レジェンドガンダム
れじぇんどがんだむ
レイ・ザ・バレル「正しきあるべき姿へと戻るんだ。人は、世界はっ!」
機体データ
型式番号 | ZGMF-X666S |
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全高 | 18.66m |
重量 | 86.02t |
装甲材質 | ヴァリアブルフェイズシフト装甲 |
動力源 | ハイパーデュートリオンエンジン |
所属 | ザフト |
パイロット | レイ・ザ・バレル |
概要
デスティニーと同時開発されたザフトの最新鋭MS。ザフト製MSとしてはサードステージシリーズに該当する。プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルを中心とする開発陣がデスティニーと同様に、核動力とデュートリオンビーム送電システムのハイブリッド機関であるハイパーデュートリオンエンジンを実装し完成させた。ニュートロンジャマーキャンセラーを搭載しておりユニウス条約違反機に該当するが、型式番号のSで表向きにはその仕様を秘匿している。
本機は、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦で実戦投入されたZGMF-X13A プロヴィデンスの後継発展型に当たる機体で、全身に搭載されたドラグーンシステムによる全方位同時攻撃を本領とする。系列機故か、それとも開発者の意図なのかは不明だが、機体の意匠やカラーリングがプロヴィデンスと類似している。
背面に巨大なドラグーン・プラットフォームを背負っており、その大推力によって重力下での飛行も可能となっている。ドラグーンの無線遠隔操作は重力下では不可能だが、ビームポッドは機体に接続したまま可動砲台として使用する事も可能で、その場合の火力も在来機の比ではない。
ドラグーンの総ビーム砲数はプロヴィデンスに比べ減少している(43→26)ものの、プロヴィデンスのドラグーンの扱いにくさや機動力の低さ・武装の取り回しの悪さ等多くの欠点が解消されており、バランスの取れた機体となっている。またプロヴィデンスと違いビームジャベリンによる接近戦も可能となり、ビームシールドを搭載したことにより防御力も向上している。
最新鋭技術を盛り込んだサードステージの機体だけあって、ストライクフリーダム、インフィニットジャスティスといった機体群と同等の性能を誇るハイエンド機である。
第1次連合・プラント大戦時に伝説的な活躍を見せたプロヴィデンスを継承するものという意味で、レジェンド(伝説)と命名された。また、戦争犯罪者であるラウ・ル・クルーゼが駆ったプロヴィデンスとの差別化を図る為だとも云われている。
額にはイタリア語で66を指す「SESSANTASEI」(セッサンタセーイ)の文字がある。
武装
MMI-GAU26 17.5mmCIWS
側頭部に内蔵された近接防御火器。デスティニーと共通の武装。ゲイツやファーストステージシリーズのピクウス等従来モデルよりも小口径化され、弾数も増加している。
MA-BAR78F 高エネルギービームライフル
プロヴィデンスのユーディキウムを改良した専用ビームライフル。通常のビームライフルを上回る出力を保ちつつ、射程距離や連射性能の向上、ユーディキウムに比べて若干の小型化等を実現している。
不使用時はバックパックに縦にマウントされる。
MX-2351 ソリドゥス・フルゴールビームシールド発生装置
両手の甲に篭手の様に装備されている光学防御兵器。ビームを盾として展開し、大出力ビーム砲の直撃さえ防ぎきる。展開中でも内側からの攻撃は素通りし、攻撃と防御を同時に行うことができる。ビームの出力を調整することでシールドの形状を変形させ機体全体を保護する事や、ビームガンやビームソードとして使用することもできる。従来の実体式シールドに比べ、ビーム攻撃に対する防御機能は遥かに向上し、同時に総重量の軽減にも一役買っている。
MA-M80S デファイアント改ビームジャベリン
近接格闘用のビームサーベル系装備。ブラストインパルスに装備されていた同名のビームジャベリンの発展型もしくは同規格の武装。非使用時には分離させて両脚の側面に収納されている。ラケルタ系ビームサーベルの様に柄尻を連結させた「アンビデクストラス・ハルバード」形状のビームサーベルとして運用するのが標準であり、基本的に分離状態での運用はオプション的な意味合いが強い。
ジャベリンとは「投げ槍」の事であるが、実際にはそのような使用法は確認されていない。ビーム刃の発振技術等を応用して、ブラストインパルスのビームジャベリンと同じように手を離してもビームの刃を保持できる為に、この名称とされたと思われる。
