概要
2007年放送『あの人は居間』に登場したひみつ道具。
元々はその前年に行われた視聴者公募企画「史上最大のひみつ道具コンテスト」において視聴者のアイデアから生まれた道具である。
恩人や謝りたい人に会うための道具で、襖の戸を模した見た目をしている。戸の前で会いたい人の名前(名前がわからない場合は会いたい人の特徴や世話になった時の状況)を述べ、戸を開けると中の亜空間に広がる居間(宇宙空間のような壁に囲まれた畳敷きの和室、中央にはちゃぶ台があり、隅にはアナログテレビが設置されている)で会うことができる。
ただし呼び出す相手の都合までは配慮されていない。おまけに居間のスペースは8畳程度と狭く、呼び出した人数によってはすし詰め状態になってしまう。相手との会話を済ませたのち扉を閉めて帰すのが基本的な使い方だが、呼び出した相手と会いたくない場合は戸を閉めたまま「今いません」と言うことで強制的に帰すことも可能。
元ネタは、本エピソード放送の2か月前まで日本テレビ系列で放送されていたバラエティ番組『あの人は今!?』と思われる。
あらすじ
ある日、ワガママを言ってしずかと喧嘩してしまったのび太。ドラえもんがパパの頼みごとを叶える為に出した「あの人は居間」を使って謝罪しようと試みるが、運悪くしずかは入浴中であり、ますます険悪な関係になってしまう。
絶望したのび太は小学一年生の頃の記憶を思い出す。当時、遠足で動物園を訪れたのび太は迷子になり、おまけに大量の毛虫に集られて泣きじゃくっていた。しかし、そこに現れた女の子が毛虫を追い払い、皆のところまで連れて行ってくれたのだ。しずか以外にも優しくしてくれる女の子はいると考えたのび太は彼女と再会したいと思ったものの、当時はパニックに陥っており、記憶もあいまいなため名前も顔も思い出せない。
そのため当時の担任だった池内先生を呼び出して話を聞くが、毛虫が平気な女の子ならボタ子ではないかと言われ、記憶の中の清楚なイメージとのギャップに打ちひしがれるのび太。ジャイアンやスネ夫も覚えておらず、やむなく当時のクラスメイト全員を呼び出そうと試みるも部屋がパンク状態に陥ってしまう。そこに現れたドラえもんは、呼び出した相手を帰す方法、そして名前無しで相手を呼び出す方法をのび太に教える。
最終的に呼び出されたのはしずかだった。彼女は毛虫が苦手にも拘らず勇気を振り絞ってのび太を助けてくれたのだ。改めて彼女のありがたみを痛感したのび太は号泣しながら先ほどの非礼を謝罪し、しずかも彼を許したのだった。
余談
ボタ子は原作漫画の『ああ、好き、好き、好き!』などに登場したジャイ子に近い容姿の意地悪な女子キャラクター。担当声優は梅田貴公美。日テレ版ドラえもんではしずかの家のお手伝いさんという設定で、担当声優は野沢雅子だった。