間違いなく純血とされた28の魔法界の名門。詳しくは純血(ウィザーディング・ワールド)も参照。
このリストに載った一族の中でも、特に大所帯で知られるウィーズリー家は公然と不快感を示した。ウィーズリー家はイギリス魔法界の由緒ある一族のほとんどと縁戚関係にありながら、多数の魅力的なマグルの祖先を持つことを誇りにしていた。この行動から、他の純血を称する一族に「血を裏切る者」の汚名を着せられることとなった。
一方で、他の多数の一族が自分たちがリストに載っていないことに対して抗議の声を上げたという。
(聖28族一覧)
- アボット
- エイブリー
- ブラック
- ブルストロード
- バーク
- カロー
- クラウチ
- フォウリー
- フリント
- ゴーント
- グリーングラス
- レストレンジ
- ロングボトム
- マクミラン
- マルフォイ
- ノット
- オリバンダー
- パーキンソン
- プルウェット
- ロジエール
- ロウル
- セルウィン
- シャックルボルト
- シャフィク
- スラグホーン
- トラバース
- ウィーズリー
- ヤックスリー
アボット家(Abbott)
ゴドリックの谷の墓でも名字を確認できる旧家。
- ハンナ・アボット:ハッフルパフに所属するハリーたちと同学年の女子生徒。後にネビル・ロングボトムと結婚する。
エイブリー家(Avery)
死喰い人を二つの世代で輩出。
- エイブリー:死喰い人。スリザリン出身。
ブラック家(Black)
イギリス最古の魔法家系の一つであり、すべての純血の名家の中心に位置する一族。
ほとんどすべての魔法一族と親戚関係にあり、その歴史は中世にまで遡る。
そのためブラック家の者たちはブラック家を事実上イギリス魔法界の王家と考えている。
またこの家の出身者は整った顔立ちをしている美形が多い。
家訓はTonjours Pur「純血よ永遠なれ」。代々スリザリン。
- シリウス・ブラック:ブラック家の最後の男系の末裔。同時に純血を尊ばない一族の異端児でもある(後に母に絶縁されている)。またシリウスはブラック家の長男に代々名づけられる名前である。
- レギュラス・ブラック:シリウスの弟。兄とは違い純血思想を持ち、両親からも期待されていた。物語ではすでに故人であり、名前しか出ていないが……。
など
ブルストロード家(Bulstrode)
ブラック家と姻戚関係がある。
- ミリセント・ブルストロード:ハリーと同学年のスリザリン女子。
バーク家(Burke)
ブラック家と姻戚関係。
- カラカスタス・バーク:かつてホグワーツを卒業した直後のヴォルデモートが働いていた「夜の闇横丁」の店「ボージン・アンド・バークス」の創設者の一人(もう一人はボージン)。2巻の時点では店を切盛りしているのはボージンだけなので、既に引退していると思われる。
カロー家(Carrow)
死喰い人を輩出。
クラウチ家 (Crouch)
魔法界でも最古の家系の一つ。ブラック家やロングボトム家とは近い親戚同士である。後作中に登場した人物はいずれも秀才。死喰い人を輩出。最後は完全に断絶する。
クラウチ家の当主。非常に厳格かつ几帳面な性格であり、マグルの服装に関する決まりも完璧に守っている。魔法の実力は極めて高く、ヴォルデモートの服従の呪文に対抗できるほどだった。アズカバン送りにされたシリウス・ブラックも皮肉交じりであったが立派な魔法使いだと認めている。
かつてはヴォルデモートの全盛期下の魔法界で「最も魔法大臣に近い男」と言われていた。
クラウチ家の子息。ホグワーツ時代はO.W.L試験で12科目に合格する優等生だったが、父への反発から、10代の頃に死喰い人に加わった。 監獄アズカバンで死んだとされている。
フォウリー家 (Fawley)
作中本編では登場せず。
- ヘクター・フォウリー:1925年から1939年まで魔法大臣に在任していた魔法使い。先代はローカン・マクレアード。次代はレナード・スペンサー=ムーン。快活で自身溢れる人物であったが、ゲラート・グリンデルバルドの脅威を真剣に受け止めず、魔法界とマグル界両方に多大な影響を及ぼした世界大戦を引き起こした。
フリント家 (Flint)
女性魔法大臣をかつて輩出。ブラック家と姻戚。
- マーカス・フリント:ハリーの4学年上の男子生徒。クィディッチスリザリン代表チームのチェイサー兼キャプテンであり、試合中には卑怯な手段に出ることも多かった。
ゴーント家 (Gaunt)
