映画版演者:デヴィッド・シューリス
映画版吹替:郷田ほづみ
注意
「リーマス」または「ルーピン」のどちらかだけのタグをつけている作品が多いが、検索の利便性を考慮するとリーマス・ルーピンとフルネームでタグ付けするのが推奨される。
概要
『ウィザーディング・ワールド(魔法ワールド)』の人物。魔法使い。男性。
『ハリー・ポッターシリーズ』第3巻の「闇の魔術に対する防衛術」の教授として登場する。
フルネームは「リーマス・ジョン・ルーピン(Remus John Lupin)」。
ハリー・ポッターの父ジェームズ・ポッターの友人。
アルバス・ダンブルドア率いる不死鳥の騎士団の初期からのメンバーでもある。
プロフィール
ニックネーム | ムーニー |
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誕生日 | 3月10日 |
血統 | 混血(半純血) |
杖 | イトスギと一角獣(ユニコーン)の毛、26センチ、よくしなる |
出身 | ホグワーツ魔法魔術学校 グリフィンドール寮 (監督生) |
人物
顔は病人のようにやつれ、ライトブラウン(日本語版では「鳶色」だがこれは誤訳)の髪には30代半ばながら白髪が混じっている。
継ぎ接ぎだらけのローブを纏っており、登場するたびに以前よりもみすぼらしくなっている。
公言していないが実は人狼であり、魔法界において「マグル生まれ」と同等、あるいはそれ以上の偏見と差別を受けている。古びたローブを着ているのも人狼故に定職に就けず貧しいため。
狼へと変身する際に自分を咬んだり引っ掻いていたため、身体のあちこちに傷がある。
なおフェンリール・グレイバックをはじめ人狼の多くは狼としての欲望の開き直り、あるいは社会への恨みから死喰い人側に組したが、リーマスは数少ない不死鳥の騎士団側である。
性格は比較的温厚で、人狼になった幼い頃より苦労してきたためか、しっかり者。
一方で、人狼である自身を、他人を不幸にするだけの生きる価値がない存在だと思い込んでおり、自虐的な価値観を持つ。
ホグワーツ魔法魔術学校に自分を通わせてくれ、社会に居場所を与えてくれたアルバス・ダンブルドア、そして人狼であることを知って満月の夜を共に過ごしてくれたジェームズ・ポッター、シリウス・ブラック、ピーター・ペティグリューへ深い感謝を抱いている。
経歴
生い立ち
魔法使いの父親ライアル・ルーピンと、マグルの母親ホープ・ホーウェルの間に混血の魔法使いとして生まれる。
幼い頃、父親のライアルが魔法省の職員として人狼フェンリール・グレイバックを逮捕。その際「人狼は死に値する」と発言したことがグレイバックの逆鱗に触れる。グレイバックの復讐によりリーマスは噛まれ人狼にされてしまい、以降は魔法使いの社会から迫害される立場となった。
これにより、リーマスは月に一度、満月の夜は狼と変身し、我を忘れて暴れ、自らの体を噛んだり周囲を傷つけるようになる。
一人っ子で兄弟がいなかったこともあり、両親からの愛情は一身に受けたものの、他の子どもと遊ぶことは許されず、孤独な幼少期を過ごす。当時はまだ人狼の理性を保つ脱狼薬が無かったため、ホグワーツ魔法魔術学校への入学も絶望的だった。しかしアルバス・ダンブルドアが彼に同情し、「然るべき処置をすれば入学できない理由は無い」と入学を許可された。
学生時代
ホグワーツ在学中はグリフィンドール寮に所属。
入学後ジェームズ・ポッター、シリウス・ブラックと出会い、彼らはルーピンの優しい人柄とユーモアに惹かれ親友となった。またルーピンはピーター・ペティグリューとジェームズ、シリウスの仲を取り持ち、結果4人はマローダーズを名乗るほど、親しくなる。
リーマスはダンブルドアの措置により、満月の夜には校医ポピー・ポンフリーに引率され、暴れ柳が守る抜け道を通りホグズミードの廃屋に行き、そこで狼へと変身していた。後にこの廃屋は狼状態のリーマスの声を聞いた村人から叫びの屋敷と呼ばれるようになる。
しかし月に一度友人がどこかに消えることを怪しんだジェームズとシリウスに見抜かれてからは、皆動物もどきとなり満月の夜も共に過ごす様になる。幼少期の経験から見捨てられると思っていたルーピンは、3人の対応に驚きながらも深く感謝した。
ルーピンは比較的悪戯好きとは言え、しばしば4人組の「良心」として機能していた。
しかし、ジェームズとシリウスのセブルス・スネイプに対するひどい仕打ちに賛成せずとも、ルーピンは彼らを愛し、自分を受け入れてくれることに感謝していたため、断固とした態度は取れなかった。
5年次に、悪戯好きで手の付けられないジェームズ、シリウスの抑え役となる事を期待され監督生にされたが、上記の理由でかあまり歯止めにはなっていなかった様子。だがシリウスが「リーマスのお陰で我々は自身を恥じる機会が得られた」という旨の発言をしている事から、多少効果はあったようだ。
卒業後
