カルマスピード
かるますぴーど
かなり覚悟を決めてるエブリデイ
終わりなき追い続けた夢に
辿り着けずに流したエブリナイト
いつか見た空 失くした言葉 探し求める
アーティスト | 東方LostWord feat.及川光博 × 豚乙女 |
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曲名 | カルマスピード |
原作 | 東方Project 上海アリス幻樂団 |
原曲 | 少女綺想曲 ~ Dream Battle、春色小径 ~ Colorful Path |
作詞 | コンプ(豚乙女) |
Guitar solo | あらケン |
Drum | 八木一美 |
編曲 | コンプ(豚乙女) |
企画・音楽プロデュース | コンプ(豚乙女) |
MV制作 | 七薙、みやちゃ |
終局に至りつつある世界の博麗霊夢。ロストワードを終わらせるため異世界またぎの旅を続けていた。汎異記号は『L80』。
カルマスピードの記憶遺跡ストーリーにてロストワード異変で消滅と再生を繰り返し、80回目にして漸く記憶遺跡から脱し、本来の道筋に辿り着けたという事実が明かされている。
この事から80という数字はその名残りなのかもしれない。
かつてロストワードによって全てを失った『復元者(レストアリ)』の1人である。
【装甲陰陽玉】
霊夢の装備している四つの陰陽玉(紅と白の巨大なものが二基、掌に収まる程度の小さいものが二基)の総称で、別称「アーマード陰陽玉」。
霊夢曰く「やけに硬い」からそう呼んでいるらしい。
「空を飛ぶ程度の能力」を失った霊夢に対して、そのまま再び「空を飛ぶ程度の能力」を与えている存在でもある。
陰陽玉の『外殻』が『ある別の生命体』の甲羅によって強く強化されており、内に籠もるパワーが格段に上昇、物理的な頑強さも飛躍的に強化されている。
その外殻によって陰陽玉の中にある「何らかの存在」を表に出さないように守っているほか、「博麗霊夢が『殻を破って』力が完全解放してしまう」ことを防いでいる。
元々の陰陽玉には無かった生物的な特徴が加わっていて、調子が悪くなった時には神社の裏手の池の水につければ戻るほか、持ち主に「なんか爺くさい感じ」と言われている。
「私は何者にも縛られない!」
符名は魔霊符と夢恋符。
時には仲良く、時には異変解決を競い合って自分の隣に降り立とうとしていた努力家の星魔法使いの技と自身の技を組み合わせたスペルカードとなっている。
- 魔霊符「星霜封印」(まれいふ 「せいそうふういん」)
「星ばっかり見てるから どっか行っちゃうのよ さっさと追いついてきなさい 霧雨魔理沙!」
いつか自分の隣に降り立ってこいという願いを込めて装甲陰陽玉の力を解放して、綺羅びやかな弾幕と共に自身も突撃する弾幕。
自身のスペルカードである霊符「夢想封印」と魔理沙のスペルカードである魔符「スターダストレヴァリエ」を合わせた複合スペカとなっている。
- 夢恋符「砲魔陣」(ゆめこいふ 「ほうまじん」)
「今までは 適当でも大概なんとかなったんだけど……火力だか パワーだか 悔しいけどあんたの言う通りだわ」
火力重視の弾幕だった彼女に共感を抱きつつ、装甲陰陽玉の力を解放して魔法陣を展開し極太ビームな弾幕を放つ技。
自身のスペルカードである霊符「封魔陣」と魔理沙のスペルカードである恋符「マスタースパーク」を合わせた複合スペカとなっている。
- 『夢想天生と名付けられた弾幕』
「そうね あんただったわ これに名前を付けたのは あれがなかったら私は…… いえ まずはあんたを取り戻す!」
自分の技に名を付けて、日常にも関わってくれた星の魔法使いと幻想郷の日常を取り戻すと決意の元に自身の力と装甲陰陽玉の力を全て解放して弾幕を一斉発射する技。
技の後には霊夢の元に星達が集まってくるという巧妙な演出がある。
「博麗の巫女」「博麗神社」「陰陽玉」など、博麗霊夢のまわりに関する記述が多岐に渡って濃密に記されている。東方旧作や書籍が由来の設定まで反映されている。
(※情報の出所を全て特定することは非常に困難なのでどなたか「備考」の欄に追記お願いします。)
1.【博麗神社の巫女】→「帰巣性蟲物」のテキスト
テキスト |