魔法界でも最も古い旧家の一つ。かのサラザール・スリザリンの血統でもあり一族の者たちは皆パーセルマウス(蛇語使い)でもある。純血思想の悪い面がすべて表に出た様な一族であり、魔法界でも常軌を逸した純血至上主義。本当の意味での純血を最後まで保っていた家系だが、そのために近親婚を繰り返した結果、子孫は情緒不安定と暴走行為を繰り返すようになった。作中ではマールヴォロの数代前に先祖が残した莫大な財産も全て使い果たし貧窮していた。
ハリー・ポッター曰く「豚みたいな暮らしぶり」。代々スリザリン。
- マールヴォロ・ゴーント:ゴーント家の当主(一応)。すでに老齢に達した魔法使いであるが、その言動は狂人そのもの。もはや狂信と言っていいほど、純血思想にとりつかれており、会話もままならない。作中でハリーが「猿のよう」と称している。
- モーフィン・ゴーント:マールヴォロの息子。髪は埃塗れで目は小さく外斜視であり、歯が数本欠けているという不気味な風貌の男。父親に負けず劣らずの破綻者であり、マグルを幾度も襲った前科を持つが、それについて反省も後悔も全くない(そもそも罪や悪行を理解していない節がある)。
また作中でパーセルタング以外での会話は見られず、父もわざわざ彼にはパーセルタングで話すことから、英語は話せないようである。マールヴォロと同じく純血主義の狂気と末路を存分に表現した人物。
- メローピー・ゴーント:マールヴォロの娘でモーフィンの妹。名前はギリシア神話に登場するメロペーに由来する。しかし女神の名前に反して、髪に光沢はなく、目は外斜視。顔は青白く、ぼってりとしているなど、その外見は美人とは言いがたい。日常的に父や兄から虐待を受けながら育った為、精神が疲弊しており、家ではまともに話さず、家事ばかりやらされるなど奴隷と変わらない扱いを受けていた。父や兄と違って精神性はまともで、マグルに恋をするなど純血主義でもない。
家の隣に住む富豪の御曹司トム・リドルに求愛しており、後に惚れ薬を盛り、誘拐同然に彼を引き連れ出奔する。(トムがマグルでもあったため、父と兄からはその存在を抹消される)
後に彼女は一人の男の子を生む……。
グリーングラス家 (Greengrass)
純血主義的であったが、二度目の戦争を経て軟化。先祖からの血の呪いを受け継ぐ。
- ダフネ・グリーングラス:ハリーと同学年のスリザリン生。パンジー・パーキンソンの仲間だった。
- アストリア・グリーングラス:ダフネの妹。ハリーたちの2学年下のスリザリン生。
2度目の魔法使いたちの戦い後、ドラコ・マルフォイと結婚。息子にスコーピウスがいる。かつては純血主義を信望していたが、2度目の魔法戦争以後、考え方が柔軟になり、息子には純血主義的教育を行わなかった。
レストレンジ家 (Lestrange)
フランス魔法界の旧家。純血思想に加え男尊女卑の家系であり、純血女性も家系図に名前が記載されない。一方で純血の男子には愛情溢れる極端な家系。グリンコッツ銀行にあるこの家の金庫は最高警備で守られている。シンボルは大鴉。魔法大臣も輩出している。代々スリザリンのようだ。死喰い人を輩出。
- ラドルファス・レストレンジ:1835年から1841年までの魔法大臣。神秘部を廃止しようとした。
- [リタ・レストレンジ]]:出自故に同級生(主にグリフィンドール生)から嫌われていた。スリザリンに所属していたが純血主義ではなく、強い勇気を持った人物。闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドに立ち向かい命を落とした。
- ロドルファス・レストレンジ:死喰い人。ベラトリックス・ブラックと結婚した。ぶっちゃけ影が薄い。妻と同様ヴォルデモートの熱狂的信者。
- [ラバスタン・レストレンジ]]:死喰い人。ロドルファスの弟。
- ベラトリックス・レストレンジ:ブラック家出身の魔女。シリウス・ブラックとは従姉弟の関係。
生粋の純血主義者であり、ヴォルデモートの狂信的信者。その思想・言動はもはやゴーント家と大差がない。
ロングボトム家 (Longbottom)
魔法界でも最古の純血家系の一つ。ブラック家とは近い親戚。勇敢な人物を多く輩出。
- ネビル・ロングボトム:グリフィンドール生であり、ハリーと同学年の親友。寮の部屋も相室である。
入学当初はなにをやっても駄目であったが、次第に成長していく。
実はハリーと同じ運命をもつ少年。
など
マクミラン家 (Macmillan)
分かっているだけで、九代前から続く魔法使いの一族。
- アーニー・マクミラン:ハリーと同学年のハッフルパフ生。すこし尊大なところはあるが、根は善人であり、ハリー達からも好かれている。秘密の部屋の騒動の際、ハリーを犯人だと疑っていた。
