黙示録の獣
もくしろくのけもの
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第一の獣
海の中から現れる十の角と七つの頭それらの角に十の王冠を持ち、頭には神を冒涜する様々な名が記されている緋色の獣。
姿は豹に似て熊の足とライオンの口を持つ、所謂キメラな外見。この特徴は後述のダニエル書に登場する四つの獣を合わせたもの。また背に大淫婦バビロンを乗せている。
主に黙示録の獣と言うとこの獣を指す。赤い竜から力と王座と権威を「鉄の杖」(世界を支配する象徴)という形で与えられている。
十本の角と七つの頭はローマの象徴である七つの丘、十人のローマ皇帝を指している。これは当時、キリスト教がローマ帝国に迫害されていたことを暗喩している。
反キリストの化身。
第二の獣
地中から現れる子羊に似た二本の角を持ち竜のように話す獣。
第一の獣が持っていたすべての権力をその獣の前でふるい、人々に致命傷を負った先の獣を拝ませるという。
偽預言者の化身。
最終的にこれらの獣は捕らえられ、生きたまま硫黄の燃えている火の池に投げ込まれるとされる。
類似する存在
旧約聖書における『ダニエル書』の『ダニエルの幻視』(7章から12章)にもダニエルが見た幻として海より来たる獣の存在が記されている。これらの特徴はヨハネの黙示録の第一の獣と共通している。
第一の獣
鷲の翼を持つライオンの姿をしている。グリフォンとは異なる。
第二の獣
肋骨を咥えた熊のような姿。
第三の獣
四枚の翼と四つの首を持つ豹のような獣。
第四の獣
十本の角と鉄の歯を持つ獣。
その他
8章では一本角を持つヤギが左右で角の長さが異なる羊を倒すエピソードが語られている。
山羊の角はその後、四つに別たれたという。ガブリエルが語るところによれば、ヤギはギリシャ、羊はペルシャとメデアを表している。
黙示録の獣をモチーフとした創作作品のキャラクター
Fateシリーズ
中でもビーストⅥが黙示録の獣、大淫婦バビロンをモチーフとしている。
詳細は旧ビースト、ソドムズビースト、ソドムズビースト/ドラコーを参照。
その他にもネロ・クラウディウスやBBがこれに由来するスキルを持つ。
GODZILLA(アニメ映画)
ゴジラ。
映画本編の前日譚である小説怪獣黙示録において、人類のあらゆる総攻撃をはね除け、挙げ句40メガトンに達する熱核攻撃にも耐え抜いた様を見て、発狂したアメリカ大統領がゴジラを黙示録の獣に準えた。(直後、この大統領は拳銃自殺した。)またアメリカ国民の間でもゴジラを黙示録の獣と見なした終末思想が広まり、核による滅亡(流出した核兵器を用いた集団自決)を教義とする新興宗教が各所で自然発生する事態を招いてしまった。
救急戦隊ゴーゴーファイブ
デザインモチーフかどうかはさておき、異名は「終末の破壊獣」となっており、ゴーゴーファイブの時代設定は終末思想で騒がれた1999年となっている。(なお、コイツらが出現した時点では2000年となっているが。)
ワイルドアームズシリーズ
聖書に謳われている「七つの頭と十の角を持ち~」を下敷きにしてぐれーたーびーすとという名前の怪獣として登場している。
ファイナルファンタジーエクスプローラーズ
FFEX独自の世界観における、人類と対峙する強敵として登場する召喚獣の最終ボス。
英雄に討ち取られることで世界に安寧がもたらされるとも、選ばれし者によって目覚め世界を破滅させるとも言い伝えられている。
海外では「Therion」と記載される。