概要
『赤ずきんと健康』でその名を知らしめた井上涼による、NHK教育(Eテレ)の番組。
水曜日の午後7:50から5分間、放送された。また、2015年度から月曜の午後0:50に再放送も行われた。
井上氏の独自解釈による、世界の名画をモデルに造られた、自作自演によるパフォーマンス(作詞、作曲、編曲、歌、アニメ)が展開する。
『赤ずきんと健康』でも、その教養の体系を披露していたが、ここでも「オフィーリア」を扱った作品ではモデルである「ハムレット」の台詞が出るとか、ヴィーナスを扱った作品では「高校の名前」として画家であるボッティチェリが、モナ・リザ(お局のおばさんと解釈)ではモデルの名前が「株式会社ジョコンダ」として登場するなど、知識の体系を如何に入れて出すかがいかんなく発揮されている。ただ絵画を知識ゼロで見てでたらめにストーリーを作ってるわけじゃなくあえて崩していることが良く分かる。
2013年、八月の三回のみで行われた放送は3発目が風神と雷神が金曜日のデートを待つ「風神雷神図屏風デート」という、氏が同性愛者であることもあってかなかなかセンシティブな内容であったが、2014年から毎週日曜日に、2017年から毎週火曜日に、2018年から毎週水曜日に放送されるようになった。好評だったらしい。
(のちの「納涼シアター」もこのような匂わせのある作品として仕上げている(そちらは養子縁組で娘がいるゲイカップルものである))
ただし、「あしゅらコーラス」「ファッショニスタ大仏」「最後の晩餐サンバ」の三作はメジャー宗教をモチーフとした芸術作品だったこともあってかのちに作者自ら「その宗教の人が見たらいやな気持になるかもしれない(意訳)」としてネット配信からの自主削除やDVD化にあたって収録されず欠番扱いとなっている。
…が、それならそれで他に仏教やキリスト教のメジャーな芸術作品(前者なら「お互い擬態」「ツイスト出産」、後者なら「ランチは地獄の門の奥に」「猫の手もアダムの手も借りたい」等)を題材にした回が普通にネット公開やDVD収録されてもいたりで、基準が良く分からない。
実際にその手の宗教団体に欠番となった回に限り抗議されたのではないかという噂もあるが、所詮噂の域を出ない。
なお、作品それぞれの登場人物・世界観は地続きのようで、他作品でメインだったキャラクターが新作でしれっと通行人として紛れ込んでいたり、二度三度と作品でメインキャラクターとなっているキャラもいる(「真珠の耳飾りのくノ一」で初登場した刑事さん(井上氏の呼称)等)。
構成
井上版の歌が流れ、次に「鳥獣戯画はストイックなのでこう解釈しました」と井上がアニメの解説をし、もう一回吉岡弘行&ジョリー・ラジャーズのコーラスが入ったバージョンが流れて終る。
1ヶ月に1回オリジナルが追加され、他は以前の再放送という構成。
解説をする際の井上の後ろには、動画「マチルダ先輩」で使われた人形とビリケンがいる。
主な作品
- 「委員長はヴィーナス」(ボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」)
- 「風神雷神図屏風デート」(俵屋宗達「風神雷神図屏風」)
- 「樹花鳥獣図屏風事件」(伊藤若冲「樹花鳥獣図屏風」)
- 「お局のモナ・リザさん」 (レオナルド・ダ・ヴィンチ「モナ・リザ」 )
- 「オフィーリア、まだまだ」 (ジョン・エヴァレット・ミレー「オフィーリア」)
- 「住んでます八橋蒔絵硯箱」(尾形光琳「八橋蒔絵螺鈿硯箱」)
- 「ムンクの叫びラーメン」 (エドヴァルド・ムンク「叫び」)
- 「転校しないで五絃琵琶」(螺鈿紫檀五絃琵琶)
- 「真珠の耳飾りのくノ一」 (ヨハネス・フェルメール「真珠の耳飾りの少女」)
- 「姫路城と初デート」 (姫路城)
- 「火消しが来たりて笛を吹く」(マネ「笛を吹く少年」)
- 「噴火する背中」(富士御神火文黒黄羅紗陣羽織)
- 「特急三日月宗近」( 太刀 銘三条(名物三日月宗近) )
- 「何にでも牛乳を注ぐ女」 (ヨハネス・フェルメール「牛乳を注ぐ女」)
- 「保健室に太陽の塔」(岡本太郎「太陽の塔」)
そのほか詳しくは公式サイトの動画一覧やWikipediaの放送リストを参照。
関連タグ
エゴロック:作画が似てる。