ドラグーン・システム
本機の主兵装。EQFU-5X機動兵装ポッドを経て量子インターフェイスにも改良が加えられた第2世代ドラグーン・システムを搭載している。これは、空間認識能力が無くても使用できる最新型で、以前の物と違ってパイロットの制限は抑えられて、比較的容易に運用が可能となっている。
また、プロヴィデンスでは想定されなかった重力下での使用にも配慮した機構により、大気圏内でもデッドウェイトになりにくいように改良されたプラットフォームを持つ。
GDU-X7 突撃ビーム機動砲
背部プラットフォーム最上端に2基装備される大型ドラグーン。1基につき9門のビーム砲を内蔵する他、砲自体から小型のビームスパイクを形成し直接打撃を与える事も可能であり、このビームスパイクは陽電子リフレクターを容易に貫通する。また、本体への連結時はプラットフォームごと前方に90度倒した砲撃姿勢を取る事も出来る。
劇中ではこのプラットフォームからの一斉射で、ストライクフリーダムのビームシールドを打ち破り態勢を大きく崩させるという活躍を見せた。この点から、デストロイの主砲を上回る威力を誇る可能性がある。
GDU-X5 突撃ビーム機動砲
背部プラットフォーム側面及び腰部に合計8基装備される小型ドラグーン。2門のビーム砲を内蔵し、ドラグーン本来の分離式のビーム攻撃端末としての機能の他、機体との連結時は可動式砲台としても使用出来る。この場合、前方に砲口を集中させ面制圧攻撃に用いる事が多い。
また、背面に撃つ事で死角を補い、奇襲的に扱う事も可能。これは特にドラグーンを独立稼動させられない大気圏内戦闘において使用される。
MMI-710 エクスカリバー レーザー対艦刀
ソードインパルスの武装で、ヘブンズベース攻防戦にて1本借り受けて使用。ソードインパルスやデスティニーと共にデストロイを攻撃した。
活躍
第35話、ザフト軍ジブラルタル基地にてデスティニーと同時にロールアウト。プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルによってアスラン・ザラに受領されるが、アスランがメイリン・ホークと共に脱走した為、追撃のために急遽レイ・ザ・バレルが搭乗しシン・アスカの乗るデスティニーと共に出撃、彼らの乗るグフイグナイテッドを攻撃。グフはデスティニーにより撃墜され、基地へと帰投する。本来のパイロットがいなくなったため、レジェンドはレイの機体となった。
ミネルバ艦載機となった後、ヘブンズベース攻略戦に参加。ライフルや背部のドラグーンを存分に活かし多方向への攻撃で複数のMSを撃墜。更にデファイアント改でデストロイ1機を単機で堕とす。しかしそれは有効打になりにくいためか、ルナマリア・ホークのソードインパルスからより攻撃力の高いエクスカリバーを1本借りてインパルスと共にデストロイを1機撃墜、最後の1機もデスティニーを含めた3機での連続攻撃で沈めた。
オーブ侵攻では当初はミネルバ内で待機していたが、キラ・ヤマトのストライクフリーダムの参戦を見たことで、一度帰投したデスティニーと共に出撃。数的優位でもストライクフリーダムには手こずるが、ドラグーン一斉射で隙を作りデスティニーにロックオンさせ撃墜寸前まで追い詰める。しかし、そこへアスランの駆るインフィニットジャスティスの参戦したことで阻止された。レジェンドはストライクフリーダムと戦闘するが、インフィニットジャスティスのカウンターでデスティニーの右腕が破損し、同時に旗艦を失った他目的であったロード・ジブリールが宇宙に逃走してしまったことからミネルバが撤退命令を出したことで、デスティニーを連れて撤退。
レクイエム攻略戦ではデスティニーと共に陽動を務め、ドラグーンによるオールレンジ攻撃を駆使し多数の敵機を撃墜。かつてインパルスが大苦戦したザムザザーをもドラグーンで瞬殺するなど、その高い攻撃性能を見せつけた。更にロード・ジブリールが搭乗し再度の逃走を図ったガーティ・ルーに即座に対応、ドラグーンで撃沈しジブリールの抹殺に成功した。
レイがメサイアに呼び出された際、デスティニーと共にメサイアへ入港。
そしてレクイエム・メサイアを巡る攻防戦において、キラの駆るストライクフリーダムとの激しい戦闘を展開。
序盤こそラウ・ル・クルーゼを自称するレイの気迫とそれにキラが圧されたこともあり優勢だったものの、レイに対する反論をぶつけて精神的に優勢となったキラにより次々とドラグーンを撃墜され、その後にキラの言葉にレイが大きく動揺した隙にハイマットフルバーストの直撃を受け大破、ストライクフリーダムに傷一つ付けられないまま戦闘不能に陥ってしまう。
その後レイは戦闘不能ではあるが稼働はする機体でメサイアに向かったが、それ以降の行方は不明。メサイアが陥落した為、恐らく失われたと思われる。
