概要
ヴァレリア島の遥か北方に位置するガリシア大陸西域で強大な権威を振るう宗教国家『ローディス教国』を守護する16騎士団の一団。
16騎士団最強と謳われる精鋭揃いの誉れ高い一方、その内情は国家指導者の座にある教皇サルディアンの勅命に従って諜報活動を含む極秘任務に当たる暗部であり、この事から「暗黒騎士団」の渾名を持つ。
来歴
物語の10年前、国権掌握を目論む教皇派の弱体化を図った当時の元老院派を粛清する軍事クーデターを主導し、サルディアンを国主とする現行体制への刷新に暗躍した。実はクーデター以前からロスローリアンとサルディアンの間には深い繋がりがあり、このクーデターを通じて国家中枢が教皇派で占められた頃、教皇直属部隊の任を遂行するに足る絶大な特権を与えられた。
数年後、ヴァレリア島統一国家『ヴァレリア王国』を統治した覇王ドルガルア・オヴェリス・ヴァレリアの崩御および王家滅亡に伴う民族間対立が再燃し、これを好機と見た旧王国司祭ブランタ・モウンがサルディアンと密約を交わして軍事支援を仰ぎ、程無くヴァレリア島に派遣される。
ロスローリアンの力を借りたブランタがヴァレリア島北域バーニシア地方を手中に収め、新国家『バクラム・ヴァレリア国』の建国を宣言した後も約定に従ってローディス教国へ帰還すること無く駐屯し、日を追う毎にヴァレリア島南域で活発化するウォルスタ人とガルガスタン人による民族紛争の監視、紛争騒ぎに乗じてバクラム陣営に刃を向けるゲリラ組織の探索と掃討、それらの被害に備えたバーニシア地方全城塞の警備指導とブランタの身辺警護に当たった。
そしてある日、「反乱分子潜伏の可能性あり」の情報を基にヴァレリア島南域アルモリカ地方の港町ゴリアテを急襲し、教会の神父を務めるプランシー・パウエルを重要人物として強制連行した。ところが、この急襲による住民虐殺で運良く生き残った中にデニム・パウエル、カチュア・パウエル、ヴァイス・ボゼッグが揃っており、後にヴァレリア島の未来を大きく左右する存在となる3人の運命の扉を開くきっかけとなった。
団員
16騎士団最強の名に違わず、尖兵のテンプルナイトですら魔法56種類の全てを使いこなす並外れた魔術の知識を持ち、テンプルコマンドとデステンプラーに至ってはこれに加えて各自が得意とする武器と強力な必殺技、さらにはニンジャに匹敵する機動力をも兼ね備える恐るべき魔法戦士。
デステンプラー
各騎士団を統率する団長。デステンプラー1人で一般騎士100人分の戦闘力に相当するとされ、「教皇の右腕」とまで評されるロスローリアン団長のそれは他の追随を許さない。
ランスロット・タルタロス(Lanselot Tartaros)
地竜の月22日(2月15日)生まれ。38歳。出身地不明。固有武器は神聖属性の剣『アンビシオン』。必殺技は相手の最大HPを削る暗黒属性の『アポカリプス』。
ロスローリアン団長にしてローディス教国最強の騎士。ヴァレリア島内紛介入以前の戦いで右目を奪ったランスロット・ハミルトンに遺恨を持つ。
その正体は、かつてガリシア大陸北域に存在した国家『フェーリス公国』に仕えた貴族であるタルタロス家の一子アルフォンス・タルタロス。父親の死没と母親の再婚を経てレーエル姓に変わったが、ある時期を境に自らの意志で再びタルタロス姓を名乗り、サルディアンからランスロットの名を与えられて現在の姓名となった。
テンプルコマンド
各騎士団の部隊長。通常は大隊を指揮する千人長の立場にあるが、特殊性を帯びた任務の都合で少数精鋭を旨とするロスローリアンではテンプルコマンド1人に各自30人程度のテンプルナイトが従属する小隊制を採用している。
バールゼフォン・ヴァン・ラームズ(Balxephon Van Rahms)
光竜の月25日(12月31日)生まれ。38歳。ローディス教国神都ガリウス出身。必殺技はパワーダウンを引き起こす炎属性の『フレイミングデス』。
武名を轟かせる名門ラームズ家の当主であり、ランスロットの懐刀。現在の元老院に対して広い人脈を持ち、ランスロットに代わって政治色の強い裏工作を取り仕切る。
実質的な副官として他のテンプルコマンドを指揮し、己が信じる大義のためならば一切の私情を挟まない現実主義者。
ヴォラック・ウィンザルフ(Volaq Windsalf)
風竜の月16日(6月10日)生まれ。35歳。出身地不明。必殺技はアンデッドを消滅させられる神聖属性の『ライアットバーン』。
人種に始まり出身地や過去の経歴、ロスローリアン加入の理由に至るまで謎に包まれているが、国やサルディアン、ランスロットに対する忠誠は極めて高く、ヴァレリア島へ派遣された際にはブランタの身辺警護を一手に担ってランスロットたちの任務遂行をサポートする。
オズマ・モー・グラシャス(Ozma Moh Glacius)
CV:園崎未恵(リボーン)
