概要
迷宮都市オラリオに存在するロキが主神を務めるファミリア。エンブレムは道化師(トリックスター)。拠点名は『黄昏の館』。
到達階層は59階層と現状オラリオの探索系ファミリアの中では最高記録を誇る。等級はもちろんS。
本編にも主要の立ち位置に登場するが主な活躍外伝『ソード・オラトリア』。
組織構成は団長を中心に創設メンバーである三首領を頂点に何名かの幹部達、その下に通常の団員と構成されている。オラリオ屈指の探索系ファミリアでアイズ・ヴァレンシュタイン、フィン・ディムナなど人気と実力を兼ね揃えた冒険者も多い。
美女・美少女好きのロキの方針でファミリア内は女性冒険者の割合が多く、男性冒険者は肩身が狭い思いをしている。
一方、異端児(ゼノス)のリーダー格であるフェルズからは、切り札であったアダマンタイト製のゴーレムを数秒も持たずに一撃で破壊されてしまった事実から「【ロキ・ファミリア】の方がよっぽど化け物」と評されてしまっている。
主力と二軍に開きがあるとはいえ、どっちが害になるのか分かった物ではない…。
作中に登場するファミリアの中でも、構成員の数は最多と言っても良く、迷宮(ダンジョン)への遠征時においても、黄昏の館に見張りや非常時に備えて待機させている団員を余裕に残せる程。
また、名前や設定・特徴等が固まっている人物達も最多であり、特徴だけを見れば30人近くもいる。ただし、一部のキャラクターは設定等が完全に固まっておらずモブキャラに等しい為か、『メモリア・フレーゼ』では、一部の団員がモブキャラの冒険者の使い回しグラフィックとして利用されている。
オラリオで都市内で勢力を二分する【フレイヤ・ファミリア】とは抜き差しならない関係で共闘することもあれば抗争することもある。主神同士が同郷のため裏を読み合いながらの会話もしばしば。『ギルド』(というかロイマン)としては二大派閥には手を組んでダンジョンを攻略して欲しいため、二大派閥のこの関係は頭痛の種である。
同じ探索系ファミリアの【ヘスティア・ファミリア】とは(主にロキの私怨によって)敵対関係にあるが、首脳陣はベル・クラネルの事を高く評価(ベートは表にこそ出していないが)し、アイズやティオナはロキに黙って個人的な交友を続けており、想いを寄せている。フィンに至っては親子ほど年の離れたリリルカ・アーデに求婚したこともあり、少なくとも、幹部ら七名はベルや【ヘスティア・ファミリア】の事を好意的に思っている様子。
その後、【フレイヤ・ファミリア】が【ヘスティア・ファミリア】率いる派閥連合との『派閥大戦』で敗れて解体されたことでオラリオで完全な一強状態となり、さらに三首脳が『狂乱の戦譚(オルギアス・サガ)』にLv.7に昇格するという快挙と遂げる。
歴史は意外にも浅く結成から30年も経ってない。
本編の28年ほど前に辺境の村『プレプリカ』でロキとフィンが出会い、ファミリアが結成されたことが特典小説『小人族の冒険』で判明している。
ファミリアとしての特徴
ファミリアとしての結束力が非常に強く、どちらかと言えば「個」よりも「集団」としての力に秀でている為、迷宮での「遠征」は勿論だが、『戦争遊戯(ウォーゲーム)』といった数が物を言う戦いにおいても圧倒的有利に物事を進める事が可能。
戦神アレス率いる「ラキア王国」の軍隊が攻め入ってきた際も、迷宮で鍛え上げられた団員達による圧倒的な実力差によって、開戦初期より消化試合も同然で進めており、オラリオの一般市民達に危機的感情を抱かせるどころか商売のチャンスと考えさせる程の余裕があり余る程の活躍をした末、オラリオ側の勝利に導いている。
また、戦力を分散させざるを得ない二面作戦においても、団長のフィンによる優れた指揮能力と洞察力によって無駄の無い連携を取り、更には冒険者として規格外の実力者である上位メンバーが前線の指揮を執る事で余裕に戦況を有利に進める事が出来る。
