概要
日本語吹き替え版のCVは鶴岡聡。原語版は日本未発売のゲーム『Transformers Fall of Cybertron』でショックウェーブやスィンドルなどを担当したスティーブン・ブルーム。
ディセプティコンのナンバー2で、ディセプティコンの新しいボスを自称。F-16風の戦闘機に変形する。性格はテンプレ通りのスタスクどころか、歴代でも類を見ないほどの愚か者である。
性格は狡賢く卑劣で、典型的な小悪党といったところ。自分が有利な時は強気に出ては相手を見下ろす発言をするが、不利になると途端に逃げ出し、追い詰められると恥も外聞もなく同情を買おうとしたり、手柄を巡って敵はおろか仲間の足さえも引っ張ろうとするゲスな根性の持ち主。
助けられたり見逃されたりしてもらったことを恩義に感じることもあるが、恩着せがましい発言も多く、基本的には自分本位な性格である。このため人望は皆無であり、ニューリーダーになった時はビーコン兵士からも不安の声が漏れたほど。
日本語版・原語版共に大声で独り言をつぶやく癖があり、上記のようなゲスな思考が非常にわかりやすい、ある意味表情豊かなキャラクターである。
主な武装は両腕のブラスターとミサイル、そして手のカギ爪であるが、本人曰く「最大の武器はこのオツム」と語る通り戦闘力はあまり高くなく、女性であるはずのアーシーにさえ不意打ちを使ったほどである。ただしビークルモードでの空中戦能力はかなり高く、ホイルジャックの駆るスターハンマーとのドッグファイトでは見事撃墜している。
/All Hail Starscream!\
歴代スタスクの例に漏れずあの病を患っているが、メガトロン不在時にディセプティコンを仕切っていた時、日本語版では「ディセプティコンの新しいボス」と名乗っており、「新しいリーダー」という台詞はあるものの作中でニューリーダーと名乗る場面は一度もなかった。原語版では「Emperor Of Destruction(破壊大帝)」を名乗るシーンがある。
小物界の大物
危機察知能力は高く悪巧みにも長けているが、図に乗りやすく詰めが甘いので、自分の立てた策略が自分へと返ってくる場合が非常に多い。
ブーメランの例
- 手柄を得ようとオートボットと繋がりのあるファウラー捜査官を拉致る。→オートボットに救出され、しかも戦艦ネメシスのレーダーをぶっ壊されてメガトロンのテラーコン計画が危うくおじゃんになりかける。
- メガトロン謀殺を目論む。→サウンドウェーブにあっさり阻止され、更に復活したメガトロンにもバレてフルボッコ。
- ニューリーダー就任直後、ビーコン兵士達に「All Hail Starscream!(スタースクリーム様万歳!)」と言わせまくる。→メガトロンに記憶を覗かれて大恥を曝す羽目に。
- 新戦力としてスカイクエイクを蘇生させる。→「俺が仕えるのはメガトロンだけだ!」の一点張りで全く言う事を聞いてもらえず(それどころか「ごちゃごちゃうるせぇ!」と殴り飛ばされる始末)、直後説得しようとやって来たオプティマスとバンブルビーとの戦闘で死なせてしまう。
- ダークエネルゴンを使ってスカイクエイクをテラーコンとして蘇生して部下にしようとする。→部下にするどころか片腕を失い、しかもその事実を知ったドレッドウィングに殺されかける。
- 恩を売る為(日本語版では「褒美を貰う為」)、洞窟の崩落に巻き込まれたメガトロンを助けに行く。→やらなければいいのに欲をかいて疲労状態のミコを苛めるだけでなくバルクヘッドを生け捕りにしようとして失敗。更に自分が洞窟に閉じ込められてしまい、助けようとしたメガトロンに逆に助けを求める羽目に陥る。
- エアラクニッドに見捨てられてオートボットの捕虜にされてしまい、デ軍を離反してオートボットへ加入しようとする。→自らの失言で全て台無しに。それと同時にアーシーを騙し討ちで襲おうとしたため、オートボットから不信を買うことになる。
