概要
『時のオカリナ』に登場する7年前の少年リンク、及びその外伝作である『ムジュラの仮面』のリンクの通称。
「こどもリンク」と呼ばれるのは、『大乱闘スマッシュブラザーズDX』において『時オカ』の少年姿がこの名称で登場したことから。
英語表記は「Young Link」。
『時のオカリナ』では主に序盤から中盤のストーリーに掛けて操作することになる。マスターソードを抜くことで時の勇者として覚醒し、大人時代と子供時代を行き来できるようになる。以後は大人時代のダンジョン攻略をすることになるので、ストーリー上のこどもリンクの出番は減る。
また、『ムジュラの仮面』では「鬼神の仮面」を被ると、銀色の鎧で大人の姿をした鬼神リンクに変身する。この作品は時のオカリナの後日談に当たり、ゼルダ姫によってハイラルから離れるように言われ、相棒のナビィを探している。
ちなみにこの状態で着用しているのは実質的なスカート。
作中のコキリ族は女も男もこの格好をしており、どうやらある種の民族衣装という設定らしい。コミカライズ版ではパンチラするシーンまである。
当初は服の下に何を穿いているかについては定かではなかったが、
後述する『スマブラDX』に参戦した際には、服と同じ色をしたスパッツのような短パンを身に着けているのが確認できる。
(『スマブラSP』、『ゼルダ無双』、及び3DSによるシリーズリメイク作品でも同様のインナーを着用している。)
とは言え資料等で明確に言及されているわけでも無いので、
(特に二次創作上では)描き手次第で下穿きの種類が変わる事もしばしば。
漫画版
姫川明版『時のオカリナ』では、裏表がなく元気ハツラツな少年として登場。ミドとはいいケンカ友達で負けず嫌いな面をよく見せる。見世物にされていた幼竜のヴァルバジアを買い取るなど心優しい。ゼルダ姫に頬キスされて舞い上がるなど3枚目なところも。
素性に関してはゲームより明確に描写されており、燃え盛る城(ハイラル城ではない)から母親に連れ出されるシーンがある。このことからハイラルの貴族ないし王族に連なる可能性もあるが真実は最後まで不明だった。
当初は売買の概念を知らずに飲み食いしてしまい、困っていたところをゼルダに助けられたことで知り合う。
剣術の素質はあるがまだまだ未熟であり、ガノンドロフやスタルフォスなどに圧倒され「子供」であることを悔やむ場面もあった。
下巻の読み切りには、リンクが冒険に出る前の出来事(スタルキッドとの出会い)が描かれている。
後日談を描いた『ムジュラの仮面』では、騎士団長と互角に渡り合うほどの剣士として成長を遂げている。スタルキッドの心を踏みにじったラスボスに対して激しい怒りを見せ、鬼神リンクとなって終始圧倒した。更には(事態の元凶とも言えるとはいえ)被害者であるお面屋にまで怒りの矛先を向けていた。
後に連載された『トワイライトプリンセス』にもこれらの設定は反映されており、「もう一人のリンク」として登場している。
谷上俊夫版『時のオカリナ』では熱血漢の苦労人(お人好し)と少年漫画の王道を行く性格になっている。
ゼルダ無双
鬼神の仮面の力を使うことができる少年。
軽快な身のこなしで両手で持った剣を操り勇敢に戦う。
鬼神の仮面を被って鬼神の姿へと変身することで全ての攻撃が強化される。
その人知を超えた圧倒的な攻撃はすべての敵を殲滅し尽くすまで止まらない。
2015年1月29日よりDLCで配信開始。(単品500円 その他封入パックは割愛)
PVでは「子供リンク」だが、ゲーム中での表記は「リンク」となっている。
両手持ちのコキリの剣を携えたリンク。相棒はチャットではなくプロクシィ。
頭にはキータンのお面、腰には鬼神の仮面をつけている。基本は子供だが、さまざまな場面で鬼神リンクに変身して戦う。
属性は「闇」。使用武器は「鬼神の仮面」→「真・鬼神の仮面」→「極・鬼神の仮面」。
これで「リンク」としては光、炎、雷、水、闇とすべての属性を網羅した。
特殊攻撃を使用するとオカリナを吹き、必殺技ゲージを魔力ゲージに変換できる。基本的にはこれを利用して鬼神リンク化を多用することになる。反面、子供の状態ではリーチも攻撃力も低め。
