「そこの人間! 止まりなさーい!」
「酸素とは、“失うと瞬時に死ぬ”という動物に掛けられた呪いです」
概要
古の鉱物から勾玉を作り出す神様。
虹龍洞で採掘されている龍珠は勾玉を作るのに向いている鉱物であり、魅須丸は龍珠の正当な所有者である。
虹龍洞作中では大天狗が妖怪の山に穴を開けまくって龍珠(りゅうしゅ)を掘り出していることを知り、現地調査に訪れていた。
虹龍洞は奥が無酸素エリアになっているため、虹龍洞の調査に来た自機勢に対し、危険性を説明して追い返し、またアビリティカードについては妖怪の山の頂上を目指すのが良いとも助言した。
その後も虹龍洞の調査を続け、その奥で山を掘り続ける危険な妖怪、大ムカデを発見する。
陰陽玉の製作者であり、霊夢のことを「陰陽玉の継承者(後継者)」と呼んだ。
異変の調査を行う側という後半のボスとしては非常に珍しい立ち位置のキャラであり、切り口こそ異なっているものの、異変に対するスタンスはどちらかと言うと自機勢に近い。
実際ストーリー上は一貫して自機勢の味方として立ち回っている。(ボスになったのも無酸素エリアに入ろうとした自機勢を追い返すためだった)
人物
- 自機勢のキャラを初めて「くん」付けで呼んだ。「くん」の前は必ずフルネームで呼んでおり(例:霧雨魔理沙くん)彼女の癖のようなものだと思われる。このことから、ファンの間でも魅須丸を「魅須丸くん」と呼ぶ事がある。
- 陰陽玉の制作者として霊夢を後継者と見ており、彼女と戦った際に陰陽玉をしっかり使いこなしているのを見て満足していた。
- 4面で登場する際、「そこの人間、止まりなさーい」と言う台詞と共に現れるが、過去作品にも同様の台詞で登場するボスが多々いる中、魅須丸は一応実際に成功した数少ないケースである。
- 今まで面識の無かった自機4名(霊夢、魔理沙、咲夜、早苗)をフルネームで呼び、魔理沙や咲夜から驚かれた。幻想郷内に暮らす様々な勢力や人々について、多くの事を把握している可能性がある。
- 酸素が薄い虹龍洞内部でも平気である事から、酸素は必要としていないようだ。これは彼女に限るのか、神や妖怪の多くに見られる特徴なのかは不明。
容姿
亜麻色の髪を真ん中分けにし、髪飾りで二つ結びにしている(後ろ髪は恐らく茶色のセミロング)。
白い半袖シャツに模様の入った赤色のベストと濃い黄色のスカートを纏い、虹色に輝く大量の勾玉を身に付けている。
スペルカード
4面専用の陰陽玉の形をした弾が全スペカで採用されている。
スペカ名 | E | N | H | L |
---|---|---|---|---|
玉符「虹龍陰陽玉」 | 〇 | 〇 | 〇 | |
玉符「陰陽神玉」 | 〇 | |||
玉将「クイーンオブインヤンスフィア」 | 〇 | 〇 | ||
女王珠「虹の扉の向こうに」 | 〇 | 〇 | ||
「陰陽サフォケイション」 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
伊弉諾物質との関連性
4面のサブタイトルは、「伊弉諾物質」となっており、これは秘封俱楽部のCD(ZUN's Music Collection)において、メリーが蓮子に実際に伊弉諾物質でできた謎の小さな石を差し出す描写と関連している。
この石は、「釣り針とも鍵とも言いがたい形容しがたい形」と伊弉諾物質の作中で語られていたが、遂にその正体が判明したようである。
……ちなみに、彼女曰く「危険だから掘り起こさないに越したことはない」らしい。
元ネタ
種族が神様である事から、天岩戸開きにおいて八尺瓊勾玉を作った「玉祖命(たまのおやのみこと)」、及び彼を祖神とする古代日本の職業部「玉造部/玉作部(たまつくりべ)」だと思われる。
彼女の台詞にも「玉造部冥利に尽きます」との台詞がある。
玉祖命は天孫降臨において五伴緒の一柱として邇邇芸命に同伴し日向国(今の宮崎県高千穂)に降った。
