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ネタとしての概要

そも機動戦士ガンダムという作品は特撮ヒーロー物の延長線として作られていた既存のロボットアニメと打って変わって、敵が同じ地球人であり、戦争を描くという内容として作られたリアルロボットの走りといえる作品である。

ここからもしもガンダムがそれまでのスーパーロボットアニメとして作られていたら?というネタが生まれ、その悪役として地球侵略を企む悪のジオン星人といった感じの概念が生まれた。

しかしながらズムシティ公王庁や一部水泳部等、スーパーロボット物の悪役のそれにしか見えない物があるのもまた事実。

これは当たり前の話だがそもそもガンダムの制作が始まった頃にリアルロボットアニメの概念はなく、それまで培ったロボットアニメのノウハウで制作していくしかなかったからであり、主役機のガンダムにしてもヒーローらしいトリコロールカラーや鈍器に代表されるようなスーパー系のような一部武器など、その点が見て取れる。

罵倒としての概要

上記の通り戦争、つまり本来はジオンも連邦も両方正しく、両方悪いという前提でガンダムは作られている…はずだった。

しかし、当時ジオンは旧日本軍をモチーフの一つとしていた事もあってか人気が高く、彼等が敗者として散りゆく様を同情する者が増えていった結果、次第に「『敗者』であるジオンを擁護して『勝者』である連邦を批判する風潮」が、視聴者のみでなく公式側でも強くなっていく様になる。

最もジオンが賛美されていた時期となる20世紀の末期では、ジオンを美化させた描写の目立つOVA作品『機動戦士ガンダム0083』が製作され、アナベル・ガトーの所属するデラーズ・フリートが「忠義に厚い軍人」、「憂国の士」、「かっこよくて渋い男達」といったイメージで語られていた。更にこれに影響してか、ジオンが「勝者」となる為のIFストーリーの描かれるゲーム『ギレンの野望シリーズ』も展開され、21世紀においても連邦を悪役として一層誇張させたOVA作品『機動戦士ガンダム MS IGLOO』も製作されている。

以上の様に、宇宙世紀…特に一年戦争関係のシリーズではひたすらジオン側が美化される傾向があった。

だが時が進むにつれ、戦争に反対したコロニーに毒ガスを注入した「コロニー潰し」や度重なる南極条約違反といったテレビシリーズでは描かれなかったジオン側の悪行について語られている外伝作が増えて様々な後付け設定が付け加えられた事やファン層の世代交代、そして価値観の変化によりそのイメージに疑問を唱える声が増えた結果

ジオンのやってる事は悪の侵略者と大差が無い!!

と評価がひっくり返る事となり、この「ジオン星人」という言葉が罵倒として投げつけられる事になった。

特に漫画『機動戦士ガンダムサンダーボルト』では、「コロニー落としでの被害なんて軽微なモノ」「オーストラリア大陸の16%は消失したけど他は衝撃波と津波が太平洋沿岸を襲っただけ」「温暖化は一時的に進んで極地の氷は溶けたけど海抜上昇はわずか10m」と評するそれがどんな被害なのか分かっていないドン引き発言をするジオン残党が描写された事(地球温暖化関係のシミュレーターによると、海面が10mも上昇すれば日本から砂浜が消滅し日本の地形自体も変わるとの事)もあり、割と本気で「ジオン星人は人間じゃないからさっさと殲滅すべき」とする者も多数現れた(その果てはガンダムでも屈指の地獄である例の世界だろうに)

主にTwitterでよく用いられ、汚えジオン星人のいるサイド3を滅ぼそうぜ!といった具合に使われている。

そして言うまでもないがこの用途で使われる場合悪口以外の何でもなく下手な多様はトラブルの元になりかねないので注意が必要。

余談

実は企画の段階ではジオン軍は異星人の軍隊とする案があり、一部資料に顔が緑色に塗られたデギン・ソド・ザビ等が描かれている。

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