治まる御代の天下茶屋
さわがぬ波の難波驛
いさみて出づる旅人の
心はあとに殘れども
―― 鉄道唱歌(關西・參宮・南海篇)六四番より
概要
大阪市西成区岸里一丁目にある南海電気鉄道南海本線・高野線とOsakaMetro(旧大阪市営地下鉄)堺筋線の駅。
南海電車の乗客(特に南海本線)が大阪都心部に向かう為に乗り換える駅の1つである。
JR(旧国鉄)との乗り換え駅である新今宮駅が開業するまでは現在と同様の南海本線と高野線の乗り換え駅で、国鉄天王寺方面への乗り換えもあって、難波駅と共に南海のターミナル駅であった。
新今宮駅が開業した1966年からは南海は両線共に岸ノ里駅(現・岸里玉出)同様、普通(高野線は各駅停車)しか止まらない駅となった。
1993年に堺筋線が当駅まで延伸、同年から1995年にかけて高架化。1996年に再び優等列車が止まるようになり、2003年にすべての列車が止まるようになり、再びターミナル駅に返り咲いた。
駅構造
南海電気鉄道(NK05)
- 所在地:大阪市西成区岸里一丁目1-9
相対式2面(1・4番のりば)と島式1面(2・3番のりば)の複合3面4線の高架駅。隣の岸里玉出駅には南海線の普通車と高野線の各駅停車しか停まらないので、南海線と高野線との乗り換えは当駅利用が推奨されている。ホームは3階、改札は2階にある。
ホームの有効長はいずれも20m車10両分だが、現在10両編成で運行する電車は設定されていない。
地上時代
地上時代には天王寺線の電車も発着し、また天下茶屋工場も併設されていた。
ホームは島式3面6線で、東から天王寺線用の1・2番、高野線用の3・4番、南海本線用の5・6番の各のりばである。天下茶屋工場は、さらに西側に設けられた。
1982年に天下茶屋工場が千代田駅に移転した後、当駅の高架化と、後述の地下鉄堺筋線の建設のために1984年に今池町~天下茶屋間が廃止になり、以降今池町駅と萩之茶屋駅が乗り換え扱いとなった。
堺筋線天下茶屋延伸の代替で、残る区間も堺筋線延伸直後の1993年3月31日をもって、廃止された。
Osaka Metro(K20)
- 所在地:大阪市西成区岸里一丁目1-10
大阪市営地下鉄時代の1993年3月4日に開業。
島式1面と単式1面がある複合型2面3線の駅である。南には留置線が3本あり、うち中央がすべての線路につながっている。改札は1階にある。阪急京都線・千里線から関西空港へ向かう場合は天下茶屋乗り換えが便利である(阪急京都線方面から南海関西空港駅への直通切符は天下茶屋での乗り換えのみ可能、なお堺筋線以外のOsakaMetroから関西空港駅への同切符はなんば駅のみ乗り換え可能)。
単式ホームがあるのは、関西空港へのアクセス路線として阪急京都線河原町駅から当駅に直通する列車を運行させる構想があり、1番のりばがその発着ホームとして予定されていたため。
なお地下鉄四つ橋線の岸里駅とは300メートルほどの距離だが、公式には乗換駅とは案内されていない。
片面になっている1番のりばは、開業当初は錆取りのため1日1本のみ電車が発着していたが、後にラッシュ時に1番のりばで乗客を降ろし、一旦南側の留置線(3本あるうちの中央)に入り、その後2・3番のりばに入って発車するという形で使用されたり、春と秋の行楽期には嵐山への直通特急「ほづ」が発車したりした。2019年1月19日の阪急京都線・Osaka Metro堺筋線のダイヤ改正により、すべての電車が2・3番のりばから発車するようになり、1番のりばを土日祝日の10時〜18時に降車専用ホームとして使用するようになった。
利用状況
近況
南海電気鉄道
- 2023年(令和5年)度の1日平均乗降人員は72,088人である。 ※1
Osaka Metro
- 2023年(令和5年)度の1日平均乗降人員は68,271人である。
- 開業当初は南海は普通しか止まらなかったこともあり1万人台であったが、優等列車が止まるようになってからこちらも3倍以上増えている。
- 堺筋線内の駅としては堺筋本町駅、南森町駅についで第3位、他の地下鉄線との乗り換え駅でない単独駅としては第1位。
年度別利用状況比較表
事業者名 | 南海電気鉄道 |
| |
---|---|---|---|
年度 | 乗降人員 | 乗降人員 | 調査日 |
2008年(平成20年)度 | 59,726人 | 66,413人 | 11月11日 |
2009年(平成21年)度 | 60,112人 | 66,304人 | 11月10日 |
2010年(平成22年)度 | 61,285人 | 65,686人 | 11月9日 |
2011年(平成23年)度 | 61,681人 | 65,826人 | 11月8日 |
2012年(平成24年)度 | 63,006人 | 66,419人 | 11月13日 |
2013年(平成25年)度 | 65,007人 | 66,938人 | 11月19日 |
2014年(平成26年)度 | 65,289人 | 68,334人 | 11月11日 |
2015年(平成27年)度 | 67,524人 | 69,967人 | 11月17日 |
2016年(平成28年)度 | 70,386人 | 70,918人 | 11月8日 |
2017年(平成29年)度 | 72,641人 | 71,617人 | 11月14日 |
2018年(平成30年)度 | 74,719人 | 74,974人 | 11月13日 |
2019年(令和元年)度 | 75,834人 | 74,032人 | 11月12日 |
2020年(令和2年)度 | 58,485人 | 62,644人 | 11月10日 |
2021年(令和3年)度 | 60,449人 | 63,146人 | 11月16日 |
2022年(令和4年)度 | 67,025人 | 65,651人 | 11月15日 |
2023年(令和5年)度 | 72,088人 | 68,271人 | 11月7日 |
隣の駅
南海電気鉄道 | ||||
---|---|---|---|---|
南海本線 | ||||
種別 | 前の駅 | 当駅 | 次の駅 | 備考 |
ラピートα | 新今宮駅(NK03) | 天下茶屋駅(NK05) | 泉佐野駅(NK30) | |
新今宮駅(NK03) | 天下茶屋駅(NK05) | 堺駅(NK11) | ||
準急行 | 堺駅(NK11) | 天下茶屋駅(NK05) | 新今宮駅(NK03) | 平日朝のなんば行きのみ |
普通 | 新今宮駅(NK03)(※) | 天下茶屋駅(NK05) | 岸里玉出駅(NK06) | |
高野線 | ||||
種別 | 前の駅 | 当駅 | 次の駅 | 備考 |
泉北ライナー | 新今宮駅(NK03) | 天下茶屋駅(NK05) | 泉ヶ丘駅(SB03) | |
新今宮駅(NK03) | 天下茶屋駅(NK05) | 堺東駅(NK56) | ||
各駅停車 | 萩ノ茶屋駅(NK04) | 天下茶屋駅(NK05) | 岸里玉出駅(NK06) | |
Osaka Metro | ||||
堺筋線 | ||||
種別 | 前の駅 | 当駅 | 次の駅 | 備考 |
直通特急『ほづ』 | 日本橋駅(K17) | 天下茶屋駅(K20) | 春・秋の行楽期に運転 | |
| 動物園前駅(K19) | 天下茶屋駅(K20) |
参考文献
※1 ハンドブック南海