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E257系の編集履歴2024/05/18 16:03:04 版
編集内容:特急アルプスを追記

概要

E257系は東日本旅客鉄道(JR東日本)の直流特急形電車。第45回(2002年)鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。

日本国有鉄道(国鉄)から引き継いだ直流用特急形電車(183系189系)や、波動輸送用に転用されていた直流用急行形電車(165系)の置き換えのために投入した新世代の特急形電車である。JRが独自に設計・製造した特急形車両では初めて製造両数が200両を越え、現時点で西日本旅客鉄道(JR西日本)の683系電車に次ぐ製造数である。

車体構造はE653系E751系をベースとし、中央本線の狭小トンネルや勾配対策・耐寒耐雪構造やE231系で培った技術が採用されている。

冷房装置が床下にあり、屋根周りがすっきりしているのが特徴。また、電動車は回生ブレーキに加え発電ブレーキも搭載し、列車密度の低い路線走行時に頻発する回生失効に対処している。

番台区分

0番台

2001年12月にデビュー。特急あずさ・かいじに使用されていた183系189系の老朽取替を目的に基本編成の9両編成16本、付属編成の2両編成5本が投入された。

外観はアルプスをイメージした白をベースにピンク(春)・碧(夏)・黄(秋)・青紫(冬)・銀(八ヶ岳やアルプスの嶺)を菱型模様を表している。なおこの塗装は各号車で異なっている。グリーン車が8号車に連結されているが、普通車との合造車(サロハ)。

一部列車は東京・新宿寄りに付属編成2両を増結した11両編成で運行される。この付属編成は東京・新宿寄りの先頭車は非貫通構造の通常タイプなのに対し、反対側の先頭車であるクモハE257形は増解結が行われる松本駅構内でしか先頭に立たないため、簡易運転台のような構造となっている。

外見は妻面に灯火類・窓があること以外中間電動車そのものであるかのように見えるので、増解結の際遠目には一方が尻切れトンボという非常にアレな光景が見られた。

クモハE257形の運転台設備はスイッチ・計器類はクハE256形・クハE257形の運転台と同じものに揃えられ、電気笛も設置されていた。

2019年3月のダイヤ改正をもって、中央本線定期運用を終了。基本編成16本中13本は2000番台(後述)へ改造され、東海道本線の特急踊り子・湘南へ転用された。

付属編成5本は用途終了につき2020年に廃車解体された。なお、付属編成1本は譲渡予定の貼り紙が一時期貼られていたが、結局解体された。また、解体前に何らかの塗装試験に使用された車両もある。

残る3本(M-105、107、111)は0番台のまま東大宮常駐の波動輸送用として臨時の特急あずさ・かいじなどで使用されていたが、2021年に5000番台(後述)へ改造された。これにより、0番台は消滅した。

500番台

2004年10月デビュー。房総特急用の183系・189系の老朽取替を目的に5両編成19本が投入された。0番台と違ってグリーン車はなく、全車両普通車のモノクラス編成である。

2015年頃から房総特急の利用者数減少に伴うさざなみの減便やあやめの廃止になどよって余剰編成が発生するようになり、以下のように一部編成は房総特急以外に使われるようになった。

NB-08、09編成は東大宮常駐の波動用車として、5500番台(後述)に改造された。

NB-10~12編成の3本は幕張所属のまま豊田・東大宮常駐となって中央本線・富士急行線のホリデー快速富士山→特急富士回遊(臨時便)に使用されるようになり、豊田常駐の189系3編成を置き換えた。この3本は「BOSO EXPRESS SERIES E257」ロゴとシンボルマークを消し、編成ごとに赤、グレー、緑の帯に「SERIES E257」のロゴに変更された。運用や検査の都合で幕張へ戻り、定期の房総特急に充当されたこともあった。なお、こちらも2021年に5500番台に改造され、大宮車両センターへ転属している。

NB-6、7、13、14編成の4本については2500番台(後述)へ改造の上、東海道本線の特急踊り子・湘南へ転用され、2021年3月のダイヤ改正より使用している。

なお、房総特急に使用される12編成については、2021年10月現在機器更新が行われておらず、今後の予定も今のところ不明。2023年5月からはNB-16編成を皮切りにコンセントが設置される改造がなされている。

