!!!警告!!!この記事は物語終盤のネタバレが書かれています。
>それでもいいですか?
- はい
- いいえ
「くだらねぇ!くだらねぇなぁッ!正義だの、仲間だの!目障りなんだよ………!どいつもこいつもぉ!!!」
モルガナ「二つの力を使い分けるだと!?なんて奴だ……姿さえ嘘だったってのか!?」
「ぶっ壊してやるよ……壊れちまえよ……俺と一緒にさぁ!!!!」
竜司「野郎、テメェを暴走させやがった!」
「さぁ!仲間の目の前で、一人一人死んでいけよぉ!!死ねェェぇぇぇぇ!!!!」
【大衆の歪みを煽る者】
真相
「もう一人のトリックスター」とは、一連の精神暴走および廃人化による殺人・傷害事件の実行犯、明智吾郎を指す言葉。(「もう一人のトリックスター」と世間では言われがちだが、作中において「トリックスター」と呼ばれる者は主人公のみで、本当は「大衆の歪みを煽る者」)
前作の実行犯同様、主人公たちに接近した際に不用意な発言をしたことがきっかけで疑われるようになり、双葉によるスマホのハッキングで敵であることが判明した。
探偵として警察からも一目置かれる存在感だったが、これは「自分が起こした事件に関しての推理をしていたから」というのが真相。
もっとも、素の学力や知能が相当高いのはカジノの件をはじめ本編の随所から明らかで、そんな小細工をしなくても真の探偵として名声を得ることは可能だったかもしれないが。
正体
彼の正体は、父・獅童正義とその愛人だった母との間に生まれた子供である。
望まれぬ子だった明智は、母ともども獅童に捨てられ、その母も早くに亡くし、孤児として施設で育つことになった。
憎き父と世間を見返すために努力し、頭脳明晰で人受けの良い優等生としての立場を確立した。
能力獲得
本編開始の数年前、おそらくは中学生だっただろう頃にペルソナ能力とパレスと現実を行き来する力を手に入れた。
複数のペルソナを使い分けられる稀少な「ワイルド」の使い手であると同時に、固有ペルソナである「ロキ」の特殊能力という形で「対象の精神を強制的に暴走させる」という恐るべき力まで持ち合わせた。
本編開始の二年半前にこれらの力を、父である獅童に自身の正体を隠したまま売り込んで「有能な手下」として取り入ると同時に、世間には探偵として自作自演の活躍を披露し頭角を現していった。以後、表向きは名探偵を演じながら、裏では獅童の野望の邪魔になる存在を言われるがままに殺害する腹心として暗躍した。
しかしその真の目的は、自分と母を捨てた獅童への復讐だった。従順なフリをして獅童の懐に入り込み、獅童が野望を達成した頃に自分が実の息子であることを明かし、憎き父を絶望に突き落とすつもりであった。
怪盗団との出会い、対立
そんな中、ふとしたきっかけで主人公と出逢い、交流を持つようになった。
世間にはメディアを通じて怪盗団批判を発信しつつ、怪盗団の面々にはその正体を知りながら何食わぬ顔で接して泳がせることで、事態を自身の思うようにコントロールしようと企んだ。
そして、ニイジマパレスにてジョーカーを追い詰めつつ獅童への復讐を遂げるための謀略を画策し実行に移そうとした。
しかし自身の計画を過信した明智は、ジョーカーの生還トリックに逆に嵌められたことを見抜けず「自身の計画は成功し、ジョーカー=主人公は死んだ」と思い込まされてしまった。
順調に選挙戦を進める獅童に付き従うフリをしつつ復讐の最終計画を立てていたが、獅童からある日唐突に「私が選挙に当選する前に(不都合な真実を知る)関係者達を全員始末しろ」という無理のある命令が下る。
この唐突な変化を訝しんだ明智は心の怪盗団が獅童のパレスに侵入していることに感づき、彼らを追う形でパレスに潜入する。
決着
パレスで5人のVIPと戦い消耗した怪盗団の前に現れ、ペルソナ「ロキ」の暴走能力で強化したシャドウ(クー・フーリンとケルベロス)をけしかけ、さらに疲弊したところに自らトドメを刺す…という周到なやり口で彼らの全滅を狙う(ここで明智がどうやって精神暴走事件を起こしたのかが明らかになる。また、この時主人公を積極的に狙う行動をとっていることから、主人公との決着にこだわっていることも明かされる)。
しかし怪盗団を崩すことはできず、自分で自分を暴走させる(この時に真犯人の象徴である黒い仮面姿を現す)という奥の手を用いるが、それでもなお力及ばず、返り討ちに遭い敗北を喫する。
自分を憎み殺しに来ると思っていた怪盗団が惨めな自分に憐れみの目を向け、あろうことか手を差し伸べてくることに動揺。怪盗団に投降するかと思われた矢先、獅童の認知上の明智が乱入し、本物の明智に銃口を向ける。
認知上の明智は、獅童が明智を実子かもしれないと気づきながらもただの殺人人形兼使い捨ての駒としか見ておらず、仮に明智が獅童のパレスに干渉しようとしたら認知上の明智を使って消すつもりだったことを明かしつつ、明智が今まで父親に従い殺人をしてきた本当の動機は「父親から愛されたい、認められたい」という欲求からなのではと指摘する。
自分が本当に求めていたものと、それが手に入らなかったという厳しい現実を突きつけられた明智は、認知上の自分が連れてきたシャドウと自分との戦闘で息が上がっている怪盗団を見て、とっさに認知上の自分を撃ち、更に水密隔壁のスイッチを作動させ怪盗団を壁の向こうへ閉じ込め、自身と認知上の明智から隔離する。
そして隔壁越しに「父を改心させてほしい」と訴え、銃声と共に消息を絶った。