余談
初期案
- 実は当初ザクタイプとして出す案もあったという。後にその初期案をクリンナップしたのがSEEDMSVに登場するプロヴィデンスザクであり、メタ的にもレジェンドの試作機といえる存在となった。
- レジェンドという名称はストフリやインジャと異なり、登録や組み合わせの関係上名前が変更されたわけということでなく(上記を参照)、最初からプロヴィデンスの名を外す予定だった。これはレジェンドの立ち位置に関係するもので、継承はしているものの様々な事情(主にパイロット関連)で変更された、という設定も関係している。
不遇
- プロヴィデンスと比べて出番自体は多く、それ相当の活躍を見せているが若干影が薄い。実際他の後半主役ガンダム(ストライクフリーダム、インフィニットジャスティス、デスティニー)がMGやHGCEなどでリメイクされているのに対し、本機のみが未だにリメイクされていないほどである。原因については以下のものが挙げられる。
- ドラグーンシステムの絶対性…あちらはまだドラグーンが普及していなかった第1次連合・プラント大戦での投入に加え、パイロットの技量も相まって単騎でありながら他を圧倒していた事が大きかった。しかし、第2次連合・プラント大戦では敵対勢力でもドラグーンが運用されている事もあり、(大気圏内での運用を意識してはいるものの)ドラグーンを有している事が絶対的な特徴では無くなっている。
- パイロットのカリスマ性…乗り手にしてみても、「自分を生んだ復讐心だけでコーディネイターだらけのザフトの白服に上り詰め、たった一人で両軍の対立を順序を踏んで苛烈化させた名悪役」のクルーゼと、「出生こそ同じだがデュランダルとの共依存でどっちつかずな性格になってしまった上に、シンにインパルスガンダムのパイロット選考で敗れた只の強いザフトレッドの一人」に過ぎないレイとでは悪のカリスマ性も雲泥の差で、それがそのまま搭乗機体にも反映されてしまっているのも大きい。特に自身の野望が果たされる直前のクルーゼの高揚ぶりは関俊彦氏の名演もあってプロヴィデンスの悪役としての圧倒的カリスマ性に拍車をかけている。ただし、逆に言えばクルーゼとプロヴィデンスが悪役としてはあまりにも完成され過ぎているという意味でもあり、もはやレイとレジェンドじゃなくてもSEEDシリーズでクルーゼに勝る悪役キャラを生み出すのは至難の業となってしまっている。おそらく今後もプロヴィデンス系列のアップデート機体が出ては、(演出や戦績面で)元祖と比較されるのは避けられないのは明白であり、同系列が背負わされた哀しい性と言えるだろう。
- 簡略化され過ぎたデザイン…プロヴィデンスは全体的にマッシブな体型やむき出しになったケーブルなど線の多い不気味なデザインが、悪役然としたクルーゼのカリスマ性も合わさって絶妙な存在感を引き出していた。一方レジェンドはプロヴィデンスから線が減り(上述通りドラグーンの数も大きく減っている)良くも悪くも毒が抜け落ちたかのような、どこかヒーロー感を捨てきれないようなどっちつかずなデザインとなってしまった。デザインがプロヴィデンスから大幅に簡略化されたことがかえってプロヴィデンスをデチューンした量産型のように見えてしまうのも影が薄い印象を与えてしまう要因になっている。
- 最終決戦での活躍…プロヴィデンスがフリーダムと互角以上に渡り合い、一時的に戦闘不能にまで追い込んだのとは対照的に、本機は序盤こそ優勢であったものの逆に一方的に押された末、最終的には撃墜されたというまるで序盤ボスでも相手にするかのような陳腐な展開に終わってしまったのも原因である。ただし活躍の項でも書いてるように、ストライクフリーダムとの勝敗についてはパイロットの精神状態に左右された部分が大きいため機体性能自体がストライクフリーダムに劣っていたということはなく、当代最高峰の機体の一つという立場と設定は揺るがない。
ビルドシリーズでの出番
- ガンダムビルドファイターズで再登場を果たしたが、メイジン・カワグチが搭乗するケンプファーアメイジングにあっさり撃墜された。
- ガンダムビルドダイバーズRe:RISEではアカツゲー(アカツキの上半身+ゲルズゲーの下半身)のバックパックに本機のものが使われている。しかしこちらもヒロト駆るコアガンダムに即撃破された。
関連動画
関連タグ
関連人物
その他
シーザーレジェンドガンダム:SDガンダムワールドヒーローズの登場人物。名前の通り、本機をモデルとしていて責任感が強く、一国の国を治めようとする善良な性格の持ち主。つまりは完全に味方サイドキャラクターである。また、デスティニーガンダムをモデルとした司馬懿デスティニーガンダムが敵キャラな事もあり、相対することとなるので、こちらとは一線を画す。