概要
CV:浅井清己
アニメオリジナルキャラクターであるロケット団のボス・サカキの秘書で、世代を跨いで登場している悪役である。
人物
冷静沈着かつ淡々とした性格やサカキの意思に重んじる忠実な面とは裏腹に、サカキ以外の者(主にロケット団三人組)への言動からも、人を苛立たせる嫌味な面を覗かせる。
DP編の前半まで登場したヤマトとコサブロウから三人組のライバルとしての役割を交代した様な形で新無印まで存在がほぼ欠かせられず、サカキ及びロケット団本部と三人組のパイプ役となり、表の顔も含め多忙を極めるボスに代わって三人組にその意向を伝える事も多い。
来歴と経歴については一切不明ながら秘書としては優秀であるらしく、SM編からは自身直属の精鋭部隊「マトリ・マトリックス」を率いてサカキの野望を叶えるために重要な作戦の指揮を執る事も多くなるなど、ボスであるサカキからも厚く信頼されている模様(但し、ポケモンバトルの腕前については劇中で描写されておらず、主人公のサトシとは一切正々堂々なバトルを行おうともしない)。
サカキへの忠誠はなかなかだが、一方で三人組を中心とする団員達に対しては露骨に見下す言動をとる事が多いほどの卑劣で悪辣な振る舞いを貫徹する凶悪な本質を持つため、それを見抜いたムサシには威張りやすい性質から反発されており(裏で「おかっぱメガネ」というあだ名を付けられ、ライバル視されている)、SM編では先述の本質を露わにしながらヤマトとコサブロウのように三人組とのロケット団内部での対立を行っている。
劇中の様相
DP編最終回にて初登場。ギンガ団及びポケモンハンターJを自らの手で壊滅させた虚偽の報告をした三人組に対し、イッシュ地方潜入の任務を与え、それに伴い三人組をエリート用の立場に招待させる。
その後、イッシュ地方制圧計画「オペレーション・テンペスト」が多くの不確定要素から失敗に終わり、三人組のシリアス期が終了してしまうものの、秘書としての役目は続いており、XY編でも3話で姿のみ現し、XY&Zの14話では三人組からの通信をサカキに繋いだ。
SM編では3話で姿だけ、更に12話では三人組に対し、新たなポケモンの捕獲と定期的な活動報告を厳しく要求している。
62話ではニャースと接触してきたアローラニャースを献上された物と勘違いし珍しく上機嫌な顔を見せている(アローラニャースはいつの間にかカントー地方のロケット団の本部へ渡ってマトリの補佐となった)。
89話ではアローラの異変を察知して自身の捕獲精鋭部隊「マトリ・マトリックス」を率いルナアーラ及びネクロズマ捕獲に赴く。
しかし、ネクロズマのウルトラオーラ吸収の影響は光学迷彩を施された高速移動挺でも通用せず腑抜け状態に陥る。指揮時は何時もの秘書服ではなく、通常の団員服を纏う。正気を取り戻した後は優秀な部下とウルトラホールの向こう側へ捕獲しに向かうものの、ククイ博士とザオボーに妨害され、最終的にカプ・コケコに撃退される。
122話では三人組に以前「キテルグマをゲットした」と虚偽の報告をされたことに伴い、本部に提出するよう求める。当然そんなことはできないのだが、三人組の冗談を見抜けないマトリは再びアローラ地方へ赴きキテルグマや三人組が発見したポケモンたちの監視を行うことに。
その後の深夜に「キテルグマを運ぶことができないならヌイコグマを進化させればいい」という提案でヌイコグマを連れ去ろうとするが、ムサシのある都合によってニャースが替え玉となってヌイコグマのゲット計画は中止に終わる。また、この時ニャースを連れ戻しに来たキテルグマに移動艇ごと撃墜され、辛うじて生存しながらもアローラニャースと共にキテルグマに恐怖心を植え付けられた。
