「この戦いは、ジオンの地球上での補給線を断ち、
地球上の勢力図を塗り替える重要な作戦である!
諸君らの戦果に期待する!!」
概要
『機動戦士ガンダム』およびその関連作品の背景となる宇宙世紀において、ジオン公国と地球連邦との間で繰り広げられた「一年戦争(ジオン独立戦争)」(U.C.0079~U.C.0080)中に実行された奪還作戦。
ちなみに『機動戦士ガンダム』はフィクションだが、地球上の地名は実在のものに準じており、「オデッサ」はウクライナ南部オデッサ州、および州庁所在地の港湾都市。
第二次世界大戦中の独ソ戦「オデッサの戦い」(1941年)で有名。
日本政府は現在ウクライナ語での発音に準ずる「オデーサ」を公式表記としている。
0079年3月の第1次降下作戦によって、欧州方面の資源・工業地帯はジオン軍により制圧・占拠されており、地球連邦側がこれらを奪還・ジオン公国の戦争継続能力を低下させる目的で発案、0079年11月に敢行したのがオデッサ作戦である。この作戦が行えるようになった背景にはジオンの北米方面軍司令であるガルマ・ザビがホワイトベース隊に倒されて戦死した事によるジオンの指揮系統の混乱を隙を付いたと言う。
この作戦指揮はレビル将軍。地上軍の3割に相当する大戦力を投入し、欧州随一の工業地帯を有するオデッサと、膨大な埋蔵量を誇る鉱山基地が攻撃目標となった。
11月7日から迎撃態勢を取ったマ・クベ大佐率いるジオン軍との間で激戦が繰り広げられ、双方ともマチルダ・アジャンや黒い三連星を始めとして多大な犠牲を出しつつも11月9日に連邦軍の勝利に終わり、惨敗したジオン軍各部隊は宇宙および地球各地に退却。
一年戦争の主戦場が地上から宇宙に移行する転機となった。
オデッサ作戦が発動する直前(『THE ORIGIN』では終盤)で、連邦軍のエルラン中将がジオン軍と内通していた事が発覚し、逮捕されている。
なお、当初地球連邦軍はこの作戦で量産型MSを投入していない(この時ジムはまだ配備開始前だった)とされていたが、後の作品において陸戦型ジムなどが投入された144高地などの戦線もあった事が判明している。また『THE ORIGIN』では時系列の入れ替えによりジムも既に量産開始され投入されていたとされている。
144高地の攻略には、独立混成第44旅団とそこに組み込まれたアリーヌ・ネイズンを部隊長とする囚人部隊の陸戦強襲型ガンタンクが3機の戦力が投入されている。
主戦場から西側のルーマニアの方面ではレッド・ウルフ隊らを擁する第7混成機動旅団が連邦軍のガンダムEXやジムと交戦。数日がかりの激闘の末にかろうじてガンダムEXを撃破し、残存兵の大多数はオデッサ宇宙港のHLVで宇宙へと逃れた。
また、配置は不明だが外伝作品の主人公の多くがこのオデッサ作戦に参加しているので、このオデッサ作戦における戦場の各地は、ジオン公国軍の視点では地獄絵図の様相となっている。
この時点のジオン公国軍は、連邦軍のMSは未完成で投入して来ないだろうと高を括っていたのに、実際は戦場の各地で先行生産の陸戦型ジムが投入されて暴れており、挙げ句の果てにはRX-78-2 ガンダムを含めたガンダムタイプMSまで投入されるのだから涙目ものである。
マ・クベからの援軍要請でキシリア直属部隊である闇夜のフェンリル隊も参加していたのだが結局戦いに負けてしまい、マ・クベの脱出の護衛をした後に友軍を守りながら敗走する事になった。
ジオンの残存兵は多くがオデッサ宇宙港のHLVで大気圏外に脱出したが、その先で連邦軍の残党狩りが襲来。非武装のHLVは一方的に撃墜されていき、防衛のためHLVに搭載されたザクが出るものの、このザクは陸戦用のJ型であるため宇宙空間ではロクに動けず「溺れて」しまい、連邦のモビルポッド・ボールの機動力に翻弄されて撃墜されるという憂き目に遭っている。
駆けつけた第603技術試験隊などの救援部隊の活躍により難を逃れた者はいたものの、それでも少なくはない数の兵士が犠牲となってしまった。
またオデッサ敗残兵の他、この後に主戦場が宇宙に移ったが地上に残されたジオンの兵達も多くおり各地に散らばった後、フェンリル隊同様にキャリフォルニアベースやバイコヌール基地などの基地に逃げ延びた者、戦場で果てる者、デラーズ・フリートに協力する者、長く潜伏を続けた者などに分かれることになった。