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2023-06-21 02:23:50 バージョン

WBC

だぶるびーしー

本項では、野球の世界大会『World Baseball Classic(ワールド・ベースボール・クラシック)』について記述。

1. ワールド・ベースボール・クラシック(World Baseball Classic)の略称。

アメリカ大リーグ機構(MLB)とその選手会が主催する、野球の国・地域別国際大会の略称。日本ではツール・ド・フランスラグビーワールドカップを上回る人気を持つ。以下本文で記述


2.世界ボクシング評議会(World Boxing Council)の略称。

プロボクシングの世界王座認定団体の一つ。


3.セガの競馬メダルゲーム「スターホース」に登場する架空のレースシリーズである「ワールドブリーダーズカップ」(WORLD BREEDER'S CUP)の略称。

通常のG1レースと異なり出走するには所定の条件が必要。

上位シリーズであるSWBCもあり、そのレースにはサラブレッド三大始祖のダーレーアラビアンゴドルフィンバルブバイアリータークをはじめとしたさまざまな名馬も参戦する。

ちなみに開催される競馬場はスイスのサンモリッツ競馬場を除いてすべてスターホースオリジナルの架空の競馬場である。


4.スマホゲーム「ウマ娘プリティーダービー」のグランドマスターズに登場する.3を基にしたレースでクラシック級終了時に開催される。

ちなみに開催されるレースコースはすべて実在の競馬場である。


5.ソーシャルゲーム「シンデレラナイン」で開催されていたイベント「ワールドベースボールシンデレラ」の略称。


概要

MLBの海外市場の開拓戦略の一環として、野球の魅力を世界に広める目的で2006年より開催。2009年に第2回が開催以降4年ごとに開かれている。

世界野球ソフトボール連盟(WBSC)公認の野球の世界一決定戦である。


第1回、第2回大会は日本が連続優勝し、第3回大会はドミニカ共和国、第4回大会はアメリカ合衆国が優勝した。


2012年に野球が夏季オリンピック種目から外されたため、これにかわる野球の世界大会として北米東アジアで関心が高まった。

2015年からは、WBC開催の中間年にWBSCが野球の世界ランキング上位12チームによる国際大会「プレミア12」を開いている。



参加国

2006(第1回大会)


第1回試合結果

  • 優勝…日本(初優勝)
  • 準優勝…キューバ
  • ベスト4…韓国、ドミニカ共和国

2009年(第2回大会)

A組中国チャイニーズタイペイ日本韓国
B組オーストラリアキューバメキシコ南アフリカ
C組カナダイタリアアメリカベネズエラ
D組ドミニカ共和国オランダパナマプエルトリコ

第2回試合結果

  • 優勝…日本
  • 準優勝…韓国
  • ベスト4…ベネズエラ、アメリカ

2013年(第3回大会)

(この年から予選がスタート)

予選ラウンド1組スペインフランスイスラエル南アフリカ
予選ラウンド2組カナダチェコドイツイギリス
予選ラウンド3組ブラジルコロンビアニカラグアパナマ
予選ラウンド4組ニュージーランドフィリピンタイチャイニーズタイペイ

本戦A組日本キューバ中国ブラジル
本戦B組韓国オランダオーストラリアチャイニーズタイペイ
本戦C組ベネズエラプエルトリコドミニカ共和国スペイン
本戦D組アメリカメキシコイタリアカナダ

第3回試合結果

  • 優勝…ドミニカ共和国
  • 準優勝…プエルトリコ
  • ベスト4…日本、オランダ

2017年(第4回大会)

予選ラウンド1組オーストラリアニュージーランドフィリピン南アフリカ
予選ラウンド2組メキシコチェコドイツニカラグア
予選ラウンド3組コロンビアパナマフランススペイン
予選ラウンド4組ブラジルイギリスイスラエルパキスタン

本戦A組オランダチャイニーズタイペイ韓国イスラエル
本戦B組日本キューバ中国オーストラリア
本戦C組ドミニカ共和国アメリカカナダコロンビア
本戦D組プエルトリコイタリアベネズエラメキシコ

第4回試合結果

  • 優勝…アメリカ
  • 準優勝…プエルトリコ
  • ベスト4…日本、オランダ

2023年第5回大会

予選A組ドイツチェコスペインイギリスフランス南アフリカ
予選B組パナマニカラグアブラジルアルゼンチンパキスタンニュージーランド

本選進出

予選A組イギリス(1位通過)チェコ(敗者復活)
予選B組パナマ(1位通過)ニカラグア(敗者復活)