2000・2500番台

左から2000番台1号車、同9号車、2500番台

0番台13本と500番台4本を機器更新・設備改造をし、東海道本線(特急踊り子)転用改造を行ったもの。

0番台からの改造車は2000番台(NA-01~13編成)、500番台からの改造車は2500番台(NC-31~34編成)で、連結して運用される。塗装は統一されたものの、種車の面影として前面形状の差異が残された。

2000番台は長野と秋田、2500番台は秋田で改造。

(※ただしNA-06編成のみ、総合車両製作所で改造後、秋田で塗装)

改造内容としては

  • 半室グリーン車のサロハE257を全室グリーン車のサロE257へ
  • カーテン生地・座席モケット・床面の交換
  • 座席へAC100Vコンセントを新設
  • 先頭車に大型荷物置き場を新設
  • ヘッドライト・テールライトのLED化及びライトケース変更
  • スワローサービス対応(この機器を置いたため、荷棚に荷物が置けない場所がある)
  • デッキや客室内に防犯カメラ設置

となっている。一方で、傷んだ内装の修繕は行われなかったため、塗装の傷みや壁紙の褪色がそのままだったり、修繕跡が残っているといった部分も散見される。これらについては、予算や時間の関係上修理が出来なかったため、随時修理していくとされている。

また、乗務員室や多目的室、3号車フリースペースのモケットなどはあずさ時代のまま変更されていない。

なお、初期に改造された編成は工期の関係で改造が間に合わず、塗装や座席が未完成のまま出場した。これら編成は運用には入らなかったが、足まわりの改造は終わっていたため試運転などに使用された後、再度工場に入場している。

下記イラストは出場当時のNA-09編成だが、内装の改装が終わっておらず塗装も側面の青色塗装が無いという未完成状態で出場した。他にも秋田で改造されたNA-03は内装が手付かずで出場していたり、総合車両製作所で改造されたNA-06はなんと塗装が一切変更されないまま出場したりと話題に事欠かない状態となっていた。その後は工期を長めに取るなど対策を取り、中途半端な状態での出場は見られなくなった。

また2500番台についても、最初に出場したNC-31編成がライトケースボルトが剥き出し、NC-33編成の東京方電気連結器がグレー、ダイヤ改正ギリギリに出場したNC-34編成の東京方の模様が貼られていない状態で、4編成全てに形態差が発生していた。(NC-34編成は同年11月に模様追加し、NC-31編成と同形態になった。)

2000番台は2020年3月、2500番台は2021年3月のダイヤ改正から運用開始し、東海道本線の特急踊り子・特急湘南で使用されている。

一部列車は2000番台と2500番台を連結した14両編成で運転。

なお、連結に使用されない2500番台の14号車側貫通幌は撤去されている。

2500番台は、2023年3月のダイヤ改正より5500番台が受け持つ高崎線の特急(後述)でも使用されている。

5000番台・5500番台

左:5000番台、右:5500番台

0番台3本と500番台5本を改造した波動用車。

0番台からの改造車は5000番台(OM-91~93編成)、500番台からの改造車は5500番台(OM-51~55編成)で、共に窓周りがブラック、窓の上下に緑のストライプ模様が入る塗装に変更されている。

東大宮常駐で、当初は全ての編成が臨時列車として使用された。

5500番台(OM53~55編成)は、2023年3月ダイヤ改正より、高崎線の特急草津・四万あかぎとしての定期運用を持つようになった。

2000・2500番台と同じ機器更新とヘッドライト・テールライトのLED化、先頭車の荷物棚設置、防犯カメラ設置などをしている一方で、車内設備は網棚などを塗り替えた程度で、基本的に改造前の姿を維持している。このため、サロハもそのまま残り、コンセントは無く(※OM53~55編成のみ2022年10月より追加で設置)、スワローサービス対応もしていない。

この他、5000番台の先頭車貫通幌が撤去されている。(5500番台では残されており、踊り子用車両と逆転している。)

