概要
東方ロストワードのメインストーリー第4章「永遠戦線」にて登場した、異界ゲートのヘカーティア・ラピスラズリ。このヘカーティアは月の体がデフォルメになっている。第4章における重要なキーパーソンの一人となる存在。
このヘカーティアは『帝都』から追放された過去を持ち、現在では『帝都』の意思によって神格に大きな制限を受けているせいか本来の能力を十分に発揮できていない。能力を使うこと自体はできるが、帝都の目的である「異世界同士を繋いで、中にあるものを相互に行き来させる」という下でのみ許されている。
帝都から追放された後ではこれと同じように『帝都の一機関』として機能せざるを得なくなり、不要なものを他の世界に廃棄し必要なものは帝都に送る物流関係を司る管制システムとなったらしい。
巨大なゲートを管理しているが、実は白い衣服も転移装置の一部らしい。ほかにもゲートを使って弾幕ごっこにも興じているが、ショットの演出のように弾幕の出し入れにも使っている。
ちなみに異界ゲートを制御するには宇宙を漂う『ダークエネルギー』が必要らしい。
汎異記号は『B3』。
プレイアブル化
実装形態 | 超フェス限定 |
---|---|
式 | 支援式 |
気質 | 月震 |
拡散 | 奇妙なスフェルミオン |
集中 | 謎めくボシーノ |
スペカ1 | 月『ルナティックインパクト』 |
スペカ2 | 月『コズミックレディエーション』 |
ラスワ | 『異界を繋ぐスターゲート』 |
テーマ曲
帝都世界のヘカーティアのテーマ曲は、荒御霊の「Hell」。原曲は「パンデモニックプラネット」。
余談
気質は『月震』。月で起こる地震のこと。
異界ゲート自体は、恐らくだが世界最大の衝突型円形加速器大型ハドロン衝突加速器が元ネタ。
小ネタ
二つ名
二つ名「ゲートアドミニストレータ」の「アドミニストレータ(administrator)」は管理者、行政官、管財人などの意味を持つ英単語のことで、「アドミニ」とも表記される。ITにおいてはコンピュータや通信機器、オペレーティングシステム(OS)などを管理する人や役職のことをこのように呼ぶ。要するにこの二つ名はゲートの"アドミニストレータ(管理人)"という意味を持つことになる。
スキル
スキル名の「超光速ツーリング」「亜空間流通」「超加速荷電粒子」もワープに関連した用語である。
ショット
ショットの名前に引用された「スフェルミオン」と「ボシーノ」は超対称性粒子の一分類を表す名称のこと。超対称性粒子は超対称性理論によって存在が予想されている粒子のこと。
超対称性理論は"既存のボース粒子とフェルミ粒子"に対して、それぞれ対応する"未知のフェルミ粒子とボース粒子"が存在するという考え方。既存の粒子に対応する未知の粒子を「超対称性粒子」という。
拡散ショット「奇妙なスフェルミオン」のバレット名はスクォークとスレプトン、集中ショット「謎めくボシーノ」のバレット名はゲージーノとヒグシーノとして予言されている粒子の記号を現している。
「奇妙なスフェルミオン」
既存のフェルミ粒子(フェルミオン)とは質量や電荷などが同じだがスピンが2分の1ずれている、未知のボース粒子(ボソン)。
バレット名 | 元ネタ | 備考 |
---|---|---|
スクォークu弾&d弾 | スアップクォーク、スダウンクォーク | パートナーとして対応しているのは第一世代のクォーク。アップ型の『アップクォーク』、ダウン型の『ダウンクォーク』。 |
スクォークc弾&s弾 | スチャームクォーク、スストレンジクォーク | パートナーとして対応しているのは第ニ世代のクォーク。アップ型の『チャームクォーク』、ダウン型の『ストレンジクォーク』。 |
スクォークt弾&b弾 | ストップクォーク、スボトムクォーク | パートナーとして対応しているのは第三世代のクォーク。アップ型の『トップクォーク』、ダウン型の『ボトムクォーク』。 |
スレプトンe弾&νe弾 | セレクトロン | 第一世代のレプトン『電子』の超対称性パートナー。 |
スレプトンμ弾&νμ弾 | スミューオン | 第ニ世代のレプトン『ミュー粒子』の超対称性パートナー。 |
スレプトンτ弾&ντ弾 | スタウ | 第三世代のレプトン『タウ粒子』の超対称性パートナー。 |
「謎めくボシーノ」
既存のボーズ粒子(ボソン)とは質量や電荷などが同じだがスピンが2分の1ずれている、未知のフェルミ粒子(フェルミオン)。
バレット名 | 元ネタ | 備考 |
---|---|---|
ボシーノγ弾 | フォティーノ | パートナーである光子(フォトン、光量子)の記号は『γ(ガンマ)』。 |
ボシーノW±弾 | ウィーノ | パートナーはウィークボソンの一種『Wボソン』。電荷±1を持つ。 |
ボシーノZ弾 | ジーノ | パートナーはウィークボソンの一種『Zボソン』。 |
ボシーノg弾 | グルイーノ | パートナー関係のグルーオンの記号は『g』。 |
ボシーノG弾 | グラヴィティーノ | 重力子 / グラビトンの記号は『G』。グルーオン(g)との混同を避けるべく、記号は大文字が使われている。 |
ヒグシーノ弾 | ヒグシーノ | ヒッグス粒子の超対称性パートナー。 |
スペルカード
採用されたスペカは東方紺珠伝と秘封ナイトメアダイアリーからの採用。
月「ルナティックインパクト」は最も有力な月形成説「ジャイアント・インパクト説(巨大衝突説)」を元ネタとしていて、原作では「東方紺珠伝」Extraボス6枚目(純狐含めると7枚目)のスペルカードとして数多のプレイヤーを恐怖に陥れた。
バレット名ではさらに細かく掘り下げられている。
- 「黒月大衝突」・・・原始地球に激突したとされる仮想の天体の呼称。黒き月またはブラックムーン。
- 「テイア大衝突」・・・上記の仮想の天体は「テイア」と呼ばれることもあり、英語では「テイア・インパクト(Theia Impact)」と呼ばれることがある。名前の由来である月の女神セレーネーの母テイアは、ヘカーティアの名前の元ネタになっている可能性がある。
- 「ビッグスプラッシュ」・・・Big Splash。ジャイアント・インパクトの英名。
- 「マグマの海」・・・天体が衝突した時の地球にはマグマの海(マグマオーシャン)があり、衝突の衝撃で飛び出したマグマオーシャンの成分が固まり、月になったとする説が提唱された。
- 「小惑星複数衝突」・・・ジャイアント・インパクト説の中で『一つの天体が衝突した』という考えの物理化学的な矛盾を解決するためのシナリオとして、複数の天体が衝突したとする説が提唱されるようになった。
- 「火星級惑星大衝突」・・・原初の地球に衝突した天体は火星級の大きさとされる。
月「コズミックレディエーション」は秘封ナイトメアダイアリーの裏・木曜日の弾幕夢3にてヘカーティアのスペルカードとして登場したほか、同作では純狐の「確実に悪夢で殺す為の弾幕」、伊吹萃香の疎符「六里霧中」、藤原妹紅の惜命「不死身の捨て身」と夢の共演を果たしている。直訳すると「宇宙の放射線」であることから、恐らく宇宙の放射線「宇宙線」を元ネタにしていると思われる。
宇宙線は宇宙空間にある高エネルギーの放射線の総称で、1912年に物理学者のヘスが初めてその存在を確認した。主な成分として、α粒子やリチウム、ベリリウム、ホウ素、鉄の原子核が含まれる。
- 「あれ? この人こんな髪の色だったっけ? 他の写真と違うような……。ヅラかー?」
(宇佐見菫子コメントより)
「異界を繋ぐスターゲート」の演出は「東方紺珠伝」7(9)枚目のスペルカード「トリニタリアンラプソディ」のアレンジなのだが、設定上では「根本的に異なる方法で繰り出される技」とされている。
『トリニタリアン』は「三位一体」を意味し、三つの身体を持つ程度の能力を持つヘカーティアに相応しい名前である。一方で『ラプソディ』は狂詩曲(形式に囚われない、自由かつ気分のままに演奏する曲)を意味しているが、異界ゲートを管理するこのヘカーティアは、帝都によって能力が自由に使えない状況下でこのラストワードを使用している。
ワープ装置と併せて使用しているのは、紺珠伝ver.1.00bでプレイしている時、一定の条件下で純狐がいきなり現れて自機を抹殺してしまうバグが由来と思われる。
関連タグ
東方ロストワード ヘカーティア・ラピスラズリ(ヘカーティア・ラピスラズリ(東方ロストワード)) 黄ヘカーティア