お菊(ONEPIECE)
おきく
※この記事には、単行本未収録内容が含まれていますので、単行本派の方、TVアニメ派の方は閲覧しないことをオススメします。 |
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概要
錦えもんの妻・お鶴の切り盛りする茶屋で働く看板娘で、その器量の良さと朗らかな性格からおこぼれ町の住民たちからも慕われている。
その美貌から、現在の横綱・浦島にも惚れられ常々求婚されているが、お菊自身はその巨躯と力に自惚れ周囲に粗暴に振る舞う彼のことを毛嫌いしている。また、自らを“侍”と称し、ときには弱き人々のために刀を持って戦う武人としての強い覚悟も併せ持つ。
後にその正体は、錦えもんたちと同じ光月家の家臣団「赤鞘九人男」の一人であり、モモの助や錦えもんたちと共に20年前の過去からタイムスリップしてきたことを明かした。
当時から“残雪の菊の丞”の二つ名で知られる美青年剣士で、その剣で斬られた者は、春まで残る雪のように苦しめ続けると歌われる。戦う際には般若の面を付けており、博羅町での百獣海賊団との戦いでは、面を付ける姿を見た敵兵たちがその正体に気付きどよめいていた。
また、白ひげ海賊団16番隊隊長・イゾウは実の兄であり、共にモモの助の父でもある九里大名・光月おでんの家来になった経緯を持つ。
プロフィール
本名 | 菊の丞 |
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異名 | 残雪の菊の丞 |
年齢 | 22歳 |
身長 | 287cm |
所属 | ワノ国九里 |
覇気 | 不明 |
誕生日 | 不明 |
血液型 | XF型 |
好物 | しらたき |
一人称 | 拙者 |
CV | 伊瀬茉莉也 |
人物
黒髪のストレートロングヘアーと赤い口紅が印象的な美女だが、ルフィやゾロより遥かに身長が高い(さすがに彼女程ではないが)。
普段は菊の花柄が描かれた黄色の着物姿で、戦いに際しては襷で裾を絞り、髪を赤い帯で後ろ結びでまとめるなどしている。
一人称は「拙者」で、古風な丁寧語を用いる。
非常に物腰柔らかで、余所者であるルフィやゾロにも(お鶴の命の恩人でもあることから)初対面時から親身になって接するなど、心優しい性格。正体を隠して暮らしていたおこぼれ町では女将のお鶴やお玉から慕われていた。(その生い立ちゆえか)ワノ国にある身分制度には反対らしく、士族という肩書を主張して自分に迫る浦島の髷(まげ)を切り落とした。
「拙者 下人という人間を存じません」「お戯れを 卑しきはあなたの心」
苦楽を共にした九人男との信頼・交流も深く、錦えもんと再会した際にはサンジが嫉妬する程イチャイチャとすり寄ってみせている(本人いわく「会いたくて会いたくてわなないていた♡」)他、当時は年頃の近かったミンク族のイヌアラシ・ネコマムシのことはそれぞれ「イヌちゃん」「ネコちゃん」と呼び慕っている。兄イゾウのことも敬愛しており、彼がおでんと共に姿を消してしまった際には、慌てふためく家臣団の陰で泣きながら探し回る姿をみせていた。
戦闘能力
一振りの刀を振るって戦う剣士。
なお、戦闘の際にはうしろ髪を結び、袖を襷で絞って動きやすい装いを整えてから戦う。
上述の浦島の髷を斬り落とした妙技から高い技量を有していることが伺い知れる他、博羅町での百獣海賊団との戦いで共闘したルフィやゾロにも認められているため、相当以上の実力者であると思われる。
決戦当日は甲冑と兜を装着している。
技
- 残雪鎌
鎌型の斬撃を複数飛ばす技。カイドウに効果があったかは不明
本編
百獣海賊団の“ギフターズ”によってお玉が攫われた際には、お玉を取り返そうとするルフィたちに同行した。
