概要
東日本旅客鉄道(JR東日本)が運行する特急列車の愛称。東京駅(東京都千代田区)と安房鴨川駅(千葉県鴨川市)を京葉線・外房線経由で結ぶ。区間列車として茂原駅(千葉県茂原市)発、上総一ノ宮駅(長生郡一宮町)着、勝浦駅(勝浦市)発着の列車が設定されている。
本項では派生列車として中央線新宿駅(東京都新宿区)と安房鴨川駅を結ぶ臨時特急「新宿わかしお」についても記載する。
沿革
1972年(昭和47年)7月5日に「エル特急」として運行開始。使用車両は幕張電車区(現・幕張車両センター)の183系。当時は京葉線開業前だった為、東京駅〜千葉駅間で総武本線(総武快速線)を経由していた。この頃から繁忙期には新宿駅発着の臨時列車が設定されていた。
1982年(昭和57年)11月15日には房総方面の急行が全廃され外房線経由の列車は「わかしお」に統一された。同時に新宿行・両国駅発着の定期列車が設定されたが、どちらも1985年(昭和60年)3月14日のダイヤ改正で消滅した。
国鉄分割民営化後の1991年(平成3年)3月16日ダイヤ改正で特急「成田エクスプレス」の運行が開始されると、総武快速線の過密ダイヤ防止の為に「わかしお」と内房線経由の「さざなみ」は現在のルートである京葉線経由に変更された。同時に帰宅ラッシュの時間帯で全車自由席の東京発上総一ノ宮行「ホームタウンわかしお」の運行を開始。
1993年(平成5年)7月2日には255系が導入され、「ビューわかしお」として運行を開始した。また「わかしお」の一部が勝浦駅〜安房鴨川駅間を普通列車として運行されるようになった。
1994年(平成6年)12月3日には朝の上りに全車自由席の上総一ノ宮発東京行「おはようわかしお」が設定された。
2004年(平成16年)10月16日にE257系500番台が導入され183系は定期運用から離脱(代走や臨時運用は存続)。「おはようわかしお」「ホームタウンわかしお」が「わかしお」に統合された。
2024年(令和6年)3月16日ダイヤ改正で「新宿わかしお」を含め全列車が全車指定席となった。グリーン車が編成されている255系はこの時に房総特急の定期運用から離脱予定だったが、輸送力減少防止とシステム移行期間の為6月末まで「わかしお」を含む一部列車での運用が続けられている。また「新宿わかしお」の停車駅から秋葉原駅と津田沼駅が外れた。
運行形態
東京湾アクアライン経由の高速バスの台頭や首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の延伸等の影響で平成に入ってからは年々減便傾向にある。
それでもおおむね1〜2時間に1本程度は運行されている。
全線で運行される列車は5往復(下り15号は勝浦駅から普通)、勝浦駅発着は下り3本・上り4本(土休日は2本運休)、上総一ノ宮行3本(土休日は2本運休)、茂原発1本(平日のみ)、「新宿わかしお」がほぼ毎週土休日と繁忙期に1往復設定されている。
使用車両
現在の使用車両
- E257系500番台
幕張車両センター所属。5両編成。「わかしお」「新宿わかしお」で運用される。
2024年3月16日ダイヤ改正までは上総一ノ宮駅で増解結を行い、東京駅〜上総一ノ宮駅間を10両で運行する列車が存在した。また同改正で全車指定席となり使用車両が全てこの車両に統一される予定だったが、6月末までは255系と共に運行される。
- 255系
幕張車両センター所属。9両編成。一部の「わかしお」で使用される。かつては「新宿わかしお」で使用された事もあった。
2024年3月16日に定期運用を離脱する予定だったが、6月末までは運用が継続される。
過去の使用車両
- 183系
幕張車両センター所属。9両編成。「わかしお」及び派生列車で使用されていた。
- E257系5000番台
大宮総合車両センター東大宮センター所属。9両編成。「新宿わかしお」として運用された。
停車駅(一部普通になる列車は除く)
わかしお
東京 -(海浜幕張) - 蘇我 - (土気) - 大網 - 茂原 - 上総一ノ宮 - 大原 - 御宿 - 勝浦 - (上総興津) - 安房小湊 - 安房鴨川
※()内の駅は一部列車が停車、もしくは通過。
新宿わかしお
新宿 - 錦糸町 - 船橋 - 千葉 蘇我 - 大網 - 茂原 - 上総一ノ宮 - 大原 - 御宿 - 勝浦 - 上総興津 - 安房小湊 - 安房鴨川