コミックマーケットとは世界最大の同人誌即売会。公式の略称は「コミケット」「コミケ」。
(「コミックマーケット」→「コミケット」→「コミケ」のいずれも商標登録されているため、
他の同人誌即売会では原則使用できない)
最新の開催回はコミックマーケット103です。2023年12月30日-31日に開催されました。
次回のコミックマーケット104は2024年8月11日-12日に開催予定です。変更の可能性もあるので公式情報を確認してください。
概要
毎年8月中旬(盆)、12月(年末)に行われ、それぞれ夏コミ、冬コミと呼ばれている。
さらに、だいたい5年に一度(西暦が5の倍数の年に)普段とは違うコミケ、コミケットスペシャルも開催される。
過去には沖縄での開催、24時間耐久コミケなど色々な試みがなされた。まさに「スペシャル」なコミケだ。
コミケ参加者は「カタログ(コミケットカタログ)」と呼ばれる、他のイベントでいうところの「パンフレット」にあたる冊子の「イベント概要や当日案内&諸注意事項といった、参加する上で重要な部分の熟読」が、参加する上での必須条件とされている。
カタログは紙媒体(冊子版)とWebカタログがあり、必読部分はPDFで公開されている。かつてはCD-ROM・DVD-ROMカタログが発行されたが、新型コロナによる廃業で終了している。
とりわけ紙媒体のカタログはその分厚さに定評があり(C91のカタログはおよそ1400ページ超)、しばしば鈍器と形容される。
当然、重量もかさむ(C91のカタログはおよそ1.6㎏超。コレでも一時期より軽くなったほうだというから恐れ入る)ため、抵抗がないなら事前に必要な部分をカッターなどで裁断して切り分けて持って行くほうが好ましい。
夏コミ、冬コミ共に、東京ビッグサイト(東京国際展示場)を複数日程で全館貸し切って行われるが、それでも収まり切らない規模になったために、日本のどこにも収容可能な代替開催地がないことが問題視されている。
有明移転当初は他のイベントも同時開催されていたのだが、他のほぼすべての併催イベントから苦情が殺到したため全館借りざるを得ず、即売会としては使いづらい部分には更衣室や救護室を割り当てている。
日本全国にとどまらず、世界中から多数の参加者が集まり、その人数は3日間でのべ50万人を超える。夏冬の気候が厳しい時期に長時間の整列などを余儀なくされ、また短期間に大量の人数が移動するため各自の体調管理、宿や交通機関の確保は重大な課題となっている。
参加人数の増加に伴い徹夜組などのマナー違反が目立ってきているのが現状。
そいつらのせいでビッグサイトでの開催どころか、二度と開催さえできなくなるかもしれないので、徹夜はダメ。ゼッタイ。
ただし、近年アーリーチケット制によって徹夜組は解消された模様。
pixivでは企業ブースで参加しているほか、活躍している多くの人も参加している。好きな絵師さんがいたらその人のサイトやSNSを見てみよう。サークルで参加するかもしれない。
注意
ベテランも含め、すべての参加者、初めての人は特にちゃんと公式サイトやカタログの注意事項をよく読もう。
当項目の記述よりも公式情報が優先されます。
何度も言うけど、徹夜は絶対にするなよ。甘い気持ちで参加すると場合によっては……(ああるわい
とはいえきちんと注意事項を読んで準備した上で参加すれば決して恐ろしいイベントではない。
アクセス
会場(C96~C98ではサークルが使用する西展示棟・南展示棟、ならびにコスプレの更衣室がある会議棟)の最寄駅は
C96~C98で企業ブースが使用する青海展示棟の最寄駅は
りんかい線の「東京テレポート駅」
(注:青梅駅ではない。また、言うまでもないが東京都の駅なので、乗換案内アプリなどで間違えて新潟県の同名駅を指定すると大変なことになるので留意されたし。)
なお、有明地区と青海地区の間は1.5km離れており、この間は徒歩移動(推奨ルートはやぐら橋〜イーストプロムナード〜センタープロムナード〜夢の大橋)かゆりかもめ、りんかい線、無料シャトルバスを利用することになる(コスプレでの鉄道利用は有明地区と青海地区の間を移動する場合のみ可とされている)。
りんかい線ならびに埼京線でのアクセスの場合、2019年11月30日より、埼京線が相鉄との直通運転が開始されたため、乗り間違いにも注意する必要が出てきている。
(紺色の電車は海老名行きなのでアウト、青と水色のラインの電車は新木場行きなのでセーフといった具合。但し、緑のラインの電車はどっちにも行くため、行き先をよく確認してから乗ること)
東京駅八重洲口からは臨時の直通バスも出ている。
鉄道に比べると一度に乗れる人数の少なさや渋滞に巻き込まれるリスクがあるものの、りんかい線やゆりかもめに比べると運賃が安く、交通費が抑えられるのがメリット。
