マガジャッパ
まがじゃっぱ
「湖のひみつ」
データ
別名 | 水ノ魔王獣 |
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身長 | 60m |
体重 | 3万5千トン |
概要
『ウルトラマンオーブ』第3話「怪獣水域」に登場する水を司る魔王獣。
タツノオトシゴの様な顔と胸鰭を有しており、どこかとぼけたようなユーモラスな顔つきと相まって、他の魔王獣と比べるとややコミカルな印象を受ける造形が特徴。
頭部には魔王獣共通の特徴、マガクリスタルが付いている。
その最大の特徴はとにかく強烈な臭気を放つこと。湖に浸かっていただけで水質異常も無く影響下の水を臭くし、ウルトラマンであるガイでさえ、戦闘中に臭さのあまり碌に攻撃を加えることができなかったほどである(ただし臭くなった水を嗅いでも「この程度なら平気だ」と言っていた辺り、水よりも本体の方が臭いがひどいのかもしれない)。
臭いについて、劇中に登場した人物は以下のように証言している。
・臭くなった水を浴びてしまったジェッタの臭いについて
・本体の臭いについて
ナオミ「おばあちゃんちの裏庭にいたシマヘビとかアオダイショウのニオイ」
シン「有機溶媒のピリジンをより強烈にしたニオイ」
渋川「洗わないで放置した柔道着を詰め込んだカバンを開けた時のニオイ」
読んでいる(聞いている)だけでどれだけ臭いかがよくわかる。
視聴者は実際に臭いを嗅ぐことはできないので、マガジャッパの臭気の強烈さを表現するための上手い演出法だったと言えるだろう。
過去の文献にも「禍邪波」として記載されており、過去でも同様に水を臭くしていた。
そちらでは「海の悪しきにおいをあまた合わせたるよう」と書かれていたとのこと。
市街地に繰り出して積極的に破壊活動を行っていたマガバッサーやマガグランドキングとは異なり、このマガジャッパはあくまで山中で行水を楽しんでいただけのようであり、そこまで攻撃的な存在としては描かれていない。とはいえ、その影響で生命活動に不可欠な水を使用不可能にするという冗談では済まされない被害を齎していたのも事実。「何もせずとも存在するだけで周囲に甚大な被害を与えてしまうタイプ」と言える。
戦闘能力
頭部先端から放たれる黄色い高圧水流による攻撃マガ水流が得意技。
それ以外に、両手の吸盤部分から放つガスで敵を包み込んでそれを再び両手で吸引し、敵の身動きをとれなくするマガ吸引に、口から放たれる臭気ガスによる攻撃マガ臭気と言った攻撃技を持つ。
また長い尻尾を振り回しての叩きつけ攻撃も行う。ネロンガの如く透明化することで相手をかく乱することも可能。
全身にある黄色い鱗はスペリオン光輪を弾き返すほどの強度を誇る。
戦歴
第3話の数週間前からビートル隊に同様の異常が報告されていたが、彼らの調査では見つけられず、原因を究明できなかった。
SSPの事務所やガイ行きつけの銭湯の水が臭くなったことで事態が発覚。様々な店が営業を臨時休業し、生活に支障を来し始めたためSSPやガイが事態解決のために動き出す。
奥奈良湖にいたところをガイに見つかり、ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオンとの戦いが始まる。
その臭さのせいでまともに攻撃できないオーブを一方的に攻めたてるが、新たな形態であるバーンマイトになったことで形勢逆転。最期は「ストビュームダイナマイト」を喰らい爆発・消滅した。
その後ガイはウルトラマンジャックのウルトラフュージョンカードを、ジャグラーはマガジャッパの怪獣カードを、それぞれ入手した。
余談
- オーブとの関係
オーブがカラータイマーの点滅が始まる前に撃退した初の相手。
本編中オーブの前口上を無視して攻撃してきた唯一の怪獣である。
- マガ「ジャッパ」
監督の田口清隆は『特撮は爆発だ! #221 SP』にて、マガバッサー額のマガクリスタルを外せばただの「バッサー」になると語っていたように、こちらもマガクリスタルが外れたジャッパという怪獣は存在すると思われる。そして3年後にマガジャッパの元になった怪獣マジャッパが登場した。
あまり共通点が無いので分かりにくいが、スーツはゾアムルチを改造したものである。
デザインモチーフは甲殻はエビ、胴体はタコをモチーフとしている。当初はクジラや深海魚などをモチーフとした大型の怪獣としてデザインが進められていたが、「ムルチのようなシュッとした線」との要望を受けて変更された。
また、デザイン画では頭部はバショウカジキをモチーフとしていたが、造型段階での田口監督提案により『ウルトラマンタロウ』の怪獣を意識したタツノオトシゴをモチーフとしたものに変更され、検討段階のデザインでは今よりも目つきが鋭かったが、『タロウ』の怪獣っぽい感じにしたいという田口監督の意向により、現在のどこかとぼけたような顔つきになった。
- 水の魔王獣
『「いまの子どもたちは『モンハン』で怪獣を見ている」──特撮のプロが見た『モンスターハンター:ワールド』【カプコン藤岡要×『ウルトラマンオーブ』田口清隆監督対談】』では、水の魔王獣について裏話が明かされている。
当初、『オーブ』の水の魔王獣は、タッコングが登場する予定だったが、着ぐるみが倉庫の中に現存していなかった。また、タッコングの着ぐるみは元々大きいため保管に向いておらず、加えてソフビ人形の売上もあまりよくなかった(その割には昭和末期に発売された物が20年近くウルトラ怪獣シリーズで定番入りしていたりする)過去もあって、商品化の予定もないため、登場は断念され、結果的にマガジャッパに変更された。
関連タグ
ゾアムルチ:着ぐるみの改造元。
マガジャッパ(ウルトラ怪獣擬人化計画):擬人化キャラ
赤色火炎怪獣バニラ、スペーダー:同じくタツノオトシゴがモデルの怪獣。
バルンガ、ユニジン…「ただそこに居るだけで甚大な被害をもたらす」ウルトラ怪獣
セーデガン…悪臭が特徴的なウルトラ怪獣
スカボーン…同じく悪臭を武器とする怪獣(ウルトラ怪獣ではないが)
匂ウノ獣…クソ暑い夏に現れ万人分の糞便と称される悪臭をまきちらす獣。
最臭兵器…悪臭をまき散らす生物化学兵器によるパニックを描いたコメディアニメ映画。
黒坊主…水を汚染する妖力を持つ妖怪。
ワーラー帝国…水を汚染してしまう悪の組織。
シュールストレミング…アラバスター指数において世界最強の悪臭を放つ缶詰