新無印編24話では三人組を省き(その為だけに特別休暇を与えた)自身の精鋭によるシンオウ地方のリゾートエリア捕獲作戦を決行し、三人組との深い関わりもあって駆けつけたサトシを無関係として軽んじて配下達に苦しませて三人組より先に彼のピカチュウをリゾートエリア内のポケモン達ごと手土産に連れ去ろうとするが、監視に来て「あたし達の出番が無くなる!」と動揺するムサシの怒りを買い、作戦は三人組の妨害で見事に失敗。トラブルの原因が分からずに撤退してからはサカキから怒られたらしく、へとへとな表情を三人組に見せて特別休暇を中止にした。
続く74、75話では引き続きシンオウ地方を訪れ、ダークライとクレセリアの捕獲作戦を決行し、クレセリアを攻撃してダークライを誘き寄せる。そこでサカキの名前を持ち出して三人組にダークライとクレセリアの捕獲の手伝いを特別に命じる事(実質的に自らの前回のミスの尻拭いで、ムサシからも指摘されている)で、失敗したら三人組の責任として詰め腹を切らせるか、成功したら三人組に下克上のチャンスを与えてあげようかという卑劣な手段を出している。
クレセリアを守りに駆けつけたサトシ達を足止めしてダークライを追い詰めるも、クレセリアがダークライを回復させたことで逆転され、ダークライのダークホールによって配下達共々眠らされたことで、作戦がもう一歩のところで失敗となり、眠ったままサトシ達に捨て置かれる。
ダークライとクレセリアの捕獲作戦を最後にマトリは何故かサトシ達や三人組の前に二度と姿を現せなくなるほど強制退場してしまうが、95話にてヤマトとコサブロウが既にロケット団を退団した理由は、マトリによる説教や反省文などの悪辣なパワーハラスメントを受けたからである事が明らかに。
手持ちポケモン
アローラニャース
CV:愛河里花子
SM編62話で偶然三人組が出会ったポケモン。ハイスペックだがかなりずる賢い性格で、彼ら(特にニャース)を散々振り回した。その際モニターで見たサカキを気に入ったためニャースの貯金をネコババしていつの間にかカントー地方へ渡り、三人組が気づいた時にはマトリの補佐というまさかの超出世を遂げている(マトリ本人は非常に喜んでいたので結果オーライか)。新無印には何故か一切未登場。
マトリ・マトリックス
マトリ率いるロケット団の精鋭部隊。10まんボルトを思わせる電撃装置付きの飛行艇で行動する。エリートな団員が集結している為、三人組の手持ちの中でトップクラスだとされるXY編のバケッチャ(パンプジン)とマーイーカに匹敵する強さを秘めており、初出撃時ではザオボーのフーディンとスリーパーを易々と圧倒し、新無印編ではサトシのピカチュウとも渡り合える。新無印編90話の並行世界ではやや真面目な性格が特徴の同世界の三人組が指揮を執ってあくのはどうなどを放つアーマーを装着する精鋭部隊が存在されている。
ゴズ
CV:酒井敬幸
SM編に登場した精鋭部隊「マトリ・マトリックス」のメンバー。マトリの部下だけあって非情だが、メガボスゴドラを使用する点からも自分のポケモンを大切にしているため、三人組のように性根が良かった模様(メガシンカには、パートナーとなるポケモンとの信頼関係が必要不可欠となる)。
シンオウ精鋭部隊
新無印編に登場した「マトリ・マトリックス」内の男性団員4人による精鋭。シンオウ地方での大規模な捕獲活動用メンバーとして送り込まれる。新無印での手持ちポケモンは、ドサイドン以外に、ドクロッグ・スカタンク、ブニャットと、シンオウ地方に伝わる別組織の三幹部を思わせる。
余談
「SM編及び新無印編に登場するロケット団以外の悪の組織は根っからの悪人ではないため非情になろうとしてもなりきれていなかった」とされる哀しき悪役ばかりがTVシリーズに登場するのに対し、マトリはロケット団で最も正真正銘な極悪人として描かれている。