完璧超人始祖"漆式"(セブンス)ガンマンの前に頭が高いわーーっ!
概要
完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)の一員。完璧・漆式(パーフェクト・セブンス)。
人物像
容姿
頭の巨大な2本角と大きな単眼が特徴。
なお、初登場時(『完璧超人始祖編』第84話)ではまん丸の眼、つるつるした肌、大きなアゴ、綺麗に整った歯、裸足と愛嬌のある姿だったが、その次の話で六角形の鋭い眼、ゴツゴツとした岩のような肌、引き締まったアゴ、鬼のような牙、大きな蹄の付いた足と全く別人に変貌してしまった。
一週間の間にガンマンに一体何が……?
↓参考画像:旧ガンマン
「私は変身などしなーい!なぜなら私は今の己の姿に絶対的な自信を持っているからだーっ!」
コミックスでは最初から85話以降の姿に描き直されており、巻末の質問コーナーでデザインが変わった件について触れている。
ゆでたまごによれば、84話の姿では悪魔将軍と同格の存在としての威厳に欠けると感じてリファインしたという。
性格
下等超人の中でもたまに現れる、下等超人の限界を超える力の持ち主は率先して排除するべきという思想の持ち主。“あやつ”と無量大数軍による下等超人の粛正をはるか昔から進言しては却下され続けており、今になって動き出した彼らを後手後手と非難している。
というより、事あるごとに、ほぼ一方的に自分の主張を怒鳴り散らしている。
古代は今よりさらに気が荒く、カピラリア大災害を生き延びた下等超人が我が物顔で暴れ完璧の巨像を破壊するのを見て、「殺しに行こうぜーっ、粛清だーっ!」と、まるで友人を野球にでも誘うかのように始祖仲間に粛清を持ちかけ、ミラージュマンにドン引きされている。
(後にミラージュマンが聖なる完璧の山の門番に抜擢され、始祖を超人墓場に留める役目を任されたのも、ガンマンの苛烈さに一因があろうと推測できる他、かつてのオメガ一族の粛清時には他のメンバーが厳しい顔をして対峙していた中自分の要望が通ったからなのか非常に嬉しそうな笑みを浮かべながら殺戮をしていた)
また「嘘が大嫌い」と標榜しており、変身能力などの偽りの姿だけでなく、化粧やカツラといった些細なものですら「嘘」と断じ嫌悪している。
その為、アビスマンやペインマンと同じく自身の力を"偽る"事になるマグネットパワーに反対していた(性格的にサイコマンがムカつくからだけという可能性もあるが…)。
しかし、それはある意味では実直で純粋な面の裏返しでもあり、過激さは目立つものの思想やファイトスタイルは完璧超人の思想に愚直に沿ったものである。
その点で対戦したバッファローマンからは「あんた、実は良い人だ」「誰よりも誠実」と評価もされた。
ちなみに無量大数軍のネメシスとは性格が似ており当初は師弟関係が噂されたが、思想は全く違う。
そして彼の特徴のひとつに「破った対戦相手を早々に忘れてしまい、記憶しようともしない」というものがある。
これまであまりにも多くの下等超人を粛清してきたゆえに、誰もが弱者にしか見えず、一度倒した弱者のことなど、いちいち覚える必要もないと嘯く。
いわく「私にとってそいつらは名無しも同然、ワン・オブ・ゼムに過ぎぬのだ!」。
まさに、非寛容・無慈悲を極めた「破壊の神」と呼ぶにふさわしい。
(もっともバッファローマン戦の折にスニーゲーターを憶えていたような描写もあり、これは実際は憶えていても下等超人を認めないという彼の意思表示を表したポーズなのかも知れない)
とはいえ、始祖以外に自分と対等に闘える相手がいないことには物足りなさを感じていたようで、バッファローマンとの闘いでは、バッファローマンの真の実力に嬉々として真っ向勝負を演じている。
笑い声は「シャババ~」。
人間関係
その過激な性格もあってか、同僚であるサイコマンとは太古の昔から非常に険悪。
「クサレ外道」「性格の歪んだ男」「あやつの許可さえおりれば今すぐに殺してやりたい」とまで言っている(その割にはオメガの民の虐殺時には揃って笑みを浮かべていたりする)。
また、本来は偽りの姿や変装の類いを認めない思想であるがザ・マンが「超人閻魔」や「ストロング・ザ・武道」に扮している事に関しては全てサイコマンにたぶらかされているだけで本人の意思ではないと思い込もうとしている節があり。これが敗因に繋がる事となる。
一方でシングマンとは理念が一致するのもあって特に仲が良く、自ら「同志」「盟友」と呼んではばからない。
ジャスティスマンはガンマンをして「元来ひたすらに純粋な男だったが、真実を信奉するあまり真実を見据えることができなくなっていた」と語っている。
作中での活躍
スニゲーター戦(イタリア・ピサの斜塔)
超人墓場から次元の穴を通ってピサの斜塔に出て来たスニゲーターと激突。真眼によりスニゲーター得意の変身殺法を完封し終始圧倒する。