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博麗神社の巫女は霊夢の代で十三になるらしい。幻想郷の成立はおよそ千年前とされる。そして博麗神社は、幻想郷成立以前から存在していた。もし歴代の巫女が長命であれば、途切れない血筋による世襲として、博麗の巫女は成立する。しかし記録に見られる射命丸文の発言を参照すると、世襲制でない可能性も残されている。それは別として、博麗神社が巫女以外の管理下にあった世代も存在したのかもしれない(神官職など)が、今のところその可能性を示す史料は確認されていない。宮出口瑞霊ならば、何かを知っているかもしれない。 |
備考 |
2.【陰陽玉の継承者】→「信仰幻想」のテキスト
テキスト |
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博麗霊夢は陰陽玉の継承者である。博麗家の血を引く者にしか、陰陽玉を扱うことはできないという。妖怪退治のアイテムであり、異変解決などの折には、霊夢は陰陽玉を帯びて出発することが知られている。陰陽玉を作り出したのは玉造魅須丸であると当人が自称しているので、過去の博麗家についても知っている可能性がある。博麗家が歴代の博麗神社の巫女を務めてきたのであれば、陰陽玉の継承者の家系と一致することになる。すると博麗家の祖先とは、幻想郷成立前に存在していた『妖怪を退治する人間たち』であり、妖怪を監視するために幻想郷へ住み着き、毎夜のように戦い、やがて妖怪たちと一緒くたに結界で封じられてしまったかつての『勇敢な人間たち』なのかもしれない。陰陽玉は使用者の力を継続的に吸収し、十分に蓄積されると一気に力を放出するというサイクルを繰り返すものであり、その絶大な力は悪用されれば世界を滅ぼすほどであるとも噂されるが……この言説の出処はハッキリしていない。同じく伊弉諾物質である龍珠の性質も『能力などの複写と再現』であるため、ある程度の信憑性を感じさせる一方、鬼のアイテムである打ち出の小槌との類似点も指摘できる。なお陰陽玉と、幻想郷圏でたびたび目撃される『車輪のような化け物』は、見た目がよく似ているが関係があるかは不明。 |
備考 |
3.【博麗神社の祭神】→魔霊符「星霜封印」テキスト
テキスト |
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陰陽玉は博麗神社の御神体でもあるらしい。しかし博麗神社の祭神がどのような神なのかが不明であるため、陰陽玉の正体が何なのかもよく分かっていない。博麗神社の祭神は、信仰不足に悩まされているとも言われており、八百万の神様が集う会合では意見が無視されるほどで、地位は下がる一方なのだとか(それくらい博麗神社が寂れているということ)。だが霊夢からすれば、博麗神社が『外の世界との境界を維持する役割のため』に必要なことは分かるが、神様が誰なのかは重要ではないように思えるらしい。ようは、神社が維持できるなら、神様は誰でもいいとさえ思っているフシがある。薄情ではあるが、霊夢が巫女である以上は、性格的にどうしようもなさそう。祭神様もそれを理解した上でやっていくしかない。 |
備考 |
4.【幻想郷の境界】→夢恋符「砲魔陣」テキスト
テキスト |
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博麗大結界が代表的であるが、他にもいくつもの境界(幻と実体の境界など)が引かれたことで、各異界との線引きがされている。一部の特殊な状態にあるものを除いて、容易に越境することはできない。死者の霊魂であれば彼岸へ渡れる、外の世界で失われたものは幻想郷へ寄せられる……といったような、明確な制限が定義されていることがある。博麗神社は、幻想郷と外の世界との境界に建っているとされ、厳密には『幻想郷の博麗神社』と『外の世界の博麗神社』が重なるような状態で存在しているらしい。霊夢が住んでいるのは幻想郷の博麗神社であり、信仰不足で寂れていると言われてはいるが、霊夢が生活していることもあって一定の状態が維持されている。一方、外の世界の博麗神社は無人の荒廃状態であると言われる。しかし森近霖之助による記述を読む限りでは、祭のように賑わっている(例大祭か何かだろうか)様子を見た……とのことだが、現実の光景であったかは記述者本人も確信できていない。幻想郷の博麗神社には、霊夢も預かり知らない不意の奉納物が現れることがあるが、それが外の世界からの漂流物だとするならば……外の世界の博麗神社は、厳密には無人ではない? |