帰りは切符売り場がものすごく混雑するのでなるべく全国共通対応の交通系ICカードを使うか、(特にゆりかもめで新橋方面に戻る場合は)復路の切符をあらかじめ買っておこう。
ちなみに、りんかい線が大崎から埼京線と直通しているため勘違いしやすいと思われるが、りんかい線はあくまでも第三セクター路線のためJRではない。なので、青春18きっぷのようなJRのフリーパスは使用できないので注意。もっとも、仮に使えたとしても18きっぷは窓口からしか出入りできないため駅へ出入りできるかどうかは別問題なのだが。
休日おでかけパスは利用可能。磁気券対応改札から出入りしなければならないのがネックだったが、Suicaに休日おでかけパスの機能を搭載する『のんびりホリデーSuicaパス』が開始されてこの問題も解消した。
日の出桟橋から水上バスも運行されていたのだが、コロナ禍の影響で無期限運休中である。
移転論・分散論
あまりの混雑ゆえ、コミケ移転論や分散論がある。先述の通り、国内最大8万㎡のコンベンションセンターであるビッグサイトを3日前後に渡ってフル稼働、やっと開催している怪物イベントであるコミケは、収容可能な他の会場が限られており、具体的・効果的な案はないというのが実情。
C96においてオリンピック準備の都合で一部分散開催を実施したが、1.5km離れた青海展示棟での開催に留まっている。
- 2020年東京オリンピックによる代替候補地として有力視されていたのが幕張メッセで、7万㎡。かつて有害図書追放運動で一度追い出された過去のある因縁の地であり、嫌悪されることが多い施設だが、2015年春には追放事件を和解したのか、コミケSP6オタクサミットが3月28日~29日に幕張メッセで開催された。しかし、いろいろあってオリンピック時の代替計画は流れている。詳細は「2020年東京オリンピックパラリンピックによる使用不可」の欄と当該記事を参照。
- 神奈川代表は、横浜市のパシフィコ横浜で約2万㎡。横浜駅徒歩圏内だが大きさ的に本会場は不可能、分散会場にしかならない。
- 関西代表は、大阪市のインテックス大阪で7万㎡。立地はビッグサイト並。空港・新幹線からは遠い。
- 東海代表は、常滑市の中部国際空港隣接の愛知県国際展示場なら約6万平方m。名古屋市のポートメッセなごやは約4万㎡と厳しい。
- これより下は1万㎡級の展示場と呼べない埼玉スーパーアリーナ・東京ドーム・横浜アリーナ・日本武道館・その他ドーム球場といったものや、東京の流通センターや池袋サンシャインシティといった大きめのビルになってしまう。
特にコミケが地方移転となればその地方の人としては嬉しい…ところだが、参加者・運営・印刷所など様々な事情を鑑みるに、首都圏から離れての開催は負担の方が大きく現実味がない。
インテックス大阪も幕張メッセも規模的にはビッグサイトに準ずるが、コミケほどの大人数が押し寄せるイベントを捌いたことはない(幕張で開催される東京ゲームショウですら1日当りの参加者数で3分の1〜4分の1程度の規模)。
インテックス大阪は現地関西の同人誌即売会(こみっくシティ、コミックとれじゃーなど)で1日3万人(2日で6万人)程度で幕張メッセと同様だ。
幕張メッセはGLAYEXPO99の20万人ライブを開催した実績が1999年にある。インテックス大阪は隣の夢洲でL'Arc〜en〜Cielの10万人ライブを開催した実績がある。いずれも音楽ライブで同人誌即売会とは特性が異なるので参考にすらならない。
コミックマーケットが抱える問題
次のような解決しなければならない問題があることも忘れてはならない。
徹夜組
朝4時30分以前の来場は禁止されているにもかかわらず、前夜から長時間並ぶ人が毎回数千人~1万人程度の大規模で発生する。
近隣の施設に迷惑を掛ける(列形成をした後で、東京ビッグサイトの隣のがん研有明病院の駐車場で朝まで寝るなど)心無い人が大勢いる。
晴海の東京国際見本市会場の時代から、徹夜組は大問題となっている。
C94の3日目には徹夜組がおよそ6000人になる事態が発生した。これが原因で日の出以降は混乱を見せる結果に・・・
C99以降はではチケット制を導入して入場時間を管理したため徹夜組が殆ど見られず、チケット制支持者の論拠の一つとなっている。
増えていく来場者による混雑
開催される度に来場者が増えていくにつれて大量の混雑が常態化している。同時に心無い来場者によってゴミが増えていたり、幾多の列が外にも会場内にもできていて行き交う人たちの大きな妨げになっている。夏と冬に開催されるコミックマーケットにおいては致命的であり、いつ病人や死者が出てもおかしくない状況になっている。ただし、前売りリストバンド制に
なってから来場者が抑えられている。
2020年東京オリンピックパラリンピックによる使用不可
2013年9月に2020年夏の東京オリンピックパラリンピックの開催が決定したが、東京ビッグサイトは五輪のプレスセンター兼競技場で使われることも決定してしまった。
