概要
初出はイギリスのマーベルUKより出版されていたコミックであり、オートボットの特殊部隊「レッカーズ」のメンバーとして知られている。
『トランスフォーマー』シリーズでの活躍の場は、主に海外のコミックがメインであり、2020年に『ウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー』が公開されるまではアニメや映画といった映像作品に登場したことはなく、アニメ『トランスフォーマープライム』でもその存在が示唆されていながら、劇中でその名が挙がった時点では既に故人となっている。
マーベル版
レッカーズのリーダーで、SF風の戦車に変形する。右肩に大型のキャノン砲を備え、右腕には手の代わりに銛が付いており、更に体の各部に武器を隠し持つなど、オートボットにしてはかなりの重武装を誇る。
オートボットの首長ザロンを警護する任務に就いていたが、ザロンを殺害して功名を挙げようとしたディセプティコン兵士から彼を庇い、戦死した。
IDW版
『ラスト・スタンド・オブ・レッカーズ』に登場。危険な任務の多いレッカーズで最も長く戦ってきた戦士で、数々の活躍をしてきた。
惑星ポヴァにて長年敵対してきたディセプティコンの部隊「スコードロンX」を死闘の末に全員捕縛した際、ポヴァは中立地帯であった為にプロールからは「ポヴァ星人達との対立を避ける為、今すぐ彼ら全員を釈放しろ」と命令されてしまう。インパクターはこれを良しとせず、スコードロンXをその場で全員処刑してしまった。これに憤ったスプラングの内部告発により軍事裁判で有罪判決を受け、オートボット最重要刑務所「ガーラス9」に投獄されることとなった。
20年後、オーバーロードによってガーラス9が陥落し無法地帯となり、オーバーロードの狂気に耐えかねたディセプティコン兵士のスネアの助力により脱獄。上層部の命令でガーラス9に向かっていたレッカーズと合流を果たすと、彼らと共にガーラス9奪還に赴いた。
当初は自身を告発したスプラングともいがみ合っていたが、凄惨な死闘やオーバーロードの狂気を目のあたりにするうちに自分の犯した罪を自覚するようになり、最終決戦では死闘の末にオーバーロードを生きたまま捕縛した。
帰還中はオーバーロードに顔を剥がされ意識不明の重体となったスプラングの応急処置を施し、帰還後は赦免となり、新入りレッカーズで唯一生き残ったガズルとコンビで活躍している。
戦前は鉱夫で、同じく鉱夫だったメガトロンとは友人であった。裁判前のラングのカウンセリングなどから、スコードロンXはレッカーズへの対抗手段としてメガトロンが結成したことなどから、旧友の一人として責任を感じていたことが明かされた。
ウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー
CV:ブルック・チャルマース/吹:拝真之介
NETFLIXにて配信されているオリジナルアニメ『ウォー・フォー・サイバトロン・トリロジー』では、同トリロジーの玩具のデザインほぼそのままの姿での登場となった。戦車型のサイバトロンビークルに変形するが、劇中では変形シーンを披露していない。ちなみに本作のインパクターは生粋のディセプティコン兵士である。
第1部『シージ』の中盤にてエネルゴンを餌にした陽動作戦でバリケードらと共に廃墟の街でオートボットを迎え撃つが、戦いの最中に倒壊したビルに巻き込まれ、瀕死の重傷を負った上に胸部に鉄骨が突き刺さった状態で死を待つのみとなってしまった。
だが、そこへ通りかかったラチェットによって救助され、オートボット・ディセプティコンを問わず傷つき苦しむ者達を修理する彼の姿勢に心を打たれ、以後は彼に協力するようになる。
その後、スペースブリッジを修復すべくラチェットに協力を要請するためにオプティマスプライムらが彼の隠れ家を訪れた際はブラスターを突きつけ帰れと促すラチェットに対しランチャーを構えたミラージュに飛び掛かり、エリータ・ワンとクロミアに取り押さえつけられても振りほどくなどして抵抗。そして彼の口からはオートボットの暗部とも言うべき信じがたい事実が語られた。
エネルゴン採掘場で死ぬまで働き続ける運命にあったインパクターはオプティマス達オートボットが採掘場で得たエネルゴンによる恩恵を受ける一方で虐げられてきた自分達には手を差し伸べることなく何もしなかったと激しく糾弾。「負傷者達を怯えさせるようなことはするな」とラチェットに止められたものの、ラチェットがスペースブリッジ修復に同行した際にはオートボット達からは常に疑いの目が向けられていた。
このような暗い過去もあってか両陣営の大義や忠誠などには関心がなく、完全にオートボット側に付いたというわけではないが、いがみ合いつつも共に修羅場を潜り抜けてきたオートボット達の態度はいつしか軟化し、終盤でのディセプティコンによる総攻撃の際は彼らと共に奮戦する。だが、スペースブリッジを起動させようとしたラチェットを妨害するために襲い掛かってきたスタースクリームから彼を守るべく自ら盾となり被弾。ラチェットの腕の中で「ありがとう…俺に光を見せてくれて…」と感謝の言葉を述べつつ機能を停止した。
玩具
特異な出自の割には、変形玩具での商品化が3度も実現している。ただし1度目と2度目は既発売品の流用であり、完全新規造形での商品化は2019年の『トランスフォーマーシージ』まで待つこととなった。
- 『トランスフォーマージェネレーションズ』にて発売された『Fall of Cybertron』版オンスロートの仕様変更品。ロードバスター、ホワール、ツインツイスト、トップスピンと5体合体することで合体戦士ルイネーションが完成する。日本未発売。
- ハズブロの『トランスフォーマーコレクターズクラブ』の限定販売品として2016年に発売。『コンバイナーウォーズ』のプロテクトボットのルークの仕様変更品で、頭部は新規造型されたものとなっている。こちらも日本未発売。
- 『トランスフォーマーシージ』のラインナップとして2019年に発売。上の2つとは違い完全新規造形で、日本でも一般販売された。後にハズブロより限定発売されたFan Vote Battle 3packに付属するインパクターは上記のIDW版コミックの話中でのデザインを再現したものとなり、インシグニアはディセプティコンに変更され、頭部も新造されたほか細部に塗装も追加されている。ただし、こちらは日本では発売されていない。