概要
2017年7月21日より運行を開始した、横浜駅と伊豆急下田駅を結ぶ団体臨時列車(クルーズトレイン)。東急電鉄が催行し、JR東日本、伊豆急行が運行する。
車両は伊豆急行2100系R-5編成(アルファ・リゾート21)を改造した専用車両が使用されている。
内外装のデザイン・設計はJR九州の車両デザインに定評のあるドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治氏が担当。改造は、東急電鉄長津田工場で行われた。
外見は青地に金色のラインをアクセントとして施した塗装となり、編成両端の先頭車はおでこに灯火を模した装飾が一つずつ追加されている。なお、行先表示器は撤去された。
車内は、ななつ星in九州等と同じように、木材を多く取り入れた車両が採用された。
窓は富士山ビュー特急のように木製の窓枠が設置されている。
客室はゴールドクラスとプラチナクラスがあり、プラチナクラスの方が高級なプランに使用される。
この他、食堂車、マルチカー、キッチンカーが連結されている。
インテリアは普遍性を持った機能美を追求すると共に、地域のアイデンティティーを洗練された形で表現された。
号車 | 車内設備 |
---|---|
1、2号車 | ゴールドクラス客室 |
3号車 | マルチカー |
4号車 | キッチンカー |
5、6号車 | プラチナクラス用食堂車 |
7、8号車 | プラチナクラス客室 |
THE ROYAL EXPRESSの列車旅
プランは大きくわけて2タイプあり、東急電鉄が伊豆急行の車両を貸し切るという形で旅行商品として発売され、一つは横浜駅発着で1泊2日の「クルーズプラン」と、もう一つは横浜駅~伊豆急下田駅間の片道行程で食事付きの「食事付き乗車プラン」。催行日により各プランの運転時刻や乗車区間、食事の内容が一部異なる。
なお、車内ではドレスコードが定められており、サンダルでの乗車は禁止されている他、プラチナクラスでは男性は襟付きシャツ、女性は襟付きシャツまたはワンピース等の着用が推奨されている。
車内での料理は、静岡県産の食材をふんだんに使用した料理が振舞われ、横浜発を山田チカラ氏、斎藤元志郎氏、古賀達彦氏、伊豆急下田発を河野美千代氏がそれぞれ担当している。
クルーズプラン
クルーズプランには以下の3または4種類があり催行日によって変更される。全て食事がコース形式のプラチナクラスを利用し、価格は1人あたり13万5千円から20万円。
クルーズプランA
1日目:横浜駅→(車内で山田チカラ氏監修の昼食、バイオリンコンサート)→伊豆急下田駅→(下田エリア観光)→(宿泊施設)
2日目:(宿泊施設)→伊豆急下田駅→(車内で昼食)→伊東駅→(専用バスもしくは踊り子・サフィール踊り子のグリーン車利用)→横浜駅
クルーズプランB
1日目:横浜駅→(踊り子・サフィール踊り子グリーン車利用)→伊豆高原駅→(車内で昼食)→伊豆急下田駅→(西伊豆エリア観光)→(宿泊施設)
2日目:(宿泊施設)→伊豆急下田駅→(河野美千代氏監修の昼食、バイオリンコンサート)→横浜駅
クルーズプランB(ゆっくりプラン)
1日目:横浜駅→(踊り子・サフィール踊り子グリーン車利用)→伊豆高原駅→(車内で昼食)→伊豆急下田駅→(宿泊施設)
2日目:(宿泊施設)→伊豆急下田駅→(河野美千代氏監修の昼食、ヴァイオリンコンサート)→横浜駅
クルーズプランC
1日目:横浜駅→(車内で斎藤元志郎氏と古賀達彦氏監修の昼食、ヴァイオリンコンサート)→河津駅→(専用バスで移動)→(宿泊施設)
2日目:(宿泊施設)→(中伊豆・韮山エリア観光)→河津駅→(車内で昼食)→伊東駅→(専用バスもしくは踊り子・サフィール踊り子(グリーン車)利用)→横浜駅
クルーズプランC(ゆっくりプラン)
1日目:横浜駅→(車内で斎藤元志郎氏と古賀達彦氏監修の昼食、ヴァイオリンコンサート)→河津駅→(専用バスで移動)→(宿泊施設)
2日目:(宿泊施設)→河津駅→(車内で昼食)→伊東駅→(専用バスもしくは踊り子・サフィール踊り子(グリーン車)利用)→横浜駅
クルーズプランD(土日祝プラン)
1日目:横浜駅→(踊り子・サフィール踊り子(グリーン車)利用)→伊豆高原駅→(車内で昼食)→伊豆急下田駅→(下田エリア観光)→(宿泊施設)
2日目:(宿泊施設)→伊豆急下田駅→(河野美千代監修の昼食、吊るし雛の展示)→伊東駅→(専用バスもしくは踊り子・サフィール踊り子グリーン車利用)→横浜駅
THE ROYAL EXPRESS~HOKKAIDO CRUISE TRAIN~
2019年、伊豆急行の運営元である東急電鉄がJR東日本等と合同でJR北海道管内で「THE ROYAL EXPRESS」を運行させる計画を発表した、これは北海道の観光振興や地域活性化などを目的としているとのこと。2020年8月28日より運行を開始した(丁度海水浴シーズンであるこの時期はTHE ROYAL EXPRESSは運休していることから実現した)。