- エネルゴンを目当てに秘密結社メックと手を組み、バンブルビーのトランスフォームコグを破壊する。→メックに裏切られて自分自身のトランスフォームコグを失う。
- 同じくデ軍を離脱したエアラクニッドへ、メガトロン打倒の為に手を組もうと提案。→もちろん受け入れられるはずもなくインセクティコンを嗾けられて殺されかける。
- メガトロンに対抗しようとクローン軍団を製作。→たった一話で全滅(その内一体はバルクヘッドによって叩きのめされた)。しかもクローンの受けたダメージが全部自身へと返ってきてしまい、終始痛い目を見ただけというオチに。
- オプティマスとドレッドウィングの争いのどさくさに紛れてエイペックスアーマーを入手。→スモークスクリーンの活躍であっさり奪われる。
- エイペックスアーマーと引き換えに手に入れたレッドエネルゴンの力でオートボット基地からオメガキーを奪う。→調子に乗っていたところでレッドエネルゴンの効力が切れ、危うく撃たれそうになる。
ただし、上記のように散々な目に遭いながらもなんだかんだと生き延びている為、悪運の強さもピカイチと言えよう。一方で自業自得なことをしているのにもかかわらず学習はおろか反省する気配はまったく見せておらず、孤立無援でも余計な行動ばかりで似たような失敗を何度も繰り返している。
他のキャラクターとの関係
メガトロンの前では遜り、忠実な部下っぷりを散々アピールするが、当然その本心はメガトロンには見透かされており、ことある毎に釘を刺されている。とはいえ「敵にするよりはマシ」とシーズン2終盤での帰参も許されており、実力自体は認められている。実際、デ軍を離脱した後のスタースクリームは、
- 記憶を失いディセプティコンに在籍していたオライオンパックスを発見し、メガトロンへの疑惑と自身の記憶を取り戻すきっかけを作る。
- オートボットに対して自身のキズの修復との交換条件でスペースブリッジの在り処やインセクティコンの情報を喋る。(ただしオートボット側からはかなり煙たがれている)
- エイペックスアーマーを手に入れようとしたドレッドウィングの邪魔をする。
と、メガトロンの足を引っ張りまくっていた。
因みに当のメガトロンは帰って野放しにしたことは少なからず後悔していた。
アーシーは相棒のクリフジャンパーをスタースクリームによって殺された上に最終的にメガトロンによってダークエネルゴンを植え付けられてテラーコンにされた。さらにドレッドウィングからは弟・スカイクエイクを起こしたことで結果としてオプティマス達との戦いで戦死し、それどころか生ける屍のテラーコンにされて別の次元を延々とさまよい続ける原因になったため、かなり恨まれている。
メディックノックアウトとはかつては共にメガトロン謀殺を目論んだ間柄であり、愚痴ったり悪巧みに付き合ったりとよくつるんでいるが、決して仲がいいわけではない。日本未放映のシーズン3『ビーストハンターズ』では、メガトロンから失敗を咎められて責任をメディックノックアウトへなすりつけようとし、メディックノックアウトからも肝心なところで裏切られている。
ショックウェーブとは元々そりが合わなかったらしいが、研究所爆発に際してスタースクリームが我が身可愛さから真っ先に遁走してしまった(おまけに捜索すらしなかった)為、『ビーストハンターズ』で再会した時は非常に険悪な間柄になっている。
最終的に保身の為ならば平然と壁を作ってばかりである。
日本版では
日本語吹き替え版では台詞が原語版から増やされており、ぼやきのようなメタ台詞や、変形時のやたらテンションの高い「スタァスクルィ~ム、トォランスフォォォ~~ム!」の掛け声などが特徴的。メガトロン様公認のリアクション芸人であり、謀殺が露見して折檻されつつも殺されなかったのは「何度も失敗するのを見るのが面白かったから」との事。
