことで知られている)。
悠々とビルを抜け出すドイルだったが、ドリアンの襲撃により顔に傷を負った愚地独歩が彼の前に立ちふさがる。言葉巧みに挑発され相手の土俵に乗せられた結果あっけなく倒れる。目覚めた所には、全身に大火傷を負った愚地克巳が待っていた。
目が覚め、闘い、倒れる。飯を食べ、闘い、倒れる。そんなルーチンを繰り返してなお、意地を張り通そうとするドイル。克巳はそんなドイルにけじめのような本気の下段突きを顔面にくらわせる。
これ以上ドイルを壊せない、そう思った克巳は自分を甘いと感じながらも自身の敗北とドイルの勝利を認める。しかし、ドイルもまたそんな克巳に自身の敗北と克巳の勝利を認めた。
「初めて受け容れる敗北………
心に去来したものは
それは意外にも解放という名の歓喜(よろこび)だった」
敗北の後
かくて『敗北』を知ったドイルは克巳と奇妙な友情を結び、タンカーに乗って中東へ行くことを決意。彼から空手の正拳と黒帯を授かる。 しかし乗船した所、克巳との和解が気に入らない柳龍光の襲撃を受ける。彼の毒手で残っていた右目を失い、海へと突き落とされた。その後はしばらく海岸の洞窟に潜伏していたようだが、オリバに見つかり保護(投獄)された。
投獄後、獄中にて残る五感の内の聴覚を自ら破壊したことで、視覚と聴覚を引き換えに超人的な皮膚感覚(触覚)を身に付けた。
余談
実際のイギリスでは、1969年にイングランドほか2地域で、1972年に北アイルランドで死刑制度を廃止。1998年に全廃。
実際に電気椅子を使った死刑は、アメリカ合衆国の全50州のうち8州で行われている。
関連項目
烈海王 わたしは一向にかまわんッッ キサマは中国武術を嘗めたッッッ