「不死鳥の騎士団」の創立メンバーとして死喰い人と闘うべく奔走する。
魔法省官僚ドローレス・アンブリッジによって提唱された反人狼法が原因で就職が難しく、定職を持てないまま貧困に喘いでいた。
シリウスがジェームズとリリーの居場所という情報を封じ込める「秘密の守り人」をピーターに変更するよう薦めた事を知らされなかったため、ヴォルデモートによるポッター夫妻殺害や、ピーターとマグル12人の殺害も、シリウスの裏切りによるものだと思い、以降シリウスや学生時代に関する話題を避けるようになっていった。
教師時代
相変わらず貧困の中、ダンブルドアの恩情より、ハリーが3年生の時の「闇の魔術に対する防衛術」の教師に着任。
非常に有能で、多くの生徒から「今までで最高の"闇の魔術に対する防衛術"の先生」と評された。実習を踏まえた授業は非常に面白く、生徒達に大人気だった。
また吸魂鬼に苦しむハリーに守護霊の呪文(エクスペクト・パトローナム)を個人教授した。
また、基本的に温厚で声を荒げたりしないが、彼の穏やかな説教は非常に威力があり、こっそり学校の外を出歩いていたハリーが「君のご両親が命を賭けて遺してくれた賜物に、あまりにもお粗末じゃないか」と叱られた後は、ハリーとロンはもう何も言えなくなってしまった。
ハリーから「忍びの地図」を没収した際、ピーターがまだ生きている事を知る。そして叫びの屋敷にてシリウスと再会し、彼の無実を知り、友情を取り戻した。しかしピーターは取り逃してしまう。
最後はシリウスを捕まえ損ねたセブルス・スネイプが腹いせに、ルーピンは狼人間であると「うっかり」口を滑らせたため、1年の在任期間でホグワーツを去ることとなった。
その後
ヴォルデモート復活を知って第二期「不死鳥の騎士団」に参加し、ハリー達と再会する。騎士団としてのリーマスの任務には、地下に住む人狼たちと接触し、敵情を視察したり味方に引き込む交渉などが含まれていた。
同じ団員のニンファドーラ・トンクス(シリウスの従姉であるアンドロメダ・トンクスの娘)と両想いになるも、自身が人狼であるために結婚を躊躇していたが、同じくグレイバックによって半人狼とされたビル・ウィーズリーに対し、フラー・デラクールが変わらぬ愛情を注ぎ結婚を決めたことから、自身もトンクスとの結婚を決意し、子供も1人設けた。
しかしトンクスの妊娠が発覚した際は、自身の人狼体質の遺伝や子供への自身の存在の悪影響を恐れ、死に場所を見つけようとハリーの「死の秘宝」探しの旅に同行を申し出るが、ハリーからあまりに無責任だと叱責を受け、喧嘩別れするも後に和解、ハリーに子供の後見人(代父)となるように頼んだ。
1998年5月2日、ホグワーツの戦いにてヴォルデモート率いる死喰い人と戦い、アントニン・ドロホフに敗れ殺害された(作中で死の描写はなく、トンクスと共に遺体が登場するのみ)。38歳没。
その後[ヴォルデモートとの最後の戦いに臨むハリーの前に、[[蘇りの石]]の力により姿を現し、彼を支えた。
ヴォルデモートが倒された後、騎士団員であったキングズリー・シャックルボルトが魔法省大臣に就任し、リーマスは魔法界における傑出した勇気や優れた功績に贈られるマーリン勲章勲一等を授与される。これは人狼においては史上初めてのことであった。
裏話
ゲイ
リーマス役のデヴィッド・シューリスは『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』にて役作りする際、リーマスはゲイだと思い、そのつもりで演技していた、ということを『ハリー・ポッターと死の秘宝Part2』公開の際に明かしている。
実際『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の監督であるアルフォンソ・キュアロンから"gay junkie"として演技するように指導を受けていたと言う。
後に原作でルーピンがトンクスと結婚すると知り、軌道修正したとのこと。
ビジュアル
映画版では顔に傷が入っている。その影響で、ファンアートでは学生時代、大人時代問わず顔に傷が描かれることが多くなった。
しかし原作では体に傷がある描写はあるものの、顔にまであると明言されていない。
実際、映画化前の二次創作のリーマスには傷がない。代わりに髪を伸ばしてリボンなどで一つ縛りにした姿が多かった。この長髪リーマスは映画版のイメージに押されたのか、今はほとんど見なくなっている。
チョコレート
吸魂鬼で震えた体にはチョコレートが一番だと言っていたシーンが印象的なためか、二次創作では甘党のチョコ好きにされていることが多い。
名前
リーマスという名前はローマ帝国の建国者で狼と馴染み深いロムルスとレムスを連想させる。
また、ルーピンという名字は実は「ルパン」と読むことができる。というか、そっちの読みの方が正しい。とはいえ怪盗のイメージが強すぎるため、正しい読みを避けたのは良かったかもしれない。