また、0番台付属編成も廃車されているため、5000番台は号車が3~11号車から、9~1号車に変更された。(2000番台と同じ)

5000番台は、2021年8月12日のさざなみ91号から、5500番台は同年10月2日の武蔵野・青梅奥多摩号から使用開始。12月からは臨時富士回遊として富士急行にも入線。

10月には5000番台が修学旅行臨時として日光駅まで、2022年3月には東北新幹線が地震で不通となったことから、救済として運行された臨時快速で黒磯駅にも顔を出した。

前述の通り、5500番台(OM-53~55編成)はコンセント設置の上、2023年3月より高崎線の特急で定期運用を持ったが、運用には4編成が必要なため、不足分は2500番台を使用している。(コンセントなしのOM-51、52編成は予備扱い。)

平日は留置場所の関係から豊田常駐扱いの1編成が拝島駅で昼寝していることが多い。

使用列車

中央本線系統

  • 特急あずさ:2001年~2019年(定期運用終了)
  • 特急かいじ:2002年~2019年(定期運用終了)
  • 中央ライナー・青梅ライナー:2002年~2019年(列車廃止)

中央本線系統で運用されていたのは0番台。

9両編成で運行されるのが基本(※この場合、東京・新宿寄り先頭車が「3号車」となる。1号車・2号車なし)で、東京・新宿方から6両目の「8号車」に半室グリーン車が連結されている。なお号車番号がこのような扱いになっていたのは両数に関係なく自由席車・グリーン車の号車番号を統一するためであった。

2007年には大河ドラマ「風林火山」にちなみ1編成にラッピングがされたほか、新宿~長野間(松本~長野間は快速)で臨時特急「風林火山」号に充当された。

2018年7月よりE353系への置き換えが開始され、2019年3月のダイヤ改正で定期運用を離脱した

  • ホリデー快速富士山:2013年~2019年(特急格上げにより廃止)
  • 特急富士回遊:2019年~(臨時列車)
  • 特急アルプス:2024年~(臨時列車)

房総特急用の500番台についても、中央本線系統に充当されている。土・休日ダイヤで設定されていた臨時列車で、2019年に快速列車から特急列車へ格上げされた。定期列車はE353系による運行で、E257系は土・休日の臨時富士回遊に使用される。基本的に豊田の3編成を使用。なお、この3編成は5500番台化され、引き続き富士回遊に使用。

房総特急

房総特急で運用されるのは500番台。5両単独もしくは2編成をつないだ10両編成での運用が基本。

あやめ運用があった時代は、鹿島線内は普通列車となっていた。

東海道本線系統

  • おはようライナー新宿/ホームライナー小田原/湘南ライナー:2002年~2008年(定期運用終了)
  • 特急踊り子:2020年~
  • 特急湘南:2021年~

過去には、0番台が間合い運用でホームライナーとして東海道本線を走行していた実績もあるが、これは2008年のダイヤ改正の際に中止。2020年3月改正より再度定期列車として東海道本線を走行するようになり、2021年までに老朽化した185系251系を置き換えた。

踊り子は2021年春のダイヤ改正で修善寺駅発着の列車を含め、全列車がE257系2000・2500番台に統一。また、同改正にておはようライナー新宿・ホームライナー小田原・湘南ライナーも特急列車に格上げされ、新宿・東京~小田原間を結ぶ湘南の運用にも本系列が充当されている。

14両編成の列車については9号車・10号車との間は幌で繋がっているものの、乗客の通り抜けが出来ず「乗務員通路」としての扱い。乗客が通り抜けできないという意味では185系時代から変わっていない。

高崎線系統

基本的には、5500番台(OM-53~55編成)による5両編成・グリーン車無し・窓側席コンセント付の仕様で運用されているが、車両が不足しているため、平日のあかぎ6、7号、休日のあかぎ9号は2500番台となっている。予備車がないため、これ以外にも2500番台が使用されたり、コンセント無し5500番台(OM-51、52編成)が運用される場合がある。

スワローサービスがない代わりに、スワローサービスと同料金の着席サービスが行われる。

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編集内容:特急アルプスを追記
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