影竜の月1日(3月14日)生まれ。27歳。ローディス教国神都ガリウス出身。固有武器は暗黒属性の鞭『ラプチャーローズ』。必殺技はヒットした相手を魅了する暗黒属性の『デーモンローズ』。
オズの双子の姉。ガリウス魔導院を支えるグラシャス一族の一員であり、剣技と魔術の双方で優れた腕を発揮する女性騎士。バールゼフォンおよびハボリム・ヴァンダムと浅からぬ因縁を持つ。
オズ・モー・グラシャス(Oz Moh Glacius)
CV:森久保祥太郎(リボーン)
影竜の月1日(3月14日)生まれ。27歳。ローディス教国神都ガリウス出身。固有武器は炎属性の斧『グラムロック』。必殺技は麻痺の効果を持つ暗黒属性の『ブラックプリズン』。
オズマの双子の弟。ザナム士官学校を首席卒業後、ガナン光師団に入団して三個連隊長を3年間務めたが、ガリウス魔導院の強い意向によってロスローリアンに配属されたエリート中のエリート。
しかし、優秀な経歴とは裏腹に人格は極めてサディスティックであり、その非道振りは「さっすが~、オズ様は話がわかるッ!」の一言に集約されている。
バルバス・ダド・グース(Barbas Dahd Geuse)
CV:安元洋貴(リボーン)
黒竜の月17日(10月11日)生まれ。34歳。ローディス教国辺境ボウマス出身。固有武器は地属性の槌『サンシオン』。必殺技はノックバックさせる追加効果を持つ地属性の『デスアベンジャー』。
並外れた体躯が生み出す怪力を振るい、己の存在意義を戦いの中に求め続ける冷酷、且つ凶暴な性格の持ち主。上官を殴り殺した罪で処刑される所をランスロットに救われて現在に至るものの、何よりも強者との戦いを優先する悪癖があるため、任務遂行を円滑に進めたいランスロットやバールゼフォンの頭痛の種となっている。
ゴリアテ襲撃に参加した1人であり、ヴァイスの父親を惨殺した張本人。
マルティム・ノウマス(Martym Noumous)
CV:小松史法(リボーン)
海竜の月20日(9月19日)生まれ。35歳。ローディス教国神都ガリウス出身。固有武器は水属性の剣『ニフリートソード』。必殺技は攻撃した相手に毒を付与する水属性の『フローヴェノム』。
一見すれば頼りなさそうな風貌と軽口ばかりが目立ち、騎士らしからぬ飄々とした雰囲気を漂わせるが、その実像はギルダス・W・バーンと対等に渡り合う剣技を持ちながら「手を汚さずに」を信条とし、手段を選ばず勝利をもぎ取る謀略家。
狡猾や卑劣の評価をむしろ褒め言葉と受け止め、己の野心成就のためとあれば「聖なる父フィラーハの神託に基づく神罰の代行」と称して正当化し、非情な作戦を顔色一つ変えずに実行する残虐性から『羊の皮を被った狐』の異名を持つ。
アンドラス・ガフラヌ(Andoras Gaffryn)
CV:相沢まさき(リボーン)
地竜の月6日(1月30日)生まれ。32歳。ローディス教国辺境ニーマラン出身。固有武器は風属性の爪『トゥルエノ』。必殺技はヒットした相手の向きを強制的に変えてしまう風属性の『サンダーブレイド』。
かつてガリシア大陸とゼテギネア大陸を隔てるライの海を支配し、ゼノビア王国に並ぶ脅威と怖れられたが、内部分裂によって物語の13年前に崩壊した海洋国家『ニルダム王国』王家の末子。長い手足と靭やかな筋肉を併せ持つボルマウカ人の特徴を活かした伝統体術を使う肉弾戦を好む一方、警戒と分析を怠らない戦略家の一面を持つ文武両道の騎士。
本心では内部分裂を誘って母国を簒奪し、領地で細々と暮らすボルマウカ人を奴隷同然に扱うローディス教国への恨みを抱きつつ、ロスローリアンに迎え入れたランスロットに従ってテンプルコマンドとしての責務を忠実に果たしている。
ハボリム・ヴァン・ラームズ(Haborym Van Rahms)
光竜の月9日(12月15日)生まれ。当時21歳。ローディス教国神都ガリウス出身。
バールゼフォンの実弟。ランスロット曰く「仲の良い兄弟」、バールゼフォン曰く「愚弟なれど頼もしい男」と評されたが、10年前に16騎士団のうち冥煌騎士団を含む5つの騎士団を従えた優秀な武官であった実父ヴォグラス・ヴァン・ラームズ准将を殺害した反逆罪に問われ、ロスローリアン除名と同時に両目を焼き潰される重刑に処された上で国外へ放逐された。
テンプルナイト
ロスローリアン内でこそ一般兵士の扱いを受けるものの、他の15騎士団から見ればその誰もがエリートに相違無い実力を持つ。性能面で見ればあらゆる武具・魔法を扱える器用さを持ちながら、説得に一切応じない敵専用のユニット。
リメイク版ではスキルに加え、量産可能となった銃まで扱えるなど強化されている一方、(独特な兜で顔が見えないので分かりにくいが)女性もいることが判明している。
しかし、前述のオズの一件でもわかる通り、必ずしも教義を守り厳しい戒律に従う修道騎士とは限らない粗野な一面を持つ。