本戦A組チャイニーズタイペイオランダキューバイタリアパナマ
本戦B組日本韓国オーストラリア中国チェコ
本戦C組アメリカ合衆国メキシココロンビアカナダイギリス
本戦D組プエルトリコベネズエラドミニカ共和国イスラエルニカラグア

第5回試合結果

  • 優勝…日本
  • 準優勝…アメリカ
  • ベスト4…メキシコ、キューバ


大会の課題点

MLB選手参加の難しさ

今でこそ日本ではサッカーにおけるFIFAワールドカップとほぼ同列どころかそれ以上に注目を集める大きな大会となっているが、世界的に見ればまだ局所的な盛り上がりでしかなく、本場のアメリカですら地域によってはまったく認知されていない事すらある。

その原因の一つとして、MLB選手が満足に参加できない状態であることが挙げられる。

そもそもこの大会は3月というプロ野球、メジャー共にシーズン開始直前に開かれる為、大会中ケガをしたり、代表に選ばれた投手はシーズンに向けて調整が難しくなることから、参加を拒む選手も少なくない。

過去には日本ですら「プロ野球選手は世界大会よりペナントレース優勝を優先するべきだ」とチーム単位で参加を拒否した事もあった。

アメリカではその事情がさらに厳しく、選手が参加を希望しても、契約しているチームや保険会社からケガ時の保証してもらえず参加を辞退しなければならなかったり、企業の側から選手の登板やスタメンでの起用回数を要求されたりすることから、ベストメンバーを選べない事情もある。

収益分配の不平等さ

にもかかわらず、大会の収益はMLBとその選手会が6割以上を取っていくというかなり不平等な収益構造となっている。これではナショナルチームの強化費用が充てられず、次の大会に向けての準備や選手たちの参加へのモチベーションも大きく下がってしまう。

日本はまだそこからある程度の収益を獲得できるためまだ恵まれた方とはいえ、この不平等さに対して日本プロ野球はWBC不参加を表明した事もある(というより、第1回大会も「もし参加しなかったらWBCが失敗した原因が日本にあるものとして賠償を求める」という半ば脅しめいた要求で渋々参加した経緯があったりする)。しかし、それでもこの収益分配率はあまり変わらず、苦肉の策として「日本代表チームのグッズは侍ジャパンブランドで展開し、こちらの収益をNPBに還元する」という形で落ち着いた。日本で大会中WBCのグッズより侍ジャパンのグッズやロゴが多いのはこういった事情がある。

会場の偏りと予選カードの不平等さ

サッカーのように主催国がその都度変わる訳でもなく、今のところ本大会の会場は日本、北米、台湾が中心となっている。大会の為に新たに会場を作る手間がかからないというメリットはあるものの、移動の面ではヨーロッパ、南米、アフリカ、オセアニアの選手たちに負担がかかる形となり、またその開催地の事情から対戦カードがある程度コントロールされてしまう不平等さがある(特に日本は地理的関係から予選で強豪の揃う北米勢と戦うことが少なく、かつホーム戦であるため非常に有利)。また、決勝はいずれもアメリカで行われるため、北米ラウンドのチームが有利となる。

また、2023年の第5回大会では決勝トーナメント表が当初のスケジュールと違うのではないかという混乱(アメリカ代表が日本と準決勝で戦うと思われていたが、何故か決勝でのみ当たるようになっていた)も起こった。


このようにまだ若い大会かつアメリカのMLB主導という体制が目立つため、世界大会としてはかなり課題の多い大会となっているが、集客や野球の世界的な普及は大会の度に成果を上げており、今後少しずつ改善され、洗練されていくと思われる。

日本でも第一回は「何のための大会かわからない」と選手たちも参加に疑問を持っていた程だが、幼少期に侍ジャパンの活躍を見ていた野球少年たちがWBCの参加が目標だったと語るように、選手たちの参加モチベーションも高まっている。WBCで日本代表になってMVPを取るという夢を掲げたある野球少年は、現実離れした能力で本当にその夢を達成した

まだ野球発展途上国の多いヨーロッパやアフリカでは一つの大きな目標が出来たことで、この大会を歓迎している国も多い。




関連項目

野球 WBC日本代表 侍ジャパン


小川龍也:第3回大会フィリピン代表。

松元ユウイチ:第3回大会ブラジル代表。

真砂勇介:第5回大会中国代表。

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