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シャドウラビリス

しゃどうらびりす

シャドウラビリスとは、対戦型格闘ゲーム『P4U』に登場するキャラクター、ラビリスの影。
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存在がネタバレのため、本編クリア後の閲覧を推奨します。





























我は影 破壊の権化 皆殺しの猛牛総統 シャドウラビリス

概要編集

我は影、真なる我……!

「迷宮に囚われろ!!」


CV:竹達彩奈


P4U』/『P4U2』に登場するオリジナルキャラクター。

両作品のストーリーの鍵を握る少女・ラビリスシャドウである。

『P4U』ではアーケードモードのラスボスを務め、2012年4月19日にプレイアブルキャラクターとして解禁された。


孤独の過去と機械の現実を突き付ける破壊の権化編集

一人称は「私」や「アタシ」。

関西弁な表と異なり標準語で話し、繊細で心優しいあちらと違って好戦的で暴力的、少々我儘で自分本位。自らが生まれた原因も相まって、常に破壊衝動に駆られている。

それもそのはず、彼女は対シャドウ特別制圧兵装五式・ラビリス」としての自分の過去から目を背けたことで生まれた、「自分は破壊するための兵器としか見られない」「それ故に誰にも孤独を理解されない、理解できない」「でも誰かにこの心の痛みを理解してほしい、自分を一人にしないでほしい」という本音が表出したシャドウなのである。

ラビリス

元々持っている「シャドウの殲滅」というラビリスの内面的使命が歪んだのか、気に入らないモノはとにかく破壊しようとする。他、所々の言動から「仲間」「絆」「心」と、過去が原因であろう「桐条」といった単語を嫌っているのがわかる。

色々な意味でラビリスとは正反対だが、得物自体は背部ブースターを兼ねた巨大な斧のまま。

ただし、下記のペルソナ・アステリオスの存在により、ゲームとしてはラビリスとは別キャラと化している。


アステリオス編集

猛牛型の巨大なシャドウ。後に彼女の意識が発現した際のペルソナとなる。

漆黒の身体と赤黒い炎が特徴。巨大過ぎて普段は上半身しか出ておらず、角の先端は不気味に揺らめいている。

ゲームのシャドウラビリスは実は体力がそこまで高くなく、そのためアステリオスが(前に出たり直接殴ったり掴んだりすることも相まって)壁になることが多いため、しょっちゅうペルソナブレイクされては地の底から這い上がってくるのがP4U界隈の茶飯事。

ラビリスのペルソナ・アリアドネとは一見何も繋がりがないように思えるが、実はミノタウロス伝説に関係している(ラビリスの記事を参照)。

たまに呼び出す際「リバースペルソナ!」と呼ぶことがあるが、イメージ的にはペルソナ2よりも彼女これに近い。


誕生の経緯編集

元々ラビリスは屋久島にある『桐条エルゴノミクス研究所』にて、対シャドウ特別制圧兵装五式として開発を進められていた試作機の1体・機体番号031であった。

起動当初から関西弁という個性と類稀な高性能を発揮した彼女は、ペルソナ研究の名目で機体選別という名の同型機同士での壊し合いを強要される。

圧倒的戦闘センスを有していた彼女だったが、強い自我を確立していた機体番号024と出会い心が芽生えるに連れて、徐々に疑問と苦しみを覚え始める。以後は完全に破壊しない程度(四肢の破壊による無力化等)で騙しだまし選別を潜り抜け、遂には五式の採用機として「ラビリス」の名を与えられた。

同時に破壊した同型機達の記憶を随時フィードバックされており、024との交流も経て、いつしかラビリスは感情豊かになってゆく。

ところがラビリスは五式に決定されてもなお研究者達によって残りの同型機と戦って全機体のデータをフィードバックさせることを強いられてしまい、しかもあろうことかその相手として024と戦わされてしまう。

激しい苦悩と死闘、そして諦観の末、なんとか勝利するも、大きく心に傷を負うラビリス。しかし024からのバックアップで彼女から託されたメッセージを受けたラビリスはエルゴ研からの脱走を図る。

……が、結局屋久島という閉鎖空間だったために失敗に終わってしまう。

その後、脱走の中で本来想定された限界を超えた性能を発揮した上にペルソナを発現させ、人間をも裏切れる自我を得てしまったラビリスは、最終的に封印されることになる。


時は流れ10数年後、旧エルゴ研から回収されたラビリスは、飛行機での桐条グループへの移送中、ハイジャックの裏で何者かによって奪われてしまう。

同じ頃ラビリスは意識の中で自身の人格のオリジナルとなった関西弁の少女の記憶を垣間見ており、自分はオリジナルにかなり近い人格だったこと、彼女がまだ見ぬ自分達を思っていたこと、そして彼女から今までの数多くの同型機達の記憶が自分の中で生きていることを実感する。

その中で、少女が語った「学校」や「生徒会長」というものに興味を惹かれ憧れるようになる。


しかし、ラビリスの潜在意識に何者かが介入。

彼女の苦しみに付け入り、マヨナカテレビの中でその憧れを実現させるという方法で上手く彼女を騙し、さらにラビリスに元々搭載されていた「他人の認識を歪めさせる」機能を無意識に彼女自身に使わせることで、元々人間だったという「偽り」と、本来は兵器であるという「過去」から目を背けさせることに成功する。


結果、ラビリスの知らぬところで自分自身の負の側面を作り出してしまい、マヨナカテレビに己の影が生まれた。

全てを破壊するために生まれ、自分には無いもの……仲間や絆を否定する存在、シャドウラビリスである。


動向とその後編集

黒幕(後述)の目論見により、自分を人間(八十神高校の生徒会長)と思い込み、記憶も心も偽ったラビリス。

その影として生まれたシャドウラビリスは、元々の役割である「敵の破壊」を曲解し(多分に黒幕の影響もあると思われる)、マヨナカテレビを利用して全てを破壊しようと暗躍し始める。


手始めに黒幕が先んじてラビリスに見せたビジョンに映っていた自称特別捜査隊のメンバーのうち、能力的に厄介になるクマりせを捕獲・監禁。自身は認識改変能力を使って「クマ総統」としての姿に変身し、マヨナカテレビで「P-1グランプリ」なるものを開催させる(ちなみにクマは空腹が度を過ぎた結果ペラペラになり、監禁されていた教室のロッカーを抜け出せたことで後にラビリスと合流することになるのだが…それは別の話)。

「P-1グランプリ」……それは、自称特別捜査隊の面々をマヨナカテレビ内に侵入させ、強制的に殺し合わせることで仲間同士の崩壊を誘うというもの。ラビリスがかつて強要されていた同型機同士の選別戦を擬似的に再現し、彼女に過去を突き付ける意味合いも込められている。

その際認識改変能力で対戦者の認識を書き換え、スムーズに戦いを誘うようにしている徹底ぶりである。


デタラメだらけなCMをテレビに流して鳴上達を誘き寄せることに成功したシャドウラビリスは、クマ総統の姿で戦いを扇動。

途中、ラビリスの回収にやって来た美鶴明彦アイギスの乱入に対し、見知らぬペルソナ使いが現れたことで一瞬動揺するも、P-1グランプリのルールである「一方が勝たなければ先へ進めない」システムと、エリアを制限する見えない壁によって難なくグランプリの中へ取り込み、まとめて潰し合わせることにする。

なお、シャドウラビリスとしての自我が出ている時のクマ総統は目の色がシャドウと同じ金色になっている。


その後ルートによって明かすタイミングに多少ずれがあるものの、概ね放送室まで辿り着いたプレイヤーとラビリスの前にクマ総統の姿で現れ、そこから本当の姿を現す流れで、自身の正体を鳴上達、そしてラビリスへと見せつけている。


ラビリスと瓜二つの顔、しかし見てからに分かる機械の身体と、羽を兼ねた巨大な斧を持ち、金色の瞳で不敵に笑うシャドウラビリス。

彼女が正体を明かしたことで、シャドウが自分の姿や周りの認識を阻害・改変できた根本の力はラビリスが持っているという事実が明らかとなり、ラビリス本人の身体も本来の機械の身体へ戻ってしまう。

彼女は常に孤独だった過去を語り、兵器である自分達の気持ちは人間には理解できないと断じる。必死に否定し続けるラビリスだったが、容赦なく現実を突き付け嘲笑うシャドウ。

そして遂に、ラビリスは言い放ってしまう。


「あんたは…ウチなんかやない!!」


「フフ…アハハハ! とうとう…とうとう言ってくれたね…!!これで、私は、私よぉぉぉッ!」


本来の人格に否定されたシャドウは「個」を確立し暴走する。それがシャドウの目的であり、本人に否定されることで本物に成り代わる。

彼女も例外ではなかったが、自分とは別の猛牛型の強大なシャドウ・アステリオスを呼び出すという形での暴走となった。


圧倒的なパワーで蹂躙してくるシャドウラビリスを何とか倒し、沈静化させた鳴上達は、各々の言葉でラビリスを励まし、ラビリスもまた自分のために戦ってくれた彼らの言葉、そして仲間が紡いだ今の姿を見て、己と向き合う覚悟を決める。


シャドウの言動はかなり乱暴かつ我儘なものだが、裏を返せばそれだけラビリスが背負う過去の重さ、辛さ、苦しさが大きかったことを表す。それらから逃げ、蓋をし、見ないふりをしたラビリスはある意味「シャドウ=過去の自分を切り離して一人ぼっちにさせていた」のかもしれない。

だが今のラビリスには、かつて自分と同じように己の影に苦しみ、それでも乗り越えて受け入れ、ペルソナという形で己の一部とした仲間達がいる。自分が機械だろうと関係なく接してくれて、自分の苦しみを分かち合ってくれる者がそばにいる。

今のラビリスは一人ではない。それは、きっと彼女も同じだ。

そうして2人は、本当の意味で自分自身と向き合う。


「ごめんな、ずっと見んフリしとって。ウチがあんたをひとりぼっちにしとった…」


「…………」


「……ううん。やっぱりあんたは、ウチなんやね。」


優しく抱き寄せられ、受け入れられたシャドウは、眩い光とともに、ペルソナ・アリアドネに変化。

ラビリスへと還っていくのだった。


その後、黒幕の真意が判明。

ラビリスと彼女の過去(つまりシャドウ)を利用し、鳴上達を同士討ちさせることで心に揺らぎを発生させ各々のペルソナをシャドウに戻し自分の力にしようとしたのが真相であった。その際ラビリスに八十神高校や鳴上達の姿の記憶を入れたことでシャドウに利用させている根回しまで行っている。

しかし今回は黒幕に逃げられる形で事件は一時収束した。


過去を受け入れ、現実を見て、未来を進むことを決めたラビリスは、美鶴達シャドウワーカーに保護されその一員になることを決意した。


こうして彼女は消滅したかに思われたが……


プレイアブルキャラクターとして編集

「背中のデッカい斧の使い方、しっかり見ときなぁぁ!あははははははは!」


ペルソナは前述の通りアステリオス。属性はラビリスのアリアドネ同様に「運命」。

アックスによる高威力攻撃や、ストーリー中でも何度か使っているチェーンナックルなど、一部の技はラビリスと同様。

しかし最大の特徴として常にペルソナを伴っている点が、ラビリス及び他のキャラとの決定的な違いを兼ねて存在する。

今作のペルソナは体力を持っており、各々設定されているゲージが尽きると「ペルソナブレイク」となりしばらく使えなくなるのだが、彼女のアステリオスは上記の性質と前述の通り、ちゃんと扱わないと紙装甲な彼女の代わりにボコボコにされて勝手に沈む。かわいそう。しかもその割に結構デカい。

その分、ペルソナの能力を常にフルで活かせるため、ラビリスと同等以上の超パワーで蹂躙することが可能で、アステリオスで掴んだ相手を叩き斬ったり、コンボのトドメにアステリオスを使ったり、時には挟み撃ちにしたりと、連携して確実に仕留める「同時操作キャラ」としての性能を得ている。そもそものアステリオスの攻撃範囲も広い。


弱点はやはりアステリオスがやられやすいためにペルソナブレイクに陥りやすい点と、ラビリスと違いアックスレベルが無いために、アステリオス抜きでは途端にダメージが出しにくくなる点。

いかにしてそのパワーを維持し畳み掛け続けられるかが肝となる。



心の裏の象徴編集

「あははははッ!

絆ぁ?心ですってぇ?相変わらず甘っちょろい台詞よねぇ。」

続編のP4U2でも登場。

ストーリーの出番こそ「P3ルート」のみ、しかも終盤と少ないものの、皆月の持つ対シャドウ特別制圧兵装制御コントローラーによって制御を奪われたラビリスに取って代わる形で一時的に復活、自力で制御権を奪い返した。

なんとラビリスは膨大なバックアップデータを保持するために記憶野が2つ設けられており(曰く「呪いの小箱」)、その2つ目の中に人格が残ってしまったという。単にラビリスが心配で残ってたんじゃねとか言わない。

一応、シャドウとペルソナは表裏一体で、一定条件でどちらにでも変わるため、残っていてもギリギリ不思議ではないが、彼女の場合は「ラビリスとアリアドネ」の関係と「シャドウとアステリオス」の関係が並列しているような状態になっている模様(アリアドネはシャドウ曰く「あんなピラッピラしたダッル〜いので、私の相棒が務まるかよ!」とのこと。それあんたが変化したやつやん……)。

用意周到に鳴上達を陥れ、ラビリスを利用して前作の事件を起こした皆月でも、一度シャドウの消滅を(外部から)見ていた事もあって流石にこの事態は想定外だったために激しく憤るが、そんな彼をシャドウはすごくイイ笑顔で一蹴し言い放つ。


「あはははははっ!テメー目障りなんだよ、このクソガキ!なにが命令だ、聞く訳ねーだろーがぁ!」


よくぞ言ってくれました。


なお、事情を知らないゆかり達には困惑され、鳴上達も動揺し、ボロカスにクソガキ呼ばわりされた皆月も困惑と怒りと意味不明さに激昂していた。


その後は久々に全開にした破壊衝動でひと暴れし皆月を撃破。コントローラーをぶっ壊した後、その勢いでトドメまで刺そうとしたので流石に鳴上達に止められた。そのやりとりを見てどうやら白けてしまったらしく、あっさりと意識を表の自分に返還した。

その際彼女は相変わらずの言動だったものの、アステリオスをペルソナとして使用し、元々彼女が出る原因だった皆月のコントローラーをちゃっかり破壊、逆に味方側には一切被害を与えなかった結果、なんだかんだラビリスやその仲間達を窮地から助け出したので、ここに来てツンデレ属性が追加されることになった。やっぱりラビリスが心配なんじゃね?


「アンタ、ほんまは…」


「……。」


「ウチの事…助けてくれたんやね。ありがとう…」


「うるせえな!早く代われっつーのよ!」


そのやり取りはある意味、姉妹のようである。

実は戦闘の前に「アタシはもうただのシャドウじゃない」とも言っており、前作の出来事を経て、何か心境の変化があったのかもしれない。自分という守るべきものができたからか、それとも「ひとりぼっち」ではなくなったからだろうか。


なおラビリスに身体を返す際、彼女にだけ分かるある言葉を残しており……



うん──大丈夫、私はあなた、あなたは私だ。私が感じた事は、あなたもちゃんと、覚えているんだよね…



ラビリスの偽物編集

「復讐…それしかないやろ?」

「脆いなぁ…もう壊れてしまったん? もう少し遊んでいってや!あははは!」


『P4U2』では黒幕の手により、参戦メンバーの能力やペルソナまで再現した、シャドウを応用した偽物個体が存在する(格ゲーとしては「シャドウバージョン」として分けられており、オリジナルと性能が異なる。詳しくはP4U2の記事を参照)。


紛らわしいことに、シャドウラビリスとは別にこのニセラビリスも存在しており、こちらは2人を足して2で割ったような性格(笑い方はシャドウだが関西弁のまま)になっている。

また2人よりもさらに兵器としての側面が強まっており、対戦時にはこちらのキャラクターを分析した発言をする。

ストーリー中は残念ながらラビリス本人とは対峙しなかったが、アイギスと戦闘。度重なる戦いで疲労が溜まっていたため窮地に陥るアイギスだったが、隠し玉である新たなオルギアモードを発現させどうにか撃退している。


なお、関西弁以外でのシャビリスとの違いとして、声をよく聞くと若干高い(というよりはシャビリスがラビリスよりドスが効いて少し低いので、本来の声に近いと言ったほうが良いかもしれない)。

……立ち絵や笑い方はほぼ一緒になってしまっているが。


「ウチの手で…必ず壊したる…!」

「これ、ウチのシャドウちゃうの…!?」


余談編集

エリザベスにスルーされて「こっち見ろ!!」と怒ったり、一部のセリフで「バイバーイ☆」「アタシが一番強いんだーっ!」等々可愛げのある発言をしたり、P4U2でのツンデレだったりで、一部では萌えキャラ扱いされている。なんなら出るたびにボコボコにされるアステリオスにも何かを感じるプレイヤーがいる様子。

ラビリスに「ラビにゃん」なるあだ名があるように、誰が呼んだか「シャビリス」「シャビちゃん」なるあだ名も存在している。


ちなみにアーケードモードで彼女をクリアするとなんだか愛が重そうなセリフが聞けたり、勝利ポーズのうちの1つがどことなくセクシーだったり、そう言った意味でも裏返しになっているのかもしれない。


関連イラスト編集

シャドラビ

シャドウラビリスたん

シャドウラビリス


関連タグ編集

P4U P4U2

ラビリス(P4U) シャドウ(ペルソナ)


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