曖昧さ回避
1の概要
そのまんま埼玉県の蔑称。
『月曜から夜更かし』での登場が記憶に新しいが、初出は1980年代のこき下ろし芸を得意としていたタモリ氏の発言だと言われている。
当時埼玉をけなすに値する理由として考えられるものが幾つかあり、
- 「東京から荒川越えたら畑だらけ」と言われるほどのダサい農業地帯
- 海がないせいで工場誘致が遅れただけでなく、他県に行かないと海で遊べないダサい立地
- 県庁所在地なのに駅に優等列車が止まらない上に知名度でも大宮にボロ負けしているダサい市・浦和(これに関しては浦和と大宮が合併したから現在ではあまり言われないが今度は県庁所在地のさいたま市が平仮名という別のいじりネタが作られてしまった… 最も歴史的な理由があるのだが…)
- 名の知られた観光資源がほぼなく、通過するだけの県と言われるダサい状況
……等々、東京や横浜から比べれば確かに「ダサい」と言えなくもないほどではあった。
だがあまりにも全国的に広まり過ぎてしまい、埼玉県内では県議会で大真面目な議題に入るほどの問題として深刻視され、『翔んで埼玉』もこの時期に誕生したものの、他の流行同様に次第に収束していった。
そして2010年代後半に『月曜から夜ふかし』が放送開始されると、全国の〇〇問題においても、埼玉県の〇〇問題(特に貧乳ネタが有名)がじわじわと人気を伸ばし始め、『翔んで埼玉』が取り上げられるとまさかの再ブームとなり、突如ヒット作にのし上がるなどの異常事態になった。
当の『翔んで埼玉』の実写版では、「ダ埼玉」の派生型(辛気臭イタマ、しょんべんく埼玉など)が増えたそうな……
こうなってくるともはやディスりというよりも一種の自虐芸とも取れるのだが、やはり蔑称である以上、不快に思う県民も多い。
んで、実際はどーなの?
こうした言葉が定着した背景には観光名所が多い都道府県に囲まれているが故のコンプレックスから来ている所もあるのだが、ちょっと待ってほしい。
草加市で生産される草加煎餅、そしてうどんの生産量が香川に次いで多い(その代表例ともいえるのが山田うどん)などの名産品や関東地方に属するだけあり、春日部市を舞台とするクレヨンしんちゃんや東映特撮御用達のさいたまスーパーアリーナ、数々の作品の舞台になった所沢市など、特撮作品やアニメの聖地にも恵まれているのである。
遊び場所も東武動物公園や鉄道博物館、サイボクハム、むさしの村、西武園ゆうえんちなどそれなりにある(西武園ゆうえんちは東京に跨ってあるが)。
あ、ちなみに成人式発祥の地も埼玉県だったりする。
よく「埼玉には何もない」と言われているが、誇れるものはむしろ有り余っているぐらいにある。これを見ている埼玉県民の方々はどうか胸を張っていただきたい。どんな県にだって誇れるもの
は必ず1つは持っているのだから。
北日本から恨まれる埼玉
ただし、埼玉がここまで叩かれる理由の一つとして、かつて騒音問題等を理由に埼玉県内で東北・上越新幹線の建設反対運動が起きたことが挙げられる。このため大宮以南の区間は低速運転を余儀なくされ(新幹線なのに在来線レベルの速度しか出せない)、所要時間が大幅に伸びてしまった。
そんなわけで、なんで新幹線が遅いのか理由を調べた結果「埼玉のせいか!」となってしまい、これにより、福井、石川、富山、長野、新潟、福島、山形、宮城、岩手、秋田、青森、北海道の住民を一気に敵に回すことになったのである。
もっとも、反対運動の中心は大宮以南の沿線地域(大宮、与野、浦和、戸田)だったのであり、それ以外の地域(例として川越、所沢、秩父)にとってはとばっちりでしかないことには注意されたい。
関連タグ
チバラギ:千葉と茨城を合わせた言葉。なぜかダサイタマと比較されることがある。
サイタマ:「ださいたま」の対極の様な存在。