概要
2021年現在、大阪杯と並び中央競馬で最も新しいGⅠレース。中山競馬場・芝2000mで施行される2歳中距離王決定戦である。
名称の「ホープフル(Hopeful)」とは、英語で「希望に満ちた」「望みを持つ」という意味。
1984年、「ラジオたんぱ」の愛称を有する日本短波放送社(現日経ラジオ社)をスポンサーに迎え、3歳牝馬限定重賞として創設されたラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークスを前身としている。当時の格付けはGⅢで、距離とコースは桜花賞と同じく阪神競馬場1600mだった。
その後、牡馬と牝馬の路線区別化が図られたことにより、1991年に阪神3歳牝馬ステークス(現・阪神ジュベナイルフィリーズ)が創設。これに合わせて牡馬・騙馬限定戦に変更して距離を2000mに延長し、同時にラジオたんぱ杯3歳ステークスに名称を変更した。
2001年には馬齢表記が国際基準に変更されたことに伴い、ラジオたんぱ杯2歳ステークスに名称を変更。
2006年には日経ラジオ社が愛称を「ラジオNIKKEI」に変更したことに伴い、再度名称を変更してラジオNIKKEI杯2歳ステークスとなる。
なお、この間の2000年から再度牝馬の出走が認められるようになった。
2014年にそれまで中山競馬場で開催されていた朝日杯フューチュリティステークスが阪神競馬場開催になったことを受け、朝日杯と交換する形で中山競馬場に開催地を変更。これにより、皐月賞と同開催地・同距離となるとともに、名称を現在の「ホープフルステークス」に改称、GⅡに昇格した。
当競走のGⅠ昇格に伴い、有馬記念に代わって1年で最後に開催されるGⅠ競走となった一方、有馬記念のブランドが落ちたとして日程の変更を望む声もある。(かつての朝日杯3歳ステークスと阪神3歳ステークスは東西同日開催で行われていた。)
2020年は中山大障害と同日(土曜日)の開催となり、有馬記念が最後になった。
なお、本レースは2022年現在武豊が勝利していない唯一の中央平地GⅠレースであるが、前身のラジオたんぱ杯・ラジオNIKKEI杯時代に5回優勝している。
競走条件
出走資格:サラ系2歳牡馬・牝馬(出走可能頭数:最大18頭)
JRA所属馬
地方競馬所属馬(後述)
外国調教馬(優先出走)
負担重量:馬齢(牡55kg、牝54kg)
地方競馬所属馬の出走権
地方競馬所属馬は、同年に行われる東京スポーツ杯2歳ステークス、京都2歳ステークスのいずれかで2着以内に入着すると、本競走の優先出走権が与えられる。
また、2022年からは中央競馬で施行する芝の2歳重賞で1着となった地方競馬所属馬にも優先出走権が得られる。
歴代優勝馬
太字はその後クラシック・古馬GⅠウィナーとなった馬である。
回次 | 施行年 | 優勝馬 |
---|---|---|
「ラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークス」時代 | ||
1回 | 1984年 | ニホンピロビッキー |
2回 | 1985年 | ダイナカンパリー |
3回 | 1986年 | ドウカンジョー |
4回 | 1987年 | プリンセススキー |
5回 | 1988年 | タニノターゲット |
6回 | 1989年 | レガシーワイス |
7回 | 1990年 | イソノルーブル |
「ラジオたんぱ杯3歳ステークス」時代 | ||
8回 | 1991年 | ノーザンコンダクト |
9回 | 1992年 | ナリタタイシン |
10回 | 1993年 | ナムラコクオー |
11回 | 1994年 | タヤスツヨシ |
12回 | 1995年 | ロイヤルタッチ |
13回 | 1996年 | メジロブライト |
14回 | 1997年 | ロードアックス |
15回 | 1998年 | アドマイヤベガ |
16回 | 1999年 | ラガーレグルス |
17回 | 2000年 | アグネスタキオン |
「ラジオたんぱ杯2歳ステークス」時代 | ||
18回 | 2001年 | メガスターダム |
19回 | 2002年 | ザッツザプレンティ |
20回 | 2003年 | コスモバルク |
21回 | 2004年 | ヴァーミリアン |
22回 | 2005年 | サクラメガワンダー |
「ラジオNIKKEI杯2歳ステークス」 | ||
23回 | 2006年 | フサイチホウオー |
24回 | 2007年 | サブジェクト |
25回 | 2008年 | ロジユニヴァース |
26回 | 2009年 | ヴィクトワールピサ |
27回 | 2010年 | ダノンバラード |
28回 | 2011年 | アダムスピーク |
29回 | 2012年 | エピファネイア |
30回 | 2013年 | ワンアンドオンリー |
「ホープフルステークス」(GⅡ)に改称 | ||
31回 | 2014年 | シャイニングレイ |
32回 | 2015年 | ハートレー |
33回 | 2016年 | レイデオロ |
GⅠ昇格後 | ||
34回 | 2017年 | タイムフライヤー |
35回 | 2018年 | サートゥルナーリア |
36回 | 2019年 | コントレイル |
37回 | 2020年 | ダノンザキッド |
38回 | 2021年 | キラーアビリティ |
39回 | 2022年 | ドゥラエレーデ |
2013年までの「ホープフルステークス」(OP)
現行のホープフルステークスとは別に、1988年~2013年まで、同名の競走が存在していた。
現在と同じく中山競馬場、距離2000mのオープン特別競走だったが、JRAはこちらを前身とはしていない。
主な優勝馬に、ウイニングチケット(1992年)、エアシャカール(1999年)、トーセンジョーダン(2008年)がいる。
海外の「ホープフルステークス」
日本の他にも、アメリカ・イギリス・オーストラリアにも「Hopeful Stakes」という名前の2歳馬限定競走が存在する。ただし、オーストラリアの競走は現在は廃止されている。
ウマ娘でのホープフルステークス
ゲーム「ウマ娘プリティーダービー」にも収録されているが、ファン数が足りずに目標未達成に追い込まれる事故が後を絶たないことから「ホープレスステークス」と呼ばれることもある。
詳細は「メジロマックEーン」の記事を参照。
なお、史実における当時のラジオたんぱ(NIKKEI)杯2(3)歳ステークスとOPのホープフルステークスのどちらかに勝利した競走馬はGⅠのホープフルステークスが目標レースになっていることが多い。
関連タグ
朝日杯フューチュリティステークス・阪神ジュベナイルフィリーズ:同じく2歳GⅠ