演:神尾佑
概要
鴻上生体研究所の所長を務める天才研究員、年齢35歳→36歳。
オーメダルを用いるツールはほとんどが彼の手によるものである。仮面ライダーシリーズでは珍しい科学者のレギュラーキャラクター。
黒ずくめの服装で、無表情かつ無感情な長身(怪人態のカザリよりも背が高い。設定上カザリは身長212cm)の男性。
劇中での呼び名は主に「博士」及び「ドクター」、メズールからは「ドクターの坊や」或いは「紫のボウヤ」。
不気味な人形キヨちゃんを常に左肩に置いている。この人形に話しかける形を取らないとまともに他者と会話ができない。そのためか、人形に危害が及ぶと激しく取り乱す。(終盤ではアンクにキヨちゃんを燃やされてトラウマをいつも以上に刺激された為か、消火の為に投げ捨てている。)
また、研究室には「来たるべき終末」を表した絵画が飾られており、キヨちゃん同様大切にされている。
人物
誕生に価値があるとする鴻上光生とは正反対に、物事の終わりに価値観を見出している。
「人はその人生を全うするまで、何者でもありません。終わって初めて、人として完成する」
自分の研究以外には興味がなく、その過程でどれだけ犠牲が出ようと気にせず、人質を使う卑劣な作戦も厭わない。
それゆえ、日頃温厚な火野映司が怒りを露わにした数少ない人物であり、後藤慎太郎も当初仮面ライダーバースの変身資格を得たいが為に真木に接近していたが、その非道の数々を目の当たりにして、変身資格を蹴ってまで彼と決別している。
また「世界の終焉」という目的のためなら、敵であるはずのグリードとも手を組み、カザリとは利害一致で結託していたが、後に鴻上にバレてしまう。
後藤が離反した後、伊達明をバースの変身者に選んで同居するが、彼の大雑把かつマイペースな性格が災いして、キヨちゃんをおでんの中に落とされたり、「来たるべき終末」の絵画を「物騒だから」と言われて外されそうになったりと、普段無表情な真木も「ん"やめろぉぉぉ!!」と取り乱す程のストレスの要因になっていた。
だが、無遠慮ながらも裏表がなく、誰もが敬遠する自分に対しても普通に接してくれる彼に対しては、ある程度の親近感は感じていたようだ。呆れたり怒ったりしながらも強引に追い出そうとしなかったのは、そういった感情があった為だろう。
伊達を自らの一味に引き入れる際に1億を払う契約をしたことから、金銭面に関してはかなり裕福であるらしい。反面、研究以外に無関心であるためか、自家用車は二昔前のフォルクスワーゲンビートル、それも壊れかけでボロボロのものである。
また、今まで姉以外に人との関わりを持たなかったためか女性耐性は薄く、話す分には問題ないもののメズール人間体に頬を軽く撫でられただけでアヘ顔状態になっている。
融通の効かないエピソードが多い一方で、ノリの良い面もあり、第27話と第28話では自主制作映画で『仮面ライダーオーズ対ショッカー』でカメラマンを務める傍、大幹部「死神大使」を熱演した事も。
ネットムービーでのイメージアニマルはトリケラトプス。
終末に向けての行動
伊達が持っていたクスクシエのチラシで、自分を親代わりとなって育ててくれた亡き姉と瓜二つの白石知世子の存在を知る。
そしてカザリの手によって自らの欲望からシャチパンダヤミーを生み出され戦闘後負傷し、知世子と出会ったことがきっかけで本来の目的を自覚することになり財団を離脱。
自らの邸宅を拠点に、アンク(ロスト)を一味に引き入れたカザリと行動するようになる。後にガメルとメズールも加わる(終末家族)。
その時に退職金代わりに持ち出した紫のコアメダル5枚を取り込み、恐竜系ヤミーを作ることができるようになった。さらに登場時紫の布が出現する(37話)、腕、影(42話)、後ろ姿など、徐々に身体がグリード化、そして43話で完全に恐竜系グリード「ギル 」となった。
欲望の源泉である人間がグリード化した存在であるため最初から完全体であり、猫系コア8枚(ひび割れ1枚除く)+他のコア数枚のカザリを圧倒し、ひびが入ったライオンコアメダル1枚を残して彼の所持するコアメダルを全て奪い、消滅に追いやった。
最終決戦時には、今までに手に入れたほぼ全てのコアをウヴァに強制的に投入する事でメダルの器暴走形態を生み出し、世界の終末を引き起こす。