五伴緒とは以下の五柱の神々を指す。
・伊斯許理度売命(八咫鏡を作った鋳造の神様)
・玉祖命(八尺瓊勾玉を作った玉造の神様)
・天児屋命(藤原氏のご先祖さん!祝詞の神様)
・布刀玉命(賢木を捧げた占いの神様)
・天宇受売命(裸で踊った踊りの神様)
玉祖命は思金神の妹の子という説がある。また思金神の妹は天照大御神の息子と結ばれ邇邇芸命を産んでいる(つまり兄妹仲良く降りて行ったのである)。
これらを参考にすると魅須丸は邇邇芸命の妻である木花之佐久夜毘売を元ネタとする(?)十六夜咲夜の義姉妹、思金神を元ネタとする八意永琳の姪となり、紅魔館勢と永遠亭勢との間に密接な繋がりが出来る事になる。
また天弓千亦は元ネタが木花之佐久夜毘売の姉妹に辺り、こちらとも義姉妹となる。
つまり、この作品の中では誰とも関わりが無いと思われていた魅須丸と千亦は互いに繋がりがあったという事になる。
そして綿月豊姫は従伯母兼義姉妹の義理の娘、埴安神袿姫は大伯母となり、日本書紀を参考にすれば八坂神奈子ははとことなる。
更に彼女の兄弟である邇芸速日命は物部氏の祖であり物部布都とも間接的に繋がりがある。
ちなみに思金神も天孫降臨で邇邇芸命に従って天降った。八意永琳が蓬莱山輝夜を追い地上に行った元ネタはこれか(既に一度地上に降りていた為に抵抗は全く無かったのかもしれない)。
「御統(みすまる)」とは、多くの玉を緒に貫いて輪とし、首にかけたり腕に巻いたりして飾りとしたもの。普通は勾玉と管玉を交互に繋いでいくのだが、彼女の場合は勾玉のみである。八尺瓊勾玉の本名は八尺瓊五百箇御統(やさかにのいおつのみすまる)。
また、偶然か必然か、ヘブライ語には「お守り」を意味する「ミシュマル」と言う言葉があり、お守りの役割を持つ勾玉との親和性が高い。
二次創作では
カップリング
陰陽玉の発明者と言う事で、その後継者と目する霊夢との絡みが期待される。
虹龍洞の入り口を守っていた山如と、
その虹龍洞内部の龍珠を守ろうとしていた魅須丸に関連性を見出したもの。
造形神である袿姫と、玉造部である魅須丸の職人神繋がり。
2人共勾玉をアクセサリーとして身に着けているという共通点もある。
東方ステーションの東方虹龍洞特集でのZUN氏の発言では、この2人について「関係ありそうだもんね」とのこと。
ちなみに神話的な関係は姉妹と「伯祖母と妹孫」という2つの説がある。
旧作関連
魅須丸のスペルカード『玉符「陰陽神玉」』に名前(神玉)が含まれること、陰陽玉に関連することから、東方1作目の最初のボス・SinGyokuとの絡みも見られる。
頭部の玉
頭に巨大な玉を乗せているため、ネタの題材になることがある。
同じく玉を乗せたキャラであるヘカーティアとの絡みも。
瞳
勾玉を意識して、瞳も陰陽玉のようになっているものも多数。
関連イラスト
関連タグ
玉造駅、玉造温泉:全く別の場所(前者は大阪府、後者は島根県)だが、どちらも元ネタ(前者は玉造部が由来で玉造稲荷神社があり、後者は玉祖命を祭る玉作湯神社がある)と関連が深い地域。
東方キャラの日
6月9日は魅須丸の日:「6月9日はシンギョクの日」と同日。どちらも陰陽玉が「69」に見えることから。
関係者など
博麗霊夢:『虹龍洞』で深い関わりがある他、『霊符「陰陽印」』『宝具「陰陽鬼神玉」』等、スペルカード名が似ている。獣王園では『在庫全ての陰陽玉』というスペルカードも使用。
八意永琳:前述の通り伯母(母親の姉)。月と地上を何度も行き来した経験がある模様。
旧作
SinGyoku:東方シリーズ初のボス。陰陽玉と人型2種類、合計3つの姿を切り替えて戦う。テーマ曲(MDT、PMD)に「陰陽」の文字が入る。
魅魔:封魔録おいて「陰陽玉は、博麗の家系であるあなたしかあつかえないの」というセリフがある。名前に「魅」の字が入ることも共通する。
西方
4面ボスの系譜
吉弔八千慧→玉造魅須丸→???