マルフォイ家 (Malfoy)
とても古い歴史を持つ純血の家系であり、その起源は中世フランス。
ウィルトシャー州にある地方領主たちから没収した一等地の豪邸に代々住んでいる。
またマルフォイ家の人間は純血思想に傾倒しており、反マグル活動の代名詞ともいえる一族である。(それにより名を遺した当主が何人も存在する。)しかしかつてはマグルと癒着していた、狡猾な一族。代々スリザリンである。
- ルシウス・マルフォイ:[[マルフォイ]家の当主であり、死喰い人のNo.2
例にもれず、生粋の純血主義者。しかし表立っての活動は決してしない。また魔法省内部にも、強いコネクションを持っている。
ヴォルデモートからの信頼もあり、彼の復活後もその地位を保っていたが、度重なる失態により窮地に立たされる。
- ナルシッサ・マルフォイ:ルシウスの妻であり、ベラトリックスの妹。ブラック家出身。
容姿は美人であるが、性格はあまりいいとは言えない。
夫と息子を溺愛しており、彼らを冷遇するヴォルデモートから、最終的に離反する。
- ドラコ・マルフォイ:ルシウスとナルシッサの息子。
両親の影響を受け、純血を重んじ、混血・マグルを見下している。しかし確かな愛情を受けて育ったため、殺人・拷問と言った残虐な行為ができない。
このことがハリーとヴォルデモートの因縁に決着をつける間接的な要因となる。
また、傍目からは頭が弱いと思われかねない言動を取りがちな級友に対し、偏見や蔑視のような感情を持たずに接する場面もあるため、性根自体は悪いとは言い切れない。
など
ノット家 (Nott)
聖28族を選定した張本人の一族。死喰い人を輩出。
ハリーと同学年のスリザリン生。純血主義者。父親は死喰い人。
内気で一匹狼な性格だが、頭がよく、ホグワーツの成績は上位。ドラコとも父親のノット・シニアを通して付き合いがあり、立場は対等。
オリバンダー家 (Ollivander)
代々魔法の杖の製造に従事してきた一族。その歴史は非常に古く、紀元前・古代ローマにまで遡る。
名の由来は「オリーブの杖を持つ者」
ダイアゴン横丁にある杖の専門店「オリバンダー」の店主。
今まで売った杖は、買った人から杖の材質・長さ・特徴まで全て覚えている。ハリーに杖の忠誠心の存在、性質を教えた。
パーキンソン家 (Parkinson)
魔法大臣も輩出した名門。
- パンジー・パーキンソン:ハリーと同学年のスリザリン生。性格は悪く、ドラコとは仲がいい。犬のような顔をしており、声は甲高い。
ハーマイオニーとは敵対関係にあり、ハーマイオニーからは「いかれた牝牛」「脳震盪をおこしたトロールより馬鹿」等と評されている。
一方でパンジーも「ブスよ」「頭でっかち」「愛の妙薬を使った」などとハーマイオニーを嫌っている。
プルウェット家 (Prewett)
ウィーズリー家とブラック家に近い家系。
純血主義ではなく、ヴォルデモートに敵対したため、男系の血筋は滅ぼされている。
当時最も強力な魔法使いの一族としてマッキノン家、ボーンズ家とともに名前が挙げられている。
- ギデオン・プルウェット:不死鳥の騎士団のメンバーだった。フェービアンと共に死喰い人5人と戦い、命を落とした。
- フェービアン・プルウェット:
不死鳥の騎士団のメンバーだった。ギデオンと共に死喰い人5人と戦い、命を落とした。
- イグネイシャス・プルウェット::シリウス・ブラックの伯母
- モリー・プルウェット:同じ聖28一族のアーサー・ウィーズリーと結婚。夫との間に7人の子供をもうけた。
ロジエール家 (Rosier)
グリンデルバルドおよびヴォルデモートの配下を輩出した家。ブラック家と近縁。
- ヴィンダ・ロジエール:純血の女性で、ゲラート・グリンデルバルドの配下。
- ドゥルーエラ・ロジエール:ブラック三姉妹の母親。
- エバン・ロジエール:第一次魔法大戦の折、アラスター・ムーディよって殺されている。死に際の抵抗でムーディの鼻を削ぐなど、戦闘に秀でていた。
など
ロウル家 (Rowle)
魔法大臣も輩出した名門。死喰い人を輩出。
- ソーフィン・ロウル:色黒の巨漢で、髪は短くブロンド。ホグワーツに乗り込み、ハリー・ポッターたちと戦闘を繰り広げた。この時、死の呪文を乱射し、同じく死喰い人であるギボンを殺害(死の呪いの使用には相当量の魔力が必要となるため乱射は難しく、作中でこの呪文を乱射したのはロウルとヴォルデモートだけである)。
セルウィン家 (Selwyn)
ドローレス・アンブリッジはこの家の系列だと詐称した。死喰い人を輩出。