ウィークポイントダウン技ではあの「月」を真っ二つにしてしまう(ちなみにこの時スタルキッド、チャット、トレイルも少しだけ登場し、さらに剣を振りかぶるポーズは公式イラストの再現である)。
小ネタで、魔力ゲージが最大の時にオカリナを吹こうとすると、キータンのお面を被り茶目っ気あふれるアクションを取る。
『ムジュラ』本編で発揮されたその恐ろしさはこちらでも健在。
攻撃速度も速く範囲も広い。剣ビームだってズバズバ撃てる。仕様で絶対に2ターンかかる封印されしものを除いた全ての敵のウィークポイントゲージを1ターンで削れる(しかも演出中は魔力ゲージが減らない特別仕様)。
そして極めつけは必殺技ゲージを時のオカリナ(特殊攻撃)で魔力ゲージに変換ができる事。
これにより【オカリナを吹く】→【ゲージ変換】→【鬼神に変身】→【時間切れ直前にオカリナを吹く】→【ゲージ変換】→【続行】と敵が途切れない限り鬼神にずっと変身していられるのだ。
上記のように変身さえできればとにかく非の打ち所のない性能となっている。
欠点を挙げるとすれば必殺技ゲージの回収率が悪く、敵が少ない、あるいは1対1の時はなかなか鬼神に変身できない、維持できなくなってしまう所か。
ちなみに「ゼルダ無双のリンク」にはタルミナパックで入手できるコスチュームで鬼神の仮面がある。
それを付けると鬼神リンクの姿でマスターソードを使えたり、ごまだれも大妖精にイジられるリンクも見れる。
ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ
本作ではWiiU版のDLCが全て封入されている為、プレイを進めるだけで解禁可能。
ちなみにアドベンチャーマップの左上におり、解禁出来るのは終盤となる。
仕様変更により、封印されしものも1ターンで削り切れるように。
しかし3DSのスペック上、敵の画面表示数が減っている為、必殺技ゲージの回収が厳しくなった。
また、フェアリーマジックという魔力消費による広範囲攻撃のシステムが追加されたため、魔力の使い道に悩む事に。
ちなみにフェアリーマジックで敵を倒すと経験値や封印スキル解放の為のKO数は大幅に減少する。
その為、経験値や封印スキルを気にするのであれば魔力開放。純粋にKO数を稼ぐのであればフェアリーマジックといった運用になるか。
経験値等を気にしないで済む限界まで育て切ると、フェアリーマジック連発といった戦法が取れるので、KO数がとんでもないことになる。
大乱闘スマッシュブラザーズ
第2作『大乱闘スマッシュブラザーズDX』に、『時のオカリナ』の少年リンクが「こどもリンク」名義で参戦した。
「足の速さを与え、そのかわりに攻撃力などをひかえめにしたリンク」というコンセプトで製作された、リンクのモデル替えキャラ。
マスターソードを振るう青年リンクに対し、こどもリンクはコキリの剣で戦うためか、剣を使ったワザのリーチはリンクと比べて大幅に落ちている。体重も平均よりも少し軽め。
しかし、リンクと比べると素早く動け、空中機動も良い部類に入る。
リンクが誇る3大ふっとばしワザの地上版「回転斬り」「下突き」「上突き」のふっとばしが悉く落ちているのは痛い点。
一方で飛び道具や蹴りワザの性能はこちらの方が秀でている。特に縦に鋭い角度で投げられ密着で当てると19%ものダメージを与える「ブーメラン」、爆風が4連続ヒットしコンボに繋げやすい「爆弾」、やたらと判定が強く本人の機動力も相俟って差し込みやすい通常空中攻撃「リンクキック」などが光る。
「弓矢」は炎属性が追加された「炎の弓矢」で、射程の上限で大きく劣るが、ためなくてもある程度のダメージを与えられる。
「回転斬り」はリンクと違い、地上で使っても連続ヒットする。
「飛び道具を軸にジリジリと相手に近づいて必殺の一撃を見舞う」リンクに対し、こどもリンクは「飛び道具と共にすばしっこい動きで相手を翻弄しながら手数で攻める」キャラとなっている。
総じてリンクと対をなした性能になっており、どちらが好みかは人によって分かれるといったところ。リンクが乱闘向けに対し、こどもリンクはやや1on1向けのキャラと言える。
ちなみに下空中攻撃「下突き」で剣ではなく頭の近くにある攻撃判定を当てると、なぜか21%のダメージを与え、相手が炎に包まれると共に強烈に下にふっとぶという謎仕様がある。
“スマブラDX”以来の参戦!
