巴御前(Fate)
ともえごぜん
我が名は巴。巴御前…などと、余人に呼ばれることもありましたか。
義仲様にこの身を捧げたものではありますが、今は、あなたにお仕えするサーヴァントにございます
プロフィール
人物
誠実で義理堅く器量良しの女武者。女である前に一人の武士として自負しており、マスターに仕えるのもサーヴァントとして現界した者の務めとしている。
生真面目が故に風紀や節度にも厳しく、年若いマスターと大胆な姿のサーヴァントの関係に注意を促したりと源頼光(水着)とも意見が一致している面があるものの、その恰好を破廉恥とするなど潔癖なところがある様子。
平時はおしとやかで楚々とした風情であるが、戦時は一転して凛々しく勇ましい。
好きなことを尋ねると声が乙女になり、嬉々として「木曾義仲」のことを話してくれる。
彼女は義仲に想いを寄せ続けるもその最期の時を共に出来なかったという無念を、サーヴァントになった今も胸に秘めている。
しかし、思い残すことはあれど聖杯に願う事はないと言う。
その死生観は「サーヴァントという仮初めの存在である自分は、いずれ静かに地上から消え去るべき」としており、第七特異点で敵と相討ちになった顛末にも頷ける。
ただし夫を討った源氏には強い恨みを残しており、目の前にすれば自制できるか怪しいとのこと。
一見するとしっかり者の様に映るが、根はマイペースかつ天然の気であって、素でボケに走ってしまうこともしばしば。
「サーヴァント・サマー・フェスティバル!」ではロコモコという響きから名前の源流は可愛らしい生き物ではないかという発想に至ったり、「閻魔亭繁盛記」では、必須アイテムである「龍の珠」を得る方法として清姫(の負の一面)の複製を放ち、倒すことで得るという策を独断専行で進め、その結果で生じた報連相不足による被害そっちのけで策が上手くいってドヤ顔するなど、ややフリーダムな一面を見せることもある。
鬼には酒豪キャラが多いが、メイヴとの会話で彼女は酒に弱いことが判明した。
生粋の日本英霊な所為か横文字が苦手で会話文ではよく平仮名で表記されている。だがレクリエーションルームにあるゲームが大変気に入ったようで、どっぷりハマり気味。
のちに『節分酒宴絵巻_鬼楽百重塔』では、レクリエーションルームに入り浸り、コンピュータゲームはもとよりボードゲームやTRPGにまで手を出していることが判明。
先んじて実装された『葛飾北斎体験クエスト』でも、役目を終えると嬉々として新作の双六を買いに走ろうとして賢王に叱られていた。
どうも見ても全方位型ゲーマーです、ありがとうございます。
また、結構好きなものに関してはマイペースな様で『ちびちゅき!』でも、先が気になるあまり授業中に隠れてゲームに勤しむ姿が見られるなど、歯止めが利かない一面もある。
2019年の新春イベント「閻魔亭繁盛記」では、常在戦陣の意識が過ぎて女子力もポンコツであることが発覚。
彼女も紅閻魔の出張英霊料理教室で教えを授かったものの、一廉の腕前まで成長した同期生のキャス狐やきよひーに対し、素材を丸ごと煮炊きする、調味料を適当に代用する、さらにそれを指摘されても「火を通せばどうにかなる」と信じ込んでまったく理解しないという脳筋ぶりまで露呈してしまった。
もっとも教えの甲斐あってか(?)、料理スキルは低くはあってもゼロではなく、バレンタインデーにプレゼントしてくれる菓子のような、「レシピを遵守すれば作れる程度のもの」なら何とかこなせるようになっている。
また、バレンタインの際には皮を剥いた甘栗の様な凝りに凝ったコーディングしたチョコレートを作り上げるなど、「創作」として捉えると結構凝り性な模様。
ちなみに木曽源氏は、
「京都の料理は舌にあわないと大根を丸かじりしていた」
「挨拶に来た貴族をもてなすために出した料理が調理も味付けも雑で、貴族は怒って帰った」
「その辺を歩いていた誰かの飼い犬を捕まえ、焼いて味噌をつけて食べた」
など、史実においても食生活を酷評されていた様子が文献で残っている。つまりいわゆる史実ネタである。
彼女の雑な料理ぶりは、そうした環境による部分も大きいのかもしれない。
また柳生宗矩の幕間にて鬼の血の影響か、「舌がバカになる」時があるらしく、上記のような料理の腕の上下はそれが影響している可能性もある。
ちなみに嫌いなものに力仕事を挙げている。
これは自分が非力なのではなく、女だてらに怪力であるために衆目を集めてしまい、そんな自分を恥じているからである。