備考 |
5.【霊夢と魔理沙】→「夢想天生と名付けられた弾幕」テキスト
テキスト |
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博麗霊夢について語るには、霧雨魔理沙は欠かせない。魔理沙は霊夢の天性の才能と怠惰さを認識しており、同時に自らを研究家肌であると称しているように、ふたりの様々な事物に対するアプローチは対照的である。その様は陰陽の二面のようで、互いを補完しあっているように見える。霊夢の紅白は『存在と無』の色であり、紅白の境界は『はじまり』を示す。一方魔理沙の黒白は『虚と無』の色であり、黒白の境界は『おわり』を示す。霊夢と魔理沙のそれぞれが持つ性質は、お互いが存在して初めて認められるものであり、陰中の陽、陽中の陰としても機能している。ふたりとも、それを意識しているかは分からないが。 |
備考 |
6.【旧知であるはずの関係者】→「空を飛ぶ程度の能力(消失)」テキスト
テキスト |
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八雲紫と茨木華扇は、記録に明記される以前から霊夢の知り合いであった可能性が高い。信用できる記録上では、霊夢が八雲紫に会った際、あまり顔見知りな様子ではない感じだった。しかし、スペルカードルール成立の経緯を見る限りは、霊夢と紫の間に何らかのやり取りがあったものと想像できる。記録上の初期における華扇と霊夢のやり取りを見る限りでは、以前から面識があったはずの華扇についても、霊夢側の記憶はおぼろげであったりするので(これは光の三妖精などに対しても見られた傾向)、紫についても『神社を出入りする無数の人妖(特に妖怪側が多いが)のひとり』として、そこまで気に留めていなかったものと考えられる。霊夢はそれほどまでに、普段はのん気な暮らしっぷりなのだ。華扇が旧知であるならば、霊夢に陰陽玉などを扱う神仙術を教えたのは、道(タオ)との関係の深い華扇がそのひとりであったかもしれない。また紫が旧知であるならば、霊夢に神降ろしを特訓したことのある紫は、巫女の戦闘術……御札や針、お祓い棒や体術(特にキック)を仕込んだ師匠のひとりであったかもしれない。保護者や指導者、または先代巫女といった存在の影が今のところ史料上で確認されていないため、幼少期から神社に出入りする無数の人妖たちに育てられたのだと暫定的に仮説する。 |
備考 |
7.【空を飛ぶ程度の能力】→「空を飛ぶ程度の能力(消失)」テキスト
テキスト |
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文字通り、空を自由に飛行する能力。そして同時に、あらゆる制限、拘束、限界から解き放たれる能力。「夢想天生」はこの能力の果てに生まれた技であり、ラストワードとしての「夢想天生」は魔理沙の命名によってスペルカードルールの範疇に収められたことで、遊びと呼べるものへと落ち着いた背景がある。霊夢を人間たらしめているのはそのDNA(=デオキシリボ核酸:外の世界では生物細胞内に存在する遺伝情報を司る化学物質として一般に知られている)であるとの情報もあるが、その存在性はとうに人間の域を超えかねないのかもしれない。しかし同時に、霊夢はどこまでも人間の巫女でなくてはならないのは、幻想郷における妖怪と人間の関係から明らかであり、これは非常に強い制約である。妖怪が人間から恐れられなくてはならないように、人間は妖怪を退治せねばならず、巫女は妖怪退治の専門家としてその役割を一身に負う。一方、妖怪はいずれ巫女を相手にしなくてはならない状況となることが必然となるのだが、厳密には巫女を倒すワケにはいかない(幻想郷の存在が危うくなるから)。それゆえ、決闘法としてのスペルカードルールが重要となる(他の決闘法はほとんど支持・存続されていないことからも、このルールの高い有効性が証明されている)。スペルカードルールは、人間と比べて力が強すぎる妖怪たちを縛るものとして説明される傾向がある。だが、「夢想天生」の一件を加味すると、むしろ縛られているのは……?妖怪は総じて人間よりも遥かに長寿であるため、その余裕ゆえか、行動パターンに学習の傾向は少なく、弾幕ごっこにおいても決まった傾向の弾幕を張ることが多い。