OsakaMetro
おおさかめとろ
概要
大阪市交通局の民営化に伴い、大阪市が全額出資する「大阪市高速電気軌道株式会社」を2017年6月1日付で設立した。ただしマークや愛称など、利用者の皆様にわかりやすいように別途愛称を設定する必要性があったため、ラテンアルファベット表記の「Osaka Metro」(読み:オオサカ メトロ)を愛称とすることを2018年1月25日に決定した。大阪市は「大阪高速電気軌道」以外にも「大阪メトロ」「大阪地下鉄」の商標を2017年に出願している。
正式な会社名は「大阪市高速電気軌道株式会社」のまま、大阪市交通局が「大阪市営地下鉄」として運営していた地下鉄路線の8路線、およびAGT(新交通システム)路線のニュートラム(南港ポートタウン線)の合計9路線の運営を2018年4月1日から引き継いだ。
鉄道事業法ではなく軌道法が適用されているため、路面電車と同じように道路に沿って建設されている。東西南北がわかりやすく碁盤の目のように路線が縦横に伸びているのはこれが大きな理由。ただし、南港ポートタウン線の一部区間とかつて第三セクター「大阪港トランスポートシステム」の路線だった区間に関しては例外と言える。
民営化後の「大阪市高速電気軌道株式会社」の名称にこうした実情が反映されていると言える。
初乗り運賃が割高と言われることが多く、短距離区間の乗車を妨げる要因ともなっていることとして、初乗り運賃が2014年の消費税引き上げと同時に200円から180円に値下げされた。当初御堂筋線以外すべての路線が赤字であったが、谷町線の黒字転換を皮切りに黒字転換する路線が増え、現在の赤字路線は赤字額が多い順から今里筋線・長堀鶴見緑地線・千日前線のみとなっている。
大手私鉄に匹敵する事業規模を持ち、資本金は2,500億円とJR東日本を上回り日本一であるものの、日本民営鉄道協会(民鉄協)に加盟していないため中小私鉄に分類されている(大手私鉄・準大手私鉄への分類は民鉄協への加盟が絶対条件となっている)。中小私鉄での売上高は遠州鉄道・静岡鉄道に次いで3位であり、また売上高1,000億円超えの中小私鉄はこの3社しかない。
営業路線
地下鉄路線
路線色 | 番号 | 路線番号(※1) | 路線名 | 区間 | 距離 | 駅数 |
---|---|---|---|---|---|---|
臙脂色(赤、クリムゾンレッド) | M | 1号線 | 御堂筋線 | 江坂駅(M11)〜中百舌鳥駅(M30) | 24.5km | 20 |
京紫(紫、ロイヤルパープル) | T | 2号線 | 谷町線 | 大日駅(T11)〜八尾南駅(T36) | 28.3km | 26 |
縹色(はなだいろ、青、ビクトリアブルー) | Y | 3号線 | 四つ橋線 | 西梅田駅(Y11)〜住之江公園駅(Y21) | 11.8km | 11 |
緑(スペクトリウムグリーン) | C | 4号線 | 中央線(※2) | コスモスクエア駅(C10)〜長田駅(C23) | 17.9km | 14 |
紅梅色(ピンク、チェリーローズ) | S | 5号線 | 千日前線 | 野田阪神駅(S11)〜南巽駅(S24) | 13.1km | 14 |
茶色(ビビッドブラウン) | K | 6号線 | 堺筋線 | 天神橋筋六丁目駅(K11)〜天下茶屋駅(K20) | 8.1km | 10 |
萌黄色(黄緑色) | N | 7号線 | 長堀鶴見緑地線 | 大正駅(N11)〜門真南駅(N27) | 15.0km | 17 |
柑子色(ゴールデンオレンジ) | I | 8号線 | 今里筋線 | 井高野駅(I11)〜今里駅(I21) | 11.9km | 11 |
(※1)『鉄道要覧』に記載されている路線番号。
(※2)中央線のコスモスクエア駅〜大阪港駅間と南港ポートタウン線のコスモスクエア駅〜トレードセンター前駅間は大阪市高速電気軌道が第二種鉄道事業者、大阪港トランスポートシステムが第三種鉄道事業者。
アルファベットは頭文字より。ただし堺筋線は千日前線と被るため二文字目のKを、南港ポートタウン線は長堀鶴見緑地線と被るため「ポートタウン」のPを使用。
全線とも路線免許上は軌道法に基づく「軌道線」。ただし南港ポートタウン線のコスモスクエア駅〜トレードセンター前駅間(大阪市高速電気軌道が第一種鉄道事業者)と中ふ頭駅〜フェリーターミナル駅間(大阪市高速電気軌道が第二種鉄道事業者、第三セクター「大阪港トランスポートシステム」が第三種鉄道事業者)は鉄道事業法に基づく「鉄道線」扱いとなっている。
長堀鶴見緑地線と今里筋線は小型のリニアモーター駆動電車で運行するリニア地下鉄。堺筋線とリニア地下鉄2路線は架線による集電方式(直流1,500V)で、それ以外は第三期条による集電方式(直流750V)。
