概要
「房総特急」のテコ入れのため、JR東日本が開発・製造した直流区間専用特急形電車。
車両愛称「房総ビューエクスプレス」と命名され、1993年に営業運転を開始した。JR東日本所属の特急形電車では初のVVVFインバータ制御車である。
183系の一部置き換えも兼ねて、9両編成5本が製造された。
製造時期が車体材質とその製造方法、モーターの種類とその制御方式、パンタグラフの構造簡素化の過渡期のため、駆動系統はVVVFインバータ制御だが車体は普通鋼、パンタグラフも菱形パンタグラフ(狭小トンネル対応)を採用と過渡期らしい構成となっている。
主幹制御器は左手操作型ワンハンドルマスコンを採用しておりJR東日本所属の特急形電車では初採用となる。後に同区間用特急形電車として製造されたE257系(500番台)と異なり電制は回生ブレーキのみで発電ブレーキと回生ブレーキの併用※を行わない。その為に発電ブレーキ用抵抗器を搭載していない。
※…配属区間は列車密度が低く回生失効がおきやすいため、後に製造・配属されたE257系では電制時に回生ブレーキ/発電ブレーキ併用をしている。
乗客用扉は館山・安房鴨川・銚子寄り先頭車(9号車)のみ片側2箇所、それ以外は片側1箇所となっている。また、グリーン車は喫煙席と禁煙席が分かれていたときの名残としてパーテーションがそのまま残っている。
2014年~2016年にかけて床下機器中心の更新工事が行われた。
「房総特急」が全車指定席化される2024年3月のダイヤ改正に関連して、本系列については
- (乗客の勘違い・混乱を防ぐ観点から)JR東日本労働組合千葉地方本部側からの要望により、同年6月までの使用継続を認めている。
- 更新工事から10年経過していないことや波動用として用いる特急形電車が不足している状況のため、6月に定期列車の運用を全て終えた後も臨時列車としての使用は継続する予定である事が発表された。
そして6月28日に「さざなみ」、6月29日に「わかしお」としての運用を終了し、以降は波動用として臨時列車に充当されている。
主な使用列車
- ビューさざなみ→さざなみ:1993年7月〜2024年6月。内房線経由
- ビューわかしお→わかしお:1993年7月〜2024年6月。外房線経由
- しおさい:2005年12月〜2024年6月。総武本線経由
- ホームライナー千葉:2005年12月〜2015年3月
※…列車名「ビュー⚪︎⚪︎」表記は2005年に取りやめている。
関連動画
CM「房総バケーション」60秒Ver(出演:小泉今日子)