- セルウィン:荒々しい声の死喰い人。
シャックルボルト家 (Shacklebolt)
おそらく黒人系の一族。
魔法省の闇祓い局に所属する魔法使いで、ニンファドーラ・トンクスの先輩。
不死鳥の騎士団にも加入している。(ただし創設メンバーではない)
黒人で背が高く、頭が禿げ上がっており、片耳に金のイヤリングをしている。
人を落ち着かせる深いゆったりした声の持ち主。
前述の人を落ち着かせる声や、マグルの洋服をきちんと着こなせるといった点などからか、魔法族嫌いのダーズリー家からも嫌われておらず、別格に扱われている。
本人は純血の家の生まれであるが、純血主義やマグル差別などは全く持ち合わせておらず、「すべての人の命の重さは同じ」という平等思想を持ち、「魔法使い優先」思想ですら否定しマグルの保護を呼びかけている。
後に魔法大臣に就任する。
シャフィク家 (Shafiq)
アラブ系の一族であり、本編には登場しない。
スラグホーン家 (Slughorn)
ホラスもその両親もやや偏見はあるが良識的な純血。
- ホラス・スラグホーン:ホグワーツ魔法魔術学校の「魔法薬学」の教授で、スリザリン寮の寮監。 自身もスリザリン寮出身。
ダンブルドアも認めるほどの優秀な魔法使いであり、知識・技量共に超一流。
実はある秘密を抱えている。
トラバース家 (Travers)
魔法法執行部も死喰い人も輩出した一族。
- トーキル・トラバース:1920年代に魔法省で魔法執行部部長を務めていた人物。
グリンデルバルド打倒を目指しており決して悪人ではないがダンブルドアを嫌っており強行的な手法も多かった。
- トラバース:冷静な性格の死喰い人。痩身で、王冠のように見えるもじゃもじゃした白髪、鋭く高い鼻の持ち主。マッキノン家の殺害に関与し、アズカバンに収監されていた。
マッキノン家は当時プルウェット家、ボーンズ家と共に最強と言われた一族とされ、彼も相応の実力者であったと考えられている。
ウィーズリー家 (Weasley)
魔法界でも歴史ある旧家の一つ。ブラック家、クラウチ家、ロングボトム家、プルウェット家、ポッター家と様々な家と親戚関係である。
他の魔法界の純血の一族と異なり、マグルやマグル生まれ、混血の人々とも親しく交際し、純血の優越性を唱えなかった。さらに自分の家系に高名なマグルがいることを自慢するなど、純血主義の一族からは「裏切り者」と嫌われている。
この一家を28族に含めてのは、ウィーズリーを省くと他の純血の正当性も損なわれるからである。
- ロン・ウィーズリー:ハリーの初めての友達であり、生涯の親友の一人。
魔法使いであることを除けば、どこにでもいるごくごく普通の少年。
ハリーや読者にとって、魔法界の常識や知識を得る為の重要な情報源でありムードメーカー。
など
ヤックスリー家 (Yaxley)
ブラック家と姻戚関係。死喰い人を輩出。
- コーバン・ヤックスリー:死喰い人の1人。長身で厳つい顔をしている。
ヴォルデモートには非常に忠実で、自分の運ぶ情報には常に大きな自信を持っている。
魔法省に侵入し魔法法執行部部長だったパイアス・シックネスに服従の呪文をかけ服従させ、魔法省内部の情報を流すことに成功する。魔法大臣ルーファス・スクリムジョールが暗殺され、ヴォルデモートが魔法省を掌握し、シックネスが魔法大臣に就任すると、ヤックスリーは後任として魔法法執行部部長に就任した。新政策でマグル生まれ登録委員会を設立しドローレス・アンブリッジと共にマグル生まれを裁判・弾劾した。
ポッター家(potter)
分かっている限りでも12世紀から続く名家だが、「聖28一族」からは除外されている。
マグルとの関わり
ポッター姓の者はマグルにも多く(現実にもポッターの姓を持つ者がいる)、ポッター家が代々住むスティンチクームにもマグルのポッターが多かったために、リストから外されたと思われる。
しかしドレア・ブラックがポッター家のチャールズと結婚し、尚且つブラック家から除名されていないために、ポッター家は純血とみなされている。
魔法大臣との衝突
ハリー・ポッターの曽祖父ヘンリー・ポッターが当時の魔法大臣アーチャー・エバモンドとマグルの扱いにてひと悶着起こす。
当時は第一次世界大戦下であり、ヘンリーはマグルの保護を呼びかけたが、魔法省、ウィゼンガモットに反発される。
このことがポッター家を純血家系から外す決定打になった。
またヘンリーは友人たちから「ハリー」という愛称で呼ばれていたらしい。
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