それを止めようとしたオーズを一度は退けるが、再戦時にはタジャドルコンボとアンクの連携攻撃に圧倒され、ロストブレイズの直撃で大ダメージを食らい、直後に発生したブラックホールにバラバラになりながら飲み込まれて消滅し倒された。
彼の過去
幼少時、両親を失った真木は年が離れた姉・仁美によって育てられた。
姉は母代わりとなって真木に愛情を注いだが、時は経ち、結婚を間近に控えるようになってから仁美は豹変。
弟を疎ましく思った姉から、真木は疎外されるようになってしまう。この時(30話)の仁美の顔は演出による効果もあってか、それ以前の真木の回想で登場した優しい時代からは考えつかないような禍々しい顔つきになっている。(真木の自立を促すためにあえて汚れ役になったという説もある。)
姉の変化に傷ついた真木は、仁美の眠る部屋に火を放ち殺害。
(これが原因で、その部屋は真木の目には常に燃えているように映る)
そして、「醜く変わる前に、美しく優しいうちに完成させる」という歪んだ使命感に取り付かれることになった。
当初、真木は姉の「優しい時代の姉」の記憶の方ばかり回想していたが、知世子と対面した結果、「忌まわしい姉」の記憶を思い出すことになった。
実際「物事は終わりを迎えて初めて完成する」という彼のポリシーは元々仁美が彼に幼い頃から言い聞かせ続けてきた思想であり、仁美本人にも歪んだ側面があったようである。(先ほどは結婚を控えてから目つきが悪くなったと述べたが、どうも親族が亡くなった辺りから歪む兆候が見られた。)
彼の心を開いていた相手は生涯姉のみであったが、姉以外で自分に深く接した伊達明にも情を持ち合わせ、本気で仲間に引き込もうとしていた。
白石知世子にも何かしら思うところがあったようで、最終決戦の直前にキヨちゃんを託している。
きな臭い言動が目立つ真木だが、こういった過去や態度から純粋な悪党とは言い難いといえるだろう。
なお、キヨちゃんは元々、仁美から「自分の代わりと思え」と、殺害の直前に押し付けられたものである。髪もちゃんとあったのだが、部屋に放火した際に燃えてしまった。
名台詞
姉が死亡した事件現場で過去を思い出した後
「世界は早く終わらせなければならない。美しく、優しい内に……いずれ、その人を醜く変える前に……善き終わりを……」
肩の人形(キヨちゃん)を弄られる時
「ん"んやあぁぁめろぅッ!!」
肩の人形が酷い目にあった時
「あ"あ"ああアアァァァ…」
「駄目だからー!!投げちゃ駄目だからー!!」
「ファオッ!!」
「ナイヨ!?ナイヨ!?ナイヨ!?アレ!?ナイヨ!?メガネモナイヨ!ア、ボクオヨゲタヨ!オヨゲタヨ!」
最終決戦に敗北して、ブラックホールに飲み込まれて消滅する直前の最期の言葉
「私の終末……私が完成してしまう!!」
その他の作品での登場
オール仮面ライダー ライダージェネレーション2では、世界を支配しようとするゴウラの手によってオリジナルの真木博士の記憶を持ったコピー怪人として恐竜グリードが登場、各ライダー達と戦う事になる。
余談
演じた神尾佑氏は、以降も特撮作品に数多く出演しており、『仮面ライダーフォーゼ』で城島ユウキの父親役でゲスト出演しているほか、『ウルトラマンX』では防衛チームの隊長役として真木とは正反対の非常にカッコいい姿を見せている。
関連タグ
仮面ライダーOOO ライドベンダー カンドロイド 仮面ライダーバース
グリード(仮面ライダーOOO) ギル(グリード) カザリ アンク(ロスト) メズール ガメル 終末家族
シャチパンダヤミー プテラノドンヤミー ユニコーンヤミー アンキロサウルスヤミー
平成2期のマッドサイエンティストたち
いずれも真木と同じくメインキャラクターで、奇しくも全員主人公を本気で怒らせている。
戦極凌馬:上記に加え「変身ベルトの創造者である」「独身」「正義のライダーの1人と友好関係を築いていたが、自分の目的のために裏切り敵対する」といった共通点がある。
蛮野天十郎:上記に加え登場当初は主人公の協力者だったが裏切った点も共通。しかし自己顕示欲の塊である点や、妻子持ちである点は真木とは異なる。