なんと最新作『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』に、ピチューと共に17年ぶりの復活。
ファイター番号は22、通り名はオカリナの冒険者。
『X』『for』では似たようなコンセプトのファイターとしてトゥーンリンクが参戦しており、すでにトゥーン調の作品が多く出されていたことから、世代交代なのではと説もあった。
それ故に、リンク3人の揃い踏みは大きな衝撃を与えた。
従来のリンクの仕様がかなり変化したため、実質的に彼が今までのリンクのワザ構成を引き継ぐ形で差別化されている。
基本的にリンクとトゥーンリンクの中間となる個性付けがなされているが、『DX』を意識してか落下速度がリンクよりも速く(急降下速度は逆)、百裂攻撃も引き継がれている。
ただし、それ以外のリンクと異なるワザはすべてトゥーンリンクと同じなので、実質的にモデル替えのポジションは据え置き。
リンクよりもリーチ、火力、ふっとばし力は劣るもののコンボ性は上回り、空中攻撃や必殺ワザを駆使すればコンボでダメージを簡単に稼げるので繋ぎやすい。難しいテクニックも要求されないので従来のリンクのリーチや性能を気にしなければ、安定した立ち回りが出来る。
必殺ワザの回転が速いが、リンクの中ではパワーと体重が最も低い。
最後の切りふだ「トライフォースラッシュ」ではキックやシールドバッシュも織り交ぜ、最後は斬り上げで締める。
リーチや攻撃力は前作のトゥーンリンクに準拠。
ちなみに「ブーメラン」の異様なダメージの高さや、「下突き」の謎の頭部判定は削除された(そのためリンクの中で唯一メテオワザを持たない)。当然といえば当然だが。
その他
アピール
アピールではどこからともなくロンロン牛乳を取り出し、やたら色っぽい目つきをしながら飲み干す(『SP』では下アピールに対応)。
特に『DX』では全キャラ中最も長いアピールで、ひとりゲームのクリアムービーでもひたすら牛乳を飲むシーンのみが流れていたりとよくネタにされた。
勝ちあがり乱闘「ハイラル乱闘!」
ファイター、ステージ、BGM、アイテム、アシストフィギュア、そしてボス、すべてが『ゼルダの伝説』づくしのルート。
『神々のトライフォース』→『時のオカリナ』→『4つの剣』→『トワイライトプリンセス』→『ブレス オブ ザ ワイルド』と、シリーズの歴史を追っていく構成になっている。いずれも「少年のリンクが主人公」「仮面をかぶれる」「こどもリンクが帰還した歴史から派生した物語」という要素がある。
こどもリンクがガノンと戦うのは本家ではなかった展開だが、未将崎雄のコミカライズ版では元ネタになったショタリンクがガノンと戦っている。
ジャイアント戦や軍団戦は無く、ROUND4以外は全て1on1。
余談
神々のトライフォースから数百年後を描いた漫画『リルトの誓い』に登場する主人公リルトは、いい年して勇者を志しているため周囲から奇異の目で見られ、また身体を鍛えるのが目的の剣術の稽古でも本気になるため悪い意味で『みんなとは違う(足並みを揃える気がない)』と敬遠されていた。
そんな中でも幼馴染のカリンだけは好意を寄せ仲良くしてくれていたが、カリンの正体はゼルダ姫の子孫(賢者が持つ封印能力を継承している)であり、それに目を付けた砂漠の盗賊ハギスが送り込んだ手下によって拉致されてしまう。
偶然からマスタソードの使い手となり、剣の力を引き出してハギスの刺客を倒すも相打ちとなり、短い生を終えることとなった。
だが天上界にて賢者の始祖モートネから接触され、生き返るための手段を提示される。そしてハギスたちが各地を占拠していることを聞き、カリンを取り戻すべく旅立つ。
終盤では女武闘家カーラとの取引により、ダンジョンの奥にあるアイテムを取りに行くことに。
カーラは約束を守るつもりがなく、リルトにわざと失敗させてマスターソードを奪うつもりでいたが、リルトの奮闘と勇気を見て改心する。
この手の主人公としては珍しく特別な血筋の人間ではない。ナイト一族でもなければリンクとの血縁もない。ただし死闘の最中に驚異的な反射神経を披露するという才能を秘めており、リンクから回転斬りを伝授されるなどわずかだが師事している。
「村の中では『みんなとは違う』として異端視されている」「そんな中でも仲良くしている幼馴染がいる」「実は幼馴染は賢者の力を持つ」「その幼馴染を救うために森の奥の建物に向かう」「砂漠の盗賊が宿敵となる」「砂漠の盗賊が送り込んだ刺客に長老が襲われているので助ける」「マスタソードを引き抜いた後に老賢者から接触され、地上を脅かす出来事を聞かされる」「ある女性からお礼する代わりにダンジョンの奥にある宝物を取って来るように頼まれる」など時のオカリナに登場するこどもリンクとよく似ている。
ちなみにカリンはゼルダ姫とゆかりのある者から長老に託された少女であり、村の外からやって来た立場である。
現在では有名なハイリアの盾もこの作品に登場した古代ハイリア人の盾がモデルである。
なお、リルトは最終決戦の後で「みんなを守れるくらいもっと強くなりたい」と誓いを立て、仲間たちと共に故郷から旅立っている。その行く末は光輝く未来を予想させるものであり、こどもリンクの結末とは対照的と言える(しかし「主人公が旅立ったのに対し、ヒロインは故郷に残ったため離れ離れになる」という点では同じである)。
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リンクル:ゼルダ無双に登場するもう一人の勇者。当初はリンクの妹として設定されていたキャラクター。また上記の『リルトの誓い』の主人公リルトのオマージュ要素が多い。
表記揺れ
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