そこで白羽の矢が立ったのが幕張メッセ。
過去にコミケ幕張メッセ追放事件で、エロ同人誌などが子供の教育に悪いとされて、厳しいバッシングで追放された経緯があるが、2015年3月についに和解したのかSP6オタクサミットの開催に至った。
SP6の開催で(2013年9月に東京オリンピックパラリンピック開催決定し、東京ビッグサイトが使用不可になることも決定していたため)、幕張メッセが東京ビッグサイトの受け皿で有力な移転先になるとの報道がなされた。
しかしその後、開催決定時はプレスセンター兼競技会場だった東京ビッグサイトが2015年夏の計画変更でプレスセンターのみ(プレスセンターが狭かったので拡張する目的)、競技会場は幕張メッセに移されることになってしまい、幕張メッセも使用不可になる見通しになってしまった。
青海での分散開催
東京ビッグサイトの作業期間は、オリパラ大会期間中の2020年7~9月だけではなく、前年の2019年7月から五輪準備開始でプレ大会が行われるので、2019年7月~2020年9月で1年強にも及ぶ長期予定が組まれていた。
幕張メッセも同様に、2019年7月から準備しプレ大会を行い2020年9月のパラリンピック終了まで1年強にも及んで長期使用不可になる見込みだった。
東京都は、東京ビッグサイトが2年程度使えないのは困る、幕張メッセでも吸収しきれないという世論に応え、救済のために東京テレポート駅付近のビッグサイトから約1km離れた場所に仮設展示場(青海展示棟)を建設。2019年開催コミケではビッグサイトは西展示棟および南展示棟のみ使用し、企業ブースを青海展示棟に分散することとした。約1.5km離れた場所で分割開催される計画はC94反省会に激震を走らせた。
場所は面積は約2万4000平方mでパシフィコ横浜よりやや大きい程度しかないが、電車ではりんかい線とゆりかもめ共にアクセスしやすい場所にあり、補助会場として機能した。
COVID-19の脅威による史上初の中止処置
2020年の「夏コミ」(コミックマーケット98)は他の同人誌即売会との調整のすえゴールデンウィーク(5月2日~5日)に前倒し開催、ビッグサイトの西と南+青海という2019年同様の構成で実施する計画であった(上記のように東館は五輪で使用)。
ところが東京オリンピック以上に開催が危ぶまれる事態が2020年に3月後半から発生する。新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的蔓延および終息の目途が経たないため、コミックマーケット98は開催中止の運びとなった。これはコミケ史上初の開催中止である。
その影響は1年に留まらず、当初2020年冬に開催予定であったコミックマーケット99は開催延期となり、2021年のゴールデンウィーク開催も延期、2021年冬に無事開催された。(参照→https://www.comiket.co.jp/info-a/C99/C99info.html)
このC99ではコロナウイルス予防ワクチンの接種を完了していることが一般・サークル問わず参加条件となり、入場チケット・身分証明書・ワクチン接種証明の3種を携帯していないと入場できない事になった。
コロナ感染対策のため、参加チケットは1日5万5千人分とC97の来場者数に比べると非常に少なくなり、終了後のオフ会・打ち上げなども禁止されたが一方で徹夜組が消滅し、鉄道やバスの混雑も激減するなどメリットも多々生まれた。
東京ビッグサイトの老朽化・改修
1996年以来、増築や青海館の設置を繰り返しながら関東圏の展示会やイベントさらにはオリンピックまでも支えてきたビッグサイトだが老朽化は否めず、2023年から順次大規模改修を実施する。
改修工事の期間がどの程度コミケと重なるか、どの程度影響を受けるかは2023年8月時点では不透明な部分もあるものの、改修完了までは懸念材料になるのは間違いなく、3日間開催や地方移転も囁かれている。
風物詩
コスプレは自己表現の一環として定義されている。
イベントの屋外ではコスプレの専用コーナーがあり、アニメや漫画二次創作の祭典ということもあって、プロ・アマ問わず多数のレイヤーが参加している。
流行りのキャラクターからマニアックなキャラクター、更には本来アニメや漫画の枠を越え、ドラマやニュースを騒がせた実写の人物、果ては建物や広告等常識にとらわれない様々なネタが披露されるのもコミックマーケットのコスプレ独自の文化である。
コミケは出展者も参加者もそのほとんどが一般人の集まりではあるが、近年では叶姉妹や西川貴教のようにテレビでも活躍が目立つ芸能人がサークル参加することもあり、当然ながら大きな話題となってサークル前には信じられない行列が出来上がることになる。
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