- 演じている鶴岡聡氏はかねてからのトランスフォーマーファンであり、『トランスフォーマープライム』以前にも『ビーストウォーズネオ』にてストラーダ隊長(マッハキックがかつて所属していた部隊の隊長)を演じていた。本作での起用に際しては某アニメでの怪演がきっかけとのこと。
- 本人曰く、チビっこからの人気も上々らしく、変形時の掛け声を真似してもらっているのが自慢らしい。チビっこからもネタ的な意味で支持されているのだろう。国立市に母ちゃんがいるらしいが番組名をまったく覚えてもらえず、Web版予告編では度々電話をしては番組についてアピールしている。
- アームズマイクロンのパートナーはイーグル型のグル。日本独自の後付け要素ゆえに無論本編には登場しないが、AM劇場においてはスタスクは絵師として活躍しており、しばしば手製のイラストが公開されている。
ビーストハンターズでは
※以下、国内未放送の海外展開シリーズ『ビーストハンターズ』のネタばれ注意※
帰還を許してもらえたことに多少なりとも恩義を感じたのか、今までの行動が嘘だったのかと見紛うほどメガトロンに対して忠実になっている。
ただし、気合が空回りしてこれまで以上にヘマが増えたのもまた事実。
自らもアジトにしていたはずの輸送船ハーベンジャーを放置してオートボット再起のきっかけを作ってしまったり、プレダキングを作り出したショックウェーブへの対抗意識から、サイラスブレークダウンに合成エネルゴンとダークエネルゴンを投与してバイオハザード騒ぎを起こしてしまい、結果として休眠ポッドに幽閉されていたエアラクニッドの脱走、船内のインセクティコン全てと多数のビーコン兵士を失うという大失敗をやらかしている。せっかくメディックノックアウトが回収したエイペックスアーマーもミコに奪われてしまい、サウンドウェーブからの情報で位置を割り出したオートボット基地へ空襲を仕掛けた際も、簡単なトリックに引っ掛かって失敗してしまっている。
しかし、心を入れ替えて反省したのは本当だったようで、ディセプティコン要塞ダークマウント陥落の際はメガトロンに撤退を助言して避難させたり、64話では反旗を翻したプレダキングに殺されそうになったメガトロンの援護射撃をして寸前のところで主君を救う場面があった。また、最終回でメガトロンが倒された時には激昂して、敵を討とうとしてオートボットへ襲いかかろうとするという、まったくらしくもない場面がある。どうやら彼なりにメガトロンのことを慕っていたようではある。
とはいえ、シーズン4の『プレダコンライジング』ではメガトロンがいなくなった後に自身がニューリーダーになろうとしており、なんだかんだで懲りない奴であった。ショックウェーブと共にプレダキングに代わるプレダコン、ダークスチールとスカイリンクスも作っていたりする。
メガトロンが復活した際は歓迎したが、すっかり戦意を失っていたことに失望して離反。するとラストでは自らが生み出したプレダコン2人にも見捨てられ、日頃から見下してきたプレダコン3人によって…
日本オリジナル展開『参乗合体トランスフォーマーGo!』ではアニメにこそ未登場ではあるものの、プレダアーマーを装備してパワーアップを遂げたハンタースタースクリームの玩具(『ビーストハンターズ』版スタースクリームの色違い)が発売された。しかし、メガトロンへの反逆精神は変わっていないという設定となっている。
アドベンチャーでは
※以下、国内未放送『マイクロンの章-新たなる敵』のネタばれ注意※
CV:スティーヴン・ブルーム/吹:平川大輔
『プレダコンライジング』のラストで遂に破滅したかに思われたスタースクリームであったが、なんと生きていたことが判明。『マイクロンの章』で再登場を果たした。
報復で攻め込んできたプレダコン達に対し、スタースクリームはダークマウントの武器庫で見つけた兵器で勇敢に立ち向かい、ダークスチールとスカイリンクスを撃退することに成功する(というのはあくまでスタースクリーム本人の弁によるもので、実際は逃げ回った末に偶然起動させたセキュリティシステムで倒しただけである)。