その大力の根元は“鬼種”の血を受け継ぐが故。
彼女の頭の角飾りは、飾りでなく本物の鬼の角。
彼女の祖先のどこでその血が混ざったかについては不確定であるが、常人離れした力は反英霊が持つ「怪力」スキルの上位「鬼種の魔」のそれである。そのランクもBと高いため、近縁の祖先が鬼であった模様。
チャレンジイベント「節分酒宴絵巻_鬼楽百重塔」のシナリオは、進行するにつれて彼女の在り方について深く踏み入っていく。
真名
生没年不詳。平安後期・鎌倉時代前期の人物。
征夷大将軍の位を得るも源頼朝に敗れた名将・木曾義仲(源義仲)の愛妾。
常に義仲に従い、しばしば戦功を立てた勇婦。
武勇に長け、一騎当千と謳われた。中原兼遠の娘であり、木曾四天王といわれた樋口兼光と今井兼平の妹であり───義仲とは乳兄妹の仲であった。
覚一本『平家物語』巻九「木曾最期」によれば
「いろしろく髪ながく、容顔まことにすぐれたり。ありがたきつよ弓、せい兵、馬のうへ、かちだち、うち物もツては鬼にも神にもあはふどいふ一人当千の兵也」
とある。
すなわち、色白、長髪、容姿に優れた強弓にして一騎当千の美女こそが巴御前である。
木曾義仲の最期には立ち会えておらず、京から粟津へと落ち延びる道中で別れることとなり、決死の覚悟を以って殿(しんがり)を務めて生き残った。
しかし生きて再会することは叶わず、落ち延びてのちは無き人を弔うべく尼となって静かに暮したとされる。
なお『源平盛衰記』では義仲に「自分の最期を後世に語り継いでくれ」と諭されて別れている。
その後は鎌倉に招かれ、初代侍別当の和田義盛に嫁ぎ、その子である朝比奈義秀を生んだとされる後日談があるものの、『吾妻鏡』や『平家物語』にはそうした記述がないため、このくだりは創作であると考えられている。
ただし、サーヴァント・サマー・フェスティバル!での一幕からFateではこの逸話が取り入れられている様子。
能力
アーチャーであるが弓以外にも刀、薙刀、関節技と様々な攻撃方法を見せる武芸百般を得意とする。
特に怪力無双の逸話を持ち、作中でも大変な力持ち。ステータス上では筋力が低いのが不自然なほど。なお、逸話では相手を馬ごと投げ飛ばしたり、大男の首をへし負って殺害したりなどとんでもない怪力を誇っていたという。
宝具使用時には敵を投げ飛ばしたり、EX攻撃時には素手で敵の首の骨をへし折るようなことを行っている。
『鬼楽百重塔』でも温泉の湧きそうな竹林を探り当て、一撃で岩盤を粉砕して温泉を掘り当てている。このときに「お目汚しを」と言っていることから、やはり人並外れた大力にはコンプレックスがある模様。
鬼の血を継ぐせいか、鬼種からの呪いや術にはある程度は抵抗できるようだ。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
藤丸立香 | C | D | C | B | A | B+ |
クラススキル
対魔力(B) | 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 |
---|---|
単独行動(A) | マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。 ランクAならば、マスターを失っても一週間現界可能。 |
狂化(E) | 理性を失う代わりに基礎ステータス強化する。ただしEでは実質的な影響は無きに等しい。多少、感情的になりやすい程度。 |
保有スキル
鬼種の魔(B) | 魔性を現すスキル。天性の魔、怪力、カリスマ、魔力放出等との混合スキル。真性の鬼である証左。魔力放出の形は「炎」。ランクBの彼女は純血の鬼ではなく、鬼と人の混ざりものらしい。 |
---|---|
乱戦の心得(B) | 敵味方入り乱れての多人数戦闘に対する技術。軍団を指揮する能力ではなく、軍勢の中の一騎として奮戦するための戦闘技術。多対多、一対多の戦いに巴御前は慣れている。 |
血脈励起(A) | 生前の巴が無意識に行っていた自己暗示の一種。サーヴァントとして現界するにあたっては、鬼種としての力を一時的に増幅させるスキルとして定義されている。 |
真言・聖観世音菩薩(オン・アロリキヤ・ソワカ)
- ランク:B→B++
- 種別:対人宝具
- レンジ:1~12
- 最大補足:1人
「ご下命のままに……!」