無事にお玉を救出した後は、ルフィたちと行動をともにしておでん城跡地へと向かう。
そこで彼女は錦えもんらと同じくかつて光月おでんに仕えて現在はモモの助に仕える侍「赤鞘九人男」の一人であり、光月トキの能力で20年前の決戦の日からタイムスリップした五人のうち一人だと判明した。それゆえカイドウや黒炭オロチを敵視しており、彼らや百獣海賊団の情報を集めている。
ルフィがカイドウとの交戦により捕まった後は、主君モモの助の懇願もありチョッパーらと共にクイーンが管轄する兎丼へ赴く。
そこでクイーンとおリンの激突が起きた後は、ルフィや雷ぞうと協力し捕まっていた多くの囚人を助け出した。
決戦当日は、モモの助たちと共に集合場所のはずの常影港に向かう。
しかしそこに仲間の姿は無く、赤鞘達は近くにあった小舟で荒れ狂う海を渡ることになった。
その途中で菊はあの時と同じく作戦が漏れていると涙を流しながら訴え、内通者が正体を表した際に彼に問いただしたが、彼の本名を聞くとそれ以上何も言えなくなってしまった。その後百獣海賊団の軍艦三隻に沈められそうになるが救援に来た最悪の世代によって救われた。
鬼ヶ島に到着した後、マルコに運んでもらう形で鬼ヶ島まで飛んで来たネコマムシとイゾウの二人と再会。実に30年ぶり(お菊からすれば10年ぶり)の再会となる兄を、子供のように大泣きしながら迎え入れた。
そして自分たちを待ち構えていた内通者と百獣海賊団のギフターズ達と戦闘。自分は内通者本人と対峙し無事勝利したようだが、彼の目からは兜から漏れるほどの涙が流れていた。
その後、百獣海賊団が宴をしている屋敷の内部に潜入した赤鞘達は、カイドウがモモの助を処刑しようとする寸前で「捨名ッ知(スナッチ)」の言葉と共に乱入し、全員でカイドウの体に刀を突き立て傷を負わせステージ下へと突き落とす。
遂にカイドウ率いる百獣海賊団との決戦は始まった。月の獅子化したミンク族との戦いで疲弊したジャックが月の獅子化したイヌアラシとネコマムシによって敗れた後、赤鞘は全員でカイドウに猛攻を加えて着実に傷を与えていき、赤鞘渾身のおでん二刀流「桃源十拳」をカイドウに喰らわせた……が、それでもカイドウに対しては決定打に至らず、逆にカイドウが龍形態で起こしたかまいたちによって菊は左腕を刀ごと斬り落とされてしまう(その後、すぐにイゾウが腕を縛って止血し、錦えもんが傷口を焼いて塞いだ)。
過去
舞踊の名門「花柳(はなやなぎ)流」の家元に生まれ、幼少期より舞踊の稽古を受けながら育つが、ある日、父が罪人として裁きを受け一家は崩落。兄イゾウと共に孤児となって路上生活を余儀なくされる。
「鈴後(りんご)」の郷で路上芸をしながら細々と暮らしていたある日、花の都を追放され国中を放浪していた光月おでんと出会い、彼の作るおでん(料理)を食したことで飢えから救われ、以来、彼の家来として兄弟共々勝手についていくようになる。
27年前九里が金欠に悩まされた際、家臣ともども霜月康イエの屋敷から金を盗もうとするが失敗。康イエの前に突き出されるが、おでんを想う忠誠心に免じて許され、逆に金を与えられると共に「次期将軍に相応しい家臣になれ」と薫陶を授けられる。この言いつけに従い、菊の丞は事件から3年後(30年前)には花の都の住人が見紛うほど立派な武士に成長を遂げた。
(この頃から「拙者」という一人称が定着したと思われる。)
同年、光月おでんは九里に漂着した白ひげ海賊団の航海に無理やり同行し、直前そのことに気付いたイゾウもまたおでんを止めようとしがみつく形で二人と(こっそり同行した同胞のイヌアラシとネコマムシが)そのまま海外へ旅立ってしまう。菊の丞は主君と兄といなくなったことに気づき、突然の別れに涙を流して動揺した。
おでんが不在の数年間で、菊の丞は更に一人前の剣士として成長しており、おでんが行ってしまった後に起こった黒炭オロチ討伐作戦にも参戦していた模様。
