サンクキングダム
さんくきんぐだむ
武力や戦争などを完全否定する完全平和主義を提唱する北欧(FrozenTeardropによるとスカンジナビア半島)に位置する王制国家。王家であるピースクラフト一族が統治してきた。首都はニューポートシティ。
昔は地政学的に紛争に巻き込まれやすいと言う平和とは程遠い国であった。また資源にも乏しく、軍備も小さいレベルであり、欧州の大国の思惑に翻弄される事も幾度かあり、地球圏統一連合樹立後も反連合組織に侵入されたりして戦闘の舞台になったりしていた。アフターコロニー145年にはとある戦いが切っ掛けで連合から莫大な賠償金を請求された。しかし、その後に国王になったマルティクス・ピースクラフトがそれまでの軍事費を医療研究につぎ込むようなった事で、世界最高と言われるほどの医療技術を持つに至り、教育システムも国民の3分の1が医者・看護師になるように改変、そして医療器具の開発もトップクラスとなり、それらの収入によって賠償金を数年で返済した。これらの医療技術を用いて紛争地域で無償で怪我人の治療をしたり、戦争における死者を激減させたりした事で国際間での発言力を高めていった。まさに国が丸ごと病院になったようなもの。その結果、この医療国家は紛争に巻き込まれるような事は無くなっていったと言う。
当時、宇宙で危険だった出産の問題もこのサンクキングダムの医療チームが解決した。その為か、コロニーの平和的指導者ヒイロ・ユイとも親交があり、またトレーズ・クシュリナーダも幼少の頃からこの国と付き合いがあった(と言うのも精神を病んだ母親が同国の王立病院に入院していたから)。ヒイロ・ユイの死後から世界に平和を築き上げるべく完全平和主義を提唱するようになり、軍備も完全に破棄した。
しかし、アフターコロニー182年になると軍事支配と言う形で平和を築こうとしていた当時の連合から危険視され、連合軍のダイゴ・オネゲル准将率いる部隊の攻撃で一度は滅亡。国王マルティクスも王妃も殺害され、幼かった王子ミリアルド・ピースクラフトと王女リリーナ・ピースクラフトは行方不明となってしまった。
滅亡から13年後のアフターコロニー195年。連合に対してクーデターを起こしたOZの侵攻を受け、サンクキングダム駐留の連合軍部隊はOZ所属のゼクス・マーキス(実はミリアルド・ピースクラフトその人)と部下のオットーの駆るトールギスの攻撃で壊滅(オットーは犠牲になったが)。その後、自分の出生を知ったリリーナにより復興され、平和を唱える各国からの留学生を受け入れていった。
サンクキングダム紛争
モビルドールに関する揉め事から始まったOZの分裂抗争が世界中で勃発する中、完全平和主義は長い戦乱に疲れ果てた世界各国から賛同され始め、ロームフェラ財団内部でもその思想に賛同する者が増え始めていた。しかし軍事支配を望む財団の頭目デルマイユ公爵から疎まれ始め、結果的に財団に侵攻される羽目になった。この時はノインが独断で軍事力を配備したり、財団に追われるようになったトレーズ派を兵力として受け入れたり、戦いの際にはカトルとヒイロの二人が応戦したりしていたが、リリーナが「サンクキングダムが戦争の火種になる」としてサンクキングダムの解体を決意した事で再び滅亡した。
しかし大戦後に樹立した地球圏統一国家は完全平和主義を理念とした統治姿勢を敷く事となった。これに伴いサンクキングダム自体も地球圏統一国家により復旧した模様。
コミックボンボン連載のコミカライズ版ではサンクキングダム紛争にはヒイロとカトルだけでなく他の3人のガンダムパイロットも参戦していたが結局敵の侵攻を止める事は出来ず崩壊した(その後ヒイロとゼクスがデルマイユがいるロームフェラの屋敷へリリーナ奪回の為に殴り込みをかけた)。
サンクキングダムの「サンク(Cinq)」とは、フランス語で「5」の意である。
ガンダムWが参戦するスーパーロボット大戦シリーズでも登場するが、完全平和主義を提唱するせいか、よく敵勢力に疎まれて攻撃される。
ある作品ではコロニー国家だったり、しかもあるルートではゼクスに乗っ取られて戦争を行うと言う事態が発生。
またとある作品では完全平和主義を唱える地球圏統一国家が戦乱により世界中から糾弾された挙句、クーデターにより瓦解してしまったと言う最悪の事態があった。