「聖観世音菩薩――私に、力を!旭の輝きを!『真言・聖観世音菩薩(オン・アロリキヤ・ソワカ)』!!」
義仲と共に最期を迎えられなかった嘆きと悲しみが、生来の炎の能力や鬼種の怪力と相まって宝具へと昇華されたモノ。
愛する木曾義仲を供養した義仲寺の本尊たる聖観音菩薩───その真言を唱えることで「自分の中の義仲への愛」を確かめた後、敵を掴んで投げ飛ばし、そして灼熱の矢を撃ち込み、義仲への想いを象徴する太陽に似せた魔力によってダメージを与える。
詳細は該当記事を参照。
滾る私の想いの一矢(ノウマク・サンマンダ・バサラダン・カン)
- ランク:B
- 種別:対人・対軍宝具
- レンジ:1~99
- 最大補足:1~40人
弓につがえた矢に炎を乗せて敵に叩き付ける。音速で放たれる矢は変哲もなく、付与された炎により威力を増加する。本人は「旭の将軍と呼ばれた義仲さまの御力」と言って憚らないが、鬼の血が濃いが故に顕れたものである。
真名の訓みは、仏教における力の尊格の筆頭「不動明王」の略呪である。
不動明王の力は「滅悪生善」「降魔覆滅」、即ち鬼神の如き力と灼熱の清めの炎による障碍の排除である。
ゲーム中では通常攻撃の矢に乗せた炎として表現されており、やろうと思えば薙刀に炎を乗せることもできる。EXアタックの薙刀に乗せた火炎はおそらくこれである。
ゲーム上での性能
アーチャー・インフェルノを参照
関連人物
生前
生前の主君であり、巴の父が義仲を養育したことで乳兄妹として育つ。「旭(あさひ)将軍」という二つ名を持つ。
便女(びんじょ/お供する男性に対して様々な世話をする女性)として仕え、恋仲にあったともいわれている。
最期となった「粟津の戦い」には参陣しておらず、京から落ちのびる義仲を逃がすためにその大力を振るった。
生前の義仲は、巴が鬼の血を引きながらも風月を好む人柄であったことや、最愛の幼馴染が穏やかな生活を送ることを願っていた。自身も巴と「戦の炎が明日を焼く事がない何でもない日々を共に過ごす為」に戦っていたと巴に語った。
巴にとっては最愛の夫であり、ゲーム中の戦闘不能時にも「義仲様……今、おそばに……」とサーヴァントとなってからも彼を愛していることが窺える。
コミック版『Fate/Grand Order -Epic of Remnant- 英霊剣豪七番勝負』では回想シーンでその生前の姿が描かれている。
中原兼光、中原兼平
異母兄達。あまり顔を合わせることがなかっためあまり親しくはなかったらしい。
冬姫
義仲の正妻。巴との仲は良好だった模様。
山吹御前
義仲の妻の一人。巴とも仲が良く、義仲と肩を並べて戦場に立てる彼女のことを「私たちの巴」と呼んでいた。
義仲の死後、再婚した人物。鎌倉の御家人で十三人の合議制の一人。
最期は幕府軍を相手に鎌倉で戦うが敗死した。(和田合戦)
朝比奈義秀
船から港までを泳いで七往復し、鮫三匹を捕まえて飛び上がったという逸話が有名な、巴と義仲の子とされる人物。その一方で再婚した和田義盛の子であるとの説もあり、生まれが一定していないので架空の存在ではないかとも言われている。
『Fate』の汎人類史では、粟津の戦いの前に巴が身篭っていた義仲の子となっており、表向きは義盛の子として育てられた。
刺青として伝わる「朝比奈地獄破り」や、一夜にして切り開いたとされる「朝比奈切通」。巨体を伝える数々の伝承やひな祭りで金時や頼朝と一緒に飾られるなど、逸話には事欠かかない豪傑。
その一方で巴紋を身に付けていた。巴紋は朝比奈が伝えたのが発祥などの言い伝えから、今でいう「マザコン」ではないかと疑われている。
そして『朝比奈』という女性らしい名前から、サーヴァント化の暁にはFate名物女体化もあり得ると考察される始末。
朝比奈の明日はどっちだ。
鎌倉幕府初代征夷大将軍。
義仲討伐の首謀者で義仲の仇。
当然彼の事はよく思っていないことは確か。
牛若丸(源義経)
義仲討伐に直接関わった当事者で首謀者である頼朝の弟(妹)。
後白河法皇の勅命を受けた頼朝により派兵され、法皇幽閉などの経緯で周囲の人心が離れた義仲を敗走に追い込んでいる。
彼女らに対しては、「顔を合わせれば正気を保てないかもしれない」と発言するほどの激情を抱いているのだが、『鬼楽百重塔』で姿を見た際には、場の空気を壊さぬよう強靭な自制心で抑え込んでいた。
『南明弓張八犬伝』では、遂に直接会話する機会があったのだが、牛若丸が自棄酒気味の泥酔状態であり、こちらでも気を使っているかのような様子を見せていた。