25年前、帰国したおでんからイゾウのことを申し訳無さ気に切り出されると、先に帰国したイヌネコから既に聞き割り切った様子で「元気にしているならそれでいいですよ」と笑顔で返していた。
20年前、主君の光月おでんと共に菊の丞も『赤鞘九人男』の一人として従軍し、「兎丼(うどん)」にて待ち構えていたカイドウとその部下1000人を相手に大激戦を繰り広げた。黒炭ひぐらしの妨害によりおでんが倒れると、菊の丞たち家臣団も次々に打ち倒され全滅。花の都の牢屋にて罪人として晒し者にされ、三日後、釜茹でによる公開処刑が決定付けられる。
だがおでんは奇策で自らを犠牲に九人男を逃がし、おでんがオロチとカイドウの卑劣な策略により処刑されると、敵の追走を振り払いつつ、菊の丞たちはなんとかおでん城へと辿り着き、光月トキや二人の子供たちと対面。その後、トキの能力によって長男であるモモの助共々、20年後の未来(現在)のワノ国へと飛ばされた。
未来へやってきたモモの助、錦えもん、カン十郎、雷ぞう、そして菊の丞の5名は、焼き討ちによる崩落と長い時間の経過と共に朽ち果てたおでん城や、おでんやトキ、そして自身らの名が刻まれた墓標を確認し、これが夢ではなく真に未来の世界であることを痛感する。
しかし、おでんとトキの遺した希望や、20年を経てもなお光月家を慕い続ける民衆の支えもあり、再びオロチ討伐のために決起し、来たる決戦の日に向けて行動を開始する。菊の丞は現在の国の情勢を探るために国に残り、錦えもんの妻でもある女将お鶴の営む茶屋にて、看板娘の“お菊”として働き出した。
余談
- 性別問題
勇ましい態度を見せたかと思えば猫かぶったように急に控えめになったり、女好きの錦えもんが彼女に抱きつかれているのに特に嬉しそうでなかったり、回想での姿が男装しているようであったり、光月家の家臣団が『赤鞘九人男』と呼ばれていたり、彼らを死亡扱いして立てられた墓標の中に「~のじ~」と表記のかすれたものがあったりと、その正体は女性のフリをしているだけの男『菊のじょう』なんじゃないかとも言われていた。
そして、948話にて戦闘の際に般若の面を装着したお菊は、敵から
「ワノ国一の美青年剣士“残雪の菊の丞”と同じ面!?」
と驚かれる。
ルフィたちにも「男なのか?」と聞かれ、
お菊「心は女です♡」
とハートマークつきで答えた。
「ヒーハー!」
結論としては「トランスジェンダー(性自認は女)」ということになる様子。
(ただ、スマイルの悪影響を受けている描写はないものの、悪魔の実を口にしているか否かについてはまだ明かされていないため、一時的に性別等が変わっていた可能性も否めない。)
また、第三部では全く逆の立ち位置の侍が登場しており、早くもお菊とのエンカウントを期待する読者が出ている。
- お鶴
お菊がお鶴の所で看板娘として潜入していたのは、敵勢力を調べることの他にお鶴の無事を確認するためでもあった。
なお彼女はお鶴に自身の正体について気づかれていないと思っていたようだが、実はとっくに気付かれていた模様。
- 演者に関して
全くの余談であるが、演者の伊瀬氏はお菊と同時期に初登場したお玉役の潘めぐみ氏と共に『HUNTER×HUNTER(新アニメ版)』にて主演を務めている(伊勢氏がキルア、潘氏がゴン)
そのため、声優発表時にはちょっとした話題になった。
- 海賊無双では
2020年12月に配信開始された『ONE PIECE 海賊無双4』のDLC第3弾「ワノ国パック」にてプレイアブルキャラクターとして錦えもん、おでんと揃ってついに登場。
刀使い3キャラの同時参戦となったが、お菊は抜刀をメインとしたアクションで差別化されており、同時に“残雪”の異名に倣ってか、攻撃のエフェクトとして雪が舞い、一部の攻撃で敵を凍結させる効果を持つ。