地力のみで攻撃を弾き返し、防御を粉砕する半ば一方的な展開であった。
ボロボロのスニゲーターはバッファローマンが持っていたスプリングマンの亡骸を見て奮起、切り札の「ティラノサウルスの足」に変身。
この姿はスニゲーターの真の姿なので真眼でも解除できず、最終兵器「ダイナソーフットネイル・クロー」を食らってしまう。
だがガンマンは「なかなかのパワーだ」と認めつつも「私を圧倒するまでには至らない」とダイナソーフットネイル・クローを外し“本顔”あぶり出し固めをかける。
ティラノサウルスの足の全ての指から顔が出るも、案じていた弟子たちの死に涙を流す「本物の顔」を看破。そしてエルクホルン・テンペストでバラバラに切り刻み、再生能力による回復も蹴りで阻み、完膚なきまでの勝利をもぎ取った。
敗戦後スニゲーターは「ガンマンを含む完璧超人始祖をブチ倒して、自分を超えたと証明してみせろ。それが俺がお前たちに与える最後の課題だ」と7人の悪魔超人の生き残りであるバッファローマン、ブラックホールに言い残し、事切れてしまう。
バッファローマン戦(国立競技場・許されざる世界樹)
「許されざる世界樹(アンフォーギブン・ユグドラシル)決戦」では、スニゲーターの愛弟子・バッファローマンと対峙する。
ハリケーンミキサーをエルクホルンで迎撃したり、キン肉マンが片腕を犠牲にして攻略したデビルシャークをほぼダメージを受けることなく退けたりと、ガンマンが序盤はリードするも、ガンマンは真眼をバッファローマンにも浴びせ、「悪魔超人」としての立ち位置に拘るあまり真の力を封印して戦っていることを見破る。
悪魔将軍の檄にバッファローマンが真の実力を開放してなお、嬉々としてぶつかり合いを演じ、ロングホーンの片方を腕力で叩き折るなど存分に猛威を振るった。
しかし、バッファローマンの陰にいたストロング・ザ・武道を真眼で直視してしまい、咄嗟に目を背けた隙を突かれバッファローマンの8000万パワーから放たれる新技「ハリケーン・ギガブラスター」に敗れる。
敗北した後は敗因が自分が唯一ついた嘘であることを認め、バッファローマンを「私の記憶に名を刻んだ初めてのド下等」と讃えた上で「土のダンベル」を托す。
そして始祖の仲間たちと修行に励んだ日々を「一番楽しかった」と懐かしみつつ、自分を下したバッファローマンの名を呼びながら静かに力尽きた。
奇しくもそれは高潔だった頃の“あやつ”が提唱した、「下等超人が成熟して始祖を超えたことを認め自らは退場する」という始祖本来の理想を体現した最期であった。
どれだけ甘いと思おうと、彼はザ・マンのことを敬愛していたのだ。
恩師であったかつての善良なザ・マンを信望するあまり、思想が歪み果て超人閻魔と化した現在の彼を直視することができず、己の本心を偽った事が敗因であった。
戦闘スタイル
外見に違わぬ非常に強靱な肉体の持ち主であり、相手の技を肉体の強さだけで悉くはね除けてしまう。
単純な打撃や投げ技でさえ恐ろしいまでの威力を持つ上に、頭の角「エルクホルン」を自在に動かし大技を繰り出せる。
さらに相手の正体を暴く真眼により、変身などを用いて姿を偽らずに戦うことを強要する。ゆえに、変身能力が主体のスニゲーターにとっては最悪の相手であった。
そしてガンマンが唯一認めた超人であるバッファローマンからはザ・ワン戦において「オレの人生を通して過去最高の相手だった男」と評された。
本人は正々堂々を標榜しており、実際清々しいほど正統派。自分の得意な領域に強引に持ち込むという点は非常に傲慢にも見えるが、「敵に背を向けず己の身一つで渡り合う」という完璧超人の理念を生真面目に煮詰めたスタイルとも言える。
そのスタイルは同僚であるアビスマンより「パーフェクト・ザ・ルール」に相応しいと言えるが特殊能力により強引に持ち込む点と前述の通り苛烈過ぎる性格かザ・マンからその称号を受けることは無かった。
必殺技
- 真眼(サイクロプス)
未来を見通す単眼。何億年も先の未来が見えるという。
その眼から発する光を浴びた者の真実を暴く(例えば中野さん似の観客のヅラを取り去る、など)。一方でスニゲーターの真の姿であるティラノサウルスの足は暴けなかったことから、表層的なもののみを暴くようだ。
マニアックなファンからは「バッファローマンのヅラも暴くのでは?」とまことしやかに期待されたとか。
- エルクホルン・シザーズ
頭に付いた大きな角で、目や頭を狙ってきた相手を挟み込む。
- “本顔(リアルマスク)”あぶり出し固め
相手の体を激しく締め上げ、顔を出させる技。
- 完璧・漆式奥義 エルクホルンコンプレッサー
エルクホルン・シザーズで相手を挟んだ後、頭の角を縦に回転させ相手の頭と足を掴み、逆さまに地面に落下する技。
- 完璧・漆式奥義 エルクホルン・テンペスト
角をプロペラのように回転させて相手を切り刻む技。この技でスニゲーターをバラバラにしてKOした。