第七特異点では同陣営だが、どうしていたのか。
鎌倉幕府第二代執権。
再婚相手だった和田義盛を討った人物。彼の事をどう思っているかは不明。
2022年のとあるドラマで主役になった。
上記牛若丸の従者……によく似た人。
生前の巴は少女時代の義経たる牛若丸と、弁慶本人ではない彼の弁慶姿を直接見たことはないはずなのだが、「どこかで見たような気がする」と予感する程度には面影があった模様。
『鬼楽百重塔』では、牛若丸が義仲討伐に関わっていたのを知っているため、あの手この手で対面させないようにしていた。
彼も第七特異点では同陣営。
Fate/Grand Order
契約したマスター。
義仲や義秀と同じく、「旭日の心」を持っている彼/彼女を母親のような距離感で見守っている。
それと同時にゲーム仲間でもあるらしい。
危機に瀕したウルクにて彼女を召喚した者。
巴が人と別の魔性の混ざりモノであることを見抜いていた。
巴は主人公らがウルクを訪れる前、侵攻してくる魔獣の指揮官と相討ちとなり消滅したが、このことが時間稼ぎとして功を成し、特異点修復に少なからず貢献している。ギルガメッシュも彼女の奮戦に対して賛辞の言葉を述べている。
ウルクでギルガメッシュによって同じく召喚されたサーヴァントの一騎。
彼女は巴のことをかなり怖がっていたようである。
茨木側の「幕間の物語」では、巴の無念がウルクに残っていた特異点の残滓と結合して魔妖と化しており、茨木が“鬼の頭目”としてこの魔妖に引導を渡している。
『百重塔』では、同じ鬼であり、炎を操る共通点がある故に、何故かライバル視というか先輩風みたいなものを吹かしていた。
百重塔の事件で自分に挑戦状を仕向けた張本人。
巴の「鬼にも人にも寄らない」態度、なにより「鬼の血を忌みながら人として生きるとこに後ろ髪を引かれている」という彼女の無意識に、内心で煮え切らないものを募らせていた。
しかし、百重塔の真意は、ただ「至極単純な本心」を聞き出すための大芝居だったと、のちに巴は思案している。
生前の敵軍に属していた武将。そしてその姿形は、正真正銘、義仲の仇としての年齢で現れた義経である。
姿を見た時には、呼び捨てで名を叫ぶほどに敵意を剥き出しにしていたが、人格が景清との混ざり物になっていることに気づくと困惑している。実は同じ人間に霊基改造をされた被害者同士でもある。
「……宜しいのですね。貴方はそれで宜しいのですね、本当に」
ゲーマー仲間。
特に刑部姫とはゲーマーにおいて師弟のような間柄。
なおひげの方はRPGのプレイ中に壮大なネタバレをやらかし、樽に詰められ爆散した模様。ゲーマーの皆さんも、ネタバレはやらかさないように。
マテリアルVIでワルキューレの3人が好むRPGや恋愛シミュレーションを側で見るのも好きと語られた。
お互いのマイルーム台詞から友人関係であることが窺える。
アクティブな性格ゆえにインドア派な巴をグイグイ引っ張っているようである。
料理の師匠。
あまりの大雑把さに「叩き甲斐がある」とまで評され、彼女からは問題児扱いを受けてる。
そして巴自身、未だに自分の指摘される欠点を理解していない。
「○○御前」繋がりでファンアートで共演していることある。
また、ヘルズキッチン受講者仲間でもある模様。
余談
名前こそ第1部七章の時点で出ていたものの、ビジュアル付きでの本格登場がなかなか叶わず、結局1.5部三章での参戦となった。
アーチャーなので例の如く弓は持っていない……と思いきや、戦闘モーションではバリバリ使用しており、再臨するとセイントグラフでも装備する。
もちろん宝具でも弓を使うが、その前に敵を投げる。剣や宝具、果ては金星など多種多様なものを投射するアーチャー界でも、敵そのものを投げるというのは多分初。
バスターアタックからどこか折れてそうな、えぐい音が聞こえる。
今回は鬼種との混じりモノであるという現界をしているが、一説では竜神が化身した存在であるともされており、その場合は当の本人の剛力に竜種の魔力生成能力に加え、水神の系統にも連なる為とんでもないステータスになっていたと思われる。
絵師であるしらび氏のイラスト作業配信によると、角のデザインを出すまでは鬼種設定はまだなかったという。
某発明家のように絵師が加えたデザインが設定に反映された例の一つとも言える。
関連イラスト
アーチャー・インフェルノも参照。