運行は、2020年と2021年の8月から9月にかけて合計10回実施される。当初2020年度分は計5回の運行が予定されていたがCOVID-19の影響を受け3回に変更、残りの分は2021年分へ振り替えられた。
なお、2100系は直流電車であるため交流電化又は非電化の道内は自走できないため、JR東日本からマニ50 2186(通称ゆうマニ)を電源車として購入し連結、JR北海道のDE15型ディーゼル機関車(DE15 1542とDE15 1545)2両で牽引する。なお、当該の機関車は黄色に、電源車は白色の専用色に塗り替えられた。これも水戸岡氏からの指示とのこと。
また、2100系のパンタグラフとスカート、上部のライトは(非電化区間のトンネルに接触しないよう)取り外されている。さらに通常の8両編成のままでは一部の駅のホームからはみ出してしまうため、一部の車両(2、3、7号車)を抜いて1、4、5、6、8号車の5両編成に組み替えられた。北海道内での運転のため、パンタグラフを取り外しており自走ができない。そのため北海道への輸送の際も全区間で他の車両に牽引された。(甲種輸送)実質客車化されといえる。
クルーズプラン
1日目:JRタワーホテル日航札幌集合→札幌駅→(列車内昼食)→池田駅→(ワインパーティー)→(バス移動)→十勝川温泉第一ホテル豊洲亭
2日目:十勝川温泉第一ホテル豊洲亭(選択プランあり)→(バス移動)→釧路駅→(列車内昼食)→川湯温泉駅→(選択プラン)→川湯温泉駅→知床斜里駅→(バス移動)→(選択プラン)→(バス移動)→北こぶし知床ホテル&リゾート
3日目:北こぶし知床ホテル&リゾート(選択プランあり)→(バス移動)→知床斜里駅→北見駅→(選択プラン)→北見駅→(バス移動)→遠軽駅→(列車内昼食)→旭川駅→(バス移動)→富良野リゾートオリカ
4日目:富良野リゾートオリカ(希望制で朝観光あり)→(バス移動)→(美瑛(青い池)観光)→(バス移動)→旭川駅→(列車内昼食)→札幌駅→JRタワーホテル日航札幌解散→(希望者はバスで移動)→新千歳空港
甲種輸送
往路
2020年7月21日~23日
路線 | 区間 | 牽引車両 |
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伊豆急行線 | 伊豆高原駅→伊東駅 | 8000系6両(TA-1+TB-5、TA-5+TB-2) |
伊東線・東海道本線・武蔵野線・東北本線 | 伊東駅→宇都宮駅 | EF65 2127 |
東北本線・IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道 | 宇都宮駅→青森駅 | EH500-64 |
海峡線(青函トンネル) | 青森駅→五稜郭駅 | EH800-15 |
函館本線 | 五稜郭駅→手稲駅 | DD200-110 |
復路
2020年9月23日~26日
路線 | 区間 | 牽引車両 |
---|---|---|
函館本線 | 手稲駅→五稜郭駅 | DF200-1 |
海峡線(青函トンネル) | 五稜郭駅→青森駅 | EH800-5 |
青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道・東北本線・武蔵野線 | 青森駅→新鶴見信号所 | EH500-8 |
東海道本線・伊東線 | 新鶴見信号所→伊東駅 | EF65 2127 |
伊豆急行線 | 伊東駅→伊豆高原駅 | 8000系(TB-2+TA-1、TB-1+TA-8) |
2021年は前述の通り7回(5回+中止になった2020年の2回)を実施
往路
2021年7月20日~22日
路線 | 区間 | 牽引車両 |
---|---|---|
伊豆急行線 | 伊豆高原駅→伊東駅 | 8000系 |
伊東線・東海道本線・武蔵野線・東北本線 | 伊東駅→宇都宮駅 | EF65 2139 |
東北本線・IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道 | 宇都宮駅→青森駅 | EH500-13 |
海峡線(青函トンネル) | 青森駅→五稜郭駅 | EH800-4 |
函館本線 | 五稜郭駅→手稲駅 | DD200-104 |
復路
2021年10月5日~8日
路線 | 区間 | 牽引車両 |
---|---|---|
函館本線 | 手稲駅→五稜郭駅 | DF200-8 |
海峡線(青函トンネル) | 五稜郭駅→青森駅 | EH800-4 |
青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道・東北本線・武蔵野線 | 青森駅→新鶴見信号所 | EH500-24 |
東海道本線・伊東線 | 新鶴見信号所→伊東駅 | EF65 2057 |
伊豆急行線 | 伊東駅→伊豆高原駅 | 8000系 |