概要
全長約2.5メートルほどの魚。
南アメリカのアマゾン川等に分布しており、池や流れの緩い川に生息する。夜行性で、昼間は物陰や泥底に潜んで眠る。
世界で最も有名な身体から電気を生み出す生物として知られ、体の胴から尾部にかけて左右一対の発電器官を持ち、一撃で馬を倒す最大850ボルトの電流を発生させる。
主食は小魚やエビで、普段はレーダーの様に微弱な電流を放出し、獲物を見つけると強く放電して動けなくなった獲物を捕食する。その為、目は退化しており殆ど見えない。
また自衛にも役立てており、大きな動物が体に触れたときも放電して痺れさせ、その間に逃げる。
体は円筒形で全身が暗褐色。名前にウナギとあり外見も似ているが、実はウナギとは無縁で1属1種の独立種。どちらかというとコイに近い。
ヒレは胸鰭と尻鰭しかなく、長く発達した尻鰭を波打たせて泳ぐ。その独特な構造から、前だけでなく後ろにもバックして泳ぐことができる。
実は内臓などの器官は頭のすぐ後ろにあり、体長の約8〜9割は発電器官を兼ねた尻尾の様な体構造になっている。そこに筋肉細胞が変異した「発電板」と呼ばれる器官が敷き詰められており、自らの意思で運動させる事で発電する。
その為、疲れたり年老いたりしている個体ではうまく発電できない場合もある。
またそれは、疲労した状態に追い込めば比較的安全に捕獲できるということでもあり、水面を棒などで叩いてデンキウナギを刺激して発電させ、疲れて発電できなくなったところを捕獲する漁法もある。
なお、発電時はデンキウナギ自身も感電している。ただし体内に蓄えた脂肪が絶縁体の役割を果たす為、感電死する事はない。
ただ、この脂肪の性質から、本物のウナギと違ってあまり美味しくは無いらしい。
またハイギョやピラルクの様に空気呼吸をする種でもあり、エラもあるがあまり発達しておらず、たまに水面に口を出して息継ぎをしないと魚なのに溺死してしまう。
逆に言えば水の交換が起こらない池や淀みでも、酸欠にならず生きていくことができ、これは温度が上がるほど溶存酸素量が少なくなる熱帯の水域に適応した結果と言える。
日本との関わり
比較的輸入されている様で、水族館でよく見られる他、一般向けに稚魚が販売されている。放電する魚として有名で、水槽には電力を視覚化する為のメーターが付いている事が多く、旧マリンピア松島ではパッチを持って放電を体験するコーナーがあった。
展示される水槽では大抵1匹だが基本的に温厚で、デンキウナギ同士は感電しない為、しながわ水族館の様に数匹展示している所もある。
因みにタレントの若槻千夏が焼いて食べた所、予想以上にウナギの味がしたらしい。
また現地では捕獲したら木の棒で水面を叩いてデンキウナギを刺激して発電させ、疲れたところを捕獲するのが一般的。(しながわ水族館でも、水替えで移動の際は下の動画の様に刺激して疲れさせて水揚げしている)
サンシャイン水族館で開催された『テラフォーマーズ』とのコラボイベントでは、自らの電気を脂肪で防ぐ体質について「鍛えれば鍛えるほど脂肪が必要」とコメントされた。
創作での扱い
関連キャラ
※単なるウナギモチーフでも、電気を操る者が多い。
この項では明記されている者を掲載する。
- アオデンキウナギ(人造人間キカイダー)
- アドルフ・ラインハルト(テラフォーマーズ)
- シャウタコンボ、電気ウナギカンドロイド、メズール(仮面ライダーOOO)
- エレキウナギ、エレキヅノー、デンキウナギン、ウナダイゴ、サウナギンナン(スーパー戦隊シリーズ)
- ボルギス(七星闘神ガイファード)
- シビシラス、シビビール、シビルドン(ポケモン)
- でんきウナーギ(MOTHER2)
- エレゲン(強殖装甲ガイバー)
- ウナギング(空想科学大戦)
- 電気ウナギイヌ(東京ガスのCM)
関連人物
- ブランカ(ストリートファイターⅡ)…アマゾンのジャングルに住む野生児で、格闘経験から自身も電撃を放つ技を身につけた。
- 上杉実/グリーンレーサー(激走戦隊カーレンジャー)…電気ウナギの蒲焼を食べた事で、雷が怖くなくなった。
- 沢村一気(剛Q超児イッキマン)…敵チームのピラニア投法に対抗し20話で本物の電気を利用した電気ウナギ投法を披露。
- フランケンシュタインの怪物(フランケンシュタイン)…ロバート・デ・ニーロ出演の1994年版と、2014年の『アイ・フランケンシュタイン』において蘇生実験に用いられた。