、中央線は近畿日本鉄道(近鉄)けいはんな線(長田駅〜学研奈良登美ヶ丘駅間、堺筋線は阪急電鉄(阪急)京都本線(天神橋筋六丁目駅〜京都河原町駅間)・千里線(京都河原町駅〜北千里駅間)とそれぞれ相互直通運転を行っている。中央線は近鉄けいはんな線と合わせて「ゆめはんな」、南港ポートタウン線は
ブランドコンセプト
走り続ける、変わり続ける。
大阪市高速電気軌道株式会社(以下:Osaka Metro)の活動の原点とし、「走り続けるために、変わり続ける (Change to Run)」「走り続けながら変わり続ける (Run and Change)」の意味を持たせ、Osaka Metroの目指す方向性を示す。
愛称
Osaka Metro
「Metro」の語源は「首都の」「大都市の」を意味する「metropolitan(メトロポリタン)」。「Metro」は地下鉄を意味する言葉として世界的に認知されており、大阪のさらなる国際化を見据え、グローバルスタンダードである「Metro」を愛称に取り入れることで、「名だたる世界の大都市の『Metro』と肩を並べ、大阪らしい『Metro』になる。」という決意を込めている。
シンボルマーク
名称:moving M
「Metro」のMの中に「Osaka」のOを内包し、らせん状の動きのあるフォルムとし、「走り続ける」エネルギーや動力・推進力を表す。深く鮮やかな青をメインに色を用いることで、安全・安心の印象を与え、エネルギッシュな大阪の街や走り続ける活力をイメージしている。
動くシンボルマークとして、「マーク=平面の図形」という概念を打ち破る「チャレンジ精神」を表し、Osaka Metroが目指す「走り続ける」「変わり続ける」姿を象徴化している。
コーポレートスローガン
走り続ける、変わり続ける。
お客様にも社員にもOsaka Metroが目指す方向性をしっかりと示すことに重点を置き、ブランドコンセプトと同じ言葉をコーポレートスローガンとしている。
「これからも『走り続ける』こと、ニーズと時代の流れに合わせて『変わり続ける』こと」を宣言し、約束する決意を込めている。
東京で駅ナンバリングが広まったことを受けて、2004年から駅ナンバリングが開始されたが、Osaka Metroの前身、大阪市営地下鉄では将来の延伸を見据えて、1から始めるのではなく11から開始している。実際、御堂筋線では、乗り入れ先にも駅ナンバリングがされているため、11より小さい数字が使われている。
なお、中央線と南港ポートタウン線は11より小さい数字で始まっているが、これは元々第三セクターの別会社の路線が含まれていたことに起因する。また、中央線に乗り入れるけいはんな線は境界駅の長田駅から連続した数字となっており、アルファベットも「C」のまま、他の近鉄の路線と重複が起きないよう配慮された。
ちなみに、堺筋線と直通する阪急千里線には、K10以前の数字が割り振られず、阪急の駅ナンバリングが導入された。
アナウンサー
Osaka Metroの地下鉄駅構内や車内でアナウンスを行っている声優は6人いる。
アナウンサー | 担当 |
---|---|
秀平真由美 | 車内(日本語) |
梅野真由美 | 駅構内1番線(日本語) |
ウェグミュラーあけみ | 駅構内1番線(英語)・車内(英語) |
有田洋之 | 駅構内2番線(日本語) |
ピーター・フィンケ | 駅構内2番線(英語) |
片岡和枝 | 啓発放送 |
- 秀平真由美は大阪市営地下鉄時代の1999年4月1日から日本語の車内放送を担当している。
- 英語の駅構内放送は(現時点では)南港ポートタウン線には未導入。
- 谷町線は2021年12月に駅構内放送を更新する際、全てを合成音声のものに交換したが、聞き取りづらいと不評だった為、2023年3月14日に肉声放送へ再度変更された。
- 御堂筋線は2022年12月10日から導入。
- 民営化直前、順次すべての路線でホームドアの有無によるアナウンス変更が行われた。ホームドアのない駅では「○番線に、〜行きが到着します。危険ですので、黄色い点字ブロックの後ろまでお下がりください」、ホームドアのある駅では「○番線に、〜行きが到着します。危険ですので、ホーム柵から身を乗り出したり、物を立てかけたりしないでください」とアナウンスされる。
テレビCM
2018年11月25日、関西地区でOsaka Metroの初めてのテレビCM「新しいことが生まれる街」篇が放送開始。イメージキャラクターに本田翼を起用し、日々新しいことが生まれる大阪と、その中心を縦横に走るOsaka Metroを「大阪の真ん中を走っている。」というキャッチコピーで伝える。
2019年1月14日には第2弾「淀屋橋 トモダチと中之島」篇が放送開始。大阪に来た本田翼が大阪に住む外国人のトモダチと、中之島エリアを散策しながら様々なおしゃれスポットを見つける。