これは、幻想郷において圧倒的多数派である妖怪たちが、精神文明とも呼ばれる独自の妖怪的魔法的進歩の道を歩んでいながらも、外の世界の物質文明(人間らの科学文明)と比べて変化が緩やかであることと無関係ではないだろう。一方、異変解決のために妖怪退治に乗り出す人間たちは、『記憶の層』を用いて運命を変えながら行動することができる(これは霊夢の幸運や早苗の奇跡、魔理沙の研究学習などに現れている)。つまり、人間だけが『決まりきったパターン』から逸脱することが可能であり、霊夢の場合はそれが『空を飛ぶ』の意味に含まれていることになる。霊夢の巫女としての立ち場(神降ろしもその発露)、外の世界との境界に神社が建つという立地とを合わせて考えると、霊夢の『意思』……というより弾幕ごっこの『記憶』は、外部から何らかの干渉を受けている可能性もあるのではないだろうか。 |
備考 |
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気質は『晴れ間』。一時的に雨や雪が止む状態、または雲などの切れ間から覗く晴空のこと。
記憶遺跡にてL80美鈴やL80こいしのようにロストワード異変に大きく関わってるとされる夢想卿を名乗る者の記憶を垣間見ることとなるのだが果たしてその真相は……
小ネタ
ショット・スペルカード
ショットとスペルカードは霊夢と魔理沙2人にとってお馴染みのものを合体させている(拡散ショットは「ホーミングアミュレット」+「マジックミサイル」、集中ショットは「パスウェイジョンニードル」+「イリュージョンレーザー」)。
スペルカードも同様で、魔霊符「星霜封印」は魔符「スターダストレヴァリエ」と霊符「夢想封印」、夢恋符「砲魔陣」は夢符「封魔陣」と恋符「マスタースパーク」を合体させている。
また、これらの元となったショットやスペルカードはいずれもWin版初の作品「東方紅魔郷」で初めて使われたものでもある。
ラストワード
ラストワードのカットインは、博麗神社での日常をイメージしていて、技としての派生元はバレット名から推測するに、「夢想天生」と「ブレイジングスター」と思われる。(夢想天生の演出は東方緋想天及び東方非想天則の再現)。
なお、この時に装甲陰陽玉が中身を曝け出し、東方封魔録や東方幻想郷などの魔理沙が繰り出すビット(オーレリーズサン系列のスペルカードの元となった技)のような軌道で霊夢の周りを回転していて、演出の途中に謎の星が霊夢の周りに集まり押さえている。
元々無名だった最終奥義としての技が霧雨魔理沙の命名によって遊びとしての範疇を外れることがなくなったという、「命名」を重視した演出と見ることもできる。
- 「完全に霊夢に触れなくなる。不透明な透明人間状態。」「霊夢の究極奥義らしいが、霊夢は目を閉じていて弾幕は敵を目掛けて自動的に射出されるだけだそうだ。」「ちなみに最初はスペルカードでも何でもなかったのだが、私がスペルカードの名前を付けて遊びにしてあげた。そうでもしないと勝ち目がない。」「こればっかりは、生まれ持った霊夢の能力でしか使えないスペルカードだ。だから名前も天生と付けた。」
(The Grimoire of Marisa「夢想天生」の項目より抜粋)
少女綺想曲 ~ Dream Battle 春色小径 ~ Colorful Path
解説5
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【霊夢と魔理沙】
まるで寄り添うように、お互いを追い合うように、周り泳ぐ陰陽魚。
それはふたつでひとつ、ふたりそろって初めて完成するかの如きもの。
それゆえに、ふたりさえいれば、世界は隙間なく埋められる──
──と思いきや。
これは、隙間?
霊夢と魔理沙だけでは、埋まらない領域があるように感じる。
しかし、それはおかしい。
記録が欠けているワケでも、異物が遺されているワケでもない。
状況がそう示している。
不足なものも過剰なものも、何一つ無い。
それなのに、どうして『そう』感じるのだろうか。
……『空を飛ぶ程度の能力』を持つ者だけが、それを感じ取れるのかもしれない。
解き放たれた俯瞰の視点から、見下ろすことで。
爺はそう思い、ここに記したところで、筆を置く。
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(絵札「カルマスピード」解説5より抜粋)
「私と君(主人公)が出会って、『はじまる』……?」