ダークマウントを家捜ししたスタースクリームは研究室に保管されていたハイパーマイクロン7体を発見。その力を利用してディセプティコンの解散を宣言して自分を見捨てたメガトロンヘの復讐と、宇宙の支配者になる野望を果たさんと活動を開始する。だが、ハイパーマイクロン達には解放直後に逃げられてしまい、スタースクリームは傭兵3体を雇いその行方を追った。
『マイクロンの章』16話にて傭兵の一人シェードロックがハイパーマイクロン達が地球にいることを突き止めたため、第17話にて部下を率いて地球に再来した。一足違いでハイパーマイクロン達には逃げられたものの、彼らを匿っていたスカベンジャーズが発見した主君メガトロンの魔剣ダークエネルゴンセイバーを奪い取った。
その後、部下たちが勘違いして拉致したフィクシット、ジェットストーム、スリップストリームの口から、かつて死闘を繰り広げたバンブルビーも地球に再来していることを知り、彼ら3体を人質として彼を投降させた。
第18話終盤で遂にトリケラショットを除く6体を捕縛し、19話でそのトリケラショットも捕らえ、自らの宇宙船に装備した装置で彼らのパワーをそのボディごと吸収し、銀色の装甲や翼を備えたハイパーサージスタースクリームへとパワーアップを遂げた。その圧倒的な力でオートボット達を蹂躙しようとするも、その調子に乗りやすい性格が仇となり、サイドスワイプの策略でマイクロンの一人エアロボルトと分離させられてしまう。それでもなおハイパーサージモードを維持し続け、エアロボルトと合体したオプティマスとも互角に戦うが、最後はオートボット達の連携によって残る6体とも分離させられ、ついに力尽きた。
戦闘後はオプティマスの宇宙船に傭兵3体とダークエネルゴンセイバーとともに乗せられ、先の大戦の戦犯としてサイバトロン星に連行された。
『プライム』の頃とは容姿がまったく異なり、前日談となるゲーム『War for Cybertron』シリーズに似たデザインとなっているが、これはプレダコン撃退後に自らのボディを改造したため。バンブルビーも「昔風」とのこと。
日本語版ではCVや演出が替わったこともあって雰囲気がかなり違うが、あの病気や姑息さ、詰めの甘さ、器の小ささ、部下への当たりの悪さ、そして独り言の多さとデカさなど、実はスタースクリーム本人の性格はあまり変わっていない。
ディセプティコン本隊は壊滅している為、元オートボットのラフェッジ、隻眼の戦士シェードロック、『プライム』とは体色もCVも異なるインセクティコンのレーザーホーンを部下として雇っている。だが、ダークエネルゴンセイバーを手にした際に契約の打ち切りを申し出られるあたり、今回もやはり人望が無い。
武器は両腕のブラスターと鉤爪だが、劇中ではダークエネルゴンセイバーしか使用しなかった。そのダークエネルゴンセイバーも、メガトロンが製作時にプロテクトを掛けたのか不明だが、ハイパーサージモードになるまで使いこなすことが出来なかった。ビークルモードは劇中では披露されなかったものの、玩具では前進翼型のエイリアンジェットに変形する。
尚、見捨てられたとは言え自身もバンブルビーの仲間を手にかけたり、復讐のあまり情緒不安定と化したドレッドウィングの死の要因を生み出したため(しまいには日本玩具限定では蘇生したたものの、無残な性格に変わり果てた。)同情も説得力も悲哀の感じも殆どない有様である。
原語版CVは前作と同様ブルーム氏が続投しているが、日本語版では鶴岡氏に代わって『ギャラクシーフォース』でエクシリオンを演じた平川大輔氏が担当。アドリブがなくなったため前述の通り雰囲気がかなり変わっており、台詞回しからかG1のスタスクを思い出したという声も多い。
劇中では「あのスタースクリーム」などとやたら大物扱いされるが、前作『プライム』での醜態を知る視聴者には「あの」の部分が違って聞こえるのか、小物界の大物だの宇宙一の小悪党だのと云われている。