他のファミリアからの信頼関係も非常に厚く、【ヘファイストス・ファミリア】からはドロップアイテム確保の協力を条件に不壊属性(デュランダル)の高級武装を容易に調達し、【ディアンケヒト・ファミリア】からも、薬剤を買い占めるだけでなく団長でありオラリオ最高峰の治癒師であるアミッド・テアサナーレを即座に派遣させられる影響力を持っている。
『闇派閥(イヴィルス)』との戦いにおいても、最大の要として『ギルド』から大きな信頼を得ており、『人造迷宮クノッソス』を舞台とした一大決戦でも、【ヘルメス・ファミリア】、【ガネーシャ・ファミリア】、【カーリー・ファミリア】等を従える形で活躍している(協力する形で参戦している【異端児】はあくまで外部戦力として独自に行動し、【フレイヤ・ファミリア】は元より従う意思など皆無で、それぞれ勝手に行動する形で戦闘している)。
反面、アイズやフィンを始めとする主要メンバー数人とその他メンバー大多数との実力差には大きな開きがあると言う、集団にありがちな弱点も抱えている。
また、アイズやフィンといった第一級冒険者を多く抱え、その桁違いの実力を目の当たりにしてきた故なのか、所属している第二級冒険者の多くは、ファミリア全体の勝利を優先させた「現状維持」に拘ってしまうあまり、己自身を高めようとする「向上心」を半ば放棄してしまっている部分が目立ち(例外と言えるのは、【ヘスティア・ファミリア】のベルへの対抗心を持っているレフィーヤ・ウィリディスくらいで、この問題点は漫画版『ソード・オラトリア』でより顕著に描かれている)、これら点に関しては、集団でありながら個々の実力も高く、誰もが第一級冒険者に上り詰めるべく己自身を高めようとする【フレイヤ・ファミリア】とは対照的ですらある。
特に、何らかの状況によって指揮官であるフィンが異常事態に陥ったり、戦力が分散されてしまうと、レベルの高いメンバーはともかく、逆に低いメンバーは冷静な対処をしきれず生存率が極端なまでに低下する傾向にある。
一方で、主要メンバーもまた、レベルの高さ故に、弱いモンスター相手だと「やられる事が無い」と油断してしまう傾向から、『ソード・オラトリア』の初期では未確認であった極彩色のモンスターへ迂闊に挑んで痛手を受けてしまったり、余裕綽々にミノタウロスを狩っていた結果、怯えたミノタウロス達の大群が上層に向かって逃げてしまい、自分達の派閥とは関係の無いレベルの低い冒険者達を危険に晒してしまう失態を招いてしまった事も(幸い上層にベル以外の冒険者達はおらず、またアイズがベルと出会う切っ掛けになるという皮肉な展開になっている)。
人造迷宮クノッソスを舞台とした闇派閥との戦いでも、怪人レヴィスによってフィンが指揮を執る事さえ出来なくなる程の重傷を負い、更には迷宮に仕掛けられた罠によって戦力を少数ごとに分散させられてしまった結果、一気に弱点を露呈。団員の中から複数の犠牲者が出てしまう事態となっている。
下位団員の中には都市最強派閥の一角という名に調子に乗っているメンバーも少なくはないようで、オラリオに来たばかりのベルがまともな面接もしてもらえずに入団出来なかったのは、門番の団員達が上層部の報告もせず勝手に門前払いしてしまったのが原因とされている。
更に、ファミリア内における結束力が強い事は、逆に言うと団員達の視野が狭くなり偏った価値観に捉われてしまう危険性も孕んでいる事を意味しており、実際、ファミリアのメンバーの大多数は、個人差はあれど団長のフィンやリヴェリアの言葉に対し、「団長達の言葉なら正しい」と盲従し思考停止に陥ってしまう傾向がある。
次期団長候補とされるラウル・ノールドはフィンに変身し、彼の思考を的確に読み取っていたリリの指示に対し疑問を抱かず鵜呑みにしてしまっており、この事についてアナキティ・オータムからは「団長(フィン)を裏切れない」と評されている。
また、エルフの団員達の中にも、副団長とはいえハイエルフという崇拝の対象であるリヴェリアの決定に盲従している者が多く、彼女の発現させたレアスキルの存在もあって、皮肉にもそれらが『妖精部隊(フェアリー・フォース)』の結成に繋がっている。
後の異端児を巡る事件の際も、結束力の高さだけでなく、元々団員の大多数がモンスターに近親者を殺されて並みならぬ殺意と憎悪を抱き(もっとも、これは他の冒険者や民間人の大半に当てはまる事であるが)、立場的にオラリオの人々から圧倒的な支持を得ていた事も合わさった結果、団員はおろかファミリアの中心人物で柔軟な思考が出来るはずのフィンやリヴェリアまでもが、オラリオが壊滅する危機的状況にありながらも、団員達の「私怨」を最優先にして異端児達との結託を断固拒否し殲滅する方針を取り、異端児達を庇おうとするベル達【ヘスティア・ファミリア】と全面的に敵対する事態となってしまっている。
一応、主神であるロキがファミリアの活動の最終決定を下す立場にあるが、団長であるフィンへの個人な思い入れもあってか、基本的にファミリアの活動方針に口を挟まず、相手が零細ファミリアで個人的に嫌っているヘスティアが主神であるとはいえ、異端児達を巡って【ヘスティア・ファミリア】と抗争になり兼ねない事態になった際も、止めようとはしなかった。
しかし、フィンが「勇者としての名声」の固執するあまり、ファミリアの団長として暴走しかけていたのに気付いたのか、抗争が勃発する直前にベルや異端児達について「見極める」事を諭している。
【ヘスティア・ファミリア】との対立が決定的になった後、フィンによって立案された「異端児達を利用して闇派閥をおびき寄せてクノッソス攻略に必要な『鍵』を入手した後、クノッソスに突入して反撃を行い、用済みとなった異端児達全ても皆殺しにする」という非情な二面作戦を展開するが、ベルの人柄を知るレフィーヤや人間と変わらない感情を持ち仲間への想いを見せる事に気付いたティオナは、フィン達の言葉に盲従したり、私情に任せて思考停止に陥る事は無く、異端児との戦いへの迷いを拭う事が出来なかった。
そして、ヘルメスの仕組んだ「茶番」によって、ベルの『英雄』としての名誉を回復させようと石竜(ガーゴイル)のグロスがわざと暴れ、人間の為に進んで犠牲になろうとした怪物の存在と、彼を信じ攻撃しなかったベルの(神の神意に逆らい『人工の英雄』から『異端の英雄』に成り上がった)姿に感化された事でベルの様な『本物の英雄』になる事を決意したフィンにより、異端児との敵対は取りやめられ、以降は水面下で協力関係をとる事になっている。
そして第一次クノッソス侵攻作戦の際レイがフィンの命を救った事によって少しづつではあるが変化が見られるようになっていく…。
メンバー
ファミリアの主神。
エセ関西弁で話し、貧乳がコンプレックス。
Lv.5→Lv.6
ファミリアの中核メンバーの少女剣士。
外伝作品『ソード・オラトリア』主人公。
二つ名は【剣姫】。
Lv.6→Lv.7
ファミリアの団長でオラリオの女性冒険者からの人気ナンバー1。
二つ名は【勇者(ブレイバー)】。
少年の様に見えるが、実はアラフォー。
Lv.6→Lv.7
ファミリアの副団長。エルフの王族出身。
二つ名は【九魔姫(ナイン・ヘル)】。
ファミリアでは母親的な存在。
Lv.6→Lv.7
ファミリアの最古参のドワーフ。
二つ名は【重傑(エルガルム)】。
オラリオで一二を争う怪力と耐久の持ち主。
Lv.5→Lv.6
双子のアマゾネス姉。
二つ名は【怒蛇(ヨルムガンド)】。
フィンにゾッコン。元【カーリー・ファミリア】団員。
Lv.5→Lv.6
双子のアマゾネス妹。
二つ名は【大切断(アマゾン)】。
ロキ同様、貧乳に悩んでいる。元【カーリー・ファミリア】団員。
Lv.5→Lv.6
アイズに好意を抱く口が悪い狼人族。
二つ名は【凶狼(ヴァナルガンド)】。
実力主義者だが、根はそれほど悪くない。元【ヴィーザル・ファミリア】団長。
Lv.3→Lv.4
アイズを慕うエルフの少女。ドジっ子。
二つ名は【千の妖精(サウザンド・エルフ)】。
レベルは主力と比べれば低めだが、潜在能力は高い。ベル・クラネルを一方的にライバル視している。
Lv.4
第一軍を支える第二軍の中核メンバーのヒューマン。
二つ名は【超凡夫(ハイ・ノービス)】。
サポーターとして冒険者たちをサポートする。フィンからの信頼も厚い。次期団長候補。過去に魔石の換金をちょろまかしたことがある。
Lv.4→Lv.5
第一軍を支える第二軍の中核メンバーの猫人。
二つ名は【貴猫(アルシャー)】。
ラウルとは同期。
Lv.4
第二軍の中核メンバーのエルフ。
二つ名は【純潔の園(エルリーフ)】。
ファミリア年長者でみんなの姉的存在。
Lv.3
レフィーヤのルームメイトで同じ魔導士の少女。自称「誰とでも仲良くなれるエルフィちゃん」。
二つ名は【道化の魔書(ロモワール)】。
Lv.2
ベートに好意を寄せている治療師の少女。
二つ名は【道化の侍者(ロコライト)】。
闇派閥のヴァレッタの手にかかり死亡する※。
※『ダンメモ』では、生存する。
- ナルヴィ・ロール
Lv.4
第二軍の中核メンバーのヒューマン。59階層へのアタックにも参加している。
- クルス・バッセル(CV:鈴木崚汰)
Lv.4
第二軍の中核メンバーの犬人。59階層のアタックにも参加している
- ラクタ
Lv.3。
最近ランクアップしたばかりの兎人。地図作成者(マッパー)としての素質がある。
- スターク
Lv.3。
槍を得物にする男性冒険者。ウェーブがかかった髪型が特徴。コミカライズではベル・クラネルの異常なまでの成長速度に嫉妬していた冒険者の一人。
- シャロン
Lv.3。
拳闘士の少女団員。コミカライズで自分と同じLv.3の団員がベル・クラネルに嫉妬するのに共感はしているものの都市最大派閥である【ロキ・ファミリア】の団員として誇りと自信を持てと叱責している。しかしその後のクノッソス戦で彼等の幾人かと死別する羽目になった。
- オルバ
Lv.3。
恐らく獣人の男性団員。作中の評価からして主にサポーターの役割を担っているようだ。ライオンの用な髪型が特徴でクノッソスの最初の侵攻作戦では【噴化招乱(バーサーク)】によって激怒したティオネにクルスと共にビビり散らしていた。
- アークス
大柄な体格の男性冒険者。頭部の額当てが特徴で大剣と盾を用いて戦う。クノッソスの最初の侵攻作戦でティオネと共にガレス班から外れ毒妖蛆(ポイズン・ウェルミス)の毒を受けてしまう。ステイタスなどの詳細は不明。
- ロイド、クレア、アンジュ、リザ、カロス、レミリア
Lv.3
クノッソス戦にて闇派閥との戦闘で死亡。
- ケビン
アイズの少女時代、酔ったアイズに斬られた団員。ステイタスの詳細、現状は不明。
Lv.4
改宗によって【ロキ・ファミリア】団員となった冒険者。
冒険者としてはフィンたちよりも先輩にあたる、老齢の団員。
【暗黒期】の『大抗争』最終日に闇派閥との戦いで決死の特攻を行い、三人とも死亡。「アストレア・レコード」にて、その顛末が描かれている。
正確には眷族でないが記載する。リヴェリアの従者にて親友であるエルフ。
故郷であるアルヴの王森を飛び出したリヴェリアに同行し結成間もない【ロキ・ファミリア】に眷族ではないがリヴェリアの従者として行動を共にしていた。のち人間(ヒューマン)の男性と結婚し二児を産む。