ナビが「反応が消えた」と発言している為、認知上の自分と相討ちになって死亡したものと見られている。
主人公との関係
出会った当初は一見穏やかに接しているようであったが、交流を重ねるうちにその内心にはどす黒いものが渦巻いていった。
同じワイルドの能力を持つはみ出し者でありながら仲間に囲まれ愛されている『特別』な主人公と、『望まれない子』として生まれ孤独に苛まれた自分との落差に、激しい劣等感を抱えていたのだった。
後に本性を現した後は主人公を「前歴持ちで屋根裏に住んでるゴミ」などと罵ったり、戦闘時にも主人公ばかりに執拗に攻撃を仕掛けてきたりなど、激しい感情をむき出しにした。
…しかし、そうかと思えば「数年前に出会いたかった」と発言したり、モルガナからの「主人公のことを気に入っていたんだろう?」との指摘に否定しなかったりと、主人公に対しては単なる憎悪でもない、憧憬とも嫉妬ともつかない、複雑な感情を抱いていたようだ。
所持ペルソナ
表向きに使用していたロビンフッドは別に所持していた、彼の本性たるペルソナ。
詳細は該当記事で。
一度に複数のペルソナを所持していることから、彼もまたワイルドの力を持つペルソナ使いであると思われるが、なぜペルソナが2体のみなのかに関してナビは「人生ソロプレイだったから、目覚めた力は自前の『嘘』(ロビンフッド)と『恨み』(ロキ)のたった2個だけ」と推測している。
なお、登場順が他の怪盗団のペルソナ進化の法則(義賊→神話のトリックスター)に則っているが、ロキがロビンフッドの進化体かは不明。
表のモチーフが義賊の代表格であるのに対して、裏のモチーフがトリックスターの代表格であるのは作中での彼の行動を端的に表していると言える。
そして彼が「大衆の歪みを煽る者」となった由縁は……。
謎
明智が獅童の息子であると判明し、獅童のシャドウからも「母親の面影があるので、息子だろうと思っていた」という発言が出た明智であるが、その出自から「『明智吾郎』の名は偽名なのではないか?」との意見がある。これについては作中でも何も触れられていない(そもそも母親の姓が謎のままである)。
作中では怪盗団の言動などから最終的に死亡した扱いになっているが、ナビは「反応が消えた」としか発言しておらず、実はその生死は曖昧なままである。
ネットでは救済・生存ルートを望む声も多い。反応が消えたといっても「(主人公達も使う脱出用の)カエレール的な物を使って生きているのでは?」という声もある一方で「明智の性格上逃げることは考えられないため、たとえ死ぬことになったとしても認知上の自分と刺し違える」という声もある。
ベルベットルームの住人も明智について触れてはいるが、明智が住人と出会っていたのかは定かではない。
真の黒幕が語る「ゲーム」の内容を考えるに、明智のペルソナ覚醒が真の黒幕による「仕込み」である可能性は高そうだが……。
アルカナについて
彼に対応するアルカナは「正義」であったのだが、実際の作中での彼がやってきた事は「正義の味方」の名声を傘に着た悪行三昧であった。
とはいえペルソナ「ロビンフッド」のデザインがアメコミヒーロー風(わかりやすくいえばコレ)だったり、コードネームが作中世界で人気のヒーローよろしく、鳥の名前であったり、武装がレーザーソードと光線銃というヒーローを連想させるものだったり(※1)と何かとヒーローに縁がある描写や怪盗団の在り方に法の観点から苦言を呈するなど「正義」担当らしさは随所に見られる。加えてこのアルカナ自体が彼の出生を表すヒントにもなっているのだが…。
また、マスクのデザインはとあるダークヒーローを思わせるデザインだが、そのライバルの名前がトリックスターの代表格と同じであるのは何とも奇妙なものである。
(※1)OVA『Proof of Justice』でもこの件に触れており、光線銃への思い入れや正義の味方への憧れがある(または憧れが"あった")かのような発言をする。ペルソナの名前が義賊の代表格であるのもその憧れ故だったのだろうか…。
完全版P5Rでは、前作の例から「ロキのペルソナを追加入手出来るだけなのでは?」と予想されていたが、追加ストーリーでまさかのプレイアブル化された。PVでもはっきりとその姿を見せ、発売前からネタバレに近い様相を見せていた。
本編クリア後のある地点に彼が突如として現れ、主人公に対してある取引を持ちかけ、怪盗団に再合流することになる。
詳細はこちらを参照。
余談
ノワールも明智と同じく黒い仮面を着用しているため、怪盗団と初対面の際に廃人化および精神暴走事件の黒幕と怪盗団のメンバーに勘違いされかけたが、横に当時家出していたモルガナが登場し、すぐに誤解が解けた。
関連タグ
パンケーキ:正体発覚の決め手になったキーワード
世の中クソだな:前作における一連の事件の中核にして、「主人公と対になる」ポジションと力を持つ存在。主人公ともアルカナ育成が発生するほどの交遊を持つ、事件解決の協力者になる、司法関係者である、表の顔と裏の顔、黒幕との関係性、挫折とコンプレックスと屈折…などなど、明智との共通点は非常に多い。
須藤竜也:裏で悪事を行ってる政治家の父等の共通点がある。
明智光秀:同じ姓を持つ裏切りで有名な武将。ペルソナ5には日本史上の有名人と名字が同じ登場人物が多く、明智の姓は明智小五郎だけでなくこちらにも由来する可能性がある。
天田乾:同じく「正義」担当